1.
5GI-Live#1
5G時代の
アプリケーション開発とは
日本仮想化技術株式会社
VitrualTech.jp
2020/4/16

2.
自己紹介（玉置 伸行）
• 通信事業者向けのITコンサル
• 先進技術についての調査・検証を実施
• ネットワーク仮想化、コンテナ基盤、エッジコンピューティング
• 5G x オープンイノベーションの取り組みを支援
• 5Gイノベーションでは毎月異なるテーマで
5Gにまつわる課題探索を皆様と共に実施中
https://5g-innovation.com
• アプリ開発出身でビジネス開発業務を担当
• 年間30日海外生活を継続中
2

3.
本セッションでは
3
モバイル/IoTアプリ開発向けに
5GとMECを活用した
アプリケーション開発のキモ
をお伝えします。

4.
用語の説明
1. 5G：第５世代の通信インフラサービス
超高速 / 超低遅延 / 多数同時接続の特徴がある
2. MEC：通信インフラサービス内に設置されたコンピュートサービス
MEC は Multi-access Edge Computing の略
（昔はMobile Edge Computingでした）
3. dOIC：NTTドコモが提供するMECサービス
dOIC は Docomo Open Innovation Cloud の略
4

5.
• 低遅延
5G + MEC
100 ms [0.1秒] 以上
5G時代のアプリ開発で押さえるべきポイント
• 高速・大容量
5
5G+MEC(dOIC)の特徴を生かしたモバイル/IoTアプリの開発を想定
インター
ネットゲ
ートウェ
イ
スマ
ホ
無線
アン
テナ
MECサービ
ス(dOIC)コア
網
インター
ネットゲ
ートウェ
イ
クラ
ウド
4G
理論値: 1.29 Gbps
5G
理論値: 20 Gbps
5Gになると10倍速くなる
スマ
ホ
無線
アン
テナ
コア
網
クラ
ウド
従来のやりかたで恩恵を受けられる
4G
300 ms [0.3秒] 以上
MEC(dOIC)活用で低遅延アプリ実現
クラウドとMEC(dOIC)にアプリ配置

6.
• 低遅延
5G + MEC
100 ms [0.1秒] 以上
5G時代のアプリ開発で押さえるべきポイント
• 高速・大容量
6
5G+MEC(dOIC)の特徴を生かしたモバイル/IoTアプリの開発を想定
インター
ネットゲ
ートウェ
イ
スマ
ホ
無線
アン
テナ
MECサービ
ス(dOIC)コア
網
インター
ネットゲ
ートウェ
イ
クラ
ウド
4G
理論値: 1.29 Gbps
5G
理論値: 20 Gbps
5Gになると10倍速くなる
スマ
ホ
無線
アン
テナ
コア
網
クラ
ウド
従来のやりかたで恩恵を受けられる
4G
300 ms [0.3秒] 以上
MEC(dOIC)活用で低遅延アプリ実現
クラウドとMEC(dOIC)にアプリ配置

7.
4G 5G + MEC
7
端末 端末 端末
CDN
コンピュート コンピュート コンピュート
コンピュート コンピュート
コア網 コア網
無線アンテナ 無線アンテナ
インターネット
ゲートウェイ
インターネット
CDN
コア網 コア網
無線アンテナ 無線アンテナ
インターネット
ゲートウェイ
端末 端末 端末
通信事業者が
提供する範囲
通信事業者が
提供する範囲
インターネット
300 ms [0.3秒] 以上 100 ms
[0.1秒] 以上
MECのコンピュー
ティングリソース
参考）5G+MECによる低遅延の実現

8.
参考）5G+MECによる低遅延の実現
4G 5G + MEC
8
端末 端末 端末
CDN
コンピュート コンピュート コンピュート
コンピュート コンピュート
コア網 コア網
無線アンテナ 無線アンテナ
インターネット
ゲートウェイ
インターネット
CDN
コア網 コア網
無線アンテナ 無線アンテナ
インターネット
ゲートウェイ
端末 端末 端末
通信事業者が
提供する範囲
通信事業者が
提供する範囲
インターネット
NTTドコモのMECサービス
「dOIC」を提供予定

9.
• 低遅延
5G + MEC
100 ms [0.1秒] 以上
5G時代のアプリ開発で押さえるべきポイント
• 高速・大容量
9
5G+MEC(dOIC)の特徴を生かしたモバイル/IoTアプリの開発を想定
インター
ネットゲ
ートウェ
イ
スマ
ホ
無線
アン
テナ
MECサービ
ス(dOIC)コア
網
インター
ネットゲ
ートウェ
イ
クラ
ウド
4G
理論値: 1.29 Gbps
5G
理論値: 20 Gbps
5Gになると10倍速くなる
スマ
ホ
無線
アン
テナ
コア
網
クラ
ウド
従来のやりかたで恩恵を受けられる
4G
300 ms [0.3秒] 以上
MEC(dOIC)活用で低遅延アプリ実現
クラウドとMEC(dOIC)にアプリ配置
持って帰って
いただきたい

10.
低遅延が必要なアプリとは
10
地球規模のリアルワールドARプラットフォームの開発 - Niantic blog より引用
https://nianticlabs.com/ja/blog/nrwp-update/
例えば、ARゲームで複数人対戦 例えば、VRでピンポンゲーム
CEDEC講演「5Gでゲームはどう変わる？〜そろそろ気にしておきたい5G最前線〜」
https://www.slideshare.net/5ginnovation/5g5g-170219938

11.
低遅延が必要なアプリとは
11
位置情報 x リアルタイム
モビリティ x インタラクティブ
VR/AR x インタラクティブ
スポーツ x リアルタイム
低遅延が必要なアプリの構成要素例
一緒に探索させてください

12.
アプリ開発をするためには
• dIOCを利用するための申請を行う
• パブリッククラウドのコンピュートサービス(AWSのEC2など)をイ
メージしてもらうのがよいです
• dIOCから払い出されるインスタンスを入手する
• インスタンスにアプリをセットアップする
• 好きなOS/アプリを利用できます
• 使いたいコンピュータ言語やライブラリを利用できます
12

13.
「車載カメラに特定の画像が写り込んだときにアラートを送るアプリ」の例
アプリ開発例：車載カメラアプリ
車載
カメラ
無線
アンテナ
MECサービス
コア網 クラウド
MECアプリ
- Receive video
- Send alerts
- Perform interface
using ML model
車載アプリ
- Stream video
- Receive alerts
Driver Monitoring
モデルの作成と
学習
dOIC
インターネット
ゲートウェイ
MEC Hackathon 2018のユースケース資料を参考に記載
https://forge.etsi.org/mec/mec_case_study.PDF 13

14.
アプリ開発例：オンラインゲームの対戦マッチング
やりたいこと
• スプラトゥーンのオンライン対戦みたいなのを想定
• 「地域」や「プレイヤーのレベル」や「ネットワークの接続状況」
などを元にマッチング
つかうもの
• Open Match
• Googleが開発するゲームマッチングシステム
• googleforgames/open-match: Flexible, extensible, and scalable video game matchmaking.
• Open Match 超入門 - google-cloud-jp
14

15.
アプリ開発例：オンラインゲームの対戦マッチング
15
Open Matchのコンポーネント
https://medium.com/google-cloud-jp/open-match-super101-aaf3e54bd4e7 より引用

16.
アプリ開発例：オンラインゲームの対戦マッチング
• Open Matchをセットアップし、Matchロジックを定義すること
で、オンラインゲームの対戦マッチングを実現
• Matchロジックの中にて、「プレイする地域」や「プレイヤの
レベル」や「ネットワークの接続状況」などをパラメータとし
て付与
16
スマホ
B
スマホ
A
MECサービス
クラウ
ド
インター
ネット
ゲートウ
ェイ
無線
アンテ
ナ
コア網
無線
アンテ
ナ
ゲーム
アプリ
Match
ロジッ
ク
Open
Match
ゲーム
アプリ

17.
アプリ開発者は何を考えるべきか
パフォーマンスとコストのトレードオフ
• アプリに求められるパフォーマンスは何か
• アプリのUXを損なわないためのパフォーマンスは何か
デバイスが求めるパフォーマンスは存在するか
• VR / AR のリアルタイム配信
• VR は 60 fps を下回ると VR 酔いになりやすい
• AR は高い fps がないとポインターと背景表示にギャップ
17

18.
アプリ開発者は何を考えるべきか
クラウドのみか、クラウド+MECか、デバイス側で処理するか、
アプリの配置場所が一つのポイントになる
監視
カメラ
無線
アンテ
ナ
MECサービス
コア網
クラウ
ド
インター
ネット
ゲートウ
ェイ
監視
カメラ
無線
アンテ
ナ
MECサービス
コア網
クラウ
ド
インター
ネット
ゲートウ
ェイ
カメラ
無線
アンテ
ナ
MECサービス
コア網
クラウ
ド
インター
ネット
ゲートウ
ェイ
AI推論
処理
AI推論
処理
AI推論
処理
1. クラウド側で
AI推論処理
2. MECサービスで
AI推論処理
3. カメラ側で
AI推論処理
18

19.
アプリ開発者は何を考えるべきか
例えば、リアルタイムに監視員にアラートを投げるアプリの場合
監視
カメラ
無線
アンテ
ナ
MECサービス
コア網
クラウ
ド
インター
ネット
ゲートウ
ェイ
監視
カメラ
無線
アンテ
ナ
MECサービス
コア網
クラウ
ド
インター
ネット
ゲートウ
ェイ
カメラ
無線
アンテ
ナ
MECサービス
コア網
クラウ
ド
インター
ネット
ゲートウ
ェイ
AI推論
処理
AI推論
処理
AI推論
処理
1. クラウド側で
AI推論処理
2. MECサービスで
AI推論処理
3. カメラ側で
AI推論処理
リアルタイム
処理
アラート
処理
19

20.
アプリ開発者は何を考えるべきか
例えば、リアルタイムに監視員にアラートを投げるアプリの場合
監視
カメラ
無線
アンテ
ナ
監視
カメラ
無線
アンテ
ナ
MECサービス
クラウ
ド
インター
ネット
ゲートウ
ェイ
スマホ
無線
アンテ
ナ
アラー
ト処理
リアル
タイム
監視
①怪しい人がいる！ ②近くの監視員に
連絡を
監視員
コア網
20

21.
まとめ
• 5G+MEC(dOIC)はこれからのコンピューティングのひとつ
• 低遅延が必要なユースケースや、5G+MECを活用したアプリの
デザインパターンは、模索し始めたばかり
• 一緒に Deep Dive しませんか？
21

22.
参考情報
22

23.
5Gの5つの特徴
4G 5G 備考
① ⾼速・⼤容量
[超⾼速]
理論値：1.29 Gbps
実測値：
（下り）140-237 Mbps
（上り）17-27 Mbps
理論値：20 Gbps
4Gでは下り:上りの割合は
10:1
5Gでは下り:上りの割合を変
更可能に
② 無線区間の転送遅延
[超低遅延] 理論値：10 ms [0.01 秒] 理論値：1 ms [0.001 秒]
左記は無線区間の転送遅延の
表記であり、応答時間の⼀部
③ 多数の端末との接続
[多数同時接続] 10,000 台 1,000,000 台
平⽅キロあたりの端末数
④ ネットワークの優先制御 SIMカードやアプリ単位など
で制御可能
⑤ モバイルネットワーク内で
のコンピューティング
リソース活⽤
無線区間からモバイルネットワークのインターネットゲート
ウェイを通過する時間(約100 ms [0.1 秒])を削減し、数10ms
[0.1 秒以下] での低遅延アプリケーションを実現
Stream XRやクラウドゲーミ
ングなどは5G+MEC相当を想
定した検討が進む
10倍速くなる
転送遅延が1/10に
帯域の優先確保や低遅延の安定提供などを実現
基地局1台あたりの接続数が100倍に
Stream XRやクラウドゲーミングなどで必須
代表的な3つの特徴①②③の他に、④⑤も5G導入のタイミングで活用可能に
①②③の特徴をすべて満たすことは難しく、1つもしくは2つの特徴を生かしたアプリケーションやサービスを構築することになり
ます。 本資料の5Gの特徴の整理は筆者の見解をまとめたものです。
23

24.
MECサービスにはどういう機能があるの？
ETSI(ヨーロッパの通信規格機関)のMECに関するドキュメント
では下記のAPIの定義が存在する
• Radio Network Information API
• Location API
• Bandwidth Manager API
• UE Identity API
ただし、MECサービスでAPIの実装と公開については各キャリア
に委ねられていると想定
ETSI White Paper ”Developing Software for Multi-Access Edge Computing” 2nd Editionより抜粋
https://www.etsi.org/images/files/ETSIWhitePapers/etsi_wp20ed2_MEC_SoftwareDevelopment.pdf
24

25.
日本でのMECサービスの概念図
25
MECサービス
インターネット
ゲートウェイ
コア網
MECサービス
インターネット
無線
アンテ
ナ
無線
アンテ
ナ
無線
アンテ
ナ
無線
アンテ
ナ

26.
MobileEdgeX: 海外で商用サービス開始
26Edge Computing Congress講演資料より抜粋

27.
Game Publisher向け Edge/Cloud管理サービス
27Edge Computing Congress講演資料より抜粋

28.
Device EdgeとMECを活用した分散機械学習の可能性
28Edge Computing Congress講演資料より抜粋

29.
参考情報
29
ETSI関連
• White Paper: Developing Software for Multi-Access Edge Computing
• GS MEC 010-2 - V1.1.1 - Mobile Edge Computing (MEC); Mobile Edge Management; Part 2: Application
lifecycle, rules and requireme
• GS MEC 012 - V1.1.1 - Mobile Edge Computing (MEC); Radio Network Information API
• GS MEC 013 - V1.1.1 - Mobile Edge Computing (MEC); Location API
• GS MEC 014 - V1.1.1 - Mobile Edge Computing (MEC); UE Identity API
• GS MEC 015 - V1.1.1 - Mobile Edge Computing (MEC); Bandwidth Management API
• ETSI MEC specifications
• MEC API definitions