My Inspire High Award 2024「Yakushima Islandってなんか変じゃない?」.pdf
20120611レジュメ
1. 2012 年 6 月 11 日
ICB 第一回『知の磁場・読書を通じ国際的レベルの教養を身につける』勉強会
課題図書:増田悦佐「日本と世界を動かす物凄いこと」マガジンハウス
=図書選定理由=
o 第一回でもあるので募集者の方の目に付きやすい題名であること
o 議論が起き易そうな内容であること。(過激な意見の書籍になり申しわけありません)
o 読みやすく入手しやすいこと。(Amazon の中古品では 2 円;6/9 調査・送料別)
=内容について=
【第1章】 欧米社会と日本社会の対比
o 海外の権威に対し弱い日本の知的エリート。欧米神話からの脱却。
o 欧米はエリート支配社会。日本はエリートが無能だから一般大衆が頑張る。→良い結果に
o 過去の栄光(植民地支配)の残滓から、収入以上の生活を享受→経常収支赤字国。
≪論点≫
・欧米に対する日本社会への見方の是非
・果たして、日本の一般大衆の勤勉性はこのまま維持できるのか
・貿易赤字+サービス収支赤字を所得収支の黒字で経常収支を保っている日本の将来
【第2章】 エネルギー・環境問題
o 風力・太陽光などの自然エネルギーは当てにはならない
o 地球温暖化は嘘
o 最貧国にしわ寄せを与えるバイオエタノール
o 地球温暖化で利益を得ているのは石油(天然ガス)業界
≪論点≫
・自然エネルギーについて
・地球温暖化問題について
・エネルギー問題全般について
【第3章】 アメリカ経済
o アメリカ経済のターニングポイントは 1979 年(第二次オイルショック):長期的衰退期
⇒デフレ→インフレ(インフレは民間から債務超過の公的部門への富の移転を生み出す)
⇒富の集中(格差是正→貧富の差拡大)→公務員でさえ連邦政府と地方では格差
⇒金融機関のプレゼンス拡大(利益の集中)
o 経済が健全な時代はアメリカも終身雇用
o 実態のない株価ブームは経済を蝕む:ドットコムバブル
o 大きくてつぶさない→AIG 救済は COD の利益保証
o サブプライムローンの証券化:いかさま商品
o 円高が悪く円安が良いは問題
o アメリカの公的債務の GDP 比率は 1000%レベル(日本円にして 1 京円?)
o デフォルトの危機は地方州政府から。→ドル暴落(1 ドル 45 円?)
2. o デフレは生産縮小につながらない以外は、弊害はない(1930 年代の大不況が例外)
o アメリカの花形商品(iPhone/iPad)以外は製造業はくたびれている
o 一世代は回復しないであろう住宅市場
≪論点≫
・人口増加の続くアメリカ経済の実態は日本や EU と比べてどうか?
・アメリカの金融政策について
・ドル暴落はあるか?→基軸通貨は変わるのか?
・円高の是非
【第4章】 EU 経済
o 民間(企業)より国家が信用度が低い異常事態
o 高い電力コストから競争力低下が懸念されるドイツ産業界
o 早くギリシアはデフォルトでけりをつけるべき(身分不相応の生活をやめる)
o ドイツ経済はユーロ安の最大の受益者
o 共通通貨は国家破たんの引き金(共通金利政策の縛り・貿易赤字でも通貨切り下げが出来ない)
o ヨーロッパ人は実のないものをさも実があるように見せる(自己 PR)達人
⇒選民思想:努力しないで贅沢をする事だけに集中
(植民地支配による金利生活の影響:植民地支配の少なかったドイツを除く)
o ユーロ圏が出来てからも EU の経済的地位は低下(1969 年 36%→直近 26-27%)
o10-12 歳で一生が決まる格差社会→先端技術に対応できない教育システム
oEU も車社会→日本は公共交通(鉄道)依存度が高い→日本の社会システムの高いエネルギー効率
≪論点≫
・日本の電力コスト上昇で産業競争力は維持できるか?
・EU 債務危機問題・ユーロの行方(ユーロ解体?)
・日本の教育システムは大丈夫か?
・あるべき社会システムとは
【第5章】 中国経済
o 中国:「世界の工場」から「世界の財布」へ→「世界の工場」から転落?(技術開発軽視?)
o 世界の資源独占→「大中華圏」構成?
o 共産党と資本主義の結び付き→「縁故資本主義」
≪論点≫
・中国経済の行方は?
・東アジアに経済の中心が移る?→日本の立ち位置は?
【第6章】 日本経済(デフレ・円高の是非)
o資源がないから技術開発に成功する日本→技術伝播速度が強み→非エリートが頑張るから
oデフレ経済は国民の実質所得が増大する限り国民に有益
oインフレで得するのは大企業と国家(負債部門)
o輸出依存度の低い日本経済・国内の過当競争が企業を強くする(低い収益率)
≪ 参考≫反対の見方の代表
藤巻健史『なぜ日本は破綻寸前なのに円高なのか』幻冬舎
2012 年に日本国債・円・株価が大暴落 担当:早坂 房次