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2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp
                                            http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm

0.「図書館・情報学」

0-1. 目標
a)社会生活における課題発見とその解決のために,情報を正しく理解し,活用する能力(情報リテラシー)
 を身につける。           [情報リテラシー:情報が必要なときに,それを認識し,必要な情報を効果的に見つけ出し,評価し,利用することがで

 きる。『高等教育のための情報リテラシー能力基準』http://www.ala.org/ala/mgrps/divs/acrl/standards/InfoLiteracy-Japanese.pdf]

b)情報活用能力を身につけるために,情報メディアと,情報の組織的な提供機関である図書館について,
 基礎的な事項を取りあげ,その特徴や仕組みを知る。
c)情報の収集・加工・発信の基礎的な演習により,情報メディアと図書館を活用するための理解を深める。

0-2. 日程と内容の予定

 回数     月日                                   内容                                            課題
1)     09/30    図書館:メディアを組織化して利用者に提供する仕組み                                         1)図書館の基礎知識
2)     10/02    目標:メディアを組織化して利用者に提供する「図書館」の仕組み                                    2)図書館機能の理解
                   を知る。図書館の仕組みや特徴を理解することによって,有効に
                   図書館を活用できるようになる。
                KeyWord:図書館・情報学,図書館,貸出
3)     10/14    情報メディア:情報を蓄積し伝達する図書,雑誌,インターネット                                    3-1)メディア比較(演習)
4)     10/21    目標:情報を蓄積し伝達する図書,雑誌,インターネット(Internetと                              3-2)学術論文の入手
                   表記も)などの図書館で提供される「情報メディア」についての特                                 4)図書の探索(演習)
                   徴を理解する。情報メディアの仕組みや特徴を理解することによ
                   って,有効に情報メディアを活用できるようになる。
                KeyWord:図書,雑誌,メディア利用,蔵書構成
5)     10/28    資料組織:情報メディアの収集,提供,保管                                              5)分類の理解(演習)
6)     11/04    目標:図書館で提供している情報メディアを効果的に活用するた                                     6)図書検索サイト
                   めに,図書館資料へのアクセス方法の仕組みを理解する。図書
                   館資料の組織化について理解することによって,情報メディアを
                   より効果的に活用できるようになる。
                KeyWord:書誌・所蔵事項,NDC,OPAC,総合目録
7)     11/11    情報検索:データベースやInternetを提供するシステムやサービス                                7-1)参考資料の理解
休               目標:情報へのアクセス方法の技術と,情報の入手方法について                                     7-2)参考図書の解題
8)     11/25       理解する。情報検索の具体例を知ることによって,課題探索を効                                  8)サイトの評価
                   果的に行うことができるようになる。
                KeyWord:参考図書,データベース,相互協力,インターネット
9)     12/02    情報発信:社会人に必要なコミュニケーション技術                                           9)授業評価
                目標:課題を発見し,情報を入手した後の最終段階として情報を
                   効果的に発信できるようになる。
                KeyWord:引用,参考文献,著作権
10)    12/09    試験 (成績評価は,毎回の理解確認テスト(出席),レポート,試験)




                                                    1
2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp
                                         http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm

1.メディアを組織化して利用者に提供する仕組みとしての「図書館」(1)
 図書館を4つの視点から理解する。4つの視点を,機能・要素,具体例から説明する


  概念図 2010/09/19              視点                機能・要素                具体例              まとめ

                                             娯楽・余暇


                                               教養
                           利用目的                                                   活用技術
                                             文化・集会


                                             調査・研究


                                               収集                  選書
                                                                                  テクニカル
                                                                                  サービス
                                                                 発注・受入
                                                                                  蔵書構築
                                            資料の組織化                 目録
                                                                                   OPAC

                            機能                                     分類             書架管理


                                               保存                排架・除籍

       社会
                                                                   閲覧


       設置母体                                                        複写
     (自治体、学校)
                                                                                  パブリック
                                               利用                  貸出
                                                                                  サービス


                                                                 レファレンス
        図書館

                                                                  相互協力



                                                  司書               図書


                                                                  雑誌・新聞

       図書館                                                                        情報メディア
      ネットワーク              構成要素                    資料              視聴覚資料

       総合目録
                                              施設・設備              データベース


                                                                 インターネット

                                                                                 情報検索
                                                                  参考図書


                                            国立国会図書館              県立図書館


                                             公共図書館              市区町村立図書館          利用手続

                                                                                  利用対象
                            館種               学校図書館              国公立大学図書館
                                                                                  所蔵資料

                                             大学図書館              公立大学図書館          サービス内容



                                             専門図書館              私立大学図書館




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2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp
                                                           http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm

2.メディアを組織化して利用者に提供する仕組みとしての「図書館」(2)


2-1. 図書館基礎データ                       [出典:日本の図書館                                             ]
 図書館数,蔵書数はどれくらいあるか。館種によって特徴と違いがある。
      公 図 館
       共 書                都 府 立
                           道 県          市 立
                                         区         町 立
                                                    村                 合計                   大 図 館
                                                                                            学 書                国立        公立            私立        計
       自 体
        治 数                        47        806       1,005           1,858                   本館                   86        75           567       728
      設 自 体
       置 治 数                       47        791            526        1,364                   分館                  206        48           375       629
       図 館
        書 数                        62     2,433             610        3,105                   館数                  292       123           942    1,357
       職 総
        員 数                     2,790    27,530        3,592          33,912                職 総
                                                                                             員 数                 3,651       977       9,106     13,734
 設 自 体 口 人
  置 治 人 (千 )                  127,053   112,980        9,024                                   学生              615,811 134,520 2,136,908 2,887,239
      蔵 数 冊
       書 (千 )                 40,455    289,974     42,427         249,057                 蔵 数 冊
                                                                                            書 (千 )              95,091   18,426     177,751 2,887,239
  平 蔵 数 冊
   均 書 (千 )                       653        119             70             120 1 当 り 均 書 (千 )
                                                                                 校 た 平 蔵 数 円                      1106       246           313       400
登 者 人 た 貸 冊
 録 一 当 り 出 数                     4.9       14.0         11.3               13.0       一 当 り 出 数
                                                                                       人 た 貸 冊                     8.4     11.1            7.6       8.0
 人 一 当 り 出 数
  口 人 た 貸 冊                       0.1        5.2            5.9
       回 率
        転                      46.4%     201.3%     126.5%            176.0%                   回 率
                                                                                                転                 7.2%    10.4%        10.8%       9.6%
      資 費 円
       料 (万 )                 323,731 2,445,023 320,286 3,089,040                          資 費 円
                                                                                            料 (万 )           1,957,455 335,149 4,590,049 6,882,653
 うち図書費(万円)                    257,055 1,880,087 248,369 2,385,511                     うち図書費(万円)                535,010 119,839 1,874,006 2,528,855
 う 雑 ・ 聞 (万 )
  ち 誌 新 費 円                    43,492   289,724     43,115         376,331            う 雑 新 (万 )
                                                                                       ち 誌 聞 円                 661,154 159,009 1,734,726 2,554,889
 うち視聴覚(万円)                      7,632   114,100     20,520         142,252 うち電子Journal(万円)                     720,665   61,834     839,511 1,622,010
  平 資 費 円
   均 料 (万 )                    5,221      1,005             525             995       平 資 費 円
                                                                                       均 料 (万 )                  6,704    2,725        4,873      5,072



2-2. 図書館のサービス
 図書館のサービスには,館種による特徴と,個々の図書館の個性がある。
                                  利用対象(閲覧)                            利用対象(貸出)                           利用手続                          蔵書構成
  国立国会図書館
      公共図書館
  国公立大学図書館
  私立大学図書館



2-3. 貸出冊数
 貸出冊数は6冊から10冊。何冊が適当で,20時までの開館時間は長いか?短いか?

                     貸出冊数                                       1984年(千葉県)                     1990年(千葉県)          2009年(東京都23区)
 25
                22




 20
                                                                      14




 15
                     12




                                                       12
                               11
                               11




                                                                                      10




 10
                                                                  9




                                                                                                                   6




                                                                                                                                       6
                                        5




  5
                                         4



                                                   3




                                                                                                                             3
                                                                                                         2




                                                                                                                                   2
       1




                                                            1




                                                                                               1
        0
        0



                          0



                                   0



                                             0




                                                                           0

                                                                               0
                                                                               0


                                                                                                0
                                                                                                0


                                                                                                     0
                                                                                                     0


                                                                                                               0
                                                                                                               0


                                                                                                                         0
                                                                                                                         0




                                                                                                                                       0




  0
        1冊       2冊              3冊      4冊         5冊            6冊以上            10冊          12冊   15冊        20冊      30冊       制限なし


                                                                                           出典:みんなの図書館. 1992.8, No.183, p.1.
東京都23区開館時間の最多                           20:00                      (22:00             千代田区千代田図書館,豊島区中央図書館)
東京都23区貸出期間の最多                           2週間                        (3週間               品川区,墨田区,練馬区)




                                                                                  3
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2-4. A大学図書館の業務
個人での本の購入[出版社→取次→書店→個人の本棚]と,図書館での本の購入・利用[出版社→取次→書店
→図書館→貸出・閲覧・コピー]の方法は違う。
                見えない部分                     業務                 見える部分
     受入担当(3階)                             a)選書
     01)図書の選書【1】と発注                         ↓
     02)図書の納品・受入 → 整理担当へ                  b)発注
     03)支払の書類作成 → 総務担当へ                     ↓                           【1】
     04)予算管理                              c)納品
                                            ↓
     整理担当(3階)【2】                          d)受入
     01)書誌データの入力【3】                         ↓                            【2】

よ      (書名,著者名,出版社など)                     e)目録
く
利    02)所蔵データの入力                            ↓
用      (請求記号,配架場所など)                      f) 支払
す
る    03)データベース・サーバー へ                       ↓                            【3】
部
分    04)OPACへのデータの反映                      g) 装備   メインカウンター担当(1階)
     05)装備【4】 → 閲覧担当へ【5】                    ↓     ・資料提供
                                          h)展示    01)新着図書の展示
     総務担当(3階)                               ↓     02)新着図書の書架への配架
     ・支払伝票の起票 → 大学の経理へ                    i)配架    03)本の貸出:学生証の読み取り【6】
                                            ↓         図書のバーコードの読み取り【7】
     雑誌担当(2階)                             j)貸出        返却期限印のスタンプ
     ・雑誌の選定から装備,支払まで                        ↓         ブックチェッカー
                                          k)支援    学習環境整備
     レファレンス担当(1階)【8】                              ILL担当(2階)
 利
 用   ・調査支援:参考図書コーナー,データベース                        ・他の図書館に雑誌論文を提供
 し
 な   ・図書館にない資料を他の図書館から取り寄せ                        01)他大学からの文献複写の受付
 い
 部    鶴見) 利用申込 → 所蔵館の確認 → 依頼                      02)雑誌の抜出と複写
 分
      他館) 依頼の受付 → 図書や論文の発送                        03)発送
      鶴見) 到着 → 利用 → 返送                            04)入金確認




【4】             【5】          【6】                【7】              【8】




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3.情報を蓄積し伝達する図書,雑誌,インターネットなどの「情報メディア」(1)
目標:情報を蓄積し伝達する図書,雑誌,インターネットなどの図書館で提供される「情報メディア」に
ついての特徴を理解する。情報メディアの仕組みや特徴を理解することによって,有効に情報メディアを
活用できるようになる。


3-0. 情報メディアの種類

1)メディアの紹介
 豆本,ちりめん本,ちりめん絵,絵図,マイクロフィッシュ,雑誌,抜き刷り,新聞,紙芝居,しかけ絵本,
携帯小説,これらの違いは,どの点にあるか?
  参考:豆本がちゃぽん. http://gacha.muica.net/        東京堂書店本店 3 階にて
  参考:株式会社大入. 縮緬本の工程. http://www.ooiri-co.com/soutei_chirimen.php


2)図書館で扱うメディアの種類(印刷資料,非印刷資料,電子資料,その他)と特徴(速報,体系)
 1-1)図書   全集,文庫,新書,復刻資料,月報,刷と版
 1-2)雑誌   一般雑誌,学術雑誌,大学紀要
 1-3)新聞   全国紙,地方紙,スポーツ紙,業界紙,
 1-4)レファレンス資料        辞典,事典,年鑑,白書,書誌,索引
 2-1)マイクロ資料      フィッシュ,ロール,カセット
 2-2)視聴覚資料     CD,ビデオ,LD,DVD
 3-1)パッケージ系電子資料          CD-ROM,DVD
 3-2)ネットワーク系電子資料           データベース,インターネット
 4)その他    行政資料,特許,規格,判例・法令,地図,楽譜,美術,点字
          放送系,博物館的,人間,場所・空間(現場)


3-1. 図書の構成
0)帯・カバー・奥付,1)表紙(表①と呼ぶこともある),2)見返しのあそび,3)前トビラ,4)口絵(欧米では
偶数ページ,日本では奇数ページに入れて本トビラと見開きにすることが多い),5)本トビラ(標題紙),6)
トビラ裏(欧米では奥付がはいる),7)献辞(「本書を○○に捧げる」などの小文),8)小序(出版までの経過,
協力者への謝意を表す),9)目次,10)図版目次,11)略語(内容説明に用いた略語の説明がはいる),12)序
文(執筆意図や主題などを入れる),13)解説,14)正誤表(欧米では本文と同じ文字で組み,誤りの箇所に切
って貼れるような配慮がしてある。わが国ではペラではさみ込む手法が多い),15)中トビラ,16)本文,17)
付録,18)あとがき,19)用語解説,20)文献の紹介,21)索引,22)見返しあそび,23)表紙裏
          出典:ジャパン SP アーチス E&D グループ編. 編集記者講座:通信教育. 編集技術編. 日本編集記者クラブ, 1975.


3-2. 雑誌
雑誌の各号の構成      表紙,目次,論文,奥付
論文の構成     論題,著者名,著者の所属機関名,抄録,本文,謝辞,参照文献,柱(ランニングタイトル:
雑誌名,巻・号など,コピーの元が判明する)
                    出典:科学技術情報流通技術基準 SIST 08-1986 学術論文の構成とその要素. 科学技術振興事業団, 1986.
雑誌の合冊製本工程       http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/bind/bind.htm




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                   洋装本の各部分の名称            出典:図書館問題研究会図書館用語委員会. 図書館用語辞典. 角川書店, 1982.




雑誌の各部分の名称
出典:科学技術情報流通技術基準 SIST 07-1985 学術雑誌の構成とその要素. 科学技術振興機構, 1985.


3-3. インターネット
トップページの構成          (大学図書館トップページのガイドライン
 http://www.slis.keio.ac.jp/~ueda/univlibguide/toppageguideline.html)
<図書館資料>      図書館が所蔵する資料について,検索ツール,オンラインで利用できる一次情報,コレク
 ション案内などを提供
<利用案内>     来館して利用する人のため,図書館の利用やアクセスの方法についてわかりやすく案内
<サービス一覧>       図書館の窓口で行っているサービスを案内し,ウェブページ上でも依頼受付
<図書館紹介>      図書館の概要や利用統計などを公開し,活動内容をアピール
メディアの歴史
 Epic 2014 日本語字幕付 http://jp.youtube.com/watch?v=AT9ho2G0N_Y
 EPIC 2014日本語訳 http://blog.digi-squad.com/archives/000726.html
 Epic 2015 by Robin Sloan and Matt Thompson http://www.albinoblacksheep.com/flash/epic
 英語のトランスクリプト
   http://www.masternewmedia.org/news/2004/11/29/summary_of_the_world_googlezon.htm

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4.情報を蓄積し伝達する図書,雑誌,インターネットなどの「情報メディア」(2)

4-1.メディアの利用時間
 私たちは「メディア」をどのように利用しているのでしょうか?

               メディアに使う一日平均時間 全体の平均                                                                250分          読む(見る・聞く・する)人の平均
             200分
                                                                                                  200分
             150分                                                                                 150分
             100分                                                                                 100分
             50分                                                                                   50分
              0分                                                                                    0分
                      書籍・雑誌


                                       新聞


                                                    ラジオ


                                                                  テレビ


                                                                                ネット




                                                                                                                 書籍・雑誌


                                                                                                                                   新聞


                                                                                                                                              ラジオ


                                                                                                                                                            テレビ


                                                                                                                                                                      ネット
             1989     1994             1999         2006          2007          2009               1989         1994               1999       2006           2007      2009



                                                                    読む(見る・聞く・する)人の割合
                                                    100%
                                                      80%
                                                      60%
                                                      40%
                                                      20%
                                                          0%
                                                                        書籍・雑誌


                                                                                      新聞


                                                                                                  ラジオ


                                                                                                            テレビ


                                                                                                                                 ネット




                                                      1989          1994              1999        2006          2007              2009



                                        メディアに使う一日平均時間 読む(見る・聞く・する)人の平均 (積み上げグラフ)

                    書籍・雑誌                           新聞                           ラジオ                        テレビ                               ネット

 2009
 2007
 2006
 1999
 1994
 1989

        0分                    100分                            200分                           300分                                400分                       500分              600分


                    4.0冊                                                                         4.0冊
                              テレビ視聴時間と読書量 2008年度                                                         ネット利用時間と読書量 2008年度
                                            図書               雑誌                                                     図書                   雑誌
                    3.0冊                                                                         3.0冊

                    2.0冊                                                                         2.0冊

                    1.0冊                                                                         1.0冊

                    0.0冊                                                                         0.0冊
                               1時間未満


                                            2時間未満


                                                          3時間未満


                                                                   5時間未満



                                                                                  5時間以上




                                                                                                          しない


                                                                                                                         30分未満

                                                                                                                                  1時間未満

                                                                                                                                          2時間未満


                                                                                                                                                    3時間未満


                                                                                                                                                              3時間以上
                                             1時間~


                                                           2時間~


                                                                    3時間~




                                                                                                                                           1時間~


                                                                                                                                                     2時間~
                                                                                                                                   30分~




                                                                                                                                       (『読書世論調査』(毎日新聞社)より作成)



                                                                                             7
2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp
                                      http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm
4-2.メディアの利用目的
必要な医療情報探し、インターネット利用7割(2009年8月27日                         読売新聞)
 最近見た健康情報は,テレビ79%,新聞69%,インターネット35%であるが,必要になった場合は,イ
ンターネットが70%と逆転する。
                    <http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090827-OYT8T00544.htm>


4-3.蔵書構成




a)本を選ぶ時のカタログ

b)慶應義塾大学湘南藤沢メディアセンター Collection Development Policies (蔵書構築方針) の蔵書レ
  ベル   [コンスペクタス(conspectus          概観    大体のありさま):各館が収集するレベルを設定し,細か
  い主題ごとに収集のレベルと概要を設定する]
  <http://www.sfc.lib.keio.ac.jp/general/cdpolicy/index.html>
    (全蔵書に対しての基本方針)
    ALA(アメリカ図書館協会)のガイドラインを参考に,1~6まで収集するレベルを作成
    1. 網羅的収集 -- 刊行されるものすべてを収集する。
    2. 積極的収集 -- 研究者レベルの要求を満たすような資料,研究のサポートに必要と思われる専門性の高い
        資料,学術情報を収集の対象とする。SFCでの重点主題,研究の最先端を意識した収集を行う。
    3. 収集する -- 主題知識をより高めるための,主として学習レベルに必要と思われる資料を収集する。
    4. 選択的収集 -- 入門的な知識や概要を与えてくれるような入門書,概説書,また教養を高めるための資料
        を収集する。教育的,啓蒙的なものを収集する。
    5. 厳選する -- 基本的な著作,重要性が高いと思われる資料以外ほとんど収集しない
    6. 収集しない

d)藤沢市図書館資料収集方針2009年版 [コンスペクタス]
  <http://www.lib.city.fujisawa.kanagawa.jp/pdf/090625_syuhosin2009.pdf>
    『藤沢市図書館資料収集方針2009年版』から
    1 基本方針
     藤沢市の図書館は、(1)市民の幼児期から高齢期にいたるライフ・サイクル全体にわたる創造性豊かな自
    己教育の場であり、(2)住民自治と地域文化の発展に寄与する自治体図書館として特色ある固有性に立脚し、
    (3)情報化社会にダイナミックに対応する「教育・文化・情報のための民主的機関」「ユネスコ公共図書館
                                           (
    宣言」)である。
     その図書館サービスは、「いつでも、どこでも、だれでも、なんでも」の民主的サービス原則によっておこ
    なわれる。
     この理念と原則をうけて、資料の収集は次の方針によっておこなう。

         (略)

    情報科学・コンピュータ(007)
     ・基本的な技術書・実用書を収集する。
     ・最新の主要な機種、システムについての技術書・実用書も収集する。
     ・利用度の高いソフト(エクセル、ワード等)の技術書・実用書を収集する。
     ・「情報技術者」など各種の資格取得に役立つ理論書・技術書・実用書を収集する。
     ・インターネットやインターネット検索の技術書・実用書を収集する。
     ・技術書だけでなく、「情報化社会」「情報公害」
                           「個人情報保護」
                                  「情報リテラシー」等、コンピュータと社
       会とのかかわりについて書かれたものにも留意する。




                                            8
2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp
                             http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm


5.資料組織:情報メディアの収集,提供,保管(1)
目標:図書館で提供している情報メディアを効果的に活用するために,図書館資料へのアクセス方法の仕
組みを理解する。図書館資料の組織化について理解することによって,情報メディアをより効果的に活用
できるようになる。


5-1.目録作成:OPACで資料を検索可能にする

・OPACは本を目録情報として抽象化
・書誌情報:書名,著者名,出版者,出版年,ページ,コード情報(ISBN,資料番号),
       内容(Webcat Plus では検索対象に)
・主題情報:NDC(日本十進分類法)(資料参照),BSH(基本件名標目表),
       NDLSH(国立国会図書館件名標目表)
・所蔵情報:配架場所,請求記号,Book ID(資料番号)
・検索キー:書誌情報,主題情報(分類:上位概念から下位概念,件名:日常語の音順)
・分類の特徴:利用に即さない面もある(情報と通信の分離,小説のジャンルに未対応ほか)


5-2.所蔵目録:図書館資料の検索手段は,カード目録からOPACへ発展した




                         手書き




                       電動タイプライター


    NDL印刷カード:1950-




                                                        LC印刷カード:1901-



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2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp
                                 http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm
5-3.分類:図書館の図書の並んでいる順番・仕組み
 図書館の図書の配列の仕組みと,その効果がわかりますか?
                                               『日本十進分類法(NDC) 新訂9版』100区分
00 総記                  010 図書館. 図書館学            50 技術. 工学
01  図書館. 図書館学          011 図書館政策. 図書館行財政        51  建設工学. 土木工事
                       012 図書館建築. 図書館設備
02  図書. 書誌学            013 図書館管理                52  建築学
03  百科事典               014 資料の収集. 資料の整理.        53  機械工学. 原子力工学
                             資料の保管
04  一般論文集. 一般講演集 015 図書館奉仕. 図書館活動               54  電気工学. 電子工学
05  逐次刊行物              016 各種の図書館               55  海洋工学. 船舶工学. 兵器
06  団体                 017 学校図書館                56  金属工学. 鉱山工学
                       018 専門図書館
07  ジャ-ナリズム. 新聞        019 読書. 読書法
                                                57  化学工業
08  叢書. 全集. 選集                                  58  製造工業
09  貴重書. 郷土資料. その他の特別コレクション                     59 家政学. 生活科学
                1 哲学                                      6 産業
10 哲学                                           60 産業         680 運輸. 交通
11  哲学各論         180 仏教                         61  農業        681 交通政策 行政 経営
                                                                       ・ ・
12  東洋思想         181 仏教教理. 仏教哲学                 62  園芸        682 交通史・事情
13  西洋哲学         182 仏教史                        63  蚕糸業       683 海運
                 183 経典
14  心理学          184 法話. 説教集                    64  畜産業. 獣医学 684 内水・運河交通
                                                              685 陸運. 自動車運送
15  倫理学. 道徳      185 寺院. 僧職                     65  林業        686 鉄道
16 宗教            186 仏会                         66  水産業       687 航空運送
17  神道           187 布教. 伝道                     67  商業        688 倉庫業
18  仏教           188 各宗                         68  運輸. 交通    689 観光事業
                 189
19  キリスト教                                       69  通信事業
                2 歴史                                    7 芸術. 美術
20 歴史                                           70 芸術. 美術    760 音楽
                           210 日本史
21  日本史                    211 北海道地方            71  彫刻       761 音楽の一般理論
22  アジア史. 東洋史              212 東北地方             72  絵画. 書道   762 音楽史
23  ヨ-ロッパ史. 西洋史            213 関東地方             73  版画       763 楽器
24  アフリカ史                  214 北陸地方             74  写真. 印刷   764 器楽合奏
25  北アメリカ史                 215 中部地方             75  工芸       765 宗教音楽
                           216 近畿地方                          766 劇音楽
26  南アメリカ史                 217 中国地方             76  音楽. 舞踊   767 声楽
27  オセアニア史. 両極地方史          218 四国地方             77  演劇. 映画   768 邦楽
28  伝記                     219 九州地方             78 スポ-ツ. 体育 769 舞踏. バレエ
29 地理. 地誌. 紀行                                   79 諸芸. 娯楽
              3 社会科学                                      8 言語
30 社会科学                                         80 言語
                     910 日本文学
31  政治               911 詩歌                     81  日本語
32  法律               912 戯曲                     82  中国語. その他の東洋の諸言語
33  経済               913 小説. 物語                 83  英語
34  財政               914 評論. エッセイ. 随筆           84  ドイツ語
35  統計               915 日記. 書簡. 紀行             85  フランス語
                     916 記録. 手記.
36  社会               917 箴言(しんげん,   戒め,教訓)
                                                86  スペイン語
37  教育               918 作品集                    87  イタリア語
38  風俗習慣.民俗学.民族学 919 漢詩文. 日本漢文学                 88  ロシア語
39  国防. 軍事                                      89  その他の諸言語
              4 自然科学                                      9 文学
40 自然科学                                         90 文学
41  数学               480 動物学                    91  日本文学
                     481 一般動物学
42  物理学              482 動物地理. 動物誌              92  中国文学. その他の東洋文学
43  化学               483 無脊椎動物                  93  英米文学
44  天文学. 宇宙科学        484 軟体動物. 貝類学              94  ドイツ文学
45  地球科学. 地学         485 節足動物                   95  フランス文学
46  生物科学. 一般生物学 486 昆虫類                         96  スペイン文学
                     487 脊椎動物
47  植物学              488 鳥類                     97  イタリア文学
48  動物学              489 哺乳類                    98  ロシア. ソビエト文学
49 医学. 薬学                                       99  その他の諸文学



                                     10
2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp
                                  http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm
5-4.本のバーコード:日本図書コードと書籍JANコードの仕組み
 本の裏表紙のバーコードの意味がわかりますか?




                          分類コード
                                              日本図書コード

                                              書籍JANコード

     分類コード【販売対象(1桁),発行形態(1桁),内容(2桁)】【NDC準拠,業界販売統計により修正】
 販売対象(1桁)      0     1      2       3         4      5       6      7     8      9
                                                            学参I   学参II          雑誌
              一般    教養     実用     専門                婦人                   児童
                                                           (小中)   (高校)          扱い
 発行形態(1桁)      0     1      2      3          4      5       6      7     8      9
                                  全集・        ムック・   事・                   磁性媒
              単行本   文庫     新書                              図鑑     絵本            コミック
                                  双書         その他    辞典                   体など
     内容(2桁)    0     1      2      3          4      5      6      7      8       9
                    百科     年鑑                情報
 0      総記    総記
                    事典     雑誌                科学
        哲学
                    心理     倫理                              キリスト
 1     心理学    哲学                             宗教     仏教
                    (学)    (学)                              教
        宗教
        歴史    歴史    日本     外国
 2                                伝記                地理     旅行
        地理    総記    歴史     歴史
              社会    政治            経済
        社会                                                                      民族・
 3            科学    含む国    法律     財政         経営            社会     教育
        科学                                                                      風習
              総記    防軍事           統計
              自然                                                  医学
        自然                                   天文
 4            科学    数学    物理学     化学                生物学           歯学
        科学                                   地学
              総記                                                  薬学
              工学
        工学                                          電子            採鉱・    その他
 5            工学    土木     建築     機械         電気            海事
        工業                                          通信            冶金     工業
              総記
              産業                                     交通
 6      産業          農林業   水産業     商業
              総記                                     通信
        芸術    芸術    絵画     写真     音楽         演劇      体育    諸芸                   コミック
 7                                                                家事
        生活    総記    彫刻     工芸     舞踊         映画     スポーツ   娯楽                    劇画
              語学                             ドイツ    フランス
 8      語学          日本語   英米語                                     各国語
              総記                              語       語
                                                     日本
                                  日本
                    日本     日本                        文学           外国     外国
              文学                  文学
 9      文学          文学     文学                        評論           文学     文学
              総記                  小説
                    総記     詩歌                        随筆           小説     その他
                                  物語
                                                    その他
[松平直壽. コードが変える出版流通:ISBNのすべて. 日本エディタースクール出版部, 1995, p.98-104]

5-5.資料組織:情報メディアの収集,提供,保管

a)料組織化:目録
記述目録法
 他の図書との識別・同定のため,および内容や形態などの特徴を示すための書誌記述。
 書名や著者名からのアクセス
主題目録法
 排列するための分類(書架分類),および主題を分析するための分類(書誌分類)。
 主題やテーマからのアクセス




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2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp
                                     http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm
b)分類の概要:分類目録と件名目録
 分類目録は,記号で表現され,記号の体系性を備えている。
 件名目録は,統制された語句で表現され,語句の体系性を持たないが,件名相互の関係(上下・同位・参
照など)が明示される。件名目録は日本では普及していない。参考:『基本件名標目表』(BSH),『国立国会
図書館件名標目表』(NDLSH)


c)件名
  •    ショクヒン     食品* (8)498.5;588;596(9)498.5;588;596
              SN[限定注記]:この件名標目は、食品一般に関する
             (中略) 商品としての食品に対しては、食料品を用いる。
              UF[直接参照あり(を見よ参照あり)]:たべもの
              NT[下位標目]:栄養.菓子.甘味料.食品学.               ・・・
              RT[関連標目]:食物
              SA[参照注記]:その他個々の食品名も件名標目となる。
  •    ショクヒン     食品(冷凍) →冷凍食品
  •    ショクヒンエ 食品衛生* (8)498.54(9)498.54
              UF:食品検査
              TT[最上位標目とその番号]:衛生 15
              BT[上位標目]:公衆衛生
              NT:栄養士.食品添加物.調理師.放射線殺菌
  •    ショクヒンカ 食品化学
  •    ショクヒンカ 食品学
  •    ショクヒンカ 食品加工                                など約1万項目


d)分類の考え方      [NDCより]
主題と形式:
 図書は主題によって分類し,その上で主題を表す叙述および出版形式によって細分する。
 文学(9類)は言語区分の上,文学共通区分という叙述形式の区分によって分類する。

複数主題:
 複数の主題を扱っている場合,中心となる主題のもとに分類する。
 中心主題がない場合,最初の主題に分類する。
  例:桃・栗・柿の園芸技術 → 桃(625.51)
 中心主題がなく,主題が4つ以上の場合は,上位の分類項目に分類する。
  例:アルミニウム・マグネシウム・チタニウム・ベリリウムとその合金                             →   軽金属(565.5)

主題と主題との関連:
1)影響関係:
  1つの主題が他の主題に影響を及ぼした場合は,影響を受けた側に分類する。
    例:浮世絵のフランス絵画への影響
    → フランス絵画(723.5)
2)因果関係:
  主題間の因果関係を扱った図書は,結果に分類する。
    例:地震と鉄道 → 鉄道建設(516)
3)概念の上下関係:
  上位概念の主題と下位概念の主題を扱った図書は,上位の主題に分類する。上位概念が漠然としている
ときは,下位概念に分類する。
    例:原子力・原子炉・核燃料
    → 原子力工学(539)
    例:禅と日本文化 → 禅(188.8)
4)比較関係:
  比較の尺度として使われている側ではなく,その尺度によって比較されている対象の側(著者の重点)に
分類する。
    例:イギリス人と日本人
    → 日本人(302.1)


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2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp
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5)並列する主題間の優先順位:
  並列する主題間の優先順位は,原則として一般から特殊への順序となっている。
   例:昆虫の生態研究
   → 動物生態学(481.7)ではなく,
      一般昆虫(486.1)

理論と応用:
1)特定主題の理論と応用を扱ったものは,応用に分類する。
   例:液晶とディスプレイ応用の基礎
   → 電子装置の応用(549.9)
2)特定理論の特定主題への応用は,その応用に分類する
   例:推計学による寿命実験と推計法
   → 生命表(339.43)

主題と材料:
 特定の主題を説明するために,材料として取り扱われたものは,説明している特定主題に分類する。
  例:ショジョウバエの遺伝と実験
  → 実験遺伝学(467.2)

主題と読者対象:
 特定の読者を対象に書かれた特定主題の図書は,職業などの読者層を示す特定の分類項目に分類する。
  例:警察官会話手帳 6ヶ国語でコミュニケーション
  → 警察官(317.7)


6.資料組織:情報メディアの収集,提供,保管(2)


6-1.日本十進分類法(NDC)について再整理
機能:書架での位置を決める。同一内容の図書をまとめて並べる。
分類作業:書名,序文,目次,後書きから図書の内容を把握。分類表によって分類記号を決定。
     類目表                                       概要
0類   総記       1類から9類までに主題区分するもの以外。図書館,一般論文集,ジャーナリズム,叢書
1類   哲学       人間の精神界に関わる著作。哲学,心理学,倫理学,宗教。
2類   歴史       時間的過程と地域的展開の記述に関わる著作。歴史,伝記,地理。
3類   社会科学     人間の社会生活に関わる諸現象を扱う著作。政治,法律,経済,統計,社会,教育,風
              俗習慣,国防。
4類   自然科学     自然科学の諸部門で構成。数学,理学,医学。
5類   技術       第二次産業の生産諸技術,その生産・流通経済に関する著作。工学,工業,家政学。
6類   産業       第一次産業と第三次産業を扱う著作。農林水産業,商業,運輸,通信。
7類   芸術       芸術,スポーツ・体育,諸芸・娯楽で構成。芸術,音楽,演劇,スポーツ,諸芸,娯楽。
8類   語学       語学に関する著作
9類   文学       文学作品と文学に関する研究に関する著作


6-2.OPACの使い方
・様々なOPAC:   『ブログ論壇の誕生』を例として検索
 a)NDL-OPAC <http://opac.ndl.go.jp/> → 一般資料の検索>
 b)東京都立図書館 <http://catalog.library.metro.tokyo.jp/>
 c)千代田区立図書館 <http://www.library.chiyoda.tokyo.jp/wo/opc/srh>
 d)横浜市立図書館 <https://www.lib.city.yokohama.jp/>
 e)藤沢市図書館 <http://www.lib.city.fujisawa.kanagawa.jp/search2.shtml>
 f)公共図書館へのリンク集 <http://wwwsoc.nii.ac.jp/jla/link/index.html>
 g)鶴見大学図書館 <http://library.tsurumi-u.ac.jp/opac/expart-query>



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 h)城西大学 水田記念図書館<http://libopac.josai.ac.jp/opac/opac_search.cgi?smode=1>
・検索の方法:キーワード,分類検索,検索結果(詳細表示のリンク)から芋づる式
・機能の差:リンク,内容情報




                                                                          【OPACの詳細表示の例】

6-3.総合目録
機能:複数の図書館の蔵書を検索する。個別館の目録を共同で作成する。
種類:大学図書館は「Webcat Plus」,公共図書館は「総合目録ネットワークシステム」,地域などの横断検
索システム,国立国会図書館の蔵書検索システムの「NDL-OPAC」,北米の「WorldCat」。
・図書館目録の種類:OPAC(単館),総合目録(データ集積),横断検索(一括する仕組み)
     i)Webcat Plus 連想検索 <http://webcatplus.nii.ac.jp/>              →    再現率を優先
     j)総合目録ネットワークシステム <http://unicanet.ndl.go.jp/>                         →    全国
     k)カーリル <http://calil.jp/>          →   全国
     l)NDL-OPAC <http://opac.ndl.go.jp/>       →       国立国会図書館
     m)WorldCta <http://www.worldcat.org/>         →    北米ほか


6-4.文献の検索と入手:NDL登録利用者 <http://opac.ndl.go.jp/ → 登録利用者用ID>
NDL-OPAC 雑誌記事索引 <http://opac.ndl.go.jp/ → 雑誌記事索引の検索>
NDL-OPAC 雑誌記事索引の使い方:特定主題の雑誌に限定して検索可能
                   <http://opac.ndl.go.jp/help/internet/ohelp2.html#area5>
                   <http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/url/ndl-opac.html>
      図書館関係の雑誌に載った東京大学に関する記事の検索などに有効。
      例:「雑誌分類」に「/ZU」をいれて,「論題名」に「東京大学」。
雑誌分類(雑誌記事索引)
ZA   政治・法律・行政               ZM 科学技術一般、数学、宇宙科学、物理学、地球科学                                    ZU   書誌・図書館
ZD   経済                     ZN 工学:建設、機械、運輸、電気、原子力                                         ZV   一般学術誌
ZE   社会・労働                  ZP 工学:化学、繊維、食品、金属、印刷                                          ZW   一般誌
ZF   教育                     ZR 生物学、農林水産                                                   ZY   児童誌
ZG   歴史・地理                  ZS 人類学、心理学、医学、薬学
ZH   哲学・宗教                  ZS44 歯科学・口腔外科学
ZK   芸術、言語・文学
             詳細:<http://www.ndl.go.jp/jp/library/data/ndl_ndlc.html>→<http://www.ndl.go.jp/jp/library/data/z.pdf>




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7.情報検索:DatabaseやInternetを提供するシステムやサービス(1)
目標:情報へのアクセス方法の技術と,情報の入手方法について理解する。情報検索の具体例を知ること
によって,課題探索を効果的に行うことができるようになる。

7-1.レファレンス資料の定義
 レファレンス資料は,調べるための本である。レファレンス資料は,一般図書とは分けて配架されてい
る。以下の特徴を持つ。
内容:     情報あるいはデータをコンパクトに収録している。
        参照しやすいように一定の配列方式にしたがって編集している。
形式:
        検索しやすいように何種類かの索引を持つ。
構成:     一般に,凡例+本体+索引で構成される。
        冊子形,CD-ROM,オンライン・データベース,インターネットがある。
形態:
        電子媒体はアクセスポイントが豊富である。


7-2.レファレンス資料の種類
 情報の性質によって,レファレンス資料を様々な角度からとらえることができる。

事実解説的トゥール      求める情報そのものを調べる。
  辞書           言葉の意味
  事典           事柄の解説
                  百科事典:総合百科事典,主題百科事典,地域百科事典
                  専門事典:専門主題事典,専門語辞典,作品用語事典,専門用語事典
  便覧・ハンドブック    特定分野の事項を体系的に解説
  図鑑           特定分野の事項を図や挿絵で図解して解説
  年表           関連事項を年代順に並べて解説
  年鑑           特定分野を統計,資料,図解により1年間の推移を概観
  地図帳          各種の地図
案内指示的トゥール      求めている情報を記録している図書や雑誌にはどんなものがあって,その情報
 (インターネットに移行) がどこに記載・所蔵されているのかを調べる。
  書誌           文献資料の書誌データのリスト
  目録           文献資料の書誌データと所蔵データのリスト
  索引           図書・雑誌・新聞に含まれている資料や情報の書誌データのリスト
               一冊の図書の巻末にある索引,雑誌記事索引
  抄録           主に雑誌論文の書誌データと内容のリスト
 レファレンス資料のガイドブック,書誌の書誌
               レファレンス資料の解説,リスト
 以下,事実解説的トゥール(事実を調べる:辞典と事典)について紹介する。案内指示的トゥールはイン
ターネットで調べたほうがよい。書誌の書誌は割愛する。
   資料名の前の数字は,長澤雅男; 石黒祐子共著『情報資源としてのレファレンスブック 新版』(JLA 2004)の掲載ページ




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7-3.言語・文字情報の探索
    読み方・発音,書き方・綴り字,語義・意味,語源・字源,同義語・反義語,用法・用例,出典など,
言葉に関する情報を調べるための各種の辞典がある。
1)国語辞典
•    204『日本国語大辞典 第 2 版』小学館 2000-2002 13 冊+別冊
2)漢和辞典
•    208『大漢和辞典 修訂第 2 版』大修館書店 1989-90 13 冊+2 冊
3)英語辞典
•    ---『Oxford English Dictionary.2nd ed。』1989   (◆CD-ROM 版,Web 版)
4)特殊辞典
•    227『現代用語の基礎知識』自由国民社 1948-2010+ [全年を見渡すと年表になる]
•    226『イミダス:情報・知識』集英社 1987-2007
•    228『知恵蔵:朝日現代用語:ちえぞう』朝日新聞社 1989-2007


7-4.事物・事象情報の探索
    図書館における三大質問は,事実調査,文献調査,人物・団体調査であるといわれる。事実調査は,名
称・呼称,種類・類別,内容・特徴,形状・色彩,数量・規模,方法・規則,機能・用途などに類別でき
る。
1)百科事典
•    303『ブリタニカ国際大百科事典 第 3 版』 TBS ブリタニカ 1995 20 冊
•    301『世界大百科事典』平凡社 1988 31 冊+別冊 (◆DVD 版,Web 版)
•    ---『大百科事典』平凡社 1984-85 16 冊
•    302『日本大百科全書 第 2 版』小学館 1994-97 26 冊 (◆CD-ROM 版,Web 版)
2)専門事典
•    338『岩波生物学辞典 第4版』八杉龍一等 岩波書店 1996 2027p
•    355『日本古典文学大辞典』岩波書店 1983-85 6 冊
    内容:作者,成立時期,成立論と諸本,内容・構成,主題・思想,影響,研究史,複製・復刻・活字
•    356『日本近代文学大事典』講談社 1977-78 6 冊
•    ---個人作家の事典 [芥川龍之介]
•    ---『中国学芸大事典』大修館書店 1978
3)便覧類,用語辞典
•    357『図書館情報学ハンドブック 第 2 版』図書館情報学ハンドブック編集委員会編 丸善 1999
•    ---『図書館ハンドブック 第 6 版』日本図書館協会 2005/08/28


7-5.歴史・日時情報の探索
    過去の出来事や,社会で起こった事件の,原因・動機,結果・結末,経緯・沿革,影響・効果,起源・
創始,日時・時期,実態・状況などを調べる。
1)歴史事典
•    403『国史大辞典』吉川弘文館 1979-97 17 冊 [平家物語][平安京の地図→京図]
•    p.92『日本史大事典』平凡社 1992-94 7 冊 [平安宮,平安京]
2)年表
•    413『日本出版百年史年表』日本書籍出版協会 1968
3)年鑑(一般年鑑,専門年鑑,統計年鑑)
•    439『朝日年鑑』朝日新聞社 1924-2000
•    441『読売年鑑』読売新聞社 1949-2010+
•    440『時事年鑑』時事通信社 1918-1944,1947-1994




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7-6.地理・地名情報の探索
    地名・呼称,起源・由来,位置・距離,面積・規模,人文環境,自然環境,案内・順路などを調べる
1)地理事典(地理学,各国事典,地域百科事典)
•    518-62『都道府県の地域百科事典』
2)地域年鑑
•    563『世界年鑑』共同通信社 1949-2010+
3)旅行案内書
•    ---『地球の歩き方』

参考    「図書館」について,広辞苑の記述
    同じレファレンス資料でも記述内容が異なってくる。そのため,複数の情報源を参照する必要がある。
    (0-1) 広辞苑. 初版. 岩波書店, 1955.    収録語数の記載なし
    と-しょ[図書]
       --かん クワン[図書館]図書・記録その他の資料を蒐集保管し,公衆の閲覧に供する機関。現在我
    国には,国立国会図書館の外,図書館法による地方公共団体の公立図書館,公益法人の私立図書館,学
    校付属の図書館などがある。図書館関係の人々の間で,
                            「図書館」をあらわす文字として「                                 」が用い
    られている。
    (0-2) 広辞苑. 第2版(1969)補訂版. 岩波書店, 1976.     約20万語
    と-しょ[図書]
       --かん クワン[図書館](library)(明治中期の訳語。初めズショカン)図書・記録その他の資料を
    集め保管し,公衆に閲覧させる施設。旧訳,書籍館(しょじゃくかん)。
    (0-3) 広辞苑. 第3版. 岩波書店, 1983.   約20万語
    と-しょ[図書]
       --かん クワン[図書館](library)(明治中期の訳語。それまでズショカンといった)図書・記録そ
    の他の資料を集め保管し,これを必要とする人に閲覧させる施設。旧訳,書籍館(しょじゃくかん)。
    (0-4) 広辞苑. 第4版. 岩波書店, 1991.   約22万語    1987年にCD-ROM版が刊行
    と-しょ[図書]
       --かん クワン[図書館](library)(明治中期の訳語。それまでズショカンといった)図書・記録そ
    の他の資料を収集・整理・保管し,必要とする人の利用に供する施設。旧訳,書籍館(しょじゃくかん)。
    (0-5) 広辞苑. 第5版. 岩波書店, 1998.   約23万語
    と-しょ[図書]
       --かん クワン[図書館](library)(明治中期の訳語。それまでズショカンといった)図書・記録そ
    の他の資料を収集・整理・保管し,必要とする人の利用に供する施設。旧訳,書籍館しょじゃくかん。
    (0-6) 広辞苑. 第6版. 岩波書店, 2008.   約23万語
    と-しょ[図書]
       --かん クワン[図書館](library)(明治中期の訳語。それまでズショカンといった)図書・記録そ
    の他の資料を収集・整理・保管し,必要とする人の利用に供する施設。旧訳,書籍館しょじゃくかん。
    木下杢太郎,医師ドオバンの首「生前所蔵せる浩翰なる書籍を王室の - に寄贈致す」
       --かん-がく クワン・・[図書館学]図書館の機能・運営・歴史などを研究対象とする学問。第6
    版より新設。[木下, 杢太郎(1885-1945) <キノシタ, モクタロウ>。「医師ドオバンの首」は,明治
    45(1912)年6月発行の『和泉屋染物店』に収録]



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レファレンス資料の解題
    以下の観点から,選んだレファレンス資料に適合する項目に区分して評価をおこなう。
•    製作に関わる要素:編著者,出版者・出版社,出版年。
•    内容に関わる要素:収録範囲・内容(主題・時代・地域),収録資料の種類,内容の記述・表現,項目
     の選定,配列方法(五十音順,ABC 順,年代順,地域順,体系順),検索手段,収録情報の正確さ。収
     録事項数,記述の分量,配列体系,索引の種類など。
•    利用に関わる要素:価格,操作性(凡例,項目見出し,記述,索引の使い勝手)   ,検索性能。
•    相対的な評価:想定され用途や効用。


    事実解説型レファレンス資料と電子メディアの解題の記述事例
資料名      【書名,著者名,出版者,出版年,ページ数,請求記号,BOOK ID】
         図説江戸料理事典. 松下幸子. 柏書房, 1996, 444p.
資料タイプ    事実解説型,事典
主題       江戸時代の料理や料理用語,料理法。
種類       専門事典
範囲       【主題,時代,年代,収録数などの収録範囲】
         江戸時代の料理書で,料理法の記述のある料理書に掲載されているもの。
項目数      凡例に記載がなく不明。見開きに2項目としておよそ300項目と推測される。
本文       【内容,長さ,詳しさ,平易[heii]さなどの記載項目】
         「めし類」「すし類」「めん類」など14項目に分け,料理についての解説と料理法を説明し
         ている。
構成       【構成・配列:音順,体系順など】
         本文と4種類の付録,索引から構成される。本文は16項目の料理とその解説,関連の図絵な
         ど。
索引       【その有無,所在,言語・種類,配列など項目へのアプローチ】
         目次で料理種別を,詳細目次で種別事の料理名を知ることができる。さらに50音順索引か
         ら掲載ページを検索できる。
用途,印象    現在でも作られる料理の起源や,江戸時代の料理法が詳しくわかる。文学作品や演劇に現
         れる料理の実際がわかる。図や絵で実際の料理手順や食材の製造法も説明されているので
         有用である。


電子メディアの記述事例
サイト名     【名称,製作,URL】Dnavi 国立国会図書館           http://dnavi.ndl.go.jp/
資料タイプ    Webサイト
範囲       国内に置かれるウェブサイト上で公開されているデータベースを選択的に収録。
項目数      平成14年11月の公開時点での収録数は約5,000件で,平成17年8月25日現在8,963件。
検索       キーワードによる検索とNDCによるテーマ別のブラウジング。館蔵品・所蔵品の一覧を
         表示。項目を指定し,論理演算も可能な詳細検索も提供。
出力       一覧表示では,タイトル,作成者,公開者,公開日,URL,内容を表示。詳細表示では,
         タイトル,作成者,公開者,内容,URL,NDC,公開日,NDL資源タイプの8項目
         を表示。タイトル,作成者,公開者,公開で並べ替え。
利用法      ヘルプ<http://dnavi.ndl.go.jp/netnv/Dnavi_Help.html>,事業紹介
         <http://dnavi.ndl.go.jp/netnv/Dnavi_Intro.html>により,DBの概要と操作方法を知る
         ことが出来る。
用途,印象    ウェブ上の各種DBへのリンクを提供するゲートウェイ・サービス。著名なインターネッ
         ト上のDBの収録率は高く,質量ともに充実している。




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8.情報検索:データベースやインターネットを提供するシステムやサービス(2)

◆情報探索行動
1)情報獲得方法
 a)環境モニタリング:危険や好機の兆候を読み取るため常に周囲の状況に注意を払う
 b)情報との遭遇:過去のニーズ,潜在的なニーズ,友人のニーズにより情報に出合う
 c)情報問題解決:問題の解決を目的として情報を探す
2)情報問題解決プロセス:プロセスの過程で知識構造が変化してニーズも変化する
 第一段階)課題の設定:情報問題解決の目的と情報ニーズを明らかにする
 第二段階)情報探索戦略:課題に適した情報を得るための選択肢を確認する
 第三段階)情報源にあたる:情報源を探し出し,それにアクセスする
 第四段階)情報の獲得:情報源から情報を獲得する
 第五段階)情報の統合:さまざまな情報源から獲得した情報をまとめる
 第六段階)評価:プロセスと成果を評価する
           【三輪眞木子. 情報検索のスキル:未知の問題をどう解くか. 中央公論新社(中公新書),2003, p.15-30,58-73】

◆検索エンジンにおけるキーワードの選択                   [アンダーライン部分からキーワードを抽出する]
  NHKの「おはよう日本まちかど情報室」10月28日(火)朝6:30から紹介された「洗濯機に入れて洗濯を
すると,衣類についている油を吸着して衣類の黄ばみがなくなる赤い玉」について,NHKでは商品名を
出さないためその商品名を検索する。ヒット件数が大きすぎず,番組で聞こえた単語のうちその商品を説
明するときに用いられそうな単語を検索語とすると「Google“洗濯機 油 吸着”                               」のようになる。
<http://stylestore.allabout.co.jp/mojo/ProductInfo/sku/FD014-00-5000-A174/>
  名前の分からないものを検索するときには,検索語としてそのものを説明する既知の単語を複数個選択
して検索する。名前が分かっているときには,そのものについての説明を探すのは簡単であるが,名前が
分からないときには名前を調べる段階が必要になる。名前の分からないケースにはよく遭遇する。レポー
トで使う本をテーマから探すときも同様である。テレビの映像をみて,名前を聞き漏らして,その地名や
建物の名前を調べたいこともある。
  検索事例(1):明治文献             検索事例(2):台風,ハリケーン,サイクロン
  検索事例(3):    「永遠にけふの命の華やかさかなしさを君忘るるなかれ」は誰の歌か?
      インターネットには奇特な人がいて<http://www.joyous-g.co.jp/i-zuisou-a3.html>,
      牧水の歌とわかる[local]。        『若山牧水全歌集』(p.58)で確認する。
      (正)「とこしへに けふのいのちの 花やかさ かなしさを君 忘るるなかれ」
      しかし,現在,サイトは消滅している。Internet Archive Wayback Machineで保存されているのみ。
      <http://web.archive.org/web/20050217110115/http://joyous-g.co.jp/i-zuisou-a3.html>

◆検索エンジンのノウハウ:Google <http://www.google.co.jp/>
 1) 検索語の形
   言葉の概要を知りたいときは「~~とは」 「~~は」で検索
   「"~~"」によるフレーズ検索は精度が高い,完全一致は「+~~」,除外は「-~~」
   名詞の羅列で再現率より精度を高める
 2) 検索設定:表示件数を100件
 3) 検索オプション:既知URLへのリンクから芋づる式検索,類似ページ,ファイル形式指定

◆PageRank テクノロジー
  引用・被引用の芋づる式を集計した結果で検索結果を配列。Yahoo!のカテゴリ一覧は後退。
<http://www.google.co.jp/corporate/tech.html><http://e-words.jp/w/PageRank.html>




                                            19
2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp
                                       http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm
◆Webページの評価
(1)制作者
・制作者の存在が明示されている(制作者の解説,オフィスの写真,加盟会員リストなど)
・制作者が誠実で信頼できる(信頼できるサイトからリンクされている)
・制作者にコンタクトできる(住所,電話,FAX,メール,地図)
(2)内容
・情報の内容が正確である(個々のページのタイトルが適切,情報の出典を明示)
・情報発信者と提供されているコンテンツやサービスに専門性がある
・定期的に更新されている
・小さな誤りがない(正しい日本語,誤字・リンク切れがない)
・量が豊富(他のサイトへのリンクが充実)
(3)デザイン・操作性           例:CiNii(サイニイ) <http://ci.nii.ac.jp/>の新旧比較
・デザインがよい(見やすい,テーマが明確)
・使いやすく便利である(ページ内のテーマが統一)
・宣伝的な要素に節度がある
   【長谷川豊祐. "ネットワーク系電子資料". 日本図書館協会図書館ハンドブック編集委員会. 図書館ハンドブック. 第6版. 2005.5, p.253-259.】



◆Wikipedia(ウィキペディア)の評価
ウィキペディア,信頼度は?引用を禁じる動き. 朝日新聞. 2007年9月4日, p.29.
 静岡新聞の論説で,宮沢喜一元首相の北方領土交渉に関するエピソードが,ウィキペディアから出典を
示さず引用され,静岡新聞は「取材の参考にするのは構わないが,記事を書く際の出典として使うべきで
はない」とした。創始者のウェールズ氏は「頼るのではなく,情報のとっかかりに」としている。


◆雑誌記事検索サイトにおける情報の提供範囲
 NDL-OPAC <http://opac.ndl.go.jp/index.html>
 CiNii(サイニイ) <http://ci.nii.ac.jp/>
 Google Scholar <http://scholar.google.co.jp/>
 JAIRO : Japanese Institutional Repositories Online <http://jairo.nii.ac.jp/>
                    書誌データ             抄録                全文                 被引用関係(注)
NDL-OPAC            あり                なし                なし                 なし
CiNii(サイニイ)         あり                一部あり              一部あり               有料
Google Scholar      あり                一部あり              一部あり               あり
   注    引用関係:     論文A(1980年) 論文B(1990年) 論文C(2000年)                 ┐
                   ↑         │ │          ↑                        │
                   └─引用関係─┘ └─被引用関係─┘                              │   芋づる式
                  古い論文が見つかる      新しい論文が見つかる                        │   (蔓の認識)
                  Bの元になったA       Bが展開したC                           ┘


◆雑誌記事検索サイトの推奨される使い方                    [図書の取り寄せ方法は?]
1)NDL-OPACによって書誌データを検索
2)検索結果の論文タイトルから Google Scholar を検索して本文を入手
3)入手できない場合,NDLの登録利用者制度
     <http://www.ndl.go.jp/jp/information/guide.html>で入手


◆◆図書館・情報学関連のリンク集 <http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/url/url.htm>◆◆




                                             20
2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp
                                        http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm
9.情報発信:社会人に必要なコミュニケーション技術
目標:課題を発見し,情報を入手した後の最終段階として情報を効果的に発信できるようになる。

◆Wikipedia利用の可否
         平均    (3:良い     2:どちらともいえない              1:悪い) (2009年度受講生より        n=44)
                    公式メディア(TV,新聞,図書ほか)                          1.6
                    卒業論文                                        1.3
                    授業のレポート                                     1.5
                    レポートや論文などの予備調査                              2.5
                    個人的な疑問の解決                                   2.8


◆論文執筆のツール
◇ブクログ <http://booklog.jp/users/toyohiroh>
 「ブクログ」では,インターネット上に自分の本棚をつくって公開し,自分と共通の関心を有する人た
ちと本棚を「共有」できる。
 個人専用本棚「Bookboard.jp」<http://www.bookboard.jp/index.php>もある。


◇パソコン:デスクトップ,タスクバー
 複数のアプリケーションを並行して使う。Webサイトを参照しながら,文書を書き,グラフや図形を貼り
付けてレポートを作成。画面下部のタスクバーでデスクトップの全体を管理。




◇ワード:ツールバー,書式設定,アウトライン
 文書作成を支援する仕組みが用意されている。効率的な入力方法,構成の並べ替えなど。


◇エクセル:図形描画,グラフ,ピポットテーブル


◇zotero <http://www.zotero.org/>
 インターネットでの情報収集を支援する。zotero は,アルバニア語の獲得するに由来。


◇CaptureXP <http://www.vector.co.jp/soft/win95/art/se039405.html>
 パソコンに表示されている画面を切り取るためのツール,Windows 7 には付随。


◇JTrim <http://www.vector.co.jp/soft/win95/art/se108932.html>
 画像編集,ファイル形式変換のためのツール


◇Freemind <http://www.freemind-club.com/>
 知識やアイデアを図式化するマインドマップを作成するツール


◇iGoogle <http://www.google.co.jp/ig>
 Webのコンテンツを追加して,自分仕様にGoogleをカスタマイズし,blogも閲覧できる。登録が必要だが,
どこでも利用可能。Gmailなどのフリーメールも同様。


                                             21
2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp
                                        http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm


◆参考文献の書き方


◇SIST 02   参照文献の書き方 <http://sist-jst.jp/handbook/sist02_2007/sist02.htm>


  雑誌の記事
西潔, 石原和弘. 火山地域における震源計算についての提案. 火山. 2003, vol. 48, no. 5, p. 407-413.


  図書1冊
照明学会編. 照明ハンドブック. 第2版, オーム社, 2003, 573p.


  図書の1章,または一部
鵜飼保雄. “遺伝率の相対性”. 量的形質の遺伝解析. 医学出版, 2002, p. 109-110.


  ウェブサイト        (「J-STORE」に掲載された記事)
坂本和夫編. “パルスレーザーアブレーションにおけるドロップレットフリー薄膜の作製技術”. J-STORE.
2005-11-01. http://jstore.jst.go.jp/cgi-bin/techeye/detail.cgi?techeye_id=32, (参照
2006-06-23).


◇The Chicago manual of style. 15th ed. University of Chicago Press, 2003, 956p.
  英語の文書を作成する際の形式に関する一番詳細なマニュアル。
<http://www.chicagomanualofstyle.org/>


◆最終日の試験について
  手書きノートのみ持込み可。
  自分で入力した文書の印刷結果を貼り付けも大量でなければ可とします。
  試験時間は,18:30~19:30 とします。




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2010 unit01 09

  • 1. 2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm 0.「図書館・情報学」 0-1. 目標 a)社会生活における課題発見とその解決のために,情報を正しく理解し,活用する能力(情報リテラシー) を身につける。 [情報リテラシー:情報が必要なときに,それを認識し,必要な情報を効果的に見つけ出し,評価し,利用することがで きる。『高等教育のための情報リテラシー能力基準』http://www.ala.org/ala/mgrps/divs/acrl/standards/InfoLiteracy-Japanese.pdf] b)情報活用能力を身につけるために,情報メディアと,情報の組織的な提供機関である図書館について, 基礎的な事項を取りあげ,その特徴や仕組みを知る。 c)情報の収集・加工・発信の基礎的な演習により,情報メディアと図書館を活用するための理解を深める。 0-2. 日程と内容の予定 回数 月日 内容 課題 1) 09/30 図書館:メディアを組織化して利用者に提供する仕組み 1)図書館の基礎知識 2) 10/02 目標:メディアを組織化して利用者に提供する「図書館」の仕組み 2)図書館機能の理解 を知る。図書館の仕組みや特徴を理解することによって,有効に 図書館を活用できるようになる。 KeyWord:図書館・情報学,図書館,貸出 3) 10/14 情報メディア:情報を蓄積し伝達する図書,雑誌,インターネット 3-1)メディア比較(演習) 4) 10/21 目標:情報を蓄積し伝達する図書,雑誌,インターネット(Internetと 3-2)学術論文の入手 表記も)などの図書館で提供される「情報メディア」についての特 4)図書の探索(演習) 徴を理解する。情報メディアの仕組みや特徴を理解することによ って,有効に情報メディアを活用できるようになる。 KeyWord:図書,雑誌,メディア利用,蔵書構成 5) 10/28 資料組織:情報メディアの収集,提供,保管 5)分類の理解(演習) 6) 11/04 目標:図書館で提供している情報メディアを効果的に活用するた 6)図書検索サイト めに,図書館資料へのアクセス方法の仕組みを理解する。図書 館資料の組織化について理解することによって,情報メディアを より効果的に活用できるようになる。 KeyWord:書誌・所蔵事項,NDC,OPAC,総合目録 7) 11/11 情報検索:データベースやInternetを提供するシステムやサービス 7-1)参考資料の理解 休 目標:情報へのアクセス方法の技術と,情報の入手方法について 7-2)参考図書の解題 8) 11/25 理解する。情報検索の具体例を知ることによって,課題探索を効 8)サイトの評価 果的に行うことができるようになる。 KeyWord:参考図書,データベース,相互協力,インターネット 9) 12/02 情報発信:社会人に必要なコミュニケーション技術 9)授業評価 目標:課題を発見し,情報を入手した後の最終段階として情報を 効果的に発信できるようになる。 KeyWord:引用,参考文献,著作権 10) 12/09 試験 (成績評価は,毎回の理解確認テスト(出席),レポート,試験) 1
  • 2. 2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm 1.メディアを組織化して利用者に提供する仕組みとしての「図書館」(1) 図書館を4つの視点から理解する。4つの視点を,機能・要素,具体例から説明する   概念図 2010/09/19              視点                機能・要素                具体例              まとめ 娯楽・余暇 教養 利用目的 活用技術 文化・集会 調査・研究 収集 選書 テクニカル サービス 発注・受入 蔵書構築 資料の組織化 目録 OPAC 機能 分類 書架管理 保存 排架・除籍 社会 閲覧 設置母体 複写 (自治体、学校) パブリック 利用 貸出 サービス レファレンス 図書館 相互協力 司書 図書 雑誌・新聞 図書館 情報メディア ネットワーク 構成要素 資料 視聴覚資料 総合目録 施設・設備 データベース インターネット 情報検索 参考図書 国立国会図書館 県立図書館 公共図書館 市区町村立図書館 利用手続 利用対象 館種 学校図書館 国公立大学図書館 所蔵資料 大学図書館 公立大学図書館 サービス内容 専門図書館 私立大学図書館 2
  • 3. 2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm 2.メディアを組織化して利用者に提供する仕組みとしての「図書館」(2) 2-1. 図書館基礎データ [出典:日本の図書館 ] 図書館数,蔵書数はどれくらいあるか。館種によって特徴と違いがある。 公 図 館 共 書 都 府 立 道 県 市 立 区 町 立 村 合計 大 図 館 学 書 国立 公立 私立 計 自 体 治 数 47 806 1,005 1,858 本館 86 75 567 728 設 自 体 置 治 数 47 791 526 1,364 分館 206 48 375 629 図 館 書 数 62 2,433 610 3,105 館数 292 123 942 1,357 職 総 員 数 2,790 27,530 3,592 33,912 職 総 員 数 3,651 977 9,106 13,734 設 自 体 口 人 置 治 人 (千 ) 127,053 112,980 9,024 学生 615,811 134,520 2,136,908 2,887,239 蔵 数 冊 書 (千 ) 40,455 289,974 42,427 249,057 蔵 数 冊 書 (千 ) 95,091 18,426 177,751 2,887,239 平 蔵 数 冊 均 書 (千 ) 653 119 70 120 1 当 り 均 書 (千 ) 校 た 平 蔵 数 円 1106 246 313 400 登 者 人 た 貸 冊 録 一 当 り 出 数 4.9 14.0 11.3 13.0 一 当 り 出 数 人 た 貸 冊 8.4 11.1 7.6 8.0 人 一 当 り 出 数 口 人 た 貸 冊 0.1 5.2 5.9 回 率 転 46.4% 201.3% 126.5% 176.0% 回 率 転 7.2% 10.4% 10.8% 9.6% 資 費 円 料 (万 ) 323,731 2,445,023 320,286 3,089,040 資 費 円 料 (万 ) 1,957,455 335,149 4,590,049 6,882,653 うち図書費(万円) 257,055 1,880,087 248,369 2,385,511 うち図書費(万円) 535,010 119,839 1,874,006 2,528,855 う 雑 ・ 聞 (万 ) ち 誌 新 費 円 43,492 289,724 43,115 376,331 う 雑 新 (万 ) ち 誌 聞 円 661,154 159,009 1,734,726 2,554,889 うち視聴覚(万円) 7,632 114,100 20,520 142,252 うち電子Journal(万円) 720,665 61,834 839,511 1,622,010 平 資 費 円 均 料 (万 ) 5,221 1,005 525 995 平 資 費 円 均 料 (万 ) 6,704 2,725 4,873 5,072 2-2. 図書館のサービス 図書館のサービスには,館種による特徴と,個々の図書館の個性がある。 利用対象(閲覧) 利用対象(貸出) 利用手続 蔵書構成 国立国会図書館 公共図書館 国公立大学図書館 私立大学図書館 2-3. 貸出冊数 貸出冊数は6冊から10冊。何冊が適当で,20時までの開館時間は長いか?短いか? 貸出冊数 1984年(千葉県) 1990年(千葉県) 2009年(東京都23区) 25 22 20 14 15 12 12 11 11 10 10 9 6 6 5 5 4 3 3 2 2 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1冊 2冊 3冊 4冊 5冊 6冊以上 10冊 12冊 15冊 20冊 30冊 制限なし 出典:みんなの図書館. 1992.8, No.183, p.1. 東京都23区開館時間の最多 20:00 (22:00 千代田区千代田図書館,豊島区中央図書館) 東京都23区貸出期間の最多 2週間 (3週間 品川区,墨田区,練馬区) 3
  • 4. 2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm 2-4. A大学図書館の業務 個人での本の購入[出版社→取次→書店→個人の本棚]と,図書館での本の購入・利用[出版社→取次→書店 →図書館→貸出・閲覧・コピー]の方法は違う。 見えない部分 業務 見える部分 受入担当(3階) a)選書 01)図書の選書【1】と発注 ↓ 02)図書の納品・受入 → 整理担当へ b)発注 03)支払の書類作成 → 総務担当へ ↓ 【1】 04)予算管理 c)納品 ↓ 整理担当(3階)【2】 d)受入 01)書誌データの入力【3】 ↓ 【2】 よ (書名,著者名,出版社など) e)目録 く 利 02)所蔵データの入力 ↓ 用 (請求記号,配架場所など) f) 支払 す る 03)データベース・サーバー へ ↓ 【3】 部 分 04)OPACへのデータの反映 g) 装備 メインカウンター担当(1階) 05)装備【4】 → 閲覧担当へ【5】 ↓ ・資料提供 h)展示 01)新着図書の展示 総務担当(3階) ↓ 02)新着図書の書架への配架 ・支払伝票の起票 → 大学の経理へ i)配架 03)本の貸出:学生証の読み取り【6】 ↓ 図書のバーコードの読み取り【7】 雑誌担当(2階) j)貸出 返却期限印のスタンプ ・雑誌の選定から装備,支払まで ↓ ブックチェッカー k)支援 学習環境整備 レファレンス担当(1階)【8】 ILL担当(2階) 利 用 ・調査支援:参考図書コーナー,データベース ・他の図書館に雑誌論文を提供 し な ・図書館にない資料を他の図書館から取り寄せ 01)他大学からの文献複写の受付 い 部 鶴見) 利用申込 → 所蔵館の確認 → 依頼 02)雑誌の抜出と複写 分 他館) 依頼の受付 → 図書や論文の発送 03)発送 鶴見) 到着 → 利用 → 返送 04)入金確認 【4】 【5】 【6】 【7】 【8】 4
  • 5. 2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm 3.情報を蓄積し伝達する図書,雑誌,インターネットなどの「情報メディア」(1) 目標:情報を蓄積し伝達する図書,雑誌,インターネットなどの図書館で提供される「情報メディア」に ついての特徴を理解する。情報メディアの仕組みや特徴を理解することによって,有効に情報メディアを 活用できるようになる。 3-0. 情報メディアの種類 1)メディアの紹介 豆本,ちりめん本,ちりめん絵,絵図,マイクロフィッシュ,雑誌,抜き刷り,新聞,紙芝居,しかけ絵本, 携帯小説,これらの違いは,どの点にあるか? 参考:豆本がちゃぽん. http://gacha.muica.net/ 東京堂書店本店 3 階にて 参考:株式会社大入. 縮緬本の工程. http://www.ooiri-co.com/soutei_chirimen.php 2)図書館で扱うメディアの種類(印刷資料,非印刷資料,電子資料,その他)と特徴(速報,体系) 1-1)図書 全集,文庫,新書,復刻資料,月報,刷と版 1-2)雑誌 一般雑誌,学術雑誌,大学紀要 1-3)新聞 全国紙,地方紙,スポーツ紙,業界紙, 1-4)レファレンス資料 辞典,事典,年鑑,白書,書誌,索引 2-1)マイクロ資料 フィッシュ,ロール,カセット 2-2)視聴覚資料 CD,ビデオ,LD,DVD 3-1)パッケージ系電子資料 CD-ROM,DVD 3-2)ネットワーク系電子資料 データベース,インターネット 4)その他 行政資料,特許,規格,判例・法令,地図,楽譜,美術,点字 放送系,博物館的,人間,場所・空間(現場) 3-1. 図書の構成 0)帯・カバー・奥付,1)表紙(表①と呼ぶこともある),2)見返しのあそび,3)前トビラ,4)口絵(欧米では 偶数ページ,日本では奇数ページに入れて本トビラと見開きにすることが多い),5)本トビラ(標題紙),6) トビラ裏(欧米では奥付がはいる),7)献辞(「本書を○○に捧げる」などの小文),8)小序(出版までの経過, 協力者への謝意を表す),9)目次,10)図版目次,11)略語(内容説明に用いた略語の説明がはいる),12)序 文(執筆意図や主題などを入れる),13)解説,14)正誤表(欧米では本文と同じ文字で組み,誤りの箇所に切 って貼れるような配慮がしてある。わが国ではペラではさみ込む手法が多い),15)中トビラ,16)本文,17) 付録,18)あとがき,19)用語解説,20)文献の紹介,21)索引,22)見返しあそび,23)表紙裏 出典:ジャパン SP アーチス E&D グループ編. 編集記者講座:通信教育. 編集技術編. 日本編集記者クラブ, 1975. 3-2. 雑誌 雑誌の各号の構成 表紙,目次,論文,奥付 論文の構成 論題,著者名,著者の所属機関名,抄録,本文,謝辞,参照文献,柱(ランニングタイトル: 雑誌名,巻・号など,コピーの元が判明する) 出典:科学技術情報流通技術基準 SIST 08-1986 学術論文の構成とその要素. 科学技術振興事業団, 1986. 雑誌の合冊製本工程 http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/bind/bind.htm 5
  • 6. 2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm 洋装本の各部分の名称 出典:図書館問題研究会図書館用語委員会. 図書館用語辞典. 角川書店, 1982. 雑誌の各部分の名称 出典:科学技術情報流通技術基準 SIST 07-1985 学術雑誌の構成とその要素. 科学技術振興機構, 1985. 3-3. インターネット トップページの構成 (大学図書館トップページのガイドライン http://www.slis.keio.ac.jp/~ueda/univlibguide/toppageguideline.html) <図書館資料> 図書館が所蔵する資料について,検索ツール,オンラインで利用できる一次情報,コレク ション案内などを提供 <利用案内> 来館して利用する人のため,図書館の利用やアクセスの方法についてわかりやすく案内 <サービス一覧> 図書館の窓口で行っているサービスを案内し,ウェブページ上でも依頼受付 <図書館紹介> 図書館の概要や利用統計などを公開し,活動内容をアピール メディアの歴史 Epic 2014 日本語字幕付 http://jp.youtube.com/watch?v=AT9ho2G0N_Y EPIC 2014日本語訳 http://blog.digi-squad.com/archives/000726.html Epic 2015 by Robin Sloan and Matt Thompson http://www.albinoblacksheep.com/flash/epic 英語のトランスクリプト http://www.masternewmedia.org/news/2004/11/29/summary_of_the_world_googlezon.htm 6
  • 7. 2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm 4.情報を蓄積し伝達する図書,雑誌,インターネットなどの「情報メディア」(2) 4-1.メディアの利用時間 私たちは「メディア」をどのように利用しているのでしょうか? メディアに使う一日平均時間 全体の平均 250分 読む(見る・聞く・する)人の平均 200分 200分 150分 150分 100分 100分 50分 50分 0分 0分 書籍・雑誌 新聞 ラジオ テレビ ネット 書籍・雑誌 新聞 ラジオ テレビ ネット 1989 1994 1999 2006 2007 2009 1989 1994 1999 2006 2007 2009 読む(見る・聞く・する)人の割合 100% 80% 60% 40% 20% 0% 書籍・雑誌 新聞 ラジオ テレビ ネット 1989 1994 1999 2006 2007 2009 メディアに使う一日平均時間 読む(見る・聞く・する)人の平均 (積み上げグラフ) 書籍・雑誌 新聞 ラジオ テレビ ネット 2009 2007 2006 1999 1994 1989 0分 100分 200分 300分 400分 500分 600分 4.0冊 4.0冊 テレビ視聴時間と読書量 2008年度 ネット利用時間と読書量 2008年度 図書 雑誌 図書 雑誌 3.0冊 3.0冊 2.0冊 2.0冊 1.0冊 1.0冊 0.0冊 0.0冊 1時間未満 2時間未満 3時間未満 5時間未満 5時間以上 しない 30分未満 1時間未満 2時間未満 3時間未満 3時間以上 1時間~ 2時間~ 3時間~ 1時間~ 2時間~ 30分~ (『読書世論調査』(毎日新聞社)より作成) 7
  • 8. 2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm 4-2.メディアの利用目的 必要な医療情報探し、インターネット利用7割(2009年8月27日 読売新聞) 最近見た健康情報は,テレビ79%,新聞69%,インターネット35%であるが,必要になった場合は,イ ンターネットが70%と逆転する。 <http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090827-OYT8T00544.htm> 4-3.蔵書構成 a)本を選ぶ時のカタログ b)慶應義塾大学湘南藤沢メディアセンター Collection Development Policies (蔵書構築方針) の蔵書レ ベル [コンスペクタス(conspectus 概観 大体のありさま):各館が収集するレベルを設定し,細か い主題ごとに収集のレベルと概要を設定する] <http://www.sfc.lib.keio.ac.jp/general/cdpolicy/index.html> (全蔵書に対しての基本方針) ALA(アメリカ図書館協会)のガイドラインを参考に,1~6まで収集するレベルを作成 1. 網羅的収集 -- 刊行されるものすべてを収集する。 2. 積極的収集 -- 研究者レベルの要求を満たすような資料,研究のサポートに必要と思われる専門性の高い 資料,学術情報を収集の対象とする。SFCでの重点主題,研究の最先端を意識した収集を行う。 3. 収集する -- 主題知識をより高めるための,主として学習レベルに必要と思われる資料を収集する。 4. 選択的収集 -- 入門的な知識や概要を与えてくれるような入門書,概説書,また教養を高めるための資料 を収集する。教育的,啓蒙的なものを収集する。 5. 厳選する -- 基本的な著作,重要性が高いと思われる資料以外ほとんど収集しない 6. 収集しない d)藤沢市図書館資料収集方針2009年版 [コンスペクタス] <http://www.lib.city.fujisawa.kanagawa.jp/pdf/090625_syuhosin2009.pdf> 『藤沢市図書館資料収集方針2009年版』から 1 基本方針 藤沢市の図書館は、(1)市民の幼児期から高齢期にいたるライフ・サイクル全体にわたる創造性豊かな自 己教育の場であり、(2)住民自治と地域文化の発展に寄与する自治体図書館として特色ある固有性に立脚し、 (3)情報化社会にダイナミックに対応する「教育・文化・情報のための民主的機関」「ユネスコ公共図書館 ( 宣言」)である。 その図書館サービスは、「いつでも、どこでも、だれでも、なんでも」の民主的サービス原則によっておこ なわれる。 この理念と原則をうけて、資料の収集は次の方針によっておこなう。 (略) 情報科学・コンピュータ(007) ・基本的な技術書・実用書を収集する。 ・最新の主要な機種、システムについての技術書・実用書も収集する。 ・利用度の高いソフト(エクセル、ワード等)の技術書・実用書を収集する。 ・「情報技術者」など各種の資格取得に役立つ理論書・技術書・実用書を収集する。 ・インターネットやインターネット検索の技術書・実用書を収集する。 ・技術書だけでなく、「情報化社会」「情報公害」 「個人情報保護」 「情報リテラシー」等、コンピュータと社 会とのかかわりについて書かれたものにも留意する。 8
  • 9. 2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm 5.資料組織:情報メディアの収集,提供,保管(1) 目標:図書館で提供している情報メディアを効果的に活用するために,図書館資料へのアクセス方法の仕 組みを理解する。図書館資料の組織化について理解することによって,情報メディアをより効果的に活用 できるようになる。 5-1.目録作成:OPACで資料を検索可能にする ・OPACは本を目録情報として抽象化 ・書誌情報:書名,著者名,出版者,出版年,ページ,コード情報(ISBN,資料番号), 内容(Webcat Plus では検索対象に) ・主題情報:NDC(日本十進分類法)(資料参照),BSH(基本件名標目表), NDLSH(国立国会図書館件名標目表) ・所蔵情報:配架場所,請求記号,Book ID(資料番号) ・検索キー:書誌情報,主題情報(分類:上位概念から下位概念,件名:日常語の音順) ・分類の特徴:利用に即さない面もある(情報と通信の分離,小説のジャンルに未対応ほか) 5-2.所蔵目録:図書館資料の検索手段は,カード目録からOPACへ発展した 手書き 電動タイプライター NDL印刷カード:1950- LC印刷カード:1901- 9
  • 10. 2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm 5-3.分類:図書館の図書の並んでいる順番・仕組み 図書館の図書の配列の仕組みと,その効果がわかりますか? 『日本十進分類法(NDC) 新訂9版』100区分 00 総記 010 図書館. 図書館学 50 技術. 工学 01 図書館. 図書館学 011 図書館政策. 図書館行財政 51 建設工学. 土木工事 012 図書館建築. 図書館設備 02 図書. 書誌学 013 図書館管理 52 建築学 03 百科事典 014 資料の収集. 資料の整理. 53 機械工学. 原子力工学 資料の保管 04 一般論文集. 一般講演集 015 図書館奉仕. 図書館活動 54 電気工学. 電子工学 05 逐次刊行物 016 各種の図書館 55 海洋工学. 船舶工学. 兵器 06 団体 017 学校図書館 56 金属工学. 鉱山工学 018 専門図書館 07 ジャ-ナリズム. 新聞 019 読書. 読書法 57 化学工業 08 叢書. 全集. 選集 58 製造工業 09 貴重書. 郷土資料. その他の特別コレクション 59 家政学. 生活科学 1 哲学 6 産業 10 哲学 60 産業 680 運輸. 交通 11 哲学各論 180 仏教 61 農業 681 交通政策 行政 経営 ・ ・ 12 東洋思想 181 仏教教理. 仏教哲学 62 園芸 682 交通史・事情 13 西洋哲学 182 仏教史 63 蚕糸業 683 海運 183 経典 14 心理学 184 法話. 説教集 64 畜産業. 獣医学 684 内水・運河交通 685 陸運. 自動車運送 15 倫理学. 道徳 185 寺院. 僧職 65 林業 686 鉄道 16 宗教 186 仏会 66 水産業 687 航空運送 17 神道 187 布教. 伝道 67 商業 688 倉庫業 18 仏教 188 各宗 68 運輸. 交通 689 観光事業 189 19 キリスト教 69 通信事業 2 歴史 7 芸術. 美術 20 歴史 70 芸術. 美術 760 音楽 210 日本史 21 日本史 211 北海道地方 71 彫刻 761 音楽の一般理論 22 アジア史. 東洋史 212 東北地方 72 絵画. 書道 762 音楽史 23 ヨ-ロッパ史. 西洋史 213 関東地方 73 版画 763 楽器 24 アフリカ史 214 北陸地方 74 写真. 印刷 764 器楽合奏 25 北アメリカ史 215 中部地方 75 工芸 765 宗教音楽 216 近畿地方 766 劇音楽 26 南アメリカ史 217 中国地方 76 音楽. 舞踊 767 声楽 27 オセアニア史. 両極地方史 218 四国地方 77 演劇. 映画 768 邦楽 28 伝記 219 九州地方 78 スポ-ツ. 体育 769 舞踏. バレエ 29 地理. 地誌. 紀行 79 諸芸. 娯楽 3 社会科学 8 言語 30 社会科学 80 言語 910 日本文学 31 政治 911 詩歌 81 日本語 32 法律 912 戯曲 82 中国語. その他の東洋の諸言語 33 経済 913 小説. 物語 83 英語 34 財政 914 評論. エッセイ. 随筆 84 ドイツ語 35 統計 915 日記. 書簡. 紀行 85 フランス語 916 記録. 手記. 36 社会 917 箴言(しんげん, 戒め,教訓) 86 スペイン語 37 教育 918 作品集 87 イタリア語 38 風俗習慣.民俗学.民族学 919 漢詩文. 日本漢文学 88 ロシア語 39 国防. 軍事 89 その他の諸言語 4 自然科学 9 文学 40 自然科学 90 文学 41 数学 480 動物学 91 日本文学 481 一般動物学 42 物理学 482 動物地理. 動物誌 92 中国文学. その他の東洋文学 43 化学 483 無脊椎動物 93 英米文学 44 天文学. 宇宙科学 484 軟体動物. 貝類学 94 ドイツ文学 45 地球科学. 地学 485 節足動物 95 フランス文学 46 生物科学. 一般生物学 486 昆虫類 96 スペイン文学 487 脊椎動物 47 植物学 488 鳥類 97 イタリア文学 48 動物学 489 哺乳類 98 ロシア. ソビエト文学 49 医学. 薬学 99 その他の諸文学 10
  • 11. 2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm 5-4.本のバーコード:日本図書コードと書籍JANコードの仕組み 本の裏表紙のバーコードの意味がわかりますか? 分類コード 日本図書コード 書籍JANコード 分類コード【販売対象(1桁),発行形態(1桁),内容(2桁)】【NDC準拠,業界販売統計により修正】 販売対象(1桁) 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 学参I 学参II 雑誌 一般 教養 実用 専門 婦人 児童 (小中) (高校) 扱い 発行形態(1桁) 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 全集・ ムック・ 事・ 磁性媒 単行本 文庫 新書 図鑑 絵本 コミック 双書 その他 辞典 体など 内容(2桁) 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 百科 年鑑 情報 0 総記 総記 事典 雑誌 科学 哲学 心理 倫理 キリスト 1 心理学 哲学 宗教 仏教 (学) (学) 教 宗教 歴史 歴史 日本 外国 2 伝記 地理 旅行 地理 総記 歴史 歴史 社会 政治 経済 社会 民族・ 3 科学 含む国 法律 財政 経営 社会 教育 科学 風習 総記 防軍事 統計 自然 医学 自然 天文 4 科学 数学 物理学 化学 生物学 歯学 科学 地学 総記 薬学 工学 工学 電子 採鉱・ その他 5 工学 土木 建築 機械 電気 海事 工業 通信 冶金 工業 総記 産業 交通 6 産業 農林業 水産業 商業 総記 通信 芸術 芸術 絵画 写真 音楽 演劇 体育 諸芸 コミック 7 家事 生活 総記 彫刻 工芸 舞踊 映画 スポーツ 娯楽 劇画 語学 ドイツ フランス 8 語学 日本語 英米語 各国語 総記 語 語 日本 日本 日本 日本 文学 外国 外国 文学 文学 9 文学 文学 文学 評論 文学 文学 総記 小説 総記 詩歌 随筆 小説 その他 物語 その他 [松平直壽. コードが変える出版流通:ISBNのすべて. 日本エディタースクール出版部, 1995, p.98-104] 5-5.資料組織:情報メディアの収集,提供,保管 a)料組織化:目録 記述目録法 他の図書との識別・同定のため,および内容や形態などの特徴を示すための書誌記述。 書名や著者名からのアクセス 主題目録法 排列するための分類(書架分類),および主題を分析するための分類(書誌分類)。 主題やテーマからのアクセス 11
  • 12. 2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm b)分類の概要:分類目録と件名目録 分類目録は,記号で表現され,記号の体系性を備えている。 件名目録は,統制された語句で表現され,語句の体系性を持たないが,件名相互の関係(上下・同位・参 照など)が明示される。件名目録は日本では普及していない。参考:『基本件名標目表』(BSH),『国立国会 図書館件名標目表』(NDLSH) c)件名 • ショクヒン 食品* (8)498.5;588;596(9)498.5;588;596 SN[限定注記]:この件名標目は、食品一般に関する (中略) 商品としての食品に対しては、食料品を用いる。 UF[直接参照あり(を見よ参照あり)]:たべもの NT[下位標目]:栄養.菓子.甘味料.食品学. ・・・ RT[関連標目]:食物 SA[参照注記]:その他個々の食品名も件名標目となる。 • ショクヒン 食品(冷凍) →冷凍食品 • ショクヒンエ 食品衛生* (8)498.54(9)498.54 UF:食品検査 TT[最上位標目とその番号]:衛生 15 BT[上位標目]:公衆衛生 NT:栄養士.食品添加物.調理師.放射線殺菌 • ショクヒンカ 食品化学 • ショクヒンカ 食品学 • ショクヒンカ 食品加工 など約1万項目 d)分類の考え方 [NDCより] 主題と形式: 図書は主題によって分類し,その上で主題を表す叙述および出版形式によって細分する。 文学(9類)は言語区分の上,文学共通区分という叙述形式の区分によって分類する。 複数主題: 複数の主題を扱っている場合,中心となる主題のもとに分類する。 中心主題がない場合,最初の主題に分類する。 例:桃・栗・柿の園芸技術 → 桃(625.51) 中心主題がなく,主題が4つ以上の場合は,上位の分類項目に分類する。 例:アルミニウム・マグネシウム・チタニウム・ベリリウムとその合金 → 軽金属(565.5) 主題と主題との関連: 1)影響関係: 1つの主題が他の主題に影響を及ぼした場合は,影響を受けた側に分類する。 例:浮世絵のフランス絵画への影響 → フランス絵画(723.5) 2)因果関係: 主題間の因果関係を扱った図書は,結果に分類する。 例:地震と鉄道 → 鉄道建設(516) 3)概念の上下関係: 上位概念の主題と下位概念の主題を扱った図書は,上位の主題に分類する。上位概念が漠然としている ときは,下位概念に分類する。 例:原子力・原子炉・核燃料 → 原子力工学(539) 例:禅と日本文化 → 禅(188.8) 4)比較関係: 比較の尺度として使われている側ではなく,その尺度によって比較されている対象の側(著者の重点)に 分類する。 例:イギリス人と日本人 → 日本人(302.1) 12
  • 13. 2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm 5)並列する主題間の優先順位: 並列する主題間の優先順位は,原則として一般から特殊への順序となっている。 例:昆虫の生態研究 → 動物生態学(481.7)ではなく, 一般昆虫(486.1) 理論と応用: 1)特定主題の理論と応用を扱ったものは,応用に分類する。 例:液晶とディスプレイ応用の基礎 → 電子装置の応用(549.9) 2)特定理論の特定主題への応用は,その応用に分類する 例:推計学による寿命実験と推計法 → 生命表(339.43) 主題と材料: 特定の主題を説明するために,材料として取り扱われたものは,説明している特定主題に分類する。 例:ショジョウバエの遺伝と実験 → 実験遺伝学(467.2) 主題と読者対象: 特定の読者を対象に書かれた特定主題の図書は,職業などの読者層を示す特定の分類項目に分類する。 例:警察官会話手帳 6ヶ国語でコミュニケーション → 警察官(317.7) 6.資料組織:情報メディアの収集,提供,保管(2) 6-1.日本十進分類法(NDC)について再整理 機能:書架での位置を決める。同一内容の図書をまとめて並べる。 分類作業:書名,序文,目次,後書きから図書の内容を把握。分類表によって分類記号を決定。 類目表 概要 0類 総記 1類から9類までに主題区分するもの以外。図書館,一般論文集,ジャーナリズム,叢書 1類 哲学 人間の精神界に関わる著作。哲学,心理学,倫理学,宗教。 2類 歴史 時間的過程と地域的展開の記述に関わる著作。歴史,伝記,地理。 3類 社会科学 人間の社会生活に関わる諸現象を扱う著作。政治,法律,経済,統計,社会,教育,風 俗習慣,国防。 4類 自然科学 自然科学の諸部門で構成。数学,理学,医学。 5類 技術 第二次産業の生産諸技術,その生産・流通経済に関する著作。工学,工業,家政学。 6類 産業 第一次産業と第三次産業を扱う著作。農林水産業,商業,運輸,通信。 7類 芸術 芸術,スポーツ・体育,諸芸・娯楽で構成。芸術,音楽,演劇,スポーツ,諸芸,娯楽。 8類 語学 語学に関する著作 9類 文学 文学作品と文学に関する研究に関する著作 6-2.OPACの使い方 ・様々なOPAC: 『ブログ論壇の誕生』を例として検索 a)NDL-OPAC <http://opac.ndl.go.jp/> → 一般資料の検索> b)東京都立図書館 <http://catalog.library.metro.tokyo.jp/> c)千代田区立図書館 <http://www.library.chiyoda.tokyo.jp/wo/opc/srh> d)横浜市立図書館 <https://www.lib.city.yokohama.jp/> e)藤沢市図書館 <http://www.lib.city.fujisawa.kanagawa.jp/search2.shtml> f)公共図書館へのリンク集 <http://wwwsoc.nii.ac.jp/jla/link/index.html> g)鶴見大学図書館 <http://library.tsurumi-u.ac.jp/opac/expart-query> 13
  • 14. 2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm h)城西大学 水田記念図書館<http://libopac.josai.ac.jp/opac/opac_search.cgi?smode=1> ・検索の方法:キーワード,分類検索,検索結果(詳細表示のリンク)から芋づる式 ・機能の差:リンク,内容情報 【OPACの詳細表示の例】 6-3.総合目録 機能:複数の図書館の蔵書を検索する。個別館の目録を共同で作成する。 種類:大学図書館は「Webcat Plus」,公共図書館は「総合目録ネットワークシステム」,地域などの横断検 索システム,国立国会図書館の蔵書検索システムの「NDL-OPAC」,北米の「WorldCat」。 ・図書館目録の種類:OPAC(単館),総合目録(データ集積),横断検索(一括する仕組み) i)Webcat Plus 連想検索 <http://webcatplus.nii.ac.jp/> → 再現率を優先 j)総合目録ネットワークシステム <http://unicanet.ndl.go.jp/> → 全国 k)カーリル <http://calil.jp/> → 全国 l)NDL-OPAC <http://opac.ndl.go.jp/> → 国立国会図書館 m)WorldCta <http://www.worldcat.org/> → 北米ほか 6-4.文献の検索と入手:NDL登録利用者 <http://opac.ndl.go.jp/ → 登録利用者用ID> NDL-OPAC 雑誌記事索引 <http://opac.ndl.go.jp/ → 雑誌記事索引の検索> NDL-OPAC 雑誌記事索引の使い方:特定主題の雑誌に限定して検索可能 <http://opac.ndl.go.jp/help/internet/ohelp2.html#area5> <http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/url/ndl-opac.html> 図書館関係の雑誌に載った東京大学に関する記事の検索などに有効。 例:「雑誌分類」に「/ZU」をいれて,「論題名」に「東京大学」。 雑誌分類(雑誌記事索引) ZA 政治・法律・行政 ZM 科学技術一般、数学、宇宙科学、物理学、地球科学 ZU 書誌・図書館 ZD 経済 ZN 工学:建設、機械、運輸、電気、原子力 ZV 一般学術誌 ZE 社会・労働 ZP 工学:化学、繊維、食品、金属、印刷 ZW 一般誌 ZF 教育 ZR 生物学、農林水産 ZY 児童誌 ZG 歴史・地理 ZS 人類学、心理学、医学、薬学 ZH 哲学・宗教 ZS44 歯科学・口腔外科学 ZK 芸術、言語・文学 詳細:<http://www.ndl.go.jp/jp/library/data/ndl_ndlc.html>→<http://www.ndl.go.jp/jp/library/data/z.pdf> 14
  • 15. 2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm 7.情報検索:DatabaseやInternetを提供するシステムやサービス(1) 目標:情報へのアクセス方法の技術と,情報の入手方法について理解する。情報検索の具体例を知ること によって,課題探索を効果的に行うことができるようになる。 7-1.レファレンス資料の定義 レファレンス資料は,調べるための本である。レファレンス資料は,一般図書とは分けて配架されてい る。以下の特徴を持つ。 内容: 情報あるいはデータをコンパクトに収録している。 参照しやすいように一定の配列方式にしたがって編集している。 形式: 検索しやすいように何種類かの索引を持つ。 構成: 一般に,凡例+本体+索引で構成される。 冊子形,CD-ROM,オンライン・データベース,インターネットがある。 形態: 電子媒体はアクセスポイントが豊富である。 7-2.レファレンス資料の種類 情報の性質によって,レファレンス資料を様々な角度からとらえることができる。 事実解説的トゥール 求める情報そのものを調べる。 辞書 言葉の意味 事典 事柄の解説 百科事典:総合百科事典,主題百科事典,地域百科事典 専門事典:専門主題事典,専門語辞典,作品用語事典,専門用語事典 便覧・ハンドブック 特定分野の事項を体系的に解説 図鑑 特定分野の事項を図や挿絵で図解して解説 年表 関連事項を年代順に並べて解説 年鑑 特定分野を統計,資料,図解により1年間の推移を概観 地図帳 各種の地図 案内指示的トゥール 求めている情報を記録している図書や雑誌にはどんなものがあって,その情報 (インターネットに移行) がどこに記載・所蔵されているのかを調べる。 書誌 文献資料の書誌データのリスト 目録 文献資料の書誌データと所蔵データのリスト 索引 図書・雑誌・新聞に含まれている資料や情報の書誌データのリスト 一冊の図書の巻末にある索引,雑誌記事索引 抄録 主に雑誌論文の書誌データと内容のリスト レファレンス資料のガイドブック,書誌の書誌 レファレンス資料の解説,リスト 以下,事実解説的トゥール(事実を調べる:辞典と事典)について紹介する。案内指示的トゥールはイン ターネットで調べたほうがよい。書誌の書誌は割愛する。 資料名の前の数字は,長澤雅男; 石黒祐子共著『情報資源としてのレファレンスブック 新版』(JLA 2004)の掲載ページ 15
  • 16. 2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm 7-3.言語・文字情報の探索 読み方・発音,書き方・綴り字,語義・意味,語源・字源,同義語・反義語,用法・用例,出典など, 言葉に関する情報を調べるための各種の辞典がある。 1)国語辞典 • 204『日本国語大辞典 第 2 版』小学館 2000-2002 13 冊+別冊 2)漢和辞典 • 208『大漢和辞典 修訂第 2 版』大修館書店 1989-90 13 冊+2 冊 3)英語辞典 • ---『Oxford English Dictionary.2nd ed。』1989 (◆CD-ROM 版,Web 版) 4)特殊辞典 • 227『現代用語の基礎知識』自由国民社 1948-2010+ [全年を見渡すと年表になる] • 226『イミダス:情報・知識』集英社 1987-2007 • 228『知恵蔵:朝日現代用語:ちえぞう』朝日新聞社 1989-2007 7-4.事物・事象情報の探索 図書館における三大質問は,事実調査,文献調査,人物・団体調査であるといわれる。事実調査は,名 称・呼称,種類・類別,内容・特徴,形状・色彩,数量・規模,方法・規則,機能・用途などに類別でき る。 1)百科事典 • 303『ブリタニカ国際大百科事典 第 3 版』 TBS ブリタニカ 1995 20 冊 • 301『世界大百科事典』平凡社 1988 31 冊+別冊 (◆DVD 版,Web 版) • ---『大百科事典』平凡社 1984-85 16 冊 • 302『日本大百科全書 第 2 版』小学館 1994-97 26 冊 (◆CD-ROM 版,Web 版) 2)専門事典 • 338『岩波生物学辞典 第4版』八杉龍一等 岩波書店 1996 2027p • 355『日本古典文学大辞典』岩波書店 1983-85 6 冊 内容:作者,成立時期,成立論と諸本,内容・構成,主題・思想,影響,研究史,複製・復刻・活字 • 356『日本近代文学大事典』講談社 1977-78 6 冊 • ---個人作家の事典 [芥川龍之介] • ---『中国学芸大事典』大修館書店 1978 3)便覧類,用語辞典 • 357『図書館情報学ハンドブック 第 2 版』図書館情報学ハンドブック編集委員会編 丸善 1999 • ---『図書館ハンドブック 第 6 版』日本図書館協会 2005/08/28 7-5.歴史・日時情報の探索 過去の出来事や,社会で起こった事件の,原因・動機,結果・結末,経緯・沿革,影響・効果,起源・ 創始,日時・時期,実態・状況などを調べる。 1)歴史事典 • 403『国史大辞典』吉川弘文館 1979-97 17 冊 [平家物語][平安京の地図→京図] • p.92『日本史大事典』平凡社 1992-94 7 冊 [平安宮,平安京] 2)年表 • 413『日本出版百年史年表』日本書籍出版協会 1968 3)年鑑(一般年鑑,専門年鑑,統計年鑑) • 439『朝日年鑑』朝日新聞社 1924-2000 • 441『読売年鑑』読売新聞社 1949-2010+ • 440『時事年鑑』時事通信社 1918-1944,1947-1994 16
  • 17. 2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm 7-6.地理・地名情報の探索 地名・呼称,起源・由来,位置・距離,面積・規模,人文環境,自然環境,案内・順路などを調べる 1)地理事典(地理学,各国事典,地域百科事典) • 518-62『都道府県の地域百科事典』 2)地域年鑑 • 563『世界年鑑』共同通信社 1949-2010+ 3)旅行案内書 • ---『地球の歩き方』 参考 「図書館」について,広辞苑の記述 同じレファレンス資料でも記述内容が異なってくる。そのため,複数の情報源を参照する必要がある。 (0-1) 広辞苑. 初版. 岩波書店, 1955. 収録語数の記載なし と-しょ[図書] --かん クワン[図書館]図書・記録その他の資料を蒐集保管し,公衆の閲覧に供する機関。現在我 国には,国立国会図書館の外,図書館法による地方公共団体の公立図書館,公益法人の私立図書館,学 校付属の図書館などがある。図書館関係の人々の間で, 「図書館」をあらわす文字として「 」が用い られている。 (0-2) 広辞苑. 第2版(1969)補訂版. 岩波書店, 1976. 約20万語 と-しょ[図書] --かん クワン[図書館](library)(明治中期の訳語。初めズショカン)図書・記録その他の資料を 集め保管し,公衆に閲覧させる施設。旧訳,書籍館(しょじゃくかん)。 (0-3) 広辞苑. 第3版. 岩波書店, 1983. 約20万語 と-しょ[図書] --かん クワン[図書館](library)(明治中期の訳語。それまでズショカンといった)図書・記録そ の他の資料を集め保管し,これを必要とする人に閲覧させる施設。旧訳,書籍館(しょじゃくかん)。 (0-4) 広辞苑. 第4版. 岩波書店, 1991. 約22万語 1987年にCD-ROM版が刊行 と-しょ[図書] --かん クワン[図書館](library)(明治中期の訳語。それまでズショカンといった)図書・記録そ の他の資料を収集・整理・保管し,必要とする人の利用に供する施設。旧訳,書籍館(しょじゃくかん)。 (0-5) 広辞苑. 第5版. 岩波書店, 1998. 約23万語 と-しょ[図書] --かん クワン[図書館](library)(明治中期の訳語。それまでズショカンといった)図書・記録そ の他の資料を収集・整理・保管し,必要とする人の利用に供する施設。旧訳,書籍館しょじゃくかん。 (0-6) 広辞苑. 第6版. 岩波書店, 2008. 約23万語 と-しょ[図書] --かん クワン[図書館](library)(明治中期の訳語。それまでズショカンといった)図書・記録そ の他の資料を収集・整理・保管し,必要とする人の利用に供する施設。旧訳,書籍館しょじゃくかん。 木下杢太郎,医師ドオバンの首「生前所蔵せる浩翰なる書籍を王室の - に寄贈致す」 --かん-がく クワン・・[図書館学]図書館の機能・運営・歴史などを研究対象とする学問。第6 版より新設。[木下, 杢太郎(1885-1945) <キノシタ, モクタロウ>。「医師ドオバンの首」は,明治 45(1912)年6月発行の『和泉屋染物店』に収録] 17
  • 18. 2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm レファレンス資料の解題 以下の観点から,選んだレファレンス資料に適合する項目に区分して評価をおこなう。 • 製作に関わる要素:編著者,出版者・出版社,出版年。 • 内容に関わる要素:収録範囲・内容(主題・時代・地域),収録資料の種類,内容の記述・表現,項目 の選定,配列方法(五十音順,ABC 順,年代順,地域順,体系順),検索手段,収録情報の正確さ。収 録事項数,記述の分量,配列体系,索引の種類など。 • 利用に関わる要素:価格,操作性(凡例,項目見出し,記述,索引の使い勝手) ,検索性能。 • 相対的な評価:想定され用途や効用。 事実解説型レファレンス資料と電子メディアの解題の記述事例 資料名 【書名,著者名,出版者,出版年,ページ数,請求記号,BOOK ID】 図説江戸料理事典. 松下幸子. 柏書房, 1996, 444p. 資料タイプ 事実解説型,事典 主題 江戸時代の料理や料理用語,料理法。 種類 専門事典 範囲 【主題,時代,年代,収録数などの収録範囲】 江戸時代の料理書で,料理法の記述のある料理書に掲載されているもの。 項目数 凡例に記載がなく不明。見開きに2項目としておよそ300項目と推測される。 本文 【内容,長さ,詳しさ,平易[heii]さなどの記載項目】 「めし類」「すし類」「めん類」など14項目に分け,料理についての解説と料理法を説明し ている。 構成 【構成・配列:音順,体系順など】 本文と4種類の付録,索引から構成される。本文は16項目の料理とその解説,関連の図絵な ど。 索引 【その有無,所在,言語・種類,配列など項目へのアプローチ】 目次で料理種別を,詳細目次で種別事の料理名を知ることができる。さらに50音順索引か ら掲載ページを検索できる。 用途,印象 現在でも作られる料理の起源や,江戸時代の料理法が詳しくわかる。文学作品や演劇に現 れる料理の実際がわかる。図や絵で実際の料理手順や食材の製造法も説明されているので 有用である。 電子メディアの記述事例 サイト名 【名称,製作,URL】Dnavi 国立国会図書館 http://dnavi.ndl.go.jp/ 資料タイプ Webサイト 範囲 国内に置かれるウェブサイト上で公開されているデータベースを選択的に収録。 項目数 平成14年11月の公開時点での収録数は約5,000件で,平成17年8月25日現在8,963件。 検索 キーワードによる検索とNDCによるテーマ別のブラウジング。館蔵品・所蔵品の一覧を 表示。項目を指定し,論理演算も可能な詳細検索も提供。 出力 一覧表示では,タイトル,作成者,公開者,公開日,URL,内容を表示。詳細表示では, タイトル,作成者,公開者,内容,URL,NDC,公開日,NDL資源タイプの8項目 を表示。タイトル,作成者,公開者,公開で並べ替え。 利用法 ヘルプ<http://dnavi.ndl.go.jp/netnv/Dnavi_Help.html>,事業紹介 <http://dnavi.ndl.go.jp/netnv/Dnavi_Intro.html>により,DBの概要と操作方法を知る ことが出来る。 用途,印象 ウェブ上の各種DBへのリンクを提供するゲートウェイ・サービス。著名なインターネッ ト上のDBの収録率は高く,質量ともに充実している。 18
  • 19. 2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm 8.情報検索:データベースやインターネットを提供するシステムやサービス(2) ◆情報探索行動 1)情報獲得方法 a)環境モニタリング:危険や好機の兆候を読み取るため常に周囲の状況に注意を払う b)情報との遭遇:過去のニーズ,潜在的なニーズ,友人のニーズにより情報に出合う c)情報問題解決:問題の解決を目的として情報を探す 2)情報問題解決プロセス:プロセスの過程で知識構造が変化してニーズも変化する 第一段階)課題の設定:情報問題解決の目的と情報ニーズを明らかにする 第二段階)情報探索戦略:課題に適した情報を得るための選択肢を確認する 第三段階)情報源にあたる:情報源を探し出し,それにアクセスする 第四段階)情報の獲得:情報源から情報を獲得する 第五段階)情報の統合:さまざまな情報源から獲得した情報をまとめる 第六段階)評価:プロセスと成果を評価する 【三輪眞木子. 情報検索のスキル:未知の問題をどう解くか. 中央公論新社(中公新書),2003, p.15-30,58-73】 ◆検索エンジンにおけるキーワードの選択 [アンダーライン部分からキーワードを抽出する] NHKの「おはよう日本まちかど情報室」10月28日(火)朝6:30から紹介された「洗濯機に入れて洗濯を すると,衣類についている油を吸着して衣類の黄ばみがなくなる赤い玉」について,NHKでは商品名を 出さないためその商品名を検索する。ヒット件数が大きすぎず,番組で聞こえた単語のうちその商品を説 明するときに用いられそうな単語を検索語とすると「Google“洗濯機 油 吸着” 」のようになる。 <http://stylestore.allabout.co.jp/mojo/ProductInfo/sku/FD014-00-5000-A174/> 名前の分からないものを検索するときには,検索語としてそのものを説明する既知の単語を複数個選択 して検索する。名前が分かっているときには,そのものについての説明を探すのは簡単であるが,名前が 分からないときには名前を調べる段階が必要になる。名前の分からないケースにはよく遭遇する。レポー トで使う本をテーマから探すときも同様である。テレビの映像をみて,名前を聞き漏らして,その地名や 建物の名前を調べたいこともある。 検索事例(1):明治文献 検索事例(2):台風,ハリケーン,サイクロン 検索事例(3): 「永遠にけふの命の華やかさかなしさを君忘るるなかれ」は誰の歌か? インターネットには奇特な人がいて<http://www.joyous-g.co.jp/i-zuisou-a3.html>, 牧水の歌とわかる[local]。 『若山牧水全歌集』(p.58)で確認する。 (正)「とこしへに けふのいのちの 花やかさ かなしさを君 忘るるなかれ」 しかし,現在,サイトは消滅している。Internet Archive Wayback Machineで保存されているのみ。 <http://web.archive.org/web/20050217110115/http://joyous-g.co.jp/i-zuisou-a3.html> ◆検索エンジンのノウハウ:Google <http://www.google.co.jp/> 1) 検索語の形 言葉の概要を知りたいときは「~~とは」 「~~は」で検索 「"~~"」によるフレーズ検索は精度が高い,完全一致は「+~~」,除外は「-~~」 名詞の羅列で再現率より精度を高める 2) 検索設定:表示件数を100件 3) 検索オプション:既知URLへのリンクから芋づる式検索,類似ページ,ファイル形式指定 ◆PageRank テクノロジー 引用・被引用の芋づる式を集計した結果で検索結果を配列。Yahoo!のカテゴリ一覧は後退。 <http://www.google.co.jp/corporate/tech.html><http://e-words.jp/w/PageRank.html> 19
  • 20. 2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm ◆Webページの評価 (1)制作者 ・制作者の存在が明示されている(制作者の解説,オフィスの写真,加盟会員リストなど) ・制作者が誠実で信頼できる(信頼できるサイトからリンクされている) ・制作者にコンタクトできる(住所,電話,FAX,メール,地図) (2)内容 ・情報の内容が正確である(個々のページのタイトルが適切,情報の出典を明示) ・情報発信者と提供されているコンテンツやサービスに専門性がある ・定期的に更新されている ・小さな誤りがない(正しい日本語,誤字・リンク切れがない) ・量が豊富(他のサイトへのリンクが充実) (3)デザイン・操作性 例:CiNii(サイニイ) <http://ci.nii.ac.jp/>の新旧比較 ・デザインがよい(見やすい,テーマが明確) ・使いやすく便利である(ページ内のテーマが統一) ・宣伝的な要素に節度がある 【長谷川豊祐. "ネットワーク系電子資料". 日本図書館協会図書館ハンドブック編集委員会. 図書館ハンドブック. 第6版. 2005.5, p.253-259.】 ◆Wikipedia(ウィキペディア)の評価 ウィキペディア,信頼度は?引用を禁じる動き. 朝日新聞. 2007年9月4日, p.29. 静岡新聞の論説で,宮沢喜一元首相の北方領土交渉に関するエピソードが,ウィキペディアから出典を 示さず引用され,静岡新聞は「取材の参考にするのは構わないが,記事を書く際の出典として使うべきで はない」とした。創始者のウェールズ氏は「頼るのではなく,情報のとっかかりに」としている。 ◆雑誌記事検索サイトにおける情報の提供範囲 NDL-OPAC <http://opac.ndl.go.jp/index.html> CiNii(サイニイ) <http://ci.nii.ac.jp/> Google Scholar <http://scholar.google.co.jp/> JAIRO : Japanese Institutional Repositories Online <http://jairo.nii.ac.jp/> 書誌データ 抄録 全文 被引用関係(注) NDL-OPAC あり なし なし なし CiNii(サイニイ) あり 一部あり 一部あり 有料 Google Scholar あり 一部あり 一部あり あり 注 引用関係: 論文A(1980年) 論文B(1990年) 論文C(2000年) ┐ ↑ │ │ ↑ │ └─引用関係─┘ └─被引用関係─┘ │ 芋づる式 古い論文が見つかる 新しい論文が見つかる │ (蔓の認識) Bの元になったA Bが展開したC ┘ ◆雑誌記事検索サイトの推奨される使い方 [図書の取り寄せ方法は?] 1)NDL-OPACによって書誌データを検索 2)検索結果の論文タイトルから Google Scholar を検索して本文を入手 3)入手できない場合,NDLの登録利用者制度 <http://www.ndl.go.jp/jp/information/guide.html>で入手 ◆◆図書館・情報学関連のリンク集 <http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/url/url.htm>◆◆ 20
  • 21. 2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm 9.情報発信:社会人に必要なコミュニケーション技術 目標:課題を発見し,情報を入手した後の最終段階として情報を効果的に発信できるようになる。 ◆Wikipedia利用の可否 平均 (3:良い 2:どちらともいえない 1:悪い) (2009年度受講生より n=44) 公式メディア(TV,新聞,図書ほか) 1.6 卒業論文 1.3 授業のレポート 1.5 レポートや論文などの予備調査 2.5 個人的な疑問の解決 2.8 ◆論文執筆のツール ◇ブクログ <http://booklog.jp/users/toyohiroh> 「ブクログ」では,インターネット上に自分の本棚をつくって公開し,自分と共通の関心を有する人た ちと本棚を「共有」できる。 個人専用本棚「Bookboard.jp」<http://www.bookboard.jp/index.php>もある。 ◇パソコン:デスクトップ,タスクバー 複数のアプリケーションを並行して使う。Webサイトを参照しながら,文書を書き,グラフや図形を貼り 付けてレポートを作成。画面下部のタスクバーでデスクトップの全体を管理。 ◇ワード:ツールバー,書式設定,アウトライン 文書作成を支援する仕組みが用意されている。効率的な入力方法,構成の並べ替えなど。 ◇エクセル:図形描画,グラフ,ピポットテーブル ◇zotero <http://www.zotero.org/> インターネットでの情報収集を支援する。zotero は,アルバニア語の獲得するに由来。 ◇CaptureXP <http://www.vector.co.jp/soft/win95/art/se039405.html> パソコンに表示されている画面を切り取るためのツール,Windows 7 には付随。 ◇JTrim <http://www.vector.co.jp/soft/win95/art/se108932.html> 画像編集,ファイル形式変換のためのツール ◇Freemind <http://www.freemind-club.com/> 知識やアイデアを図式化するマインドマップを作成するツール ◇iGoogle <http://www.google.co.jp/ig> Webのコンテンツを追加して,自分仕様にGoogleをカスタマイズし,blogも閲覧できる。登録が必要だが, どこでも利用可能。Gmailなどのフリーメールも同様。 21
  • 22. 2010年度「図書館・情報学」長谷川豊祐 toyohiroh@jcom.home.ne.jp http://members3.jcom.home.ne.jp/toyohiroh/index.htm ◆参考文献の書き方 ◇SIST 02 参照文献の書き方 <http://sist-jst.jp/handbook/sist02_2007/sist02.htm> 雑誌の記事 西潔, 石原和弘. 火山地域における震源計算についての提案. 火山. 2003, vol. 48, no. 5, p. 407-413. 図書1冊 照明学会編. 照明ハンドブック. 第2版, オーム社, 2003, 573p. 図書の1章,または一部 鵜飼保雄. “遺伝率の相対性”. 量的形質の遺伝解析. 医学出版, 2002, p. 109-110. ウェブサイト (「J-STORE」に掲載された記事) 坂本和夫編. “パルスレーザーアブレーションにおけるドロップレットフリー薄膜の作製技術”. J-STORE. 2005-11-01. http://jstore.jst.go.jp/cgi-bin/techeye/detail.cgi?techeye_id=32, (参照 2006-06-23). ◇The Chicago manual of style. 15th ed. University of Chicago Press, 2003, 956p. 英語の文書を作成する際の形式に関する一番詳細なマニュアル。 <http://www.chicagomanualofstyle.org/> ◆最終日の試験について 手書きノートのみ持込み可。 自分で入力した文書の印刷結果を貼り付けも大量でなければ可とします。 試験時間は,18:30~19:30 とします。 22