1.23郡山・田村　母と女性教職員の会主催　放射能ゴミ処理問題分科会

1. このまま進めていいの？
中間貯蔵施設
2016年1月23日
放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会

2. 2016/1/24

3. 中間貯蔵施設 配置図
施設の敷地の広大さに驚く 原発との比較で歴然

4. どのようなものが搬入されるか
1. 10万ベクレル超の廃棄物（焼却灰など）
2. 除染土壌

5. 「復興のため」に必要？本当ですか？
• 除染と帰還政策（帰還のための除染）の結果
―集団移住ではなく、帰還政策、そのための除染
―仮置き場は３年間の約束（中間貯蔵計画がなければ不可能）
• スリーマイルでもチェルノブイリでも行わなかった、世界初の実証実験
• 1兆1千億円 “世界初のナショナルプロジェクト”
―それにしては報道が少なすぎないか？国民的議論もなし
• これまでの環境省の放射能ゴミ処理施策の欺まん性
―脱法的、場当たり的、情報隠蔽、住民無視と排除、アセス除
外・・・デタラメのやりたい放題
誰の、何のための「復興」か
「帰還政策」⇒「原発事故からの克服」を世界にＰＲ（ｵﾘﾝﾋﾟｯｸを利用）
⇒「原発再稼働」「原発輸出」
結局は

6. 報道とあまりに違う「戦略会議」の事実
環境省「中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略
検討会」
●目的●
「30年後の県外処分」を軽減するため再利用を推進
• 除染廃棄物を焼却などで減容化し、土木資材に再利用
• そのために毎年数十億円の実証実験
• 仮設焼却炉を10基以上設置
これが「ナショナルプロジェクト」
国民ましてや地権者にすらまともな説明なし

7. 施設計画を見直し、
原子力政策に歯止めを
• 事実を知ろう
国の情報は一方的。信頼できる専門家の知見が
必要。
地元は地権者も非地権者も切実な問題であり、
多くの市民が共有することが必要。
• 考えよう
信頼できる専門家の考察を参考に
• 話し合おう
地権者だけの問題ではない。原子力政策の問題
であり、国民全体の責任として考えるべき問題。

8. 環境省の計画
「中間貯蔵除去土壌等の減容・再生
利用技術開発戦略検討会」より

9. ３
つ
の
主
要
な
技
術
分級 化学処理 熱処理

11. ①中間貯蔵施設
②環境創造センター
③飯舘村蕨平
研究開発連携、分担

12. 3000ベクレ
ルでの利用

13. 8000ベクレ
ルでの利用

14. （考察）仮設焼却炉設置台数試算
●3,000ベクレルとした場合のケースⅣ（最終処分場約0.3カ所分）
または
●8,000ベクレルとした場合のケースⅣ（最終処分場約0.1カ所分）
しか考えられない
あとのケースは同6.2カ所分以上となり、現実的ではない。
その結果、焼却炉の台数は
①高度処理プラント×1.3基（8,000ﾍﾞｸﾚﾙ基準）～3.3基（3,000ﾍﾞｸﾚﾙ基準）
②焼却灰処理プラント×7.2基
③異物除去後処理プラント×1基（？）記載なしのため処理量で上記プラ
ント比でおおよそ計算
④可燃物処理プラント×○基（記載なし）
合計＝最低10基以上？
異物除去プラントのみで27.4基

15. 専門家の見方
参考文献
「中間貯蔵施設をめぐる問題点と課題」OCU-GSB Working Paper No.201415
礒野弥生（東京経済大）除本理史（大阪市大）
環境と公害「中間貯蔵施設問題に寄せて」礒野弥生（東京経済大）
「核廃棄物管理・処分政策のあり方」原子力市民委員会 核廃棄物問題プロ
ジェクトチーム

16. 法律の不備
• 環境法（大気汚染防止法、水質汚濁防止法、土壌汚染
対策法）・廃棄物処理法からの放射性物質の適
用除外（2014年環境法改正で大気と水のみ適用さ
れたが基準値を定めないままサボタージュ）
• 他の有害物質が放出された場合、排出者責任
においてただちに対処・復旧する義務
放射能はまったくナシ！の無法地帯
原発事故により国が事業者に代わり回収（除染）、
処理処分（既存の施設あるいは仮設・新設）
⇒放射能汚染対処特措法（緊急措置としてフクシマ事故
のみに限定）100ベクレルを8000ベクレルに緩和
⇒恒久法に？

17. 中間貯蔵施設の設置における前提がなおざり
• 地域住民や国民の合意なしに行政の裁量で
決められることの妥当性
• 早期の復旧復興のため時間短縮を優先し、環
境影響評価を省略することの妥当性
• 汚染濃度が高いという理由で廃棄物処理地に
選定されることの妥当性
• 30年後の原状回復が未確定なまま国有化・地
上権を容認することで30年間国に土地利用を
委ねることの妥当性
「中間貯蔵施設をめぐる問題点と課題」礒野弥生（東京経済大）

18. 賠償問題
地権者 ： 「全損評価」で東電より不動産賠償
+ 所有権（地上権）・売却益（賃借益）
⇒売りたくない、貸したくない人はどうなるのか
非地権者： なし（部外者扱い）
帰還した場合、施設と共存させられる
不動産を売りたくても値がつかず売れない不公
平感
⇒施設周辺住民はもっとも大きな損害を受ける

19. 住民説明・参加手続きの不備
• 全町民対象（遠方避難者に不利）
2014年5月31～6月15日 計16会場
• 地権者限定
2014年9月29日～10月12日 計12回
⇒こののち個別交渉（訪問）
あまりに一方的、限定的、密室、対等性なし
インターネットを閲覧できない人への配慮なし
廃棄物処理法での設置手続以下
●自治体も国に依存するだけで住民への説明責任、施
設受け入れにかかる責任を果たそうとしていない

20. 施設の安全性
• 福島県環境影響評価条例の適用除外の妥当
性はあるのか（住民参加手続きの省略）
• 旧JESCOが請負う問題（現 中間貯蔵・環境安全事業
株式会社JESCO）
PCB処分施設での漏えい事故・運転誤操作事故
• 施設のスペック（仕様）の不備―六ヶ所村埋設セ
ンターと比較して大きく見劣り

21. 交付金（計3,010億円）
⇒このうち1000億円を2町に交付※
※ 大熊町は、役場の手続や住民同士が会うための交通費や宿泊費、県産品
購入費、子どもを学習塾やスポーツ教室に通わせた場合の授業料などにあてて
もらうため、来年度から10年間、年1人10万円を上限に、町民へ補助する方針。

22. 「人と自然回復基金」の創設を
交付金+東電寄付による「基金」の意義
当面戻れない施設周辺土地を買い上げまた
は賃借し、施設のバッファ機能と自然環境回
復観察機能を持たせる
• 自治体の裁量ではなく住民主導
• 地権者と周辺住民との公平性確保
• 国民・住民の視点での長期的支援・研究拠点

23. ご清聴ありがとうございました