Kwansei(20100624)

第11回「インターネットの情報学
－システムはどのように
デザインされているのか（1）」
関西学院大学文学部
「総合B」

日時：2010年6月24日（木）
会場：関西学院大学西宮上ケ原キャンパス

岡本真（@arg）
関西学院大学文学部非常勤講師
アカデミック・リソース・ガイド株式会社
代表取締役／プロデューサー
1

Copyright アカデミック・リソース・ガイド株式会社 All Rights Reserved.

システムはどのように
デザインされているのか（1）

－Yahoo!知恵袋を題材に

2


質問1：
Yahoo!知恵袋を知っていますか？
1. はい 50% 50%
2. いいえ

30

え
い

い
は

い
3

質問2：
Yahoo!知恵袋を見たことはありますか？
1. はい 50% 50%
2. いいえ

30

え
い

い
は

い
4

質問3：
利用する際の行動を教えてください。
1. 質問だけする 25% 25% 25% 25%
2. 回答だけする
3. 質問も回答もする
30
4. 閲覧だけする

る

る

る
る
す

す

す
す
け

け

け
も
答
だ

だ

だ
回
問

答

覧
も
質

回

閲
問
質
5

参考：Yahoo!知恵袋

6


参考：
Yahoo!知恵袋における質問・回答例

関東の「関学」と言えば、関東学院大学だと思
うのですが
関西の「関学」と言えば、どこですか？

関西学院大学。
関東（かんとう）関西（かんさい）と言いま
すが、
関西学院は、かんせいがくいん(KWANSEI
GAKUIN)です。

7


参考：Yahoo!知恵袋の特徴
－最後発サービスからの逆転

出典：ネットレイティングス

8


Yahoo!知恵袋の企画意図

なぜYahoo!知恵袋は企画されたのか

9


Yahoo!知恵袋の企画意図#1
－検索エンジン間競争の切り札
 背景としての検索エンジン間のシェア争い

ネットレイティングス株式会社、日本の主要検索サービスの利用状況
（2010年4月、家庭と職場のPCからのアクセス） 10


－「関連性」＋「網羅性」の時代
 検索エンジン開発の限界
 ペイジランク的方式以降の停滞
 検索エンジンの評価指標
 RCFPT
Relevancy
 競争力点の変化 Comprehensiveness
 「関連性」の優位から Freshness
 ＋「網羅性」への変化 Presentation
Trust

11


－Q&Aという可能性の発見
 独自コンテンツの開拓へ
 様々なCGMの模索
 Q&Aという最適解の存在
 日常性の高いコンテンツ
 韓国におけるNaverの成功
 弱小サービスがNo.1に
 独自コンテンツの生成
 他者検索エンジンの排除
 ユーザー囲い込みの成功

12


Yahoo!知恵袋の基本構想

Yahoo!知恵袋はどのように構想されたのか
－「あらゆる疑問が解決！」する場に向けて

13


Yahoo!知恵袋の基本構想#1
－Yahoo!知恵袋のビジョン

あらゆる疑問を解決！
•Yahoo!知恵袋

Mastery for Service
•関西学院大学
14


Yahoo!知恵袋の基本構想#2-1
－最初の2つの問い

盛り上がるか
実は正反対な欲求

荒れないか

15


本日の課題

あなたがYahoo!知恵袋のプロデュースをするとし
た場合、
・盛り上がる
・荒れない
ためにどのような手立てを講じますか。
必ず、根拠を示した上で、あなたのアイデアをまと
めてください。

16



盛り上がるか

荒れないか

17


－質問の重視・尊重・推奨（回答に比しての）
一般的な理解 Yahoo!知恵袋の基本構想

質問回答

回答質問
18



盛り上がるか

荒れないか

19


－1度の双方向コミュニケーションの構想
掲示板の基本構造 Q&Aの基本構造

質問（者）
• 話題の提供
質問（者）
• 質問への反応
発言（者）回答（者）
• 発言への反応
発言（者）
回答（者）
20


参考：Yahoo!知恵袋の基本構想#5
－方向性・即時性・波及性の構想

• 質問者⇔回答者の双方向性
方向性 • ただし、1度きりのやりとり

• データの即時反映へのこだわり
即時性 • 瞬間的な疑問を集めるモバイル

• 基本的に公開のコミュニケーション
波及性 • 同時に積極的なデータ配信

21


Yahoo!知恵袋の設計思想

Yahoo!知恵袋はどのように設計されたのか

22


Yahoo!知恵袋の設計思想#1
－盛り上がりを生み出す仕組みの設計

1. 質問欲求を喚起する画面のデザイン
• 全画面に質問ボタン、トップページに質問ボックス

2. 質問意欲を助長するポイントの発行
• 質問＝貢献とみなすシステム設計

3. 質問躊躇を防止する類似質問の許容
• 「過去ログ」文化との決別と回避策の提示
23


Yahoo!知恵袋の設計思想#2
－荒れを防ぐ仕組みの設計

1. 質問・回答者間のコミュニケーション回数の制限
• 質問者は1回、回答は編集可能、1質問に1回答のみ

2. 優良回答意欲を助長するポイントの発行
• ベストアンサーへのポイントは通常回答へのポイントの倍

3. 運営による削除姿勢と段階的な利用制限
• 徹底的な削除とスリーアウト方式での利用制限

24


その他、重要な点

事前の •良回答＜回答有
調査という価値観

事後の •奉仕感での回答
調査という事実の確認
25


ご清聴に感謝、ご質問はお気軽に

岡本真
関西学院大学文学部非常勤講師
アカデミック・リソース・ガイド株式会社
代表取締役／プロデューサー
26


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