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”映え”を評価する
JaSST nano vol.1
~ UXテストの取り組みなの
2
【主な活動】
• 派生開発推進協議会(AFFORDD) 関西部会
• JaSST Kansai 実行委員
【学習/研究テーマ】 テーマは”分析力”
• 要求分析 :USDM,REBOK,BABOK
• データ分析:自然言語解析(テキストマイニング),会話分析
• AI :Testing for AIの研究、AI for Testingの検討
関西のテストエンジニア、キャリア10年を超えてテストの楽しさに気付く。
HOLLY (Touyou Horikawa)
Profile
3
“映え”を評価する①
“映え”の歴史
「インスタ映え」 2017年流行語大賞
「ZOOM映え」 2020年流行語大賞ノミネート
今回の発表における“映え”
• システムの動作により生み出されたものの出来栄え ☜
• システムの動作そのものがユーザに与える印象
4
“映え”を評価する②
例えば…
『お弁当に自動で適切な位置に梅干しを配置するシステム』
(A) ゴマと梅干を重ねない配慮 (B) 漬物同士をひとまとめに格納 (C) 伝統の配置
5
“映え”を評価する③
映え=印象は、良い悪いだけで判断できるものではない
(“印象がない”という印象もある)
(A) ゴマと梅干を重ねない配慮
(B) 漬物同士をひとまとめに格納
(別に悪くないけど)
「歪んでいるように見える」
(別に悪くないけど)
「弁当として地味」
(C) 伝統の配置
(別に悪くないけど)
「普通(可もなく不可もない)」
印象を言語化すると・・・
6
UXテストの目的
“映え”具合、印象を引き出し、
ユーザの求めるものを作り出せる仕様に改善していく
☝UXテストの目的
現在、取り組んでいるアプローチをお話します。
7
プロダクトリアクションカード
8
UXテストのアプローチ:プロダクトリアクションカード
『プロダクトリアクションカード』とは
2002年にMicrosoftのエンジニアが考案
プロダクトを表現する118枚の単語リスト
ユーザに単語を選んでもらい、その理由と合わせて分析する
目的:“映え”の言語化をフォローする
単語の数を絞っておくことで分析しやすくなる
9
UXテストのアプローチ:プロダクトリアクションカード
<導入の工夫1> 脳内メモリをテスト対象に集中させる
マジカルナンバー7(ミラーの法則):人の瞬間的な記憶は7個±2
⇒単語の同時表示数は7、ランダムで切り替わるようにする
<導入の工夫2> 動線を一定にしない
行列で整然としていると視線の動きが一定で公平性に欠ける
A
B
C
D
A B C D
左から右に読む
上
か
ら
下
に
読
む
10
UXテストのアプローチ:プロダクトリアクションカード
7つずつ単語をランダムに表示し、直感的に選択できるようにした
Next word
(押すと単語が
変わります)
New Product reaction card
11
インプレッション・テスト
12
UXテストのアプローチ:インプレッション・テスト
NI(Natural Intelligence:人間の知能)を活用するアプローチ
➡ AIにはできないテストを考えたい
直感、第一印象を重視するUXテストアプローチを考える
➡ 誰でもEasyに、楽しく
13
UXテストのアプローチ:インプレッション・テスト
⑴ 直感的に並び替える
positive negative
⑵ イイね!を活用する
21 18 11 7 0
2 0 10 3 24
画像を前に皆で「せーの」で選ぶなど、楽しく実施
イイね!の数の定義などはしない
14
まとめ
“映え”の評価となる2つのアプローチ
プロダクトリアクションカード
あらかじめ用意した単語を選ばせ、印象の言語化をフォローする
インプレッション・テスト
・直感で並び替えする相対評価
・イイね!による定量化
<今後の検討>
NI+AI:AI(画像認識)との併用など
上記の2つは組み合わせることで深い分析が可能になる

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