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050830 openforum
- 1. 講演の概要
現状分析
研究者にとっての学術情報サービス
ユーザビリティ・デザインの課題
学術情報サービスの 提案
ユーザビリティ・デザイン コミュニティ指向サービスの可能性
- ユーザーの視点から -
国立情報学研究所 実証研究センター 助手
大向 一輝
自己紹介 おことわり
大向 一輝(おおむかい いっき) 本講演ではいくつかのサービスを取り上げて説明していき
国立情報学研究所 実証研究センター 助手 ますが,特定のサービスについての評価を目的としている
研究テーマ わけではありません.
情報共有システム
ブログ
人間関係ネットワーク
メタデータ
セマンティックWeb
ヒューマンインターフェイス・検索の専門家ではな
い
本講演では,いちユーザーの立場から現状分析
研究者にとっての学術情報サービス 研究者にとっての学術情報サービス
文献(情報)を得るための手段 過去の知見の網羅性が研究(論文)の信頼性を担保する
論文 学術情報サービスが使いこなせるかどうかは研究者に
書籍 とって死活問題
Webコンテンツ 網羅性の保証を阻むもの
… 研究者=情報検索のプロであるとは限らない
その目的は, ユーザビリティの問題
過去の知見を利用するため 研究環境の根本的な変化 例)境界領域への取り組み
Stand on the shoulders of giants 構造的な問題
自分の研究の「新しさ」を明示的に定義するため
「新しさ」= 自分の発想 ー 過去の知見
1
- 2. 境界領域研究の例 境界領域研究の例
社会ネットワーク分析 社会ネットワーク分析
人間関係ネットワークの特性を分析し,コミュニティ 他の分野でのスケールフリーネットワーク構造
の発見や重要人物の特定を行う
空港ネットワーク
「スケールフリーネットワーク」の発見
細胞のネットワーク
Barabasi, Dynamics of Random Networks:
Connectivity and First Order Phase 人間関係のネットワーク
Transitions , Condensed Matter, 1999. …
Web上で同じ構造を発見 社会学との融合
Nature 分析的研究から工学的研究へ
Science どのように人間関係を作らせるか
Physical Review
…
境界領域研究の例 ある研究者の悩み
セマンティックWeb どこまでチェックすれば研究が成立するのか?
コミュニティに留まっていられない
Tim Berners-Leeによる新しいWebの提案
研究コミュニティや論文誌・雑誌は専門分化することによって
要素技術の「ケーキ」 情報収集のオーバーヘッドを低減させた
応用範囲 口コミ型情報流通
Web 情報の編集・フィルタリング
AI コミュニティの外にある情報の収集
コンテキスト不在の論文集合が対象に
エージェント
自分と同じ興味を持つ人はどこにいるのか
セキュリティ 引用・被引用情報だけが頼り
モバイル 本当に重要な論文だけを読みたい
ユビキタス 客観的な重要性とは何か?
… 主観的な重要性とは何か?
学術情報サービスのプレイヤー 「論文を探す」とは
学術情報サービス 論文を探す
公的機関・大学・企業によって整備されたアーカイブ
存在することはわかっているが,場所がわからない
人手によってクオリティを保証
論文検索
SCOPUS(Elsevier)・HighWire(Stanford)・GeNii
(NII)・JDream(JST) 情報を探す
複数のデータベースから構成されている 存在するかどうかがわからない
Webから自動構築されたアーカイブ 論文探索
Google Scholar・CiteSeer(NEC)
単一のデータベースに格納されている
研究者個人のWebページ
論文ファイルを個人的にアップしている
検索エンジン
Yahoo!・Google
2
- 3. 論文検索 論文探索
論文のメタデータに基づいて,論文ファイルを探す メタデータ不在の検索
タイトル・著者・掲載誌・ページ・年…
何を探しているのかが明確でない
完全情報型
すべてのメタデータを知っている場合 探索の過程ではじめてメタデータが作られる
学術情報サービスと検索エンジンに差異はない ネットサーフィン型
いつかは見つかる
論文探索の支援こそが学術情報サービス vs. 検索エンジン
検索結果に対する信頼性を考慮する必要はほとんどない
の主戦場になる?
不完全情報型
「○○と同じ著者・○○と同じ論文集だったはず」 課題
学術情報サービスと検索エンジンは補完関係 情報空間の広さ
穴埋めを検索エンジンで,論文検索を学術情報サービスで
ユーザビリティ
信頼性の判断が必要となる
ポータル(入口)として検索エンジンが使われる可能性は高い
取り扱っている情報空間が広い
検索結果(出口)は学術情報サービスあるいは個人のWebページ
学術情報サービスの課題 学術情報サービスのアーキテクチャ
論文探索プロセスにおける主体的な選択・決断のタイミン
仮想ポータル
グ インターフェイスの統一
すぐに振り分けられてしまう
探索空間を狭めるような決断をいつ行うか
データベースが分割されている データベース
目的指向
出力が分割されている 探索空間が狭い
カテゴリが分割されている
分割しない
ラベルの導入
いかに情報技術によって主体的な決断をぎりぎりまで
遅らせるか?
検索エンジン
探索空間が広い
コンテキストがない
学術情報サービスのアーキテクチャ キーワード検索
適切なキーワードが発見できれば問題はほとんど解決する
仮想ポータル
が…
ノウハウは暗黙知のレベルに留まっている
キーワード推薦
Webcat Plus (NII)
Google Suggest
Vivisimo (Highwireにも導入)
探索プロセスの中で自分が何を探しているのかがわかるよ
ラベル うなシステムに
1つの論文に複数設定可能
ラベル間の関連を記述することで
いつでも別のクラスターに移動可能
3
- 4. キーワード検索 学術情報サービスの競争力
アーカイブ自体の信頼性
人手による編集の結果
充実したメタデータによる検索とナビゲーション
引用・被引用情報
ラベル・オントロジー(ラベルの体系)
論文探索プロセスの支援
コミュニティ指向の情報サービス コミュニティ指向の情報サービス
アーカイブ+キーワード・メタデータ検索とは異なるアプ
ローチ
人工知能学会全国大会 大会支援システム
(Polysuke2005)
Web上のデータを用いて参加者間の関係を推定,人間関係
ネットワークを構築
学会参加者のスケジュール情報をSNSで共有し,論文の協
調フィルタリングに応用
(暗黙的に理解している)身の回りの知人の専門性をキー
にした情報検索
コミュニティ指向の情報サービス コミュニティ指向の情報サービス
ユーザをどのように巻き込み,継続性を持たせるかが課題 例:論文作成支援としての学術情報サービス
Double-loop Gratification [takeda, ohmukai05] Instant gratification
ユーザ自身のためになるサービスの提供(instant 論文のクリッピング
gratification) 引用文献管理(Bibファイル作成支援)
同じサービスを利用する他者からよりよい情報を得る Translucence strategy
(translucence strategy) 知人のクリッピングを閲覧 → 取り込み
サービス全体から得られる新たな効用の提供 Delayed gratification
(delayed gratification) Hot topicの同定
明示的な引用・被引用情報
名寄せ・誤字問題の解決 → 情報サービスのクオリ
ティ向上
論文の書き方自体が変わる?
4
- 5. まとめ Thank You!
研究者にとっての学術情報サービス
検索の手段から探索の手段へ
探索に適したインターフェイスの提供と信頼性の担保
コミュニティ指向の学術情報サービス
キーワード検索からキーパーソン検索へ
http://research.nii.ac.jp/ i2k/
ユーザを巻き込むことによってアーカイブのクオリ または
ティを高める 検索エンジンで「大向一輝」
5