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若手アトツギ向けアトツギキャンバス講座
- 7. 課題
➀
解決策 価値 優位性 顧客
経営資源 販路
費用 収益
課題とは
人が持つ強い感情の伴った困り事である。痛み(負の感情)だけでなく、空を自由に飛びたい!といった願望(正の感情)
も未達であれば課題(空を飛びたいけれども飛べない!)となる。また「こうなったらいいなぁ」といった弱い願望の類は「別に
ならなくてもいいかぁ」といった風に我慢できることが多く課題とならない。
課題例
飲食店の美味しい料理が食べたい。食べに行きたいけれども感染が心配で足を運ぶのが億劫。
✓課題は人が持つ強い感情である
✓負に加え正の感情も課題となり得る
✓我慢できることは課題にならない
- 8. 課題
➀
解決策 価値 優位性 顧客
②
経営資源 販路
費用 収益
顧客とは
課題解決に対してお金を払う準備のある人である。顧客か否かを見極めるためには課題に対する過去の試行錯誤歴
(何とかしようと思って人に相談した/インターネットで検索した/既に何らかの製品やサービスを購入した)を問うことで
確かめることが出来る。また具体的なひとりを名指し出来るほど顧客は絞り込まれていることが望ましい。
顧客例
岡山の都市近郊在住で祖父母や幼い子供と同居をしている家族。
✓顧客は対価を払うことを厭わない
✓課題解決に向け試行錯誤の経験あり
✓具体的なひとりを指し示せる
- 9. 課題
➀
解決策 価値
③
優位性 顧客
②
経営資源 販路
費用 収益
✓価値は課題を解決する効果や効用
✓課題を間接解決ではなく直接解決
✓価値は差別化された1つに絞る
価値とは
顧客の課題を解決する効果や効用である。間接的に解消するものではなく、直接的に解消するものが望ましい。また顧客の
課題が本当に世に存在していた場合、その課題を解決する道は存在しているため、既に存在しているものと異なる価値を指
し示せることが望ましい。また価値は複数提示するのではなく、最も注目に値する1つを選んで簡潔に記載しよう。
価値例
家族以外の他の誰とも濃厚接触することなく、自宅では中々に作れない美味しい食事を楽しめる。
- 10. 課題
➀
解決策 価値
③
優位性 顧客
②
経営資源 販路
費用 収益
✓解決策は価値を提供する製品やサービス
✓機能は重要な3つ以内に絞り込む
✓必要最小限の設計試作が出来る
解決策とは
顧客の課題を解決する価値を提供することが出来る製品やサービスである。その製品やサービスが兼ね備える機能はあれも
これもと列挙するのではなく、最も重要な三つ以内に絞り込むことが重要。もちろん家業として解決策を生み出すことが出来な
ければ絵に描いた餅となってしまうため、必要最小限の機能を兼ね備えた設計試作を出来ることも欠かせない。
解決策例
各飲食店から顧客自宅へ食事を届けるデリバリーサービス
④
- 11. 課題
➀
解決策 価値
③
優位性 顧客
②
経営資源 販路
費用 収益
✓経営資源とは課題解決に寄与する資源
✓ヒト・モノ・情報で優位を実現可能
✓棚卸で細分化された一部分を活用
経営資源とは
解決策実現に寄与する家業が持つ資源である。競合に対して優位に立てることが望ましい。またヒト・モノ・カネ・情報と資源は
大別されるものの、資金調達難易度の低下に伴いカネは優位を築き辛い。加え経営資源は棚卸を経て細分化された一部
分だけが活用されてこそ、家業の既存領域から離れ事業転換を成せる可能性が高い。棚卸方法の参考資料はコチラ
経営資源例
岡山県内でお酒を卸す中で築き上げた取引先の飲食店ネットワーク。
及び飲食店から家業の配送に対する信頼。
④
⑤
- 12. 課題
➀
解決策 価値
③
優位性 顧客
②
経営資源 販路
費用 収益
✓優位性とは競合他社に打ち勝てる要素
✓経営資源を活用して優位を実現
✓模倣困難性の観点で捉える
優位性とは
同じ顧客の課題を解決する類似の製品やサービスに対し、どうして自社が打ち勝つことが出来るのかを示すものである。もし
可能であれば自社の経営資源を活かして優位を築けることが望ましい。他社が中々に有していない稀少な資源や、手に入れ
ようとした際に多大なコスト(時間やお金)が必要な資源であれば模倣困難性が高まり更に優位に立つことが出来る。
優位性例
大手飲食デリバリーサービスに未掲載の地元老舗の料理店掲載。
(※岡山県内でお酒を卸す中で築き上げた取引先の飲食店ネットワークを元に実現)
④
⑤
⑥
- 13. 課題
➀
解決策 価値
③
優位性 顧客
②
経営資源 販路
費用 収益
✓販路とは解決策が認知される方法
✓製品やサービスを顧客に届ける手段
✓顧客の行動パターン理解が必須
販路とは
自社が提供する解決策(製品やサービス)を顧客にどうやって認知してもらうのかという観点と、顧客がどうやってそれらを手
にするのか(利用するのか)の二つの観点がある。販路の設計には顧客の行動パターンの理解が欠かせない(どんな日々
を送っているのか、どこから情報を取っているのか等)ため、もし本項目が記載できない場合は顧客理解が浅い可能性が高い。
販路例
自社と提携した飲食店から馴染みのお客様に向けデリバリーサービス開始の旨を連絡。
岡山・飲食・デリバリーのキーワードでSEO対策を実施。
④
⑤
⑥
⑦
- 14. 課題
➀
解決策 価値
③
優位性 顧客
②
経営資源 販路
費用
⑧
収益
✓費用とは価値提供に伴い失うお金
✓解決策と販路で大枠が決定する
✓悲観的に考え多く見積もる
費用とは
自社が顧客に対して価値を提供するに当たり、どのようなお金が出ていくのかを整理するものである。どのような解決策を手
掛けるのか、どのような販路を活用するのかにより大枠が定義されることが多い。また手元から失われるお金は少なく見積もって
は赤字リスクが拡大するため、楽観的に考えず悲観的に考え書き出すことが重要。
費用例
提携した飲食店から顧客までの配送費(人件費やガソリン代等)。
デリバリーサービスのSEO対策費。
④
⑤
⑥
⑦
- 15. 課題
➀
解決策 価値
③
優位性 顧客
②
経営資源 販路
費用
⑧
収益
⑨
✓収益とは価値提供の対価として得るお金
✓課題が大きさほど収益も拡大する
✓悲観的に考え少なく見積もる
収益とは
自社が顧客に対して価値を提供した結果として、どのようなお金が入ってくるのかを整理するものである。顧客の支払額は
課題と解決策に依存するため、入ってくるお金の量が少なければ、ビジネスとして解決するに相応しい課題を選んでいない、
もしくは解決策が適切でない証である。また捕らぬ狸の皮算用を防ぐため、悲観的に考え少な目に記載することが重要。
収益例
提携した飲食店からの配送手数料。
デリバリー時にいただくお酒の追加注文。
④
⑤
⑥
⑦
- 18. 課題 解決策 価値 優位性 顧客
経営資源 販路
費用 収益
酒屋アトツギが手掛ける岡山近郊特化型飲食デリバリー
事例 Fujita Eats
- 31. よくある質問&回答2
課題 解決策 価値 優位性 顧客
経営
資源
販路
費用 収益
[解決策]
Q:解決策と価値の違いがよく分からないのですが。
A:解決策が届ける効果効用を価値と考えてください。例えばジムであればストレス解消等が挙げられます。
Q:経営資源から書き始めても良いでしょうか。
A:もちろん大丈夫です。ただ価値や解決策から入らず顧客と課題を先に定義するところから始めましょう。
[経営資源]
Q:経営資源の細分化が出来ません。どのように棚卸をすれば良いでしょうか。
A:家業のビジネスの一連のプロセスを分解することで発見できるかもしれません。参考資料はコチラ
Q:機能は重要な3つ以内に絞り込むとありますが、なぜ絞り込む必要があるのでしょうか。
A:必要最小限の機能で顧客の反応を確かめる必要があるからです。機能を盛り沢山にした後に、顧客から製
品やサービスが必要ないと言われてしまっては投資(時間やお金)を回収できなくなり目も当てられません。
- 32. よくある質問&回答3
課題 解決策 価値 優位性 顧客
経営
資源
販路
費用 収益
[優位性]
Q:家業の経営資源を活用しても優位性を築けないのですが。
A:競合他社だけでなく、ゼロから始める方々に対して優位に立てる点がないかも考えてみましょう。
Q:革新的なアイデアで競合他社が見当たらないのですが。
A:競合他社が見当たらないということは顧客の課題がない(ビジネスが成り立たない)可能性が高いです。
同じ課題を解決している他の製品やサービスがないか改めて調査してみましょう。
[販路]
Q:顧客に認知をして貰う方法が複数考えられるのですが、どれを記載すべきでしょうか。
A:最も顧客に対して情報を届けられる確率が高いものを選んで記載するのが良いでしょう。
Q:理想の販路(コンビニにて取り扱い、TVにてCM放映等)を記載しても良いのでしょうか。
A:費用等を鑑み実際に取り組むことが出来るものを想定し記載してください。
- 33. よくある質問&回答4
課題 解決策 価値 優位性 顧客
経営
資源
販路
費用 収益
[収益及び費用]
Q:どれぐらいのお金が出入りするのか、その正確な数字が現時点では見込めず記載が出来ないのですが。
A:収益や費用は検証結果に基づいての記載が望ましいものの、細かな数字の記載は必須ではありません。
まずはどのような種類のお金が出入りが起こり得るのかの整理を進めてください。
[収益]
Q:時間軸を考慮に入れて記載すべきでしょうか?(三年後にはこれぐらい稼ぐ見込み等)
A:将来見込みは入れず、どのようにしてお金をいただくのかを記載してください。例えばメルカリの場合、
「取引完了時に商品代金から10%を販売手数料として販売者から受領」が収益となります。
Q:事業規模から逆算してアイデアを考えたいので、収益から書き始めたいのですが。
A:事業規模は顧客の課題解決を積み重ねた結果につき、まずは顧客と課題の定義から始めましょう。
- 34. よくある質問&回答5
課題 解決策 価値 優位性 顧客
経営
資源
販路
費用 収益
Q:このキャンバスの何かが埋まらない時、それは事業になりえないのでしょうか。
A:もちろん埋まっておらずとも事業化は可能です。しかしながら考慮すべきポイントが抜け漏れており失敗
する確率が上昇するとお考えください。
[その他]
Q:事業化に当たり市場規模も大事な要素かと思いますが、何故このシートに項目がないのでしょうか。
A:大きな市場に参入すると競合他社が無数に存在しており、新規事業が失敗する確率が上昇します。そのた
め新規事業は未解決の課題を持つ少数の顧客に着目し「自社が勝てる小さな市場」から始め、その小さな市
場を独占することが推奨されます。こちらの背景を踏まえ事業開始段階では市場規模を重要視しないため、
本シートには未掲載となっております。
Q:資料に説得力を持たせるため詳しく書きたくなるのですが、どこまで記載すれば良いでしょうか。
A:本シートは事業構造を簡潔に説明するためのものにつき、小さいフォントでの文字羅列は推奨されません。
各項目共に100文字を超えた場合は説明過多に陥っている可能性が極めて高いとご認識ください。