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キャリア教育の現場と
今後必要なこと
全日本キャリア教育改善推進協会 代表 尾澤 愛実
共同研究者 川鯉 光起
初版 2017/08/27
本資料について
本資料はキャリア教育に携わる提供者をターゲットとしたものである。(自分自身のキャリアを考える方も歓
迎です)キャリアは自分ではコントロールできない偶発的な出来事に適応していく必要がある。事前に計画を
立てても変わってしまうことを...
1. キャリアの本質
キャリアは偶発的な環境要因で左右され、
変動していくものである。
また時代変化によって雇用や職業も変
わってきている。
A キャリアのゴールを事前に決定して計画通り進めることはほぼ不可能である
 本人の意思や努力ではコントロールできない環境要因によってキャリアは左右される
 やりたいことが見つかるタイミングは誰もわからない。また興味あったことがやりたくない
...
A キャリアのゴールを事前に決定して計画通り進めることはほぼ不可能である
 本人の意思や努力ではコントロールできない環境要因によってキャリアは左右される
本人自身 身近な人
病気や不慮の事故
休職など一時的に現場を離れざる終えない状況
や場合...
A キャリアのゴールを事前に決定して計画通り進めることはほぼ不可能である
 やりたいことが見つかるタイミングは誰もわからない。また興味あったことがやりたくないことだと気づ
く可能性もある
 知っている情報からしか人は選択することはできない
...
B 時代による雇用状況の変化
 正規雇用、終身雇用、寿退社といったゴールが常識とは限らなくなった
ものをたくさん作れば売れる時代であった高度経済成長であれば大企業に就職すれば安泰だった
り、定年まで働いた。定年まで旦那が働けたからこそ女は家を...
2. キャリア教育が生まれ
た背景と現状
キャリア教育が生まれた背景となった問
題定義が現代とずれがあり、キャリアの
本質をカバーできてない部分がある
キャリア教育の定義
<若者の現状>
「学校から社会・職業への移行」が円滑に行わ
れていない。
完全失業率 約9%、非正規雇用率約32%、無
業者約63万人、早期離職高卒4割、大卒3割、
短大等卒4割
「社会的・職業的自立」に向けて様々な課題が
...
• 子供たちに将来、社会や職業で必要となる資質・能力を育むためには、学校で学ぶことと社会の接
続を意識し、一人一人の社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を育み、キャリ
ア発達を促すキャリア教育の視点も重要である。
キャリア教育の...
すべて触れられなかったため、他観点も含めてより詳しくは以下の本をぜひお勧めしたい。
「キャリア教育のウソ」 ー児美川孝一郎 (筑摩書房)
第2章 ウソで固めたキャリア教育? 4「正社員モデル」の限界
・必ずにも会社に所属することが当たり前ではな...
実際にどういった点がずれているのか(2)
若者全員に対して自らコミュニケーション能力や職業意識などを持つことが求められていることがわかる。
学校で学んだことがどう社会に活きるかの接続に注力が置かれている
従弟制時代(家業を継ぐケースが多かった時...
多くのキャリア教育プログラムの現状
キャリア選択前に事前に知識や体験をインプットする教育となっている
将来必要な情報が個々によって異なり事前に必要な知識や体験をインプットすることが難しい。つながるかどうかはわ
からない知識・経験のパーツを増やし...
3. キャリアで陥る落とし穴
3. キャリアで陥る落とし穴
 キャリアプラン、夢をもつことを肯定することで生まれる問題
 キャリアチェンジがなぜうまくできないケースがあるのか
 周りからの不適切なアドバイス
 地域・家庭状況の格差による問題
 受験戦争による代償
...
キャリアプラン、夢をもつことを肯定することで生まれる問題は具体的になにか。
・キャリアの目標を立てることがプレッシャーになる。その場限りで言った夢に縛られるケースもある。
・計画を立てることでうまくいかなくなったときに失望して動けなくなる。
・...
周りからの不適切なアドバイス
・子供のキャリアを親や先生が押し付ける。自
分が叶わなかった夢を追わせる。
・自分より上の世代がいう“いい就職先”は彼ら
の就職時代の話であり、現代にあっているとは
限らない。幸せに感じる定義が異なる。また過
去の...
自己肯定感の低さから自ら選択しない状況が生まれる
「自分を好き」という気持ち。自分のいいところも、ダメなところもひっくるめて、自分を認め、
肯定する気持ち。それを「自己肯定感」といいます(「伸びる子の育て方」漆 紫穂子(ダイアモンド
社)より)...
4. 現在のキャリア教育に
プラスして必要なことを
考えていく
データや私自身の経験、キャリアや教育関連の研究者書籍をベースに知見を集め、キャリアは自分ではコン
トロールできない偶発的な出来事に適応していく必要があることを話してきました。では、事前に計画を立
てても変わってしまうことを前提に、現状のキャリア...
Will not
Can not
Must not
求められていない
供給過多
需要減少
2.教育方針の変更
1.人気の職業
代替3.技術発展
グローバル化
計画完遂型 4. 長い期間を要する
短命型
難型
WillCanMustモデルを使った...
選択した仕事にはリスクがあり、キャリアの
ゴールを常に更新し続ける必要があるとわかっ
ているなら、選んだ仕事につく過程や就いたと
きから次のステップへの準備をはじめればいい
・おおよそ職業別に将来のリスクパターンがあるので、
学生たちが選択した...
必ずリスクがあると予測できているスポーツ選手のキャリアは、キャリアチェンジ
がうまくいった例といかなかった例がすでに存在する。トレーナーなどの育成に携
わったり、芸能活動を目指すケースが多いなか、陸上の為末選手の場合はスポーツ
と掛け合わせてビ...
本資料作成にあたっての参考文献
<データ元となった資料>
• 「進路アドバイザーのための基礎知識2017―進路アドバイザー検定公式テキスト」 大学新聞社 進
路情報研究センター(大学新聞社)
• 中央教育審議会 平成23年1月31日答申 「今後...
おわりに
本資料をご覧いただきありがとうございます。お問い合わせ、仕
事依頼(講演など含めて)ぜひ以下記載のメールアドレスまでご
連絡ください。
全日本キャリア教育改善推進協会
代表 尾澤 愛実
career.update.org@gmail....
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キャリア教育の現場と今後必要なこと

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本資料はキャリア教育に携わる提供者をターゲットとしたものです。(自分自身のキャリアを考える方も歓迎です)キャリアは自分ではコントロールできない偶発的な出来事に適応していく必要がある。事前に計画を立てても変わってしまうことを前提に、現状のキャリア教育にプラスして選んだ職業に対するリスクを診断して、リスクに対する備えをはじめるサポートが必要であることを本資料にてまとめました。全日本キャリア教育改善推進協会

本資料をご活用したい際はご連絡いただけますと幸いです。
ご連絡はこちら career.update.org@gmail.com

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キャリア教育の現場と今後必要なこと

  1. 1. キャリア教育の現場と 今後必要なこと 全日本キャリア教育改善推進協会 代表 尾澤 愛実 共同研究者 川鯉 光起 初版 2017/08/27
  2. 2. 本資料について 本資料はキャリア教育に携わる提供者をターゲットとしたものである。(自分自身のキャリアを考える方も歓 迎です)キャリアは自分ではコントロールできない偶発的な出来事に適応していく必要がある。事前に計画を 立てても変わってしまうことを前提に、現状のキャリア教育にプラスして選んだ職業に対するリスクを診断し て、リスクに対する備えをはじめるサポートが必要であることを本資料で述べたいと思う。 [本資料の構成] 1. キャリアの本質 自分でコントロールできず計画通りいかないとはどういうことなのか、そして時代によって変わったことも含 めてどういったことを考えないといけないのかを述べる。 2. 今日行われているキャリア教育の背景と現状 そもそもキャリア教育はどういった背景で生まれ、何を解決するために誕生したか、現在はどういった課題が あると定義さえているかを述べる。そういた背景から生まれた今日のキャリア教育がどういったものが行われ、 どういったものがキャリアの本質に対して足りていないのかについて述べる。 3. キャリア教育に限らずキャリア形成していくなかで生じている落とし穴 キャリア形成がどう難しいのか、またキャリア教育によって新たに生じてしまった問題など落とし穴がどう いったところにあるかを述べていく。 4. 現在のキャリア教育にプラスして必要なことを考えていく キャリアや教育関連の研究者書籍をベースに知見を集め、今後どういったものが必要になるかを考えていく。
  3. 3. 1. キャリアの本質
  4. 4. キャリアは偶発的な環境要因で左右され、 変動していくものである。 また時代変化によって雇用や職業も変 わってきている。
  5. 5. A キャリアのゴールを事前に決定して計画通り進めることはほぼ不可能である  本人の意思や努力ではコントロールできない環境要因によってキャリアは左右される  やりたいことが見つかるタイミングは誰もわからない。また興味あったことがやりたくない ことだと気づく可能性もある  知っている情報からしか人は選択することはできない  未経験のものは経験しなければわからないことがある B 時代による雇用状況の変化  正規雇用、終身雇用、寿退社といったゴールが常識とは限らなくなった  技術の進歩によって職業が変わっていく。 現在のキャリアの本質
  6. 6. A キャリアのゴールを事前に決定して計画通り進めることはほぼ不可能である  本人の意思や努力ではコントロールできない環境要因によってキャリアは左右される 本人自身 身近な人 病気や不慮の事故 休職など一時的に現場を離れざる終えない状況 や場合によっては職業変更(退職)を迫られて しまい、今までキャリアを変更せざる終えない 場合がある。 受験・就活などの選抜 本人の努力だけなく、運やタイミングなどの要 素も重なりコントロールすること ができない。理想通りいかない場合は他選択肢 検討や再度トライする(浪人、転職を狙うな ど)を余儀なくされる 出世、給料UP/降格、給料DOWN 立場(プレイヤーから管理職など)が変われば 求められるものが変わり状況が変わってくる。 また環境が変わることや貰える給料も変われば 自然と価値観も変動する。また逆に下がった場 合も変動せざる負えない 転職 元の職場とは違う文化や仕組みに適応する必要 がある。また新たに信頼獲得が必要など白紙に 戻る部分もある。 職場にて 病気や不慮の事故、死 自分でなく身近な人になんらか起きた場 合、起きた直後の対応や長引く場合は本 人自身の場合もだが金銭面や生活面での サポートなど必要となり、職業変更する 必要がでる可能性もある 結婚、出産 独り身から家族が増えるということは判 断する軸が増えたり、変わる可能性があ る。また出産は一時的に職場を離れるこ とになるのでタイミングやその影響を考 えざる負えない。 パートナーの転勤 ついていく場合は自分の仕事を変えるの か、辞めるのかなど今まで通りにいかず 判断に迫られる。また単身赴任を選択す るにしても生活は変動し適応が必要とな る。 介護 金銭面、生活面でのサポートが必要とな り、長期にわたる可能性がある。 人間関係 職場の雰囲気や文化が合わない、上司との 価値観・相性が合わず評価されない、同僚 と仲が悪く相談相手がいないなど、仕事内 容ではない部分で苦しむ場合もある。我慢 し続けるのか、部署移動するのか、転職や 起業、フリーランスを選ぶなど選択が必要 となる 人事異動 組織に所属している以上、自分が希望しな い部署に配属される場合や急遽転勤を迫ら れるなど環境変化についていくしかない ケースもある 失業、倒産、業績が悪い、職場環 境が悪い 大企業ですら倒産する可能が生まれた現代 において突然職がなくなってしまうケース もある。 また残業が多かったり、有給がとれないな どのブラック企業と呼ばれる環境で心身と もに崩すリスクもある。
  7. 7. A キャリアのゴールを事前に決定して計画通り進めることはほぼ不可能である  やりたいことが見つかるタイミングは誰もわからない。また興味あったことがやりたくないことだと気づ く可能性もある  知っている情報からしか人は選択することはできない  未経験のものは経験しなければわからないことがある すべての職業を知ること はできないので、知って いる情報から将来の仕事 を選択するしかない 例)親や身近な人がやっている職 業、テレビや雑誌などで見た、会 社名が有名 など 知っている・体験したことがある ことからやりたいことが見つかって る場合もあるし、見つかってない場 合もある 職業を選ぶ 職業になるまでの過程 就職後(実務) 色んなもの、人との出会いで突然 やりたいことが見つかったり、大 学などで勉強するうちに合わない ことに気づくケースもある 大学や専門学校などなり たい職業の分野を深めて いく段階で知ることや経 験できることが増えてい く。 実際に働いてみることで わかることがある また働くことで成長する なかで見えてくるものも ある 仕事に対する自分が大事な価値 観が新たに生まれるなどこだわ りのポイントが新たに増える可 能性がある。 すべて知り、経験することはできないからこそ、知っているものからしか人は選択できない。積極 的に動くことでより若い年で挑戦する機会を得るケースも増えてきており、知ることで変わること も多い。だからこそ「いつ」自分にあった職業にたどり着くかは誰もわからない。
  8. 8. B 時代による雇用状況の変化  正規雇用、終身雇用、寿退社といったゴールが常識とは限らなくなった ものをたくさん作れば売れる時代であった高度経済成長であれば大企業に就職すれば安泰だった り、定年まで働いた。定年まで旦那が働けたからこそ女は家を守るために寿退社するのが当たり 前だった。会社はひとりの人生を最後まで保証できるほどの安定を約束できていた時代までは成 り立っていた文化だったが、大企業も倒産に追い込まれるなど、終身雇用が保証することができ なくなったため、ずっと同じ企業で働き続けることができず転職などせざる追えなくなった。ま た女性も社会進出も進んでいき、共働きの家庭もふえていった。  技術の進歩によって職業が変わっていく。 企画職といっても企画だけを行うといった明確な役割に分類されずマルチタスクに業務をこなす ケースも増えてきた。専門職は存在する一方で明確にどんなスキルが必要なのか表現できない職 業も増えていき、今後もそういったものは増えていくだろう。 ・今ある職業があるとは限らないし、今想像できない職業が新たに誕生しているかもしれない。 予想したとしても誰も確実なことは言えない。
  9. 9. 2. キャリア教育が生まれ た背景と現状
  10. 10. キャリア教育が生まれた背景となった問 題定義が現代とずれがあり、キャリアの 本質をカバーできてない部分がある
  11. 11. キャリア教育の定義 <若者の現状> 「学校から社会・職業への移行」が円滑に行わ れていない。 完全失業率 約9%、非正規雇用率約32%、無 業者約63万人、早期離職高卒4割、大卒3割、 短大等卒4割 「社会的・職業的自立」に向けて様々な課題が 見られる コミュニケーション能力等職業人としての基本 的能力の低下、職業意識・職業観の未熟さ、進 路意識・目的意識が希薄な進学者の増加 キャリア教育 一人一人の社会・職業的自立に向け、必要な基 盤となる能力や態度を育てることを通して、 キャリア※発達を促す教育 ※キャリア:人が生涯の中で様々な役割を果たす過程で、自らの役割 の価値や自分と役割との関係を見出していく連なりや積み重ね 中央教育審議会 平成23年1月31日答申 「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」より引用 問題としている現状内容から会社に雇用されることを前提とし、学生からストレートで正規雇用で数年働くこ とを理想の形として定義している。また若者全員に対して自らコミュニケーション能力や職業意識などを持つ ことが求められていることがわかる。
  12. 12. • 子供たちに将来、社会や職業で必要となる資質・能力を育むためには、学校で学ぶことと社会の接 続を意識し、一人一人の社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を育み、キャリ ア発達を促すキャリア教育の視点も重要である。 キャリア教育の定義(今年度) 平成28年度 中央教育審議会答申全文より 3.キャリア教育(進路指導を含む)より また、小学校から高等学校までの特別活動をはじめとしたキャリア教育に関わる活動について学び の過程を記述し振り返ることができるポートフォリオとしての機能を持つキャリアパスポート(仮 称)の活用を図ることを検討している。 と書かれ、職業体験活動のみをもってキャリア教育を行ったとしているケースや次の学校段階への 進学のみを見据えた指導などが課題として指摘されていることに触れている。 学校で学んだことがどう社会に活きるかの接続に注力が置かれているとともに、将来をかんがえるにあたって 職業選択時までの活動をベースにすることが書かれている。
  13. 13. すべて触れられなかったため、他観点も含めてより詳しくは以下の本をぜひお勧めしたい。 「キャリア教育のウソ」 ー児美川孝一郎 (筑摩書房) 第2章 ウソで固めたキャリア教育? 4「正社員モデル」の限界 ・必ずにも会社に所属することが当たり前ではなくなった。フリーランスや起業するなど違う働き からが増えている ・非正規雇用も多く存在し、正規雇用に全員なれる枠があるわけではない ・働いてみてミスマッチに気づくケースや別にやりたいことが見つかったり誘われて転職するなど 就職してすぐに居場所を変えるケースは多々存在する。またそもそも会社自体がリストラ、倒産な ど他に移らざるおえない状況もありえる。 問題としている現状内容から会社に雇用されることを前提とし、学生からストレートで正規雇用で 数年働くことを理想の形として定義している。 実際にどういった点がずれているのか(1) 状況のようなケースはキャリア教育のスコープ外となってしまう。。 =実施されるキャリア教育が合わない生徒が多く生まれてしまう。 現状は・・・
  14. 14. 実際にどういった点がずれているのか(2) 若者全員に対して自らコミュニケーション能力や職業意識などを持つことが求められていることがわかる。 学校で学んだことがどう社会に活きるかの接続に注力が置かれている 従弟制時代(家業を継ぐケースが多かった時代)は親の背中をみて、どういう風に自分がなるのかを想像す ることができ、自分にできる役割を与えられながら徐々にプロになっていく形で学んでいき、役割によって 働く意識が芽生えやすかった。 しかし高度経済成長期を境に、公教育制度時代になったなかで仕事のやり方そのものを新しく覚える知力、 なんども要求されれば対応できる訓練可能性が重視され、言われたことをいわれた通りに再現できる能力を 量産する教育になっていった。だからこそそもそも仕事感覚を学ぶ機会がない。よって生徒は自分で自分の 将来ために学校に通うことの意義を見つけなくてはならなくなった。よって職業意識や進路意識などを奪っ た教育を行なってしまっていることが要因であることを認識したうえで検討すべきである。 若者が職業意識を失ったのは、こういった教育の仕組みが変化したことによって生じたことなのだ。 「教育心理学概論」 三宅芳雄 三宅なほみ (放送大学教育振興会)の9.熟達する、職場で学ぶ 、13.テクノロ ジーの時代と教育 を参考に意見を記載しています。
  15. 15. 多くのキャリア教育プログラムの現状 キャリア選択前に事前に知識や体験をインプットする教育となっている 将来必要な情報が個々によって異なり事前に必要な知識や体験をインプットすることが難しい。つながるかどうかはわ からない知識・経験のパーツを増やし、多く行うことによって少しでも将来につながる可能性を高めようとしていると 定義できる。 評価タイミングと基準が実施前後が主となっている、 実施前後が評価対象となっており、話を聞いたり、何かを取り組んだことによって変化が生じやすい。またその後どう 影響あったかは、長いものでも最初の就職まででそのあとは追わない。よって実施すること自体が評価されがちとなっ ていることや将来追った場合も実績として1人でも効果がある、役にたったとこたえれば有効となる。 一斉授業のスタイルでの導入が多く、欲しいタイミング・欲しい内容を 受けることが難しい 人によって キャリアの検討段階が異なるにもかかわらず一斉に提供しようとしている。個別でのフォローが現場でそ もそも難しいのもある。また更新されることを前提とできておらず一度やって終わりとなってしまう。 ゴールを提示されれば指導がしやすい。また進学・就職実績を残したい 多忙な先生にとってひとりひとりじっくり向き合って、その時点での考えを引き出してあげるスキル、時間ともに厳し い。早く希望する分野を決めてくれたほうがどの大学を目指すかの勉強時間が確保でき、その指導にシフトすることが できる。また学校を継続運営していくうえで進学・就職実績は重要な指標でもあり、校長など校内の幹部、入学希望の 親などの評価獲得のためにひとりでも多くだすことに注力ながらが生じるのは仕方がない。 キャリア教育は主に「職業理解・職場体験)」「自己分析・自己開示」「キャリアプラン」といったものが 行われている。対象が高校生以下という属性影響もあり、以下のような状況が生まれている。
  16. 16. 3. キャリアで陥る落とし穴
  17. 17. 3. キャリアで陥る落とし穴  キャリアプラン、夢をもつことを肯定することで生まれる問題  キャリアチェンジがなぜうまくできないケースがあるのか  周りからの不適切なアドバイス  地域・家庭状況の格差による問題  受験戦争による代償  自己肯定感の低さから自ら選択しない状況が生まれる
  18. 18. キャリアプラン、夢をもつことを肯定することで生まれる問題は具体的になにか。 ・キャリアの目標を立てることがプレッシャーになる。その場限りで言った夢に縛られるケースもある。 ・計画を立てることでうまくいかなくなったときに失望して動けなくなる。 ・夢が崩れてしまったときにどう対応すればいいかは教わらない。 ・夢をもつを応援することにフォーカスさせたために、やると決めることは簡単だが、夢をもつだけで なく、その夢を実現するために当然通るべき道すら検討せず、試さずに進んだ末に行った先で挫折する。 キャリアチェンジがなぜうまくできないケースがあるのか ・実際にやってみて好きではなく苦痛であると気づいても、たくさんの時間とお金とエネルギーを投資 したことを無駄にしたくないので我慢してしまう ・同じ場所・同じ業界に居続けなくてはならないという思い込みから満足していない仕事に行き詰まる 以下の本を参考にしております 「その幸運は偶然ではないんです!」J.D.クランボルツ他 (ダイアモンド社)にはキャリアプラン通りにいか なかった事例紹介や問いかけが記載されています。キャリアプランを立てることにあまりにも囚われているな ら読んでみることをお勧めします。 「キャリア教育のウソ」 ー児美川孝一郎 (筑摩書房) 第2章ウソで固めたキャリア教育? 1「やりたいこと」探しの隘路 、2「キャリアプラン」なんて、立てられ るの?にもどういったことが問題として考えられるか詳しく書かれております。
  19. 19. 周りからの不適切なアドバイス ・子供のキャリアを親や先生が押し付ける。自 分が叶わなかった夢を追わせる。 ・自分より上の世代がいう“いい就職先”は彼ら の就職時代の話であり、現代にあっているとは 限らない。幸せに感じる定義が異なる。また過 去の理論にとらわれていて新しい理論を吸収が 難しい指導者から過去の理論や文化を押し付け られてしまうケースも多々存在する。 ・OB訪問を含めた先輩の武勇伝、言ったこと を自分とあっているかなどの観点なくそのまま 受け入れてしまう ・進路相談に乗る先生自身がほかの職業を体験 していないケースや、先生が就職を考えた時代 と今は違うので古い指導をしてしまうケースが ある。またそもそもひとりひとりのために調べ る、向き合う時間がとれないほどほかの業務が 忙しい 地域・家庭格差の問題 自分が生まれた環境によって、そもそも視野が狭まったり、 選択できる幅は減ってしまう。そこから飛び出すことがで きる確率が都会かつ金持ちの家庭に比べたら、田舎で貧乏 となると与えられる機会は大きく差がでてしまう。 受験戦争による代償 偏差値のいい大学にいくことで教育の質、同級生などの人 脈など恵まれ、将来につながる機会に恵まれるが確率が高 まることは確かだが、大学名だけを意識して興味がない、 むしろ嫌いな学科にいった場合は機会をいかしにくい。ま た大学に入ることが目的となり、なぁなぁに過ごしてし まったところで将来につながるものに出会えるわけではな い。環境がすべてを勝手にあたえてくれるわけでなく、将 来につながる機会が自然につながるとは限らないことを意 識したほうがいい。高校までが次の学校に入ることをス コープとし、必死に頑張ってきたので入ることが目的と なってしまい燃え尽き症候群となってしまうことも多い。
  20. 20. 自己肯定感の低さから自ら選択しない状況が生まれる 「自分を好き」という気持ち。自分のいいところも、ダメなところもひっくるめて、自分を認め、 肯定する気持ち。それを「自己肯定感」といいます(「伸びる子の育て方」漆 紫穂子(ダイアモンド 社)より)この「自己肯定感」が低いことでどういった状況が生まれるかは以下が例となります。 ・自分を過小評価評価する ・未経験だからダメだと思い込む ・挑戦する前に失敗を恐れて動くことができない ・自分が抱く夢を恥ずかしがり、人に言わないことで機会を逃す ・考えること自体を放棄する、誰かに委ねてしまう ・受験を含めた周りの人間との比較によって生まれてしまった自己否定 「伸びる子の育て方」漆 紫穂子(ダイアモンド社) 自己肯定感という言葉の定義はこの本がわかりやすいかと思います。「自己肯定感があればどんな困難にも負 けない自立した子に変わる!」と品川女子学院の校長である著者が自ら生徒と向き合ったなかで得た知見を本 にされています。
  21. 21. 4. 現在のキャリア教育に プラスして必要なことを 考えていく
  22. 22. データや私自身の経験、キャリアや教育関連の研究者書籍をベースに知見を集め、キャリアは自分ではコン トロールできない偶発的な出来事に適応していく必要があることを話してきました。では、事前に計画を立 てても変わってしまうことを前提に、現状のキャリア教育にプラスして選んだ職業に対するリスクを診断し て、リスクに対する備えをはじめるサポートすることが新たに必要ではないかと考え、その点について少し 触れてみたいと思います。 どんな仕事にも選択後リスクがある 今回は3つの問い WillCanMustの理論をベースに、職業のリスクを分類し、各リスクについて考えています。 [3つの問い WillCanMustとは] Will CanMust 自分がやりたい、ありたい姿 自分ができること周りから求められること やるべきこと エドガー・シャインの「3つの問い」理論である、自分 に問いかけるものとして以下3つの観点を考慮すること で仕事を見つける手助けになるというものである。 ・自分がやりたいことはなにか(Will) ・自分ができることなにか(能力など)(Can) ・周りから求められ、やるべきことはなにか(Must) これらすべて重なることを目指すことで 働くうえで理想の状態であるという 理論である。
  23. 23. Will not Can not Must not 求められていない 供給過多 需要減少 2.教育方針の変更 1.人気の職業 代替3.技術発展 グローバル化 計画完遂型 4. 長い期間を要する 短命型 難型 WillCanMustモデルを使った仕事の選択リスクモデル (川鯉、尾澤,2017) 仕事はそもそも社会や組織から求められることに答えることができ(Must)、自分ができる(Can)ことがなければ成り立たない。 言い換えれば仕事がないリスクはこのMust,Canが満たされない状態を指す。 2つが満たされたうえで自分のやりたいこと、ありたい姿(Will)が満たされることで理想の仕事になっていく。 1. 多くの人がWillとなる人気の職業。 例としては漫画家、アスリート、芸 能人といった職業は、供給過多な状 態となり、その職業になること自体 が倍率高く、競争率が高い。 2. ダンス必須化、プログラミング 教育の強化など教育方針の変化に よって興味を持つ人、できる人が 増えることになり、この場合も供 給過多になる。 Must not(求められていな い)状況が生まれる状態 [供給過多型] [需要減少型] 3. 技術発展によって機械による 代替が進んでいく。例えばAIの発 展によって知識労働も変わる可能 性ある。これは産業革命で機械導 入によって単純労働が機械にか わっていった状況と同じ状況が生 まれる可能性を指す。 また Can not(求められていな い)状況が生まれる状態 [計画完遂型] 4. 医者や弁護士など学ぶべ き基本が決まっているもの、 国家資格を取る必要がある薬 剤師など職に就くまでの過程 が計画完遂型の職業タイプ。 (IT業界でいうWF型)途中 で挫折した場合、方向転換が 難しい。 [短命型] 5. スポーツ選手やアイドル といった職業は体力の衰えや 歳を重ねることによって価値 が急落下することが予測でき る職業であり、次の職へのス テップが求められる 自分ができない やりたくない 5.加齢の影響が大きいもの 6.そもそもなれない [難型] 6. 医者や弁護士など一般的 に難しいとされるものに限ら ず、本人の特性によって向き 不向きがあるので難易度が人 によって異なり難しく挫折し てしまうものを指す。 Must notまたはCan notであれば必然的にWill notにつながる
  24. 24. 選択した仕事にはリスクがあり、キャリアの ゴールを常に更新し続ける必要があるとわかっ ているなら、選んだ仕事につく過程や就いたと きから次のステップへの準備をはじめればいい ・おおよそ職業別に将来のリスクパターンがあるので、 学生たちが選択した職業別に起こりうるリスクを診断し てそこへの備えをはじめるサポートをする。 ・また次のステップへの準備をするタイミングでの支援 する仕組み
  25. 25. 必ずリスクがあると予測できているスポーツ選手のキャリアは、キャリアチェンジ がうまくいった例といかなかった例がすでに存在する。トレーナーなどの育成に携 わったり、芸能活動を目指すケースが多いなか、陸上の為末選手の場合はスポーツ と掛け合わせてビジネスを行うこととしたケースや野球のイチロー選手は50歳まで 現役という目標をかかげ、日々のトレーニング、生活を最適化し、パフォーマンス がだせるようにリスクを回避させる方法もある。 これから増えていく仕事のリスクに対してスポーツ選手などすでにどのよ うにキャリアチェンジしていくパターンがあるのか、どういった要因でう まく次につなげられないかを見ることで次のステップにつなげられない失 敗を事前に回避する法則ができていく。 「仕事人生のリセットボタン ー転機のレッスン」 為末大 中原淳 (ちくま新書)には為末選手のキャリアに 軌跡を中原先生が探るかたちで対話でまとめられた本です。 高校生の時点で種目変更というキャリアチェンジをし、引退後への準備、会社を作られた過程が赤裸々に語 られています。こちらの本でスポーツ選手のキャリアチェンジがまさにさまざまな職業で起きるだろうと書 かれています。 次のステップに進んだ例として:スポーツ選手の場合
  26. 26. 本資料作成にあたっての参考文献 <データ元となった資料> • 「進路アドバイザーのための基礎知識2017―進路アドバイザー検定公式テキスト」 大学新聞社 進 路情報研究センター(大学新聞社) • 中央教育審議会 平成23年1月31日答申 「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方に ついて」にて • 平成28年度 中央教育審議会答申全文より 3.キャリア教育(進路指導を含む • 「キャリア教育のウソ」 ー児美川孝一郎 (筑摩書房) • 「教育心理学概論」 三宅芳雄 三宅なほみ (放送大学教育振興会) • 「その幸運は偶然ではないんです!」J.D.クランボルツ他 (ダイアモンド社) • 「伸びる子の育て方」漆 紫穂子(ダイアモンド社) • 「仕事人生のリセットボタン ー転機のレッスン」 為末大 中原淳 (ちくま新書)
  27. 27. おわりに 本資料をご覧いただきありがとうございます。お問い合わせ、仕 事依頼(講演など含めて)ぜひ以下記載のメールアドレスまでご 連絡ください。 全日本キャリア教育改善推進協会 代表 尾澤 愛実 career.update.org@gmail.com 本資料は初版です。今後更新する場合や別途ブログなどで詳細をまとめる予 定ですのでその際お知らせいたします。

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