日本医療教授システム学会が開発したゴールド・メソッド活用法の超入門編のプレゼンテーション資料の一部です。

1. 医療職のためのゴールド・メソッド
（ゴール達成型学習デザイン）超入門編
横浜創英大学看護学部
岡本華枝
2020/1/25 高知★高陵病院★学習会

2. カーク・パトリックの研修効果の4段階
１.反応
Reactions
研修参加の満足度
（アンケート調査など）
２.学習
Learning
受講者の知識理解度や学習到達度
（筆記試験や実技試験）
３.行動変容
Behavior
現場での行動変容
（インタビューや他者評価）
４.結果
Results
組織の業績向上
（医療過誤減少、病院内死亡減少）

3. 本日のゴール
1．「ゴールド・メソッド」を活用して経験を記述する
患者さんのところに行く前
・看護師：第1段階／第6段階
・救急隊：第1・2段階／第8段階
実践後の振り返り
・看護師：第6段階／第6段階
・救急隊：第8段階／第8段階
2．「ゴールド・メソッド」の活用を計画する
3．「ゴールド・メソッド」が何かを説明できる

4. 本日のゴール
1．「ゴールド・メソッド」を活用して経験を記述する
患者さんのところに行く前
・看護師：第1段階／第6段階
・救急隊：第1・2段階／第8段階
実践後の振り返り
・看護師：第6段階／第6段階
・救急隊：第8段階／第8段階
2．「ゴールド・メソッド」の活用を計画する
3．「ゴールド・メソッド」が何かを説明できる

5. 患者さんの安全を保証する

6. ○○が起こるかも．．．
○○の可能性がある
予測する能力

7. 「想定内を広げる」ことが熟達者への道
低い熟達度
想定外
想定外
想定外
想定内
高い熟達度
想定外
想定内
想定内
想定内

8. 「できる医療職」の
頭の中を可視化した
医療職の実践モデル
医療職の熟達度に
関わらず、ゴール達成を
明確にする学習支援ツール
ゴールド・メソッド（ゴール達成型学習デザイン）
GOAL ORIENTED LEARNING DESIGN METHOD
エキスパートの医療行為を形式化したもの

9. 池上 敬一 (著)「看護学生・若手看護師のための 急変させない患者観察テク
ニック〜小さな変化を見逃さない! できる看護師のみかた・考え方」羊土社

11. 看護はどこから始まる？
• 患者のところに行ってから看護は始まる
ではなく…
• 看護はナースステーションから始まっている

12. 「できる看護師」の看護実践モデル
患者さんの
ところに行く前に
頭を作っておく
看護実践の
全体像を
見せる

13. 池上 敬一 (著)「看護学生・若手看護師のための 急変させない患者観察テクニック〜小さな変化を見逃さない! できる看護師のみかた・考え方」羊土社

14. 「できる救急隊」の
実践モデル
https://jsish.jp/eduwp/?page_id=5421
日本医療教授システム学会
救急活動と臨床推論セミナー (CREMT)

15. 安定から予期せぬ心停止に至る経路
池上 敬一 (著)「看護学生・若手看護師のための 急変させない患者観察テクニック〜小さな変化を見逃さない! できる看護師のみかた・考え方」羊土社

16. 池上 敬一 (著)「看護学生・若手看護師のための 急変させない患者観察テクニック〜小さな変化を見逃さない! できる看護師のみかた・考え方」羊土社

17. 第1段階
患者さんは急変する可能性はある？
患者さんの症状の変化が起こるなら、
どんな症状から始まる？
これから実施するケアについて想定
内を広げるためのリハーサル

18. 救急隊Aさん
アナフィラキシーショック症例
救急車内（接触までに）で、活動方針（アナフィラキ
シーショック）を隊にアウトプットおよびルート準備を
実施。
患者接触から病院収容まで18分でショック輸液ま
で完遂でき、悪化することなく活動できた
この事例は、現着までに隊の間で、第1・2段階のインプット・臨
床推論・アウトプットを実施、チームで何かを行う直前の打ち合
わせが効果的に行えたことで、患者の安全を確保できた事例。

19. 看護学生Aさん
受け持ち患者さん、80代女性、脳梗塞
（左麻痺）、回復期で車椅子移乗一部介
助。患者さんの排泄援助実施予定の日
さて、どうする

20. 一人で
•お題ついて、自分の考えを書き出す
•2－3項目、2－3分で
共有
•二人（ときに三人以上）で考えを共有・議論
•一度に話す時間は1分以内です。
一人で
•議論の結果、自分の考えをまとめる
•最初のメモとの変化を明らかにする
ステップ・ラダー法の応用

21. 本日のゴール
1．「ゴールド・メソッド」を活用して経験を記述する
患者さんのところに行く前
・看護師：第1段階／第6段階
・救急隊：第1・2段階／第8段階
実践後の振り返り
・看護師：第6段階／第6段階
・救急隊：第8段階／第8段階
2．「ゴールド・メソッド」の活用を計画する
3．「ゴールド・メソッド」が何かを説明できる

22. 池上 敬一 (著)「看護学生・若手看護師のための 急変させない患者観察テクニック〜小さな変化を見逃さない! できる看護師のみかた・考え方」羊土社

23. お疲れさま。振り返りしようかな
何ができた？成功したかな？
退院後の患者さんの起こりそうな状況を具体的に項目
毎に話をすることができました。
今回の患者さんの退院指導の経験を、
次にどう活かす？
具体的な話のおかげで患者さんからも、こういう時は
こうだよね～とか、患者さん自ら、どんどん話をして
くださったよね。なんで、上手くいったと思う？
患者さんのところに行く前に、退院指導を何度も練習
したことと、項目立てて、退院後のイメージができるよ
うに、患者さんの生活に会わせた内容にしたからです。
退院後の生活について受け持った段階から情報収集を
行い、退院後の生活に関連付けで計画します。

24. 振り返り会話の効果
• 振り返り会話実践中の看護学生の感想
• ★自分の積み重ねが結果に出ていたことに気付くことができる
• ★次はどうしたら良いか考えることで気持ちに余裕が出てきる
• ★成功体験を振り返ることで、できたことが次の目標になる
• ★次のステップまで考えることで自分の可能性を広げていける

25. 現場で振り返り会話をする際の
おねがい
25
•振り返り会話が上手くできるようになるまでは…
•勤務の終わりに時間を作って、先輩看護師さんの方
から、声を掛けてください
「振り返り会話やろっか～♪」
「今日は何ができたの～♪」
新人さんや若手看護師さんは、もしかすると…
「また、叱られる」「また、指摘されるかもしれな
い」と、ドキドキしているかもしれません。

26. 一人で
•お題ついて、自分の考えを書き出す
•2－3項目、2－3分で
共有
•二人（ときに三人以上）で考えを共有・議論
•一度に話す時間は1分以内です。
一人で
•議論の結果、自分の考えをまとめる
•最初のメモとの変化を明らかにする
ステップ・ラダー法の応用

27. 本日のゴール
1．「ゴールド・メソッド」を活用して経験を記述する
患者さんのところに行く前
・看護師：第1段階／第6段階
・救急隊：第1・2段階／第8段階
実践後の振り返り
・看護師：第6段階／第6段階
・救急隊：第8段階／第8段階
2．「ゴールド・メソッド」の活用を計画する
3．「ゴールド・メソッド」が何かを説明できる

28. 一度、ゴールド・メソッドを
頭の中にインストールすると
頭の中の思考過程がそうなるんです
今、自分がどこの段階にいるのか
メタ認知できるんです
看護師1年目
新人Aさん

29. 「できる看護師」の看護実践モデル
学生の
看護のイメージ

30. 「できる看護師」の看護実践モデル
広がった
看護のイメージ

31. 岡本華枝(2019) 看護基礎教育における看護実践能力を身につけるためのゴールド・メソッド活用法,医療職の能力開発,６(２),1-10.

32. 「できる看護師」の看護実践モデル
看護実践前に、
これからやることを言語化、リハーサル
「なにをするか」「プランBは何か」
看護実践後に、
できたことを味わう言語化
「できたことは何か」「次にどう活かす」

33. 看護実践前に、これからやることを言語化
「なにをするか」、「プランBは何か」
看護実践後に、できたことを味わう言語化
「できたことは何か」、「次にどう活かす」
現場で明日から応用できる！
ひとりで味わう方法は
日記を書く等で、アウトプット！

34. 一人で
•お題ついて、自分の考えを書き出す
•2－3項目、2－3分で
共有
•二人（ときに三人以上）で考えを共有・議論
•一度に話す時間は1分以内です。
一人で
•議論の結果、自分の考えをまとめる
•最初のメモとの変化を明らかにする
ステップ・ラダー法の応用

35. 本日のゴール
1．「ゴールド・メソッド」を活用して経験を記述する
患者さんのところに行く前
・看護師：第1段階／第6段階
・救急隊：第1・2段階／第8段階
実践後の振り返り
・看護師：第6段階／第6段階
・救急隊：第8段階／第8段階
2．「ゴールド・メソッド」の活用を計画する
3．「ゴールド・メソッド」が何かを説明できる

36. ゴールド・メソッドを活用している新人Aさん
多くのプランニングが頭の中にあり、患者の異変
に気付いてプランを迅速に変換することができる
トレンド判断からこの患者にはこの先何が起こる
かを予測することができる
多くのパターンを予測しておくことで、患者の変
化も想定内にしておくことができ、患者のニードに
あったケアを考えることができる

37. ゴールド・メソッドを活用していなかったら…
経験上や自分流の知識の中で、トレンド判断
や、ぱっと見判断、初期評価と同じようなこと
をしているかもしれない
その判断には明確な根拠がなく、経験上の勘
での判断かもしれない
他の看護師に言語化して共有できず、前と比
べて何が変化しているのかを気づいていない
かもしれない

38. 明日からの行動変容につながる前向きの学び
• Learn from
• 経験学習から学ぶ ゴールド・メソッドは
自分自身で成長し続ける
仕組みにつながる

39. ゴールド・メソッドの特徴
• 看護の段階として振り返りを含んでいる
• それぞれの段階に達成条件（ゴール）設定が構
造化されている
• これを活用すると、実践と振り返りが組み合わ
されることが日常化し、次の改善のための計画
立案という振り返りゴール達成を実践できる
岡本華枝(2019) 看護基礎教育における看護実践能力を身につけるためのゴールド・メソッド活用法,医療職の能力開発,６(２),1-10.

40. ゴールド・メソッドを現場で応用するために
岡本華枝(2019) 看護基礎教育における看護実践能力を身につけるためのゴールド・メソッド活用法,医療職の能力開発,６(２),1-10.
看護実習場面での活用

41. 学び続けられる看護師さんを育てたい
医療は日々どんどん進歩している
学校での知識技術の学びは限界がある
一生幸せに生きていくために
学生の時から学生自身が学び方を
身に付けることができれば…
看護師になっても
ず～っと学び続けられるように

42. IDに基づいたデブリーフィング、フィードバック、チェックリ
スト等の学習に活用できる内容や個人・組織のパフォー
マンス改善、個人の発達に関連した動画教材を
YouTube動画で配信中！ https://goo.gl/BFXGSs
松本尚浩先生

43. 「責めない文化」「認め合う文化」を目指す！
世界保健機関（WHO）『患者安全教育カリキュラムガイド』
患者安全の促進には、医療組織での「責めない文化」醸成が重要な鍵
医療職である
あなたの目の前の
患者さんを
守るために...
支えるために...
多職種が共有できる
場所にポスター貼って
啓発活動いかがですか？

44. 患者さんの安全を保証する

45. 一緒に自分と周りの方々の行動変容を目指しませんか♪