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• グロービス経営大学院の教員である山中礼二が、Samurai Startup IslandでVCファンディングについてセ
ミナーを行った時の資料を、一部改編したものです。
• スライドシェア目的に作成した資料ではありませんので、プレゼン資料だけ見ても分からない箇所があるか
もしれません。予めお許し下さい。
• 80分間で行ったセミナーであり、この中でカバーされていない重要な論点も多々あることを、ご容赦くださ
い。
• この資料に書いてある意見は、一教員としての私の個人的な意見です。VCファンディングについて語って
はいますが、グロービス、特にグロービス・キャピタル・パートナーズの公式的な意見ではありません。
3. 自己紹介
• 一橋大学経済学部卒
• キヤノン株式会社
• グロービス・キャピタル・パートナーズ
(途中休職、Harvard Business School留学。経営学修士)
• 株式会社ヘルス・ソリューション(COO)
• 株式会社エス・エム・エス (事業開発)
• グロービス経営大学院
6. VCとは
• VCとは
• VCファンディングとは
• 知っておくべき基礎知識
• いくら調達すべきか
• どのVCから調達すべきか
• 株価 / Valuationをどう設定すべきか
• その他の契約条件はどう設計すべきか
• VCとのコミュニケーションの取り方
• さらに深くVCファンディングのことを理解するためには
12. VCファンディングとは
• VCとは
• VCファンディングとは
• 知っておくべき基礎知識
• いくら調達すべきか
• どのVCから調達すべきか
• 株価 / Valuationをどう設定すべきか
• その他の契約条件はどう設計すべきか
• VCとのコミュニケーションの取り方
• さらに深くVCファンディングのことを理解するためには
14. 基礎知識
• VCとは
• VCファンディングとは
• 知っておくべき基礎知識
• いくら調達すべきか
• どのVCから調達すべきか
• 株価 / Valuationをどう設定すべきか
• その他の契約条件はどう設計すべきか
• VCとのコミュニケーションの取り方
• さらに深くVCファンディングのことを理解するためには
22. 調達額
• VCとは
• VCファンディングとは
• 知っておくべき基礎知識
• いくら調達すべきか
• どのVCから調達すべきか
• 株価 / Valuationをどう設定すべきか
• その他の契約条件はどう設計すべきか
• VCとのコミュニケーションの取り方
• さらに深くVCファンディングのことを理解するためには
24. (参考)資本政策の例
創業期
創業者(常勤) 5,000 5,000 80% 5,000 67% 5,000 56% 5,000 48% 5,000 40%
友人・知人 1,250 20% 1,250 17% 1,250 14% 1,250 12% 1,250 10%
Seed-accelerator 1,250 17% 1,250 14% 1,250 12% 1,250 10%
VC 1 1,500 17% 1,500 14% 1,500 12%
VC 2 1,500 14% 1,500 12%
一般株主(上場後) 2,000 16%
総計 5,000 6,250 7,500 9,000 10,500 12,500
株価(円) 1,000 4,000 8,000 40,000 80,000 400,000
Pre-money Value (百万円) 20 50 300 720 4200
調達総額 (百万円) 5 5 10 60 120 800
Post-money Value(百万円) 5 25 60 360 840 5000
友人・知人 Seed-Accelerator Series-A Series-B 株式公開
下記のケースでは、約200百万円のエクイティ・ファイナンスを行いながら、
経営陣+友人・知人で50%のシェアを保っています。
(注)
Pre-money Value: そのラウンドにおける株価に、前回までに発行済の株式総数をかけたもの
Post-money Value: そのラウンドにおける株価に、そのラウンド終了後の発行済株式数をかけたもの
29. どのVCから調達するか
• VCとは
• VCファンディングとは
• 知っておくべき基礎知識
• いくら調達すべきか
• どのVCから調達すべきか
• 株価 / Valuationをどう設定すべきか
• その他の契約条件はどう設計すべきか
• VCとのコミュニケーションの取り方
• さらに深くVCファンディングのことを理解するためには
32. 株価 / Valuationをどう設定すべきか
• VCとは
• VCファンディングとは
• 知っておくべき基礎知識
• いくら調達すべきか
• どのVCから調達すべきか
• 株価 / Valuationをどう設定すべきか
• その他の契約条件はどう設計すべきか
• VCとのコミュニケーションの取り方
• さらに深くVCファンディングのことを理解するためには
34. (参考):IRR(内部収益率)とは
-34-
投資額 (X) 売却総額 (Y)
複利ベースの利子率 = r とすると…
Y = X x (1+r)
y
∴(1+r) = Y / X
y
∴(1+r) = (Y / X)^ (1/y)
∴r = (Y / X)^ (1/y) - 1 これが、IRRの計算式
年率10%の複利利子率で預金が増えるとIRR10%のリターンをもたらす
y年
36. VC-Method Valuation (全体像)
Pre / Post-money(所与)
→ 投資時の持分比率(シェア)を計算
→ Exit時のシェアを推定
36
下記の流れで、所与のPre/Post-money Valueが(投資家にとって)妥当かどうかを
検証するのが、”VC-Method Valuation”です。
• Exit時の利益(所与) (A)
• 比較類似企業のPER (B)
→ Exit時の時価総額 (A x B)
Exit時の持分価値を計算(時価総額 x シェア)
IRR(内部収益率)の計算
期待する収益率を上回っているかの確認
37. VC Method (Step-1):業績の予測
2011 2012 2013 2014 2015 2016
売上 0 20 100 400 1,000 2,300
当期利益 (100) (200) 0 10 100 300
37
事業が立ち上がり、投資家がExitするタイミングの業績を予測します
IPOできる規模
38. VC Method (Step-2):PERの予測
• 同業種、または同様のビジネスモデルの公開企業を選び、
時価総額 ÷利益を計算して、PERを算出する
• 極端な数字は除外して、平均値または中央値を取る
• 市場平均に対して、あまりに高いPERになっていないか
確認する
(現状、ネットサービス系ベンチャーなら、15~30のレンジに収めるのが妥当)
Exit時の時価総額を予測するために、PERを予測します
40. Step 4: Exit時の投資家持分比率の推定
1. 投資時の投資額とPost-money Valuation(どちらも所与の数字)から、投資家の
持分比率を計算
2. IPOまでの持分比率低下(「希薄化」)を考慮に入れて、Exit時の投資家の持分比
率を計算
● もし将来的に、さらに20%の株式を将来の投資家に割り当てる可能性がある
としたら…投資家の現在の持分比率に(1- 0.2)をかける必要がある。(予測で
きない場合には、ざっくりと「増資をするたびに20%」と想定する)
● IPO時には、通常15%ほどの株式が新規発行される。この分も、将来的な持
分比率低下ファクターとして見込んでおく必要がある。
42. VC-Methodの全体像(再確認)
Pre / Post-money(所与)
→ 投資時のシェアを計算
→ Exit時のシェアを推定
42
所与のPre / Post-moneyの妥当性を検証することも可能です。
• Exit時の利益(所与) (A)
• 比較類似企業のPER (B)
→ Exit時の時価総額 (A x B)
Exit時の持分価値を計算(時価総額 x シェア)
IRR(内部収益率)の計算
期待する収益率を上回っているかの確認
44. リターンの計算
投資タイミング Sep-14
Pre-money 1,000 百万円
投資額 100 百万円
Post-money 1,100 百万円
持分比率 9.1% (100 / 1100)
追加資金調達 20% (新規投資家持分)
IPO 15% (公募)
希薄化後比率 6.2% (9.1%x0.8x0.75)
Exitタイミング Aug-19
当期利益 500 百万円
業界平均PER 20
時価総額 10,000 百万円
VC持分リターン 618.2 百万円 (10,000 x 6.2%)
投資時 Exit時
Sep-14 Aug-19 IRR
-100 618 44.8%
<投資時>
<Dilution>
<Exit>
<XIRR関数を使って計算>
(注:VCやPEが株式を保有することに伴う「値崩れリスク」を考慮に入れ、Exit Valueに”VC Discount”を加える場合もある。
50. Rich vs. Kingの優先順位
論点 「金持ち」志向起業家 「王様」志向起業家
株価/Valuation
ストックオプション
清算時優先分配権
希薄化防止
優先配当
取締役会構成
拒否権
Drag Along Right
7
5
5
0
0
1
8
8
0
3
0
3
3
10
10
10
米国の典型的な起業家の重視する論点は、以下の通り
出典:“Rich-vs.-King” Approach to Term Sheet Negotiations Noam Wasserman et al. Harvard Business School 2010
54. VCにとってのチェックポイント
-54-
市場
• 十分な(質・量ともに) 未充足ニーズがあるか?
• 市場は立ち上がりつつあるか?(タイミング)
商品
サービス
• その商品・サービスは上記の未充足ニーズを満たすか?
• その商品・サービスは、拡大・規模化可能か?
競争
環境
• その商品・サービスは、競合他社のものとどう違うか?
• 持続的な競争優位を築けるか?
収益性
• Unit economics から見て、十分な利幅を取れそうか?
• 初期投資額と長期的なリターンのバランスは良好か?
投資者の
リターン
• 投資者は十分な大きさのリターンを取れるか?
経営陣 • 経営陣はこの事業を成功させられそうか?
58. 経営陣の評価(1/2)一般的スキル
-58-
惹きつける力(顧客・社員・投資家・パートナー)
● ビジョン・ミッションと「思い」の強さ
● 人間性の高さ
● にじみ出る「自信」の強さ←過去の成功体験
● コミュニケーション能力の高さ
考える力
● 戦略的思考
● 「右脳」的思考 (顧客ニーズなど)
● 柔軟な思考(過去の自分を疑う思考ができるか)
実行する/させる力
● 人を動かすスキル
» 「厳しさ」
» 動機付けのうまさ
● アクションの速さとラーニングの速さ
そして、チーム内の相互補完関係(Chemistry)
業界、産業分野に関わらず、下記の力を持っていれば、高い評価を得られる。
チェックポイント Due Diligence
• 経営者インタビュー
- 戦略ディスカッション
- 過去の成功体験
• 従業員インタビュー
• マネジメント・レファレンス
(過去の上司、部下などの
インタビュー)
60. 収益性の評価
-60-
Willingness to Pay (顧客価値)
Price (価格)
Cost(費用)
Profit
• 単位当たりの利益は上がりそうか
• 店舗当たりの損益分岐を超えそうか
• 商品当たりの粗利率はどれくらいか
• 顧客の生涯価値(LTV)は顧客獲得費用を
上回るか
Unit Economics
(単位当たりの
経済性)
長期的な
収益性
FCF
Negative CF
Positive CF
• 初期投資を上回って余りあるだけの
長期的収益が生まれるか
「収益性の高いビジネスか」を評価する
65. さらに深く理解するには
• VCとは
• VCファンディングとは
• 知っておくべき基礎知識
• いくら調達すべきか
• どのVCから調達すべきか
• 株価 / Valuationをどう設定すべきか
• その他の契約条件はどう設計すべきか
• VCとのコミュニケーションの取り方
• さらに深くVCファンディングのことを理解するためには
66. お勧めの情報源
書籍
Web
• 磯崎哲也「起業のファイナンス」
• ノーム・ワッサーマン「起業家はどこで選択を誤るのか」
• ジータアナンド「小さな命が呼ぶとき」
• ジェリー・カプラン「シリコンバレー・アドベンチャー―ザ・起業物語」
• http://www.find-job.net/startup/business-plan-of-nanapi
「nanapiの事業計画書」
• http://www.azx.co.jp/
AZX Professional GroupのWebサイト
• http://thestartup.jp/
THE STARTUP
• http://startupinnovators.jp/
Startup Innovators
68. (参考)2014年度VMPのプログラム概要
1日目(10月3日) 2日目(10月21 日) 3日目(10月30日)
12:00
~15:00
イントロ/起業家論
「ソフトバンク」
堀義人
ビジネスモデル構築と
マーケティング
「クックパッド」
加藤剛広
マネジメント・システム
「GDH」仮屋薗聡一
(12:00-14:00)
資金調達とIPO
「グリー」仮屋薗聡一
(14:10-16:10)
15:30
~18:30
組織開発と人材育成
「ライフネット生命」
井上陽介
(ゲスト:同社CEO 出口様)
グローバル展開
「マネックス」
岡島悦子
(ゲスト:同社代表 松本様)
経営理念とリーダーシップ
「吾人の任務」
堀義人
(16:20-18:30)
懇親会
18:30
~22:00
第1部:対談(サブテーマ:メディアとの関係構築、デット・ファイナンス、経営陣の処遇とマネジメント)
第2部:懇親会ネットワーキング
(敬称略)
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