File server by CLOUDIAN HyperStore

March, 2015
Cloudian K.K.| Ryosuke Matsui
File server by CLOUDIAN HyperStore®
ファイルサーバー用途でのHyperStore構成例
Version 1.1

はじめに

はじめに
CLOUDIAN HyperStore® (以下、HyperStore)を使用して
ファイル保管／ファイル共有の仕組みを構築する際に検討できる設計
方式として、主なものに以下の4方式があります。
1. HyperStoreのCMC (Cloudian Management Console)で使用可能な
エクスプローラー機能を使用する方式
2. 各クライアントPCにS3クライアント・ソフトウェアを導入する
方式
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2. 各クライアントPCにS3クライアント・ソフトウェアを導入する
方式
3. HyperStoreの前面にファイル共有目的のS3エコシステム(サー
バー)を構築する方式
4. クラウドサービス型 S3エコシステムを活用する方式
次⾴から、上記の各方式について簡単に構成例を説明します。

1. CMCで使用可能なエクスプローラー機能を使用する方式

1. CMCで使用可能なエクスプローラー機能を使用する方式①
ブラウザ (Firefox, IE等)
※この図はファイル保管／共有ソリューション
の構成例を、非常に簡略に記載したものです。
※実際に使用されるプロトコルや構成は、ご使
用のS3クライアントおよびS3エコシステムよ
り変わる可能性があります。
※CLOUDIAN HyperStore®は全てのノードに
対してデータの書込み／読取り処理ができるま
すが、図を簡略化するために全てのノードに対
してのアクセス経路を⽰す線の記載は省略して
います。
【注意事項】
ジオ・クラスター
L/B
DNSサーバー
ロードバランサーによる負荷分散
CMC
サービス
CMC
サービス
CMC
サービス
CMC
サービス CMC
サービス
CMC
サービス
CMC
サービス
ロードバランサー経由での
アクセス経路
DNSラウンドロビンを使用した
アクセス経路
ホスト名 : IPアドレス = 1 : 1 の
特定 HyperStoreノードへの
アクセス経路
サーバー側アプリケーション
クライアント側アプリケーション

1. CMCで使用可能なエクスプローラー機能を使用する方式②
HyperStoreの管理画面であるCMC (Cloudian Management Console) に標準搭載の「エクスプローラー」
機能を使用する本方式の特徴と考慮点を、以下に記載します。
本方式の特徴
1. Webブラウザー経由でHyperStoreノード上のCMCサービスにアクセスするため、クライアント
PCに特別なソフトウェアをインストールする必要が無い。
2. Webブラウザー経由でファイル保管を⾏えるため、特定のクライアントPCに依存せず、Webブラ
ウザーが使える環境であればどのPCからでもファイルのアップロード／ダウンロードが可能。
3. HyperStore標準の機能だけで、専用Dropboxのようなストレージ・インフラを提供できる。
4. CMCはHyperStoreの標準機能の一部なので、追加導入費用等は必要無し。
4. CMCはHyperStoreの標準機能の一部なので、追加導入費用等は必要無し。
本方式の考慮点
1. オブジェクト・ストレージは一般的に、データの一貫性として参照整合性ではなく“結果整合性”
を保証しているため、ファイルロックの機構をオブジェクト・ストレージ自体では備えていない。
しかしながらHyperStoreでは、「結果整合性」や「サービス継続性」に基づいた運用方式を柔軟
に選択・設定できる。
2. ファイルのロック機構が無いため、複数⼈が同時に同一ファイルを開き変更を⾏った場合は、一
番最後に保存されたデータが“正”となる。
3. CMCエクスプローラーを使用した本方式では、個⼈専用のファイル保管領域は非常に簡易にユー
ザーに提供できるが、複数ユーザーが共同で使用するようなファイル保管領域は提供しない。

2. 各クライアントPCにS3クライアント・ソフトウェアを導入する方式
2. 各クライアントPCにS3クライアント・ソフトウェアを導入する方式

2. 各クライアントPCにS3クライアント・ソフトウェアを導入
する方式①
S3クライアント (CloudBerry等)
クライアント
ソフトウェア
クライアント
ソフトウェア
クライアント
ソフトウェア
※CLOUDIAN HyperStore®は全てのノード
に対してデータの書込み／読取り処理ができる
ますが、図を簡略化するために全てのノードに
対してのアクセス経路を⽰す線の記載は省略し
ています。
【注意事項】
クライアント
ソフトウェア
携帯端末
(タブレット／スマート
フォン)
L/B
DNSサーバー
アクセス経路
アクセス経路
アクセス経路

2. 各クライアントPCにS3クライアント・ソフトウェアを導入す
る方式②
各クライアントPCに(CloudBerry Lab社製品のような)S3クライアント・ソフトウェアを導入してHyperStore上の領域に
データを保管する本方式の特徴と考慮点を、以下に記載します。
本方式の特徴
1. CloudBerry Lab社製品のような、S3 APIを使用してファイルのアップロード／ダウンロードが⾏えるS3クライ
アントを各クライアントPCに導入する。
2. S3クライアントには有償／無償、Windows-OS版／Mac版／Linux版等々、多くの製品が開発・発売されており
選択肢が豊富。
3. 様々なデバイス(PC／タブレット／スマートフォン等)に最適化されたS3クライアントを多くの会社が開発してお
り、マルチデバイス対応が可能。
4. Windows標準搭載のファイルエクスプローラーを拡張するようなS3クライアントを選択した場合、ユーザーに対
してCIFSファイルサーバーを使用する場合と全く変わりない操作感を提供できる。
してCIFSファイルサーバーを使用する場合と全く変わりない操作感を提供できる。
1. オブジェクト・ストレージは一般的に、データの一貫性として参照整合性ではなく“結果整合性”を保証している
ため、ファイルロックの機構をオブジェクト・ストレージ自体では備えていない。しかしながらHyperStoreでは、
「結果整合性」や「サービス継続性」に基づいた運用方式を柔軟に選択・設定できる。
2. S3クライアントは各クライアントPC上で稼働するため、ロック・ファイル等を他のクライアントPCと共有する
仕組みを実装し難い。そのため今現在、開発・販売されているS3クライアント・ソフトウェアにはファイルの
ロック機構が無く、複数⼈が同時に同一ファイルを開き変更を⾏った場合は、一番最後に保存されたデータが
“正”となる。
3. 各クライアントPCにS3クライアント・ソフトウェアをインストールする必要があるため、導入とその後の運用に
おいて多少の手間が掛かる。
4. 有償のS3クライアントを選択した場合、追加のソフトウェア・ライセンス費用が発生する。
5. S3クライアント・ソフトウェアの機能やユーザー・インターフェース、使用感には様々な種類がある。

3. HyperStoreの前面にS3エコシステムを構築する方式
3. HyperStoreの前面にS3エコシステムを構築する方式

3. HyperStoreの前面にS3エコシステムを構築する方式①
S3エコシステムと連動する
S3クライアント
※提供されている場合
(ownCloudクライアント等)
サーバー (S3エコシステム)
クライアント
ソフトウェア
ファイル共有のための
S3
エコシステム
います。
【注意事項】ブラウザ (Firefox, IE等)
S3
エコシステム
Windows-OS標準搭載の
ファイルエクスプローラー
L/B
DNSサーバー
S3エコシステム
(ownCloudサーバー等)
アクセス経路
アクセス経路
アクセス経路
S3 API プロトコル変換のための
(FOBASクラウドストレージキャッシュ®等)
エコシステム

3. HyperStoreの前面にS3エコシステムを構築する方式②
HyperStoreシステムの前面にサーバーを導入しS3エコシステムを構築して、各クライアントPCはS3エコシステム経由で
HyperStore上の領域にデータを保管／共有する本方式の特徴と考慮点を、以下に記載します。
本方式の特徴
1. 基本的には各クライアントPCに導入されているWebブラウザーでアクセスする方式であるため、クライアントPC
に特別なソフトウェアをインストールする必要が無い。
2. ファイル共有目的のS3エコシステムには有償のもの(例: ファイルフォース社のサービスあるいは製品)や、無償のOSS(例:
ownCloudサーバー)があり、用途や予算等に応じて導入製品を選択できる。
3. ファイル共有目的のS3エコシステムの中には、例えばownCloudクライアントのように、サーバー・アプリケー
ションと連携するクライアント・アプリケーションが提供されているものもある。
※ownCloudの場合、Dropboxで提供されているクライアントPCの領域とオンライン・ストレージ上の領域のデータ同期機能」を
提供すクライアント・アプリケーションを無償で利用することが可能。
4. HyperStoreの前面にプロトコル変換ゲートウェイ製品(例: FOBASクラウドストレージキャッシュ®)を置くことにより、
一般的なCIFSファイルサーバーやNFSサーバーにアクセスするのと全く同じ操作感で、ユーザーはHyperStore上
一般的なCIFSファイルサーバーやNFSサーバーにアクセスするのと全く同じ操作感で、ユーザーはHyperStore上
のデータ領域を使用できる。
5. S3エコシステムの仕組みとして提供されている、様々な機能を使用することができる。
例えばオブジェクト・ストレージ自体は“参照整合性”を保証しないが、 S3エコシステムで提供されるファイル・
ロック機能を使用することにより“参照整合性”を保証したファイル共有システムを構築することができる。
※その他グループ共有設定やファイルキャッシュ機能、暗号化機能等、S3エコシステムで実装される機能やアドインを利用可能。
1. 各クライアントPCに導入するS3クライアントの場合は他のクライアントPCとデータを共有する仕組みを実装が難
しいが、サーバーを介するS3エコシステムの場合は、他クライアントとの間でデータや情報を共有する仕組みや機
能を実装しやすい。
2. S3エコシステムの構成によっては、HyperStoreにSPOF(単一障害点)が無くとも、S3エコシステムで使用するサー
バー等がSPOFになる可能性があり、S3エコシステムのクラスター構成を検討する必要がある(※お客様の要件による)。
3. S3エコシステムの機能でデータを暗号化した場合、HyperStore上のデータはS3エコシステムから取り出さなけれ
ば復号化されない。

4. クラウドサービス型 S3エコシステムを活用する方式

4. クラウドサービス型 S3エコシステムを活用する方式①
クラウドサービス型
います。
【注意事項】
インターネット
デスクトップ／ノート
PC
インターネット上の
Fileforceのサーバーには、
お客様のデータは一切、
保存されません。
S3
エコシステム
クライアント
ソフトウェア
携帯端末
(タブレット／スマートフォ
ン)
Fileforceの
携帯端末専用アプリ
L/B
インターネット上の
アクセス経路
お客様拠点内の
L/Bまでのアクセス経路
L/BからHyperStoreノードまでの
アクセス経路
お客様データセンター

4. クラウドサービス型 S3エコシステムを活用する方式②
クラウドサービスであるFileforceを活用して、パブリックとプライベートを融合させた「ハイブリッド・クラウド」を利用し
てHyperStore上の領域にデータを保管／共有する本方式の特徴と考慮点を、以下に記載します。
本方式の特徴
1. ファイルフォース社が提供するインターネット上のASPサービスを利用して、ファイル共有システムを構築する。
※ファイルフォース社ホームページ
https://www.fileforce.jp/
2. HyperStoreが導入されていれば、お客様の拠点内に追加のH/Wを準備・構築する必要は無い。
3. パブリック・クラウド上のFileforce サービスが提供する⾼度で多様な機能(ファイル共有可能なグループの作成やGPS
機能を使用したファイル・ダウンロード可能な位置的制約条件の付加、ドキュメント内容の⾼速なサムネイル表⽰機能等々)
を、利用できる。
4. お客様のデータは一切、インターネット(パブリック・クラウド)上には格納されず、データは全てお客様のデータ
4. お客様のデータは一切、インターネット(パブリック・クラウド)上には格納されず、データは全てお客様のデータ
センター等に設置する(オンプレの)HyperStore上の領域に格納される。
5. パブリック・クラウド上ではファイル共有サービスの機能のみを利用し、実データはプライベート・クラウド(オ
ンプレ)のHyperStoreに格納されるため、社内の重要データがインターネットに曝されることが無くセキュアな環
境に保管できる。
6. Webブラウザー経由でのアクセスや、携帯端末に最適化された専用アプリケーションが提供されているため、非常
に使い勝⼿が良い。
1. Fileforceはアカウント発⾏型の有料サービスであり、サービス利用料が必要。
2. インターネット上のFileforceのサーバーからお客様環構内のHyperStoreまでのアクセス経路を確保するために、
Firewallの設定追加等の作業が若⼲、発⽣する。
3. Fileforceサービス経由で格納されたデータは、Fileforce経由で取り出すことが必要。

まとめ
CLOUDIAN HyperStore®
まとめ

まとめ①
CLOUDIAN HyperStore®を使用してファイル保管／ファイル共有の仕組
みを構築する際の、代表的な設計方式を4つご紹介しました。この方式／構成
例は代表的なものですが、本資料で掲載したものとは異なる方式や構成も存在
します。
本資料でも方式の一つとして取り上げたS3クライアントには、前掲のスラ
イドの通り、有料版／無償版の製品、様々なOS(Windows／Mac／Linux)、
様々なデバイス(PC／タブレット／スマートフォン等)で使用できる製品があり
ます。
ます。
S3クライアントを活用して頂くことにより、また、HyperStoreのインフラ
／ネットワーク環境を考慮し設計することにより、社内ではWindows-OSの
デスクトップPCからデータにアクセスし、社外からは携帯端末のS3クライア
ントを使用してデータにアクセスするようなストレージ基盤の構築も可能です。

まとめ②
下図は数多く開発されているApple iOS向けのS3クライアントの中でも、著
者のお気に入りであるPanic Inc.社の「Transmit iOS」のスクリーンショッ
トです。
このS3クライアント以外にも、携帯端末に最適化された様々なS3クライア
ントを使用することができます。
■ 「Transmit iOS」のスクリーンショット

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クラウディアン株式会社

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