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【材料力学】「力」と「力のモーメント」 (I-01-1 2020)
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Kazuhiro Suga
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【目標】 1.「力」を説明できる 2.「力のモーメント」を説明できる 3. 力のモーメントを求められる
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【材料力学】「力」と「力のモーメント」 (I-01-1 2020)
1.
「力」と「力のモーメント」 1.「力」を説明できる 2.「力のモーメント」を説明できる 3. 力のモーメントを求められる 目標 1/6
2.
「力」 物体の状態を変化させる原因となる作用 大きさと方向をもつ → ベクトル 単位:
[ N ] (ニュートン) 力 2/6 変形力 移動 A B
3.
「力のモーメント」 物体を回転させようとする作用 単位: [ N・m
] (ニュートン・メートル) F Fr 回転中心 3/6 大きさ: 作用の大きさ M= r× F 向き: 回転軸の方向 → ベクトル 回転中心 「力のモーメント」→ モーメント
4.
モーメントの成分計算 M x y 回転中心 F r Fx Fy Fz × rx ry rz Mx My Mz = ry Fz rz
Fy rz Fx rx Fz rx Fy ry Fx = 4/6 FrM = ×
5.
平面内でのモーメント Mx My Mz ry Fz rz
Fy rz Fx rx Fz rx Fy ry Fx = 5/6 F r x y rx ry Fy Fx rx Fy+ ry Fx− rz = 0 z 軸に関する成分が0 Fz= 0 0 rx Fy ry Fx 0= −
6.
まとめ:「力」と「力のモーメント」 1.「力」 2.「力のモーメント」 3. 力のモーメントを求める 物体の状態を変化させる原因となる作用 ベクトル 単位: [
N ] (ニュートン) 物体を回転させようとする作用 M = r× F 単位: [ N・m ](ニュートン・メートル) ベクトルの外積計算 6/6 ベクトル: → モーメントと表記
Notas del editor
力と力のモーメント この項目では,次の3つの目標を設定しています. 一つ目は,「力」を説明できるようになることです. 二つ目は,「力のモーメント」を説明できるようになることです. 三つ目は,力のモーメント求めることができるようになることです.
「力」について説明します. 「力」とは,物体の状態を変化させる原因となる作用,と定義されます. 具体例を,みてみましょう. [click] 左の上の図は,A地点に丸い物体が置いてある様子を表しています. いま,下の図のようにA地点にある物体を,B地点に移動させます. この移動によって.,物体の状態が変化します. この移動を起こさせる作用が「力」です. 作用させる力の大きさは,物体の重さや重力などによって変化します. また,力の向きも移動させたい方向によって変化します. ここでは,力の向きを矢印の向き,大きさを矢印の長さで表しています. [click] 右の図は,上のように,2つに支点で支えられた棒に下向きの力を作用させて, 変形させた様子をしめしています. 棒がまっすぐな状態から,曲がった状態に変化しています. この変形を起こさせる作用も「力」です. この場合も,下向きの力をどの程度作用させるかで,棒の曲がり方が変化します. [click] 例からも分かるように,力は,「大きさと方向をもつ」という性質があります. 力は,ベクトルで表現されます. 力の単位は,「ニュートン」です.
「力のモーメント」について説明します. 「力のモーメント」とは,物体を回転させようとする作用,と定義されます. 具体例を,みてみましょう. [click] 左図の上に示すように, 赤色で示した支点に,青色の棒がピン留めされた構造物を考えます. いま、支点からrだけ離れた位置に,力Fを作用させます. その結果,下に示すように,青い棒は,支点を回転中心として,時計回りに回転しようとします. このように,ある点周りに,物体を回転させようとする作用が力のモーメントです. [click] 力のモーメントは,力とおなじように,大きさと向きを持つベクトルで表されます. 右の図に示すように, 力のモーメントMは,回転中心となる「支点から力が作用する位置までの距離ベクトルr」と,「力ベクトルF」の外積で,定義されます. 緑色で示した矢印が力のモーメントMのベクトルです. 矢印の大きさは回転作用の大きさ,矢印の向きが回転軸の方向を示します. 回転方向に右ねじを回したとき,ねじの進行に矢印の頭が向くことに注意してください. 力のモーメントは,距離と力を掛け合わせた物理量ですので,単位は「ニュートン メートル」です. [click] 簡単のため,これ以降「力のモーメント」を「モーメント」と表します.
モーメントの成分計算について,説明します. 左の図に示すように,回転中心の位置でピン留めされている,青い棒の右端に力Fが作用する場合を考えます. 回転中心から力の作用点までの距離をrとします. このとき,回転中心の点に生じるモーメントMを,計算してみましょう. [click] モーメントベクトルMは,距離rベクトルと力ベクトルの外積で,右上の式で定義されました. これを成分表示すると,第2式にようになります. 各ベクトルの,x,y,z成分を右下のインデックスで示しています. モーメントベクトルMの場合,x成分をMx, y成分を My, z成分をMzと書いています. 外積の計算をして,距離rベクトルと,力Fベクトルの成分を用いて,モーメントベクトルMの成分を表してみます. [click] 第三式のように,モーメントベクトルMの成分が決定できます. ベクトルの成分表示と,外積の計算方法はマスターしておきましょう.
平面内のモーメントについて,説明します. 材料力学では,まず,2次元平面内で議論されることがほとんどです. x-y平面内のモーメントが,どう書けるか計算してみます. x-y平面内では,z軸に関する成分,rz,Fzが0となります. 成分表示された外積のrzとFzに0を代入すると,左の下のような成分表示になります. これから,力のモーメントは,下のようになります. z方向成分のみ値を持つことが確認できます. [click] 次に,右図に示す棒に,力のx成分とFxと,y成分Fyの力が作用するとき, 棒がどちら向きに回転するのか,直観的に見てみましょう. まず,Fxが棒に作用すると,棒は反時計周りに回転しそうです. 一方,Fy方向に力を受けると,棒は時計回りに回転しそうです. いま,右図中のようにx-y座標を定義すると,手前から紙面に向かう方向がz軸の正方向となります. したがって,反時計回りにまわすFyによるモーメントが正となります. 当然の結果ですが,外積で求めた成分と符号が一致します.
力と力のモーメントのまとめです. 「力」とは,物体の状態を変化させる原因となる作用,と定義されてます. 大きさと方向を持つベクトルです. 単位は,「ニュートン」です. 「力のモーメント」とは,物体を回転させようとする作用,と定義されます. 大きさと方向を持つベクトルです. モーメントベクトルMは,物体の回転中心から力の作用点までの距離ベクトルrと,力ベクトルFの外積で計算されます. 単位は,「ニュートン メートルです」. 任意の力のモーメントも計算できるように,ベクトルの外積計算をマスターしておきましょう.