裁判事例から学ぶ経営リスク１

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～不正競争防止法と退職者対応～
裁判事例に学ぶ
経営リスク 1

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裁判事例は非常に示唆に富んだ
経営の教科書とも言えます。

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本日の事例は、
退職者による顧客の引き抜きです。
この事例から見えてくる
経営リスクへの対処法とは・・・

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事件の関係者
T 社の元従業員で 44 年
間勤務（退職前の 1 年
間は嘱託契約）。
昭和 38 年～平成 19 年
まで T 社で C 地域の営
業を担当。
A （被告）
LP ガスの販売会社。
平成 18 年に S 社に買収
され、旧経営陣が退任。
T 社（原告）
LP ガスの販売会社。
T 社とは競争関係にあ
る。 A （退職後）とは、業
務委託契約（契約を獲る
ごとの報酬）を結ぶ。
N ガス社

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事件の概要１
A （被告）
T 社（原告）
平成 19 年
嘱託契約更新の際の
トラブルにより退職

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事件の概要２
A （被告）
A の担当先に
嘘の噂を流した
T 社はもう潰れました。
私が退職したので、
T 社は工事担当者が
もう誰もいない。 T 社は身売りをしたので
もうすぐなくなる。
T 社は、
もう営業していない。

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事件の概要３
T 社（原告）
顧客

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事件の概要３
T 社（原告）
顧客
N ガス社
A の話を聞いて、
70 世帯のうち
26 世帯が契約を切替

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事件の概要４
T 社（原告）
　①被告は、原告の顧客に対し、「原告は廃業した」
　　「原告は工事担当の職員がいない」旨を噂を流してはならない。
　②被告は、原告に対し、 315 万円及びこれに対する年５％の
　　割合の利息を支払え。
東京地方裁判所に、
A( 被告 ) を訴える。
請求内容

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争点
争点１
・競争関係の存否
・虚偽事実の告知の有無
争点２
・営業上の利益の侵害
争点３
・損害賠償

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争点
A （被告）
もう誰もいない。 etc
T 社（原告）
A の退職後も T 社には
ガス工事を担当する職員が在職していた。 etc

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争点
A （被告）
もう誰もいない。 etc
T 社（原告）
A の退職後も T 社には
ガス工事を担当する職員が在職していた。 etc
虚偽
「不正競争防止法」
に該当すると判断

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判決
①A は、 T 社の顧客に対し、虚偽の事実の噂を流しては
　ならない。
②A は、 T 社に対し、 36 万円及びこれに対する年５％の
　割合の利息を支払え。
判決内容

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あなたの会社は顧客との関係を
担当者任せにしていませんか。

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裁判には勝っても、
失った信用はなかなか
戻りません。
退職前後はもちろんのこと、
日頃からきちんとした
対応をとることが大切です。

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今回ような経営リスクを
予防するために、
次のチェックポイントを
もう一度見直してみましょう。

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経営リスク回避のための
従業員の
　顧客情報管理
顧客との
　コミュニケーション
従業員との
　コミュニケーション
チェックポイント

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対策１（退職前）
速やかな担当替え
担当替えの事情説明
担当顧客対応
Change!!

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対策１（退職前）
退職者対応
顧客情報の持ち出し禁止
担当顧客との接触禁止

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対策２（退職後）
新担当者による
サービスの向上
担当顧客対応

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担当顧客の
異変監視
担当顧客対応

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担当顧客の
異変監視
異変があれば
早急な対応が必要！
担当顧客対応

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関係法令（ご参考）
同法 2 条同法 2 条
不正競争防止法２条１項１４号、３条１項、４条
・この法律において「不正競争」とは、次に掲げるもの
をいう。
同法 2 条
1 項 14 号
同法 2 条
1 項 14 号
・競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽
の事実を告知し、又は流布する行為
同法 2 条
1 項
同法 2 条
1 項
・不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵
害されるおそれのある者は、その営業上の利益を侵
害する者又は侵害するおそれのある者に対し、その
侵害の停止又は予防を請求することができる。
同法 2 条
1 項
同法 2 条
1 項
・故意又は過失により不正競争を行って他人の営業
上の利益を侵害した者は、これによって生じた損害を
賠償する責めを任ずる。（以下省略）

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項目内容
事件番号平成 20 年 ( ワ ) 第 652 不
正競争行為等請求事件
裁判所東京地方裁判所
判決言渡日平成 21 年 3 月 27 日
原告 T 社（仮称）
被告個人 A

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坂上信一郎公認会計士・税理士事務所
（エスエス会計）
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【ご注意】
このスライドの内容はエスエス会計が
分かりやすくまとめたものです。
裁判事例を用いて、経営に潜むリスクを分
析し、その予防と発見といった対応策を検
討することを目的としており、個別事業を批
判・批評することは目的としておりません。

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