1. ファッション論総論
中央大学 大野展弘

2. 「ファッション」とは
• “fassion”の語源
作ること、なすことを意味するラテン語「factio」に由来する
• 現在の用法
単に「服装」
流行、はやり
～流の、～風の

3. ファッションとは「服装」である。
１．機能性（暖かいか、すずしいか）
２．接触する肌との親和性（さらさら、ふわふわ、ちくちく）
３．着用者の延長としての空間の生成（服と肌との空間）
４．対外的心理効果（他人が見てどのような意味を感じるか）
５．対内的心理効果（自分が着ていてどのような意味を感じるか）
この５要素のトレードオフによって、各人の服装は決定する。
身体的機能
精神的機能

4. 具体例（オタクの場合）

5. 具体例２（パリコレの場合）

6. なぜダサいのか
• 服の本質的機能を満たしていないことを感じるから
• オタク
身体的機能のみを重視して、精神的機能を（ほぼ）度外視している
• パリコレ
精神的機能のみを重視して、身体的機能を度外視している

7. パリ
コレ
理想
全裸 オタク
精神的機能
身体的機能

8. ファッションとは「流行」である。
• ファッションは、時代に合わせて移り変わる。
• 階級を示すものであった服装は、今や万人のものとなった。

9. 具体例（最近の流行の場合）

10. 流行は消費物である
• 流行は常に反流行と共にある。
流行
反流行
反発
大衆化

11. ファッションとは「～流であること」である。
• 対外に、対内に、「自分の属性」を表明する道具である。
• 社会的属性、思想信条を反映するもの
• これも流行と同様に、反発勢力が発生する

12. では何を着るべきなのか
・当然、「何を着ても自由」
しかし、「思想を着る」ことを意識すると、もっと服を着るのは楽しくなる

13. 思想は服に宿る
服の思想的構成要素としては、大きく２つ
・その服そのものに込められた思想
・着用者がその服に対してどう意味づけしているか

14. 実生活において
デザイナーの思想を強く反映した服
• 高ぇよ
• そもそもこいつら何言ってんのか意味わかんねぇ……
例（YOHJI YAMAMOTO 14SS/ deconstruction, meaningless excitement

15. つまり……
• 我々は、自分で服に意味づけをしていくしかない
• モードの一期ごとに変わるテーマにとらわれるべきではない
生産者から消費者へと服が手渡された時、解釈の権限も同様に手渡
されている

16. 宿題
・ファッションに興味がない人
思想の場を無駄にしないようにしよう！
・ファッションに興味がある人
なんでその服を着ているのか、意味づけしてみよう！