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全脳アーキテクチャに必要な新皮質マスターアルゴリズム(MA)の検討
- 1. NPO法人 全脳アーキテ クチャ・イニシアチブ 株式会社ドワンゴ ドワンゴ人工知能研究 理化学研究所 山川 宏 *1, *3 荒川 直哉 *1, *3 高橋 恒一 *2, *3 全脳アーキテクチャに必要な 新皮質マスターアルゴリズム(MA) の検討 JSAI 2017 3K1-OS-06a-5 *1 *3 *2
- 3. 汎用性を支える新皮質の局所回路 一様な機構で，多様な機能を獲得 ー＞ 知能の汎用性を支えている 図の出典： http://bio1152.nicerweb.com/Locked/ media/ch48/48_27HumanCerebralCortex.jpg JSAI 2017 3K1-OS-06a-5 • 身体運動的知能 • 言語的知能 • 論理数学的知能 • 音楽的知能 • 対人的知能 • 内省的知能 • 空間的知能 局所回路 Canonical cortical circuit
- 4. 何故、今、新皮質MAのフレームワークか • 重要性： 脳型AIにおいては汎用性の実現において、 新皮質の局所回路を参照することが最重要 • 実現可能性： 神経科学、機械学習の進展で、そろそろ手の届 きそうなターゲットになってきた • 狙い(波及効果)： 機械学習専門家が理解可能なフレームワークを 提案し、研究参入できる状況を整える JSAI 2017 3K1-OS-06a-5
- 5. ANNで脳機能は実現は、手が届くターゲットに ① 新皮質標準回路への理解が進んでいる ② 多くの認知機能が人工ニューラルネットワーク (ANN)で実現されてきた ③ 上記二つを結合できることも増えてきた Yamins and DiCarlo, Nat Neurosci.19:356-65, 2016 CNNと新皮質(側頭葉)の相同性高い物体認識機能 ① ③ Kenneth D. Harris & Thomas D. Mrsic-Flogel, Cortical connectivity and sensory coding, Nature 503, 51–58, 2013 JSAI 2017 3K1-OS-06a-5
- 7. L1 L2/3 L4 L6 L5 状態 (ボトムアップ) 入力元 出力先 状態 (トップダウン) 制御 (注意, 文脈など) 隠れ状態 出力制御 状態 隠れ状態 [行動出力] 制御 (注意, 文脈など) 新皮質 高次のL2/3、 海馬、小脳？ 低次のL2/3 (基底核支配 の)視床 高次のL6 低次のL2/3 基底核、 [錐体路] 低次のL6、 低次のL1 信号のセマンティクス 情報選択(注意) 活動度制御 隠れ状態 (ボトムアップ) (低次L5起源) 視床 視床 高次のL2/3 or L4、海馬 出力1 出力2 出力3 入力1 入力2 入力3 入力4 入力5 新皮質MAのフレームワーク (結論) 信号のセマンティクス 状態： 外界信号に関わる信念や予測の内部状態全般を表す信号 ※ 「状態＝最新の状態」、「隠れ状態＝履歴を加味した状態」 制御に関わる信号 JSAI 2017 3K1-OS-06a-5
- 8. 強化学習 その前に「脳型アーキテクチャの全体像」とは JSAI 2017 3K1-OS-06a-5 M2 M1 V1 S1 EC 触覚 視覚 聴覚 海馬 筋肉 外部環境 基底 核 トップダウン情報 ボトムアップ情報 新皮質MA 制御信号 強化学習 認識の 取りまとめ 第3回WBA ハッカソン （9月）
- 10. CNN：ボトムアップ直接経路のみ JSAI 2017 3K1-OS-06a-5 Project AGI (AGI.io ) [Kowadlo 15, Kowadlo 16]
- 11. Kowadloモデル中での入力セマンティクス JSAI 2017 3K1-OS-06a-5 [Kowadlo 15, Kowadlo 16] 状態 (ボトムアップ) 状態 (トップダウン) 入力3 入力4 制御 (注意, 文脈など) 入力1 状態 (ボトムアップ) 隠れ状態 (ボトムアップ) 入力4 入力5 隠れ状態 出力制御 入力2
- 12. 主な経路 • ボトムアップ直接路←すでに述べた • ボトムアップ間接路 • トップダウン直接路 #1 • トップダウン直接路 #2 • トップダウン直接路 #3 JSAI 2017 3K1-OS-06a-5
- 13. 検討結果の全容 JSAI 2017 3K1-OS-06a-5 PredNet HTM BESOM Stacked Auto Encoder Ladder Net CNN Frontal cortex for PBWM N/A 1 2 3 ( ) 4 ( ) 5 ( 1 2 3 Disentangle ? N/A 既存のANNモデル 入 出 力 機 能 神経科学知見
- 14. どの様に新皮質MAの枠組みを決定したか • 新皮質MAの標準的な入出力セマンティクス – 神経科学知見を統合する • 出力は層ごとに整理 • 入力は入力源の性質から整理 – 工学的に理解しうるセマンティクス付与 • 新皮質MAの標準的な計算機能 – 知能エージェントの機能のうち新皮質が担う部分 • 新皮質の損傷で阻害される、 • 他の脳部位が担うとは考えにくい部分 – 新皮質に対応する既存計算モデルの整合性 • 物体認識などに必要な機能 JSAI 2017 3K1-OS-06a-5
- 16. 検討結果の全容 JSAI 2017 3K1-OS-06a-5 PredNet HTM BESOM Stacked Auto Encoder Ladder Net CNN Frontal cortex for PBWM N/A 1 2 3 ( ) 4 ( ) 5 ( 1 2 3 Disentangle ? N/A 既存のANNモデル 入 出 力 機 能 神経科学知見
- 17. 様々なモデルを比較した結果 • Project AGI [Kowadlo 15, Kowadlo 16]が記述の 包括性が高い記述であった。 – 他のモデルとの整合性が高かった – 視床からの入力を少し調整する必要があった • ベイジアンフィルタは網羅性が低いが保守的 • 川口仮説は、L5の記述が詳細で、他と整合的 – L2/3とL5間のフィードバックの記述あり • 上記らは、CogniTve consilienceの神経科学知見 ともともほぼ整合的 JSAI 2017 3K1-OS-06a-5
- 18. オープンなAIG開発を支援するWBAI JSAI 2017 3K1-OS-06a-5 大久保敏男 後藤健太郎 さかき漣 スポンサー Supports 開発環境の構築 • 学習シミュレータ • AGIの評価手法 • 統合プラットフォーム (BriCA) • 神経科学への接地 研究開発組織 Promote R&D 人材育成 • ハッカソン • 勉強会 • スクール 慶應義塾大学 玉川大学 人工知能と脳科学の対照と融合 産総研AIRC 電通大 AIセンタ
- 19. 全脳アーキテクチャ・アプローチ JSAI 2017 3K1-OS-06a-5 脳全体のアーキテクチャに学び 人間のような汎用人工知能を創る(工学) 新皮質について、機械学習専門家の参入を促す枠組みを整えた
- 20. おわりに • 新皮質MAのフレームワークは、脳型AIの構築 促進において重要な意義をもつ。 • 本フレームワークの神経科学的妥当性などにつ き、会場から意見を頂き、改良に結びつけたい。 • 新皮質MAの構築に興味がある方ご連絡下さい JSAI 2017 3K1-OS-06a-5 hXp://wba-iniTaTve.org/sig-wba 全脳アーキテクチャ開発部