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2013年6月5日
「ソーシャル・リスク」
2013/6/5 高度情報化と社会生活 1
第9回
高度情報化と社会生活
 教養科目 水曜日 第3限目
 講師 藤野幸嗣 yuki@fujino.com
 講義資料のウェブのアドレス
http://www.fujino.com
 講義連絡用ツイッターアカウント
@fujinocom
 講義用のハッシュタグ
#kjoho
2013/6/5 高度情報化と社会生活 2
今週の課題
 今週の課題(締切は6月12日の講義開
始時間まで)
 ネットへの投稿の際に気をつけているこ
とがあれば。
 あるいは、とくに気をつけていないのな
らその理由などを。
 「気にしていない」とか、簡単なもので
もかまいません。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 3
今週のネットトピック
 ファミマが無料の無線LANを開始。
→講義でも扱った「無料の事例」
 利用規約に批判が集まる。
 Webの利用履歴データを利用者の許諾の
元に収集しているあたり。
 商売としてわからなくもないけれど、
ちょっと「さもしい」感じ。
 「せこさ」はイメージダウンにつながる。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 4
今週のネットトピック
2013/6/5 高度情報化と社会生活 5
カンニング竹山、
RTで広がる“美談”
は「デマです」
Twitterで明言
ネットのデマに注意
 「竹山さんが、亡くなった相方の遺族を
援助するためにコンビ名をまだ名乗って
いる」感動したらシェアしてください、
というデマ(悪意ある業者による捏造)
 血液が足りません、行方不明の人捜しな
ど拡散すると収拾がつかなくなる善意の
シェアにも注意しましょう。
→チェーンメールは転送しないのが鉄則。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 6
スマートフォンの対策
 パソコンと同様にウィルスや不正データ
の対策に加えて、ケータイと同様に紛失
や盗難、破壊の際の対策も必要。
 最近はスマートフォンをターゲットにし
た「ワンクリック詐欺」なども出てきて
いる。
→慣れない利用者が沢山いるので餌食にな
りやすい。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 7
ソーシャルリスク
 情報漏洩
 誹謗中傷・風評被害
 荒らし・炎上
 クレーム・苦情
 事後対策
~悪い噂ははやく、広く、広まる。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 8
企業や組織の対策
 ソーシャル・メディア・ポリシーを作成
して周知する。
 ひとつは組織防衛~免責
 利用のためのガイドラインを作成してリ
テラシーの向上をはかる。
 たとえば米軍では身分をちゃんと明かし
てFacebookやTwitterを使うことを推奨
しています。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 9
米軍のポリシー(さわり)
身分・所属を明かして利用をすることが大前提。
 「やるべきこと」
投稿前にスペルチェックを行うこと;軍の評判が掛っています。
短く、未編集の、キャッチーな映像を活用する。
よい写真5点程度、できるだけ頻繁に更新すること(活動や視点、人員
の多様性をちゃんと示すこと)。
 「これは、やってはいけない」
プロとしての投稿なので、子供っぽい言葉を使わないこと。
必要でない限り、定型のメッセージや退屈なプレスリリースを使わない。
位置情報がわかるプログラムを使用しないこと。
 「覚えておいて欲しいこと」
プロとしてふさわしくないたった一つのミスが、評判に泥を塗
ることを忘れないように。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 10
ソーシャルメディアポリシー
 ソーシャルメディアポリシー/ガイドラ
インの国内実例まとめ+策定者向け情報
 Policy Database(英文)
2013/6/5 高度情報化と社会生活 11
ソーシャルメディアポリシーに必須の10項目
1. ソーシャルメディアの目的を紹介する。
2.自分の書くことに、責任を持つ
3. 正直に書く
4. 読み手のことを考慮する
5. 適切な判断をする (うかつに挑発にのらない)
6. 「コミュニティ」の概念を理解する
7. 著作権と公正使用を尊重する
8. 秘密情報・専有情報を保護する
9. 価値をもたらす
10. 生産性が重要
2013/6/5 高度情報化と社会生活 12
企業のポリシーはマチマチ
 ソーシャルメディアの身分を明かしての
利用を全面的に禁止している企業や組織
もあります。
→企業としての将来性は乏しいかも。
 「仕事に関することは書かない」といっ
た枠をはめるポリシーは多くみられます。
 米国では自律を求めるものが多い。
 転職を前提にしてアカウントの管理の規
定なども。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 13
組織も個人も同じ
 ちゃんとしたポリシーを持たずに安易に
ネットを使っていると様々なトラブルを
引き起こす。
 ソーシャルリスクは自分でまねくことが
多い。
 目的、責任、相手への配慮、共有価値
そして著作権への配慮も必要。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 14
情報漏洩の原因
 情報を取り扱っているサービスに起因
→不正アクセスなどによる漏洩
→業者による横流し。
 標的型攻撃(ソーシャルハッキング)
 自分でうっかり悪徳サイトに登録をして
しまう。
 友達による漏洩→ソーシャルサービスの
普及でこれが多くなっている。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 15
たとえばメールアドレス
 ケータイやスマホのアドレス帳の管理
→紛失や盗難、盗み見にも注意。
 友達を探すなど、データの取り扱いが
はっきりしないサービスにスマホなどの
アドレス帳データを登録してしまう。
 同報メールでアドレスをばらまく。
 もちろん自分や人のアドレスやIDを勝手
にネットに書き込まない。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 16
メールアドレスの漏洩
 メールアドレス収集の闇ビジネス。
→スパム業者に名簿が販売される。
 ネットをサーベイする。
 正規のメルマガなどからの横流し。
 アドレス収集用のサービスを立ち上げる。
→アドレス帳をうっかり登録してしまう。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 17
メールアドレスを渡す
 渡したメールアドレスはどう使われるか
わからない。
 アドレスが漏洩する原因~渡した相手が
悪かった。
 でもアドレスを相手に渡さないとメール
は来ない。
 結局、メールアドレスは絶対にスパムの
餌食になってしまう。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 18
企業の情報漏洩の原因
 会社のWebサイトから情報が漏洩
 メールの誤送信
 P2Pで情報漏洩
 ウィルスで情報漏洩
 ブログやSNSに会社の情報を記入
 標的型攻撃による漏洩
→人為的な原因の場合は技術では対処が難
しい。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 19
標的型攻撃
 社内スタッフや取引先を装ってメールを
送信。
 メールの添付ファイルやリンクをクリッ
クさせる。
 トロイの木馬のソフトをダウンロード。
 トリガーが来るまで潜んでいる。
 トリガーによって、パソコン内のデータ
を侵入者のサイトに送ってしまう。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 20
メールはなりすましが簡単
 メールの送信者は本当にその人なのか?
 不審を感じたらアドレスを確認する。
 そのアドレスに返信をしてみれば簡単に
わかる。
 FacebookやTwitterなどは簡単になりす
ましをして登録ができる。
 あるいはアカウントを乗っ取られたりす
る。→仕事で使う人は要注意。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 21
ソーシャル・ハッキング
ソーシャル・エンジニアリング
~「欺術」
 スタッフになりすます。
 3回電話をかければどんなに警備の厳重
な会社でも侵入可能らしい。
 人はシステムでもっとも脆弱なパーツ。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 22
誹謗中傷・風評被害
 エゴサーチをしてみよう。
 自分のフルネーム、会社の人は自分の会
社名などでネット検索をして、常にネッ
トでの評判のチェックをする時代。
 何も出てこない→ネットプレゼンス無し
 ちゃんと自分のFacebookが出てくる。
 友達が書いた悪口が出てくる。
 同姓同名の他の人の情報ばかり。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 23
ネットで悪口が出てくる。
 削除依頼をする。
 削除に応じる、応じないは相手次第。
 実際はサイトを管理しているところが相
手。
 海外や管理者不明なことも多い。
 実際の対抗策は自分でポジティブな情報
を継続的に出していくぐらいしかない。
→Facebookは対策として有効。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 24
プライバシーの進化
 昔はほおって置かれる権利だった。
 ネット時代の今はプライバシーを守るの
は自分の情報を自分でコントロールをす
る時代。
 ネットに個人情報を出すな→古い価値観。
 適切な個人情報を自分で制御をしてネッ
トの評判をよく見せる時代に。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 25
個人情報をネットに出す
 個人情報を出すリスク
→身近な人が詐欺に遭うかも。
→ストーカーに狙われる?
→いたずらメールが来る?
 個人情報を出さないリスク
→自分が誰なのかネットで検索されない。
→人からの悪口ばかりになる。
→なりすまされて、友達が騙される?
2013/6/5 高度情報化と社会生活 26
むしろ信用失墜の方が問題
 ネットで嘘をつく。
 ウィルスを送ってしまう。
 変なリンクを紹介する。
 ネットに間違った情報を発信する。
 変な情報をシェアしてしまう。
 友達に変な人がいる。
 ネットに言ってはいけないことを。
 匿名アカウントが特定される→炎上。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 27
炎上対策
 炎上するような行為をしないことが鉄則
ですが、発生してしまったら対応が大事。
 先延ばしはトラブルを大きくする元
 ただちに対処をすることが鉄則。
 素早い対処や陳謝は個人や組織の信用力
を逆に向上させる。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 28
Facebookは危険なの?
 漏れたら困る個人情報は登録しない、書
き込まない。
 そもそも所属や氏名、顔写真は守秘しな
ければならない個人情報か?
 プライベートな行動記録を不用意に書き
込むことによるトラブル。
→友達がうっかりシェアしちゃう。
 ばれたらまずい情報は書き込まない。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 29
Facebookの危険性
 公開と非公開の場が人によって異なる。
 とくに個人のウォール。
 非公開(友達限定)の人が公開(一般公
開)の人と友達になった場合に、公開と
非公開の記事が混在して、内輪のやりと
りが公開されてしまうリスクがある。
 シェアボタンでできるのは共通の友達の
みだけど、コピーされたらアウト。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 30
こんな友達申請に注意
 知らない人からは基本的に承認しない、
とりあえず保留。
 輪を広げたいなら友達のプロフィールに
注意。
 やたらと友達が多い(1000人以上と
か)→なにか魂胆がある。
 友達リストが非公開
 タイムラインが非公開
2013/6/5 高度情報化と社会生活 31
変な勧誘に注意
 出会い系
 新興宗教(サークルの勧誘を装う)
 マルチ商法(試供品の配布を装う)
 セミナー系(夢をかなえるとか)
 ネットビジネス系(ネットで儲ける)
→サイドビジネスで誘う
 ギャンブル必勝法とかも。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 32
親や家族にも注意
 大分大学でフルネームを明らかにしてい
るので、身近な人や友達が「なりすま
し」の被害に遭う可能性もあります。
 個人情報を公開している旨を親にもいっ
ておき、「母さん助けて詐欺」の被害に
あわないよう、日頃からのコミュニケー
ションや、いざという時の合い言葉など
を決めておくのもよいでしょう。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 33
Facebookスパム
 勝手に個人のウォールに記事を投稿して
しまう。アプリを許可してしまった人が
投稿を繰り返して広がる。
 友達の個人情報を抜き取る悪質なスパム
もある。
 アプリの許可にはくれぐれも気を付ける。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 34
こんなアプリに注意
2013/6/5 高度情報化と社会生活 35
Facebookの注意
 占い系、診断系アプリに注意。
 無害なものもあるが、勝手に友達を誘う
などスパムの振る舞いをするものがあり
ます。
 確認できないなら、アプリの承認には注
意をしておきましょう。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 36
いい話、面白写真も注意
 剽窃した感動話や動物の面白い写真など
いわゆる「~たらシェア」系は、業者
が運営しているものが多い。
 アフリエイトなど変なサイトへのリンク
がついたいたりする。
 写真コメントは修正できるので、感動話
がいつのまにか、宣伝文にすり替えられ
ていることもあります。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 37
タイムラインの見え方
 自分の「タイムライン」が知り合いだけ
でなく、第三者からどう見えているのか
常に注意をしておきましょう。
 占いアプリ→あまり慣れていない?
 スポーツや芸能の話題ばかり
→社会事象に関心がない?
 友達の写真or風景写真ばかり。
→コミュニケーション取りたくない?
2013/6/5 高度情報化と社会生活 38
ネットは増幅装置
 世間への関心や感度の有無が投稿記事の
内容に反映されます。
 自分宛ではなく、読み手への配慮がどの
程度なされているか、見ている人は敏感
に感じ取ります。
 自分自身をネットでどう表現するのか?
細心の注意を払って投稿内容をよく吟
味をしましょう。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 39
何も見られないことも問題
 Twitterは鍵付き。
 Facebookのプロフィールや投稿は友達
限定のみ。
→中高生なら妥当かもしれませんが、大学
生のネットの利用では「不可」。
→ネットに個人のプレゼンスがない=ネッ
トを使いこなせていない証拠になります。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 40
公開・非公開の線引は困難
 どのような情報を公開するか。
 どのような情報を非公開にするか。
 ネットのポリシーは人それぞれですので
正しい解はありません。
 なるべく慣れて=たくさん投稿して、公
開範囲についての「間合い」を会得する
ことが必要です。
~つまり、使ってみないとわからない。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 41
2.情報リテラシー
ネット以外にも危険はいっぱい
2013/6/5 42高度情報化と社会生活
個人情報漏洩の原因
 情報を取り扱っているサービスに起因
→不正アクセスなどによる漏洩
→業者による横流し。
 自分でうっかり悪徳サイトに登録をして
しまう。
 友達による漏洩→ソーシャルサービスの
普及でこれが多くなっている。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 43
情報漏洩の大半は人から
 うっかりブログやSNSに書き込んでし
まう。
 ヒューマンハッキングの問題
 人間はシステムで最大の脆弱要素
 人の心の弱みにつけこんでくる。
 セキュリティを守るのは「健康」と「健
全な精神」を保つのが一番の安全
2013/6/5 高度情報化と社会生活 44
ソーシャルハッキングに注意
 ネットの不正侵入の事例もあるが、
多くのトラブルは、いわゆる詐欺。
 オレオレ詐欺は人ごとではない。
 社員を装って、大切な情報聞き出す事例
は意外に多い。
 電話を数回かけることで、社内への侵入
方法を聞き出すことが簡単にできてしま
う。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 45
意外に多い肩越しの覗き見
 ショルダー・ハッキング
 人がパスワードや暗証番号を入れるのを
後ろから見ている。
 ひどい場合にはパスワードを付箋に書い
てパソコンに貼っているケースもある。
 身近な(同僚や同居人)からの危険にと
にかく注意しよう!!
 「いじめ」による情報漏洩もあるよ。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 46
セキュリティポリシーの確立
 セキュリティは利便性と相反する。
 セキュリティはコストとも相反する。
 経営のトップレベルで配慮するべき事項。
 ネットワークの利用者も管理ポリシーやルール
を理解してコンピュータを使う必要がある。
 踏み台になったり、書き換えられたりして
いったん失った信用は回復が困難である。
 自らトラブルに巻き込まれない為に、対処を怠
らない。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 47
情報リテラシーと危機管理
 ウィルスや不正侵入対策よりも
安定した機器利用の方が困難
 業務で使っているパソコンやケータイが
壊れたら?
 企業や個人は動産保険をかけておく
 情報リテラシーを身につける。
→トラブルの対処方法を考えておく。
→マニュアル化も必要。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 48
情報リテラシーとセキュリティ
 バックアップの知識
 リカバリーの知識
 トラブル対処法の知識
サポートの窓口や保険など。
マニュアル化しておくことも大切。
 社内教育も必要な状況
 ネット社会の常識として認識しよう。
2013/6/5 高度情報化と社会生活 49
ソーシャルメディア対策
 スタッフがうっかり内部機密をしゃべっ
てしまう。
 ソーシャルメディア経由でのアタック
パスワードの漏洩やなりすましの被害。
 キャンペーンの失敗
 参加ルールや活用ルールの不在。
→今後増えてくるので慣れておくことが必
要。
ソーシャルメディア・ポリシーの導入。2013/5/29 高度情報化と社会生活 50
3.著作権
2012/5/30 高度情報化と社会生活 51
情報発信の原則
 なにを出してもよいです。
 ただし「公序良俗」に従って。
 法令違反のコンテント→×
 誹謗中傷→×
 真実でも名誉毀損になることもあります。
 文章、画像、動画、様々な情報発信手法
があります。
 リミックスや編集もしやすくなりました。
2012/5/30 高度情報化と社会生活 52
2012/5/30 高度情報化と社会生活 53
著作権に注意をはらおう
 ネットへの投稿は自分の著作物です。
→他人の権利侵害に気をつけましょう。
 個人の投稿でも権利のある肖像や音楽の
使用には原則として事前の許諾が必要で
す。
商用のサイトでは使用許諾は常識、
匿名のサイトでも注意は必要。
音楽著作権については個人サイトの利用は厳しい→使用料
の請求が来ることを前提に。
とくに画像に注意
 ネットで持ってきた画像や写真を自分の
アイコンやカバー写真に使ったりするこ
とは著作権法に違反する行為です。
 画像の権利をもっているところから、告
発をされたら、刑事事件、あるいは民事
上の損害賠償責任を負う可能性がありま
す。
 安易な画像の転用は「絶対に」やめま
しょう。
2012/5/30 高度情報化と社会生活 54
2012/5/30 高度情報化と社会生活 55
「著作権法」の簡単な解説
 著作物~人間の思想や感情を創作的に表現
したもの。
 著作物でないもの~事実やアイデア、法令
など。
 著作物を利用するのは著作者の独占的権利
 他人が著作物を利用するには使用許諾が必
要。
複製権、公衆送信権なども定義している。
 日本では「インターネット送信権」も規定
2012/5/30 高度情報化と社会生活 56
関連する法律など
 著作権法(作者の死後50年は権利がある)
 民法上の権利(無体財産権)
他に肖像権やパブリシティ権など法律ではない
が、判例として確立した権利もある。
 刑法や迷惑防止条例など(人格権のひと
つとしてのプライバシーの侵害など)
 意匠法
→日本ではあまり問題にならないかも。
2012/5/30 高度情報化と社会生活 57
マスメディアでは
 「著作権や肖像権」と「報道の自由」とを天
秤にかけている事情がある。
もちろんあらゆるリスク管理をした上で。
 個人とマスメディアの違い
沢山の人に伝えるために巨大な装置が必要で
あった、→インターネットによって変革
→マスメディアと個人の違いはリスク管理をす
るか、しないかの違いでしかない?
2012/5/30 高度情報化と社会生活 58
法律に対する考え方
 全て遵守をしないといけないもの。
 紛争の際の解決手法の一つ。
→行為を差し止めるための有効な手段。
相手が気に入らない情報をだしている場合
にクレームをつけるひとつの手法として
「著作権」による申し立てる手法が確立
している。
→著作権法は「親告罪」である点もポイ
ント。
2012/5/30 高度情報化と社会生活 59
著作物利用の例外規定
 適切な引用
 私的複製
※私的複製の適用範囲に問題もある。
 図書館や学校教育機関での複製
プログラムの所有者による複製など。
法律で例示的に列挙されるもののみ
に限定されている。
適切な「引用」とは
法律が認めている引用の条件
(1)引用する必然性があること 。
(2)引用部が周りの文章に対して従の関係にあること。
(3)引用されていることが明確であること。
(4)出所(でどころ)を明示してあること。
(5)引用部の長さが必要最低限であること。
(6)引用部は元の著作物から改変しないこと。
※画像や音声の「引用」は定義されていない。
2012/5/30 高度情報化と社会生活 60
2012/5/30 高度情報化と社会生活 61
「引用」の適用除外
 文章の場合には判例などで事例が示され
ている。しかし「画像や動画」の場合に
は適切な判例がまだ存在しない点に注意
が必要。
 偶然映り込んだ映像はやむを得ないかも
しれないが・・・グレーゾーンである。
 撮影場所の変更や編集テクニックによっ
て権利侵害が容易に克服できる場合には
どうなるか?
→法律論として難しい問題。
2012/5/30 高度情報化と社会生活 62
著作権法の私的複製
 私的利用の除外
~法律の範疇の外
個人で楽しむ
家族で楽しむ
仲間うちで楽しむ
(このへんからグレー)
会社内(私的利用の範囲外が・・・)
「私的利用」以外は全て「権利侵害」と
みなされる。
2012/5/30 高度情報化と社会生活 63
インターネットでの「公開」
 インターネットの場合には
「インターネット送信権」という新しい定義
がある。
 いったん公開したものは取消しができない特
徴。
 インターネットで公開ということは
→あらゆるリスクを考えないといけない状況。
 たとえ子供の発表会のビデオでも音楽などの
著作権を侵害している可能性は高い。
2012/5/30 高度情報化と社会生活 64
たまたま著作物を撮影した
 著作権法の例外規定
→屋外で公衆の目に触れるようになって
いる著作物は著作権の申し立てができな
い。
 ただし著作物を意図的に写真に撮って公
開した場合にはどうなのか・・・
 部屋の中での取材、オブジェの紹介など
は?→法令違反の可能性もある。
2012/5/30 高度情報化と社会生活 65
著作権や名誉棄損は親告罪
 音楽や映画の著作権と一部のパブリシ
ティ権を除いては個人が著作権法で告訴
される例は大変に少ない。
 たまたま訴えられなかったというケースやマ
ナーの問題は依然として残るけれども。
 相手(権利者)が喜んだら問題ないの
か?
→米国法では「フェアユース」という考
え方。
著作権法の改正
 違法な著作物のダウンロード行為が違法
になった。
 著作権法違反の非親告罪化。
2012/5/30 高度情報化と社会生活 66
2012/5/30 高度情報化と社会生活 67
リスク管理の手法
 権利者から使用許諾をとっておく。
 公開前に書面によって使用許諾書をとっておく。
 使用許諾をとれない場合
 公開をやめる
 まず公開をしてクレームを待つという方法もある。ただし
リスクはある。※ウェブによる注意書きなどで対処。
 内容についてもできる限りクレームのこないようにする。
 非難や誹謗中傷、一方の見解を強調する表現など。
 考え方の違う人からのクレームは、著作権違反などの法令違反
によってつっこんでくることが大半である。
 意見は人それぞれ、権利を調整するために法律がある。
2012/6/6 高度情報化と社会生活 68
著作権法の問題~つづき。
 原権利者の保護が強くて、果たして創作
活動にたいして寄与をしているのかとい
う問題。
 とくに音楽や映像では問題が顕著に。
 デジタル編集技術の発達でリミックスや
マッシュアップ、原曲や映像利用の制約
など。
 訴訟リスクを負いながら発表している実
態。
クリエイティブ・コモンズ
 著作権についての新しい考え方。
 従来の著作権関連の法律は権利者側寄り
だったが、ネットの普及、皆が情報をだ
せる時代にふさわしい、新しい考え方が
必要。
 ローレンス・レッシグ
 私のブログではCCの表示をしています。
→表示-非営利-継承 2.1 日本
商用利用の場合には許諾が必要、他は原典を明記すれば自由に利用可
能になっています。2012/6/6 高度情報化と社会生活 69
CCライセンスのマーク
2012/6/6 高度情報化と社会生活 70
CCライセンスのパターン
表示
表示-継承
表示-改変禁止
表示-非営利
表示-非営利-継承
表示-非営利-改変禁止
2012/6/6 高度情報化と社会生活 71
著作権とクリエィティブコモンズ
 選択肢が二者択一。
 権利パターンが6種類
2012/6/6 高度情報化と社会生活 72
2012/6/6 高度情報化と社会生活 73
「リンク」のマナー
 リンクはWebの本質的な機能。
→リンクを張るのに元サイトの承諾が必要か?
これは「法律」ではなく「マナー」の問題。
会社や組織などのオープンなページでは
リンクは勝手に張っても問題ないと思われます。
 個人ブログなどはいちおうメールでことわりをい
れる方がよい。あと内輪のページへのリンクは問
題となることがあるかもしれません。
※「リンク禁止」はネットでは非常識でしょう。
※新聞社の記事もディープリンク禁止が多い。
では違法なものへのリンクは?
 著作権法に違反した動画の紹介やリンク
はどうでしょうか?
 訴えられる可能性は低いですが、
幇助罪が適用される可能性はあります。
 権利の無い人がアップしている動画など
のリンクは避けておいた方がよいかもし
れません。
 とくに音楽著作権や映画の著作権は厳し
いです。
2012/6/6 高度情報化と社会生活 74
2013/6/5 高度情報化と社会生活 75
次回の講義予定
6月12日
ネット情報の集め方
発信の仕方

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