Itで中小企業の生産性向上 中小企業診断士　小島規彰 http://www.asahi-bs.com/

1. 中小企業を強くするＩＴ
社長！そんなに従業員を雇う必要はありませんよ！！
小島規彰
（中小企業診断士 システム監査技術者）
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2. はじめに
企業には、創業期から成長期、安定、衰退期といったライ
フサイクルがあります。創業期は事業のコアとある人材やア
イデアがあり、一部のできる人間があらゆる部分で会社を牽
引します。会社の骨組みを作る時期であり、細部には目がい
かない事もしばしばです。
ところが、スタートダッシュに成功して事業が軌道に乗って
くる成長期では、会社の人数も多くなります。効率的に仕事
を進めていくには、役割分担や権限移譲も必要になってくる
のもこの時期です。マネジメントの仕組みを導入する必要が
でてきます。
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3. はじめに
しかしながら、業務プロセスのすべてを把握して管理する
ことは、会社の規模が大きくなり、組織が細分化すればする
ほどに難しくなります。この段階になると、徐々に慣れや手抜
きなどによる無駄の芽が育ちはじめます。
従業員に悪意はなくとも、会社のどの部門でも、いたるとこ
ろに無駄が存在する。さらに膨大になった量の無駄な仕事を
こなすために更に人を雇う。そんな状態が続けば自然と経営
を圧迫することになりかねません。
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4. はじめに
会社の業務プロセス上の無駄をなくし、スリムで少人数で
運営できるのであれば、それにこしたことはありません。それ
が実現できるのは、無駄だと思える業務プロセスを見つけ出
し、改善する能力です。
本レポートでは、その後半の部分である「改善能力」を身
につけるための手段としてＩＴを活用することを提案していま
す。会社に存在する無駄、非効率を、部署ごとに分類する形
で、１５の例を挙げて紹介しています。
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5. 目次
はじめに
１ 中小企業が強くなるには ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 005
２ 効果のでるＩＴ導入 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 017
３ 経理部編 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 037
４ 営業部編 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 048
５ システム部編 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 063
６ 人事部編 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 074
７ カスタマーサポートセンター編 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 081
８ ネット販売部編 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 092
９ 管理部編 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 107
１０ ＩＴ導入のポイント ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 118
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6. 1 中小企業が強くなるには
はじめに
１ 中小企業が強くなるには
２ 効果のでるＩＴ導入
３ 経理部編
４ 営業部編
５ システム部編
６ 人事部編
７ カスタマーサポートセンター編
８ ネット販売部編
９ 管理部編
１０ ＩＴ導入のポイント
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7. 1 中小企業が強くなるには
• 強い中小企業とは何でしょう？
• 高い利益率を出す企業でしょうか？それとも圧倒的なシェア
をもつ企業でしょうか？それとも自己資本比率の高い安定し
た企業でしょうか？
• 過去５年間経常利益率が上昇している企業とそうでない企
業が、日頃意識している経営指標に大きな差があるようです。
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8. 1 中小企業が強くなるには
• その差の大きい経営指標には
– 労働生産性
– キャッシュフロー
– 顧客満足度
– 資本効率性 etc
• があるようです。ここで、ひとつめに挙げた「労働生産性」に
注目してみましょう。 日本アプライドリサーチ研究所 2007年11月
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9. 1 中小企業が強くなるには
• 労働生産性と言うのは、
• 労働生産性＝付加価値額／労働投入量
• で表せるのですが、要は、
「従業員一人あたり、どれだけ儲けているか？」
を数値化している事になります。
• 当然、
– 同じ儲けを出すには、より少ない人数のほうがいい
– 人数が同じなら、より儲けを大きくしたい
• と思うのが経営者ではないでしょうか？
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10. 1 中小企業が強くなるには
• 今回は
• 「同じ儲けを出すには、より少ない人数のほうがいい」
• にフォーカスしてみたいと思います。
• 自社の中のあらゆる業務の事を知っているという社長はな
かなかいません。
• まかせられる部分は従業員にまかせて、というのが通常だと
は思いますが、そのまかせ方に注意が必要です。
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11. 1 中小企業が強くなるには
• 仕事のやり方を従業員に任せっぱなしにすると、いつの間に
かそれが、「当たり前のやり方」になります。
• そして、その人が後輩や部下に仕事を教えることが繰り返さ
れると、「この会社での標準的な仕事のやり方」になってしま
います。
• こういった問題が企業には必ず存在します。
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12. 1 中小企業が強くなるには
• 以下、思い当たる内容はありませんか？
– 会社が大きくなるにつれて、所々仕事のやり方が見えなくなってきた。
– ベテランの発言力が大きく、その部下、後輩は右へ習えの状態だ。
– 「こうするべきだ」と発言する若手を「口うるさい奴」と片づける上司、
先輩がいる。
– 自分の関係ないところには、問題があっても見て見ぬふりをする人が
いる。
– 変える事、変わることに、まず「それは問題がある、リスクがある」と
発言する人がいる。
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13. 1 中小企業が強くなるには
• 絵にするとこんなイメージです。
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14. 1 中小企業が強くなるには
• 成り行きで定着した仕事のやり方は、必ずしも効率の良い、
無駄のないものとは限りません。
• 更には、長く仕事をやり続けることで、それを続けてきた人は
その仕事を、自身の存在意義として思いこみます。
• 彼らがベテランともなれば、社長もなかなか、その仕事のや
り方を無視して、「それは駄目だから改善しろ、もっといいや
り方を探せ」とは言えないのではないでしょうか？
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15. 1 中小企業が強くなるには
• 更にです。
• 社長が会社の仕事のやり方をすべて把握していたとしても、
「こうすればもっと良くなる」という改善案が浮かんでこない場
合だってあるでしょう。
• 社長は忙しいんです。
• こうなると、社内に、無駄な、効率の悪い、意味のわからない
仕事のやり方が、長くそして所々に存在するようになります。
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16. 1 中小企業が強くなるには
• そうならないように、そうならないために
• 従業員に仕事をまかせるには、
– もっと早くできないか？
– もっと効率的にできないか？
– 短縮できないか？
– そもそもやる必要があるのか？なくせないのか？
– 並行してできないか？
– 別のやり方でできないか？
• など、常に現状の仕事のやり方を改善できないか？の視点
で、自分の仕事について考えさせる必要があります。
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17. 1 中小企業が強くなるには
• 同じ結果を出すのに、かける時間、かける人数が少なけれ
ば、自然と、
• 労働生産性＝付加価値額／労働投入量
• が、高くなっていくはずです。つまり、
「同じ儲けを出すには、より少ない人数のほうがいい」
が実現できるわけです。
• 言いかえれば、強い企業であるための、筋肉質な体質が出
来上がっていきます。
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