イベントの成果について振り返ってみますと、やはり啓発効果の定量的評価は困難でした。初年度は参加者に対するアンケートも実施しましたが、回収率が低く解析に耐えませんでした。 参加者は一般市民であり、ハイリスクグループ(日本人中年男性と外国人若年女性)に対する啓発効果は限定的であろう予測されます。しかし、来場者のみならず、吹奏楽やダンスの参加者とその家族を通じて、地域住民が HIV を身近な問題と捉える契機となったと思われます。 そして何より、イベントを通じて、当地域で HIV に関心を持つ多職種が、顔の見える関係を築けたことが有意義でした。
結語です。 地域全体に働きかける現在のイベント運営方法は、地域で HIV 感染症と向きあう下地を作るためには今後も有用であり、今年も今週末の日曜日に開催を予定しています。 また同時に、今後はハイリスクグループに対象を絞った啓発方法についても模索が必要であると考えられます。 発表をおわります。ありがとうございました。 佐久総合病院では、有志の医師が、ショッピングセンターのフードコートで休日に無料健康相談を行って、治療環境に関する情報提供などを行ってきています。 また、まだ準備段階ではありますが、厚労省の研究班と共同して佐久地域でタイ人コミュニティーに早期受診を勧め、タイ人らの治療環境に関する誤解を取り除くための取り組みを始める予定です。