二〇二二年一二月二日以降、インターネット上のメディアで記事が「炎上」し、全国的な社会問題に発展した青木島遊園地廃止問題。こどもの遊び声がうるさい等、一部からの苦情を長野市が適正に処理できないばかりにこどもの遊び場が失われてしまう悲惨な結末は、国民世論の注目を集めている。 長野市議小泉一真の元に、令和四年一〇月一日付け青木島遊園地廃止回覧文書についての通報が寄せられたのは、同月三〇日。同日夜には「青木島児童センターのすぐ隣で、一体的に利用できるように、この配置になっている」のではと、センター登録児童と保護者を案ずる旨をツイッターで投稿。 一一月八日、小泉(一)は市都市整備部長以下と面談し、青木島遊園地の廃止理由が、一部からの「苦情によるものと確認」、「廃止してしまうことに疑問を持つ方いませんか。小泉に力を貸してください。地元の、当事者の声が必要」とツイッターで呼びかけた。 同月二二日には情報公開請求に対し市が一部情報を公開し、市と一部苦情との交渉経過の一端が明らかに。以降、青木島地区の実地踏査を強化し、遊園地存続を訴え続けている。 市議会定例会開会直後の一二月二日、信濃毎日新聞「声のチカラ」が「公園廃止うるさいから?」を掲載し、遊園地廃止の経緯が問題化。報道各社は小泉(一)が収集した関係公文書に着目して取材。今も報道や議会が引用する公文書資料は、小泉(一)が公表・提供したものが多い。 一二月定例会 「遊園地廃止に断固反対」と立場を鮮明にし、小泉(一)は一般質問。都市整備部長は、市に対する苦情等の行為に違法性がある旨の市顧問弁護士見解を知りながら、「この内容は(市長や地元区長会には)伝えていない」と認めた。小泉(一)は区長会の公園廃止方針決定は情報が隠された結果で、手続上に重大な欠陥があり、無効と主張。同部長は、騒音の測定記録がないことも認めた。 廃止理由の一つとされた愛護会活動の担い手不在について、こども未来部長は、コロナ禍により「集まって全員での作業はできなくなっている」と答弁。二輪草刈り機を運び入れ草刈りしている近隣住民の存在を知っているかとの問いには「報告は受けている」とした。 これらの質問で廃止理由の破綻が懸念されたが、市長は「地元から廃止の要望が出されたことに対し、非常に苦しい判断ではあるが、このまま(廃止)手続を進める」との姿勢を維持した。 小泉(一)は定例会前、更北地区出身議員を中心に問題の存在を指摘し一部資料を提供。一般質問ではほかに二議員が公園廃止を質した。 ◆表面化・一二月定例会 二〇二二年一二月初めに問題が表面化するやインターネットを介し全国的な社会問題に。諸紙誌などオールドメディアでも市に批判的な論調が展開され、九日の市議会一般質問の模様はTV放映された。市は代替措置として、児童センター利用児童は青木島小の校庭を利用できるとの旨を説明していたが、福祉環境委員会では小泉(一)の質問に、利用は長期休み等に限られることを認めた。議会後の二八日、市は「廃止を判断した経緯について」を公表。 ◆揺り戻し 一二月中旬から一時、「毎日家の前で、児童センターの子どもが四〇人から五〇人で遊ぶ状況」を一八年間我慢してきた等と、一部住民の主張をそのまま報道する傾向が強まる。 ◆市民運動 二二日、市民団体「遊園地を考える会」と「子どもを守る会」が「住民の対話」と「遊園地存続」を求める署名運動を開始。翌年二月七日までに累計八千二百余筆を市に提出。運動途中の一月には「考える会」の一部が分派し、「遊園地の存続を願う地元住民有志の会」が「地元の思いに特化」を掲げ発足。三輪や川中島に在住する市議に参加を仰いだ。 文化サロンMARUKUNI「哲学カフェ」は廃止問題について議論し、書下ろし記事を加えた冊子「対話」を二月中旬にに出版。 ◆住民監査請求 青木島住民らのグループは一〇日、遊園地の原形復旧工事の差止め等を求めて住民監査請求を提出し、監査委が受理。四月一一日までに監査結果が示される見込み。二月二〇日、グループ有志は、市に対し監査が終わるまでの工事見合わせ等と「こどもの権利」侵害への対処を陳情。市議会にも廃止見直し等を求める請願を提出した。 二七日、児童センターは遊園地利用を試行的に再開。 ◆廃止について住民説明会 二月一一日、更北公民館で青木島小学校区内住民に対し非公開で実施。市長は廃止再検討を言明。 ◆三月定例会 再び廃止へ 定例会初日の二二日、市長は遊園地の存廃だけでなく、周辺の住環境、子育て環境などについて「総合的に改善・解決していく」と唐突に表明、近く解決策を示すとした。三月一日、市長は質問に廃止を再表明。地権者が敷地の跡利用を計画しており、「断念せざるを得ない」と告白した。 二〇日、廃止見直し等請願を本会議が不採択。 【令和四年一二月九日 一般質問の概要】 ◆小泉一真 青木島遊園地を廃止することに断固反対。市長就任以来、最大の失政が行われようとしている。これを回避し、市長の名誉と子供の権利を守りたい。 市の文書によれば、トラブルの責任は一部の苦情にあるという、遊園地存続を判断する上で決定的に重要な市顧問弁護士の見解を、市は青木島区長会に伝えていない。区長会の廃止方針決定はこの情報が隠された結果で、手続の上で重大な欠陥があり、無効。 ( 廃止の要因として「愛護会の解散」とあるが、)遊園地の愛護会活動が継続できない理由について。 〇こども未来部長 これまで児童センターが保護者の協力により行ってきたが、コロナ禍以降は困難であり、児童センター館長が単独で行ってきた。 ◆小泉(一) つまり新型コロナが理由。どの遊園地でもあり得る話だ。二輪草刈り機を運びこみ草刈りをしてくれる近隣住民の存在を、知っているか。 〇こ未部長 報告は受けている。 ◆小泉(一) このようなボランティアパワーを愛護会に活用する等の工夫を最大限行わずに投げ出してはならない。 遊園地で「かなりの音」の発生があると言うが、どの程度の測定数値か。 ▼都市整備部長 測定の記録はない。 ◆小泉(一) 客観的データで論じるべきで、記録を残さない都整部、こ未部は怠慢。遊園地は、設置要綱等明文で設置目的を定めるべきでは。 ▼都整部長 他都市の事例を参考に必要性を判断していきたい。 ◆小泉(一) 廃止強行は、地域での一部苦情元の立場を危うくすることになる。廃止は立ち止まって見直すべき。 ■市長 地元から廃止の要望が出されたことに対して、非常に苦しい判断ではあったが、このまま手続を進める。 ◆小泉(一) 廃止を青木島の子供たちに、市役所の誰がいつ、どう伝えるか。 ▼都整部長 施設管理者として判断したこと。答えは持ち合わせない。 ◆小泉(一) 市長は子育てを応援すると選挙で公約したのに、遊園地廃止とはどのように整合するのか。 ■市長 子育て支援に力を入れているつもり。住民のそれぞれの声も大切にするのが行政の役割。子供たちが伸び伸びと過ごせる環境づくりは進めていきたい。 ◆小泉(一) チルドレンファーストは長野市にはありませんでした。
二〇二二年一二月二日以降、インターネット上のメディアで記事が「炎上」し、全国的な社会問題に発展した青木島遊園地廃止問題。こどもの遊び声がうるさい等、一部からの苦情を長野市が適正に処理できないばかりにこどもの遊び場が失われてしまう悲惨な結末は、国民世論の注目を集めている。 長野市議小泉一真の元に、令和四年一〇月一日付け青木島遊園地廃止回覧文書についての通報が寄せられたのは、同月三〇日。同日夜には「青木島児童センターのすぐ隣で、一体的に利用できるように、この配置になっている」のではと、センター登録児童と保護者を案ずる旨をツイッターで投稿。 一一月八日、小泉(一)は市都市整備部長以下と面談し、青木島遊園地の廃止理由が、一部からの「苦情によるものと確認」、「廃止してしまうことに疑問を持つ方いませんか。小泉に力を貸してください。地元の、当事者の声が必要」とツイッターで呼びかけた。 同月二二日には情報公開請求に対し市が一部情報を公開し、市と一部苦情との交渉経過の一端が明らかに。以降、青木島地区の実地踏査を強化し、遊園地存続を訴え続けている。 市議会定例会開会直後の一二月二日、信濃毎日新聞「声のチカラ」が「公園廃止うるさいから?」を掲載し、遊園地廃止の経緯が問題化。報道各社は小泉(一)が収集した関係公文書に着目して取材。今も報道や議会が引用する公文書資料は、小泉(一)が公表・提供したものが多い。 一二月定例会 「遊園地廃止に断固反対」と立場を鮮明にし、小泉(一)は一般質問。都市整備部長は、市に対する苦情等の行為に違法性がある旨の市顧問弁護士見解を知りながら、「この内容は(市長や地元区長会には)伝えていない」と認めた。小泉(一)は区長会の公園廃止方針決定は情報が隠された結果で、手続上に重大な欠陥があり、無効と主張。同部長は、騒音の測定記録がないことも認めた。 廃止理由の一つとされた愛護会活動の担い手不在について、こども未来部長は、コロナ禍により「集まって全員での作業はできなくなっている」と答弁。二輪草刈り機を運び入れ草刈りしている近隣住民の存在を知っているかとの問いには「報告は受けている」とした。 これらの質問で廃止理由の破綻が懸念されたが、市長は「地元から廃止の要望が出されたことに対し、非常に苦しい判断ではあるが、このまま(廃止)手続を進める」との姿勢を維持した。 小泉(一)は定例会前、更北地区出身議員を中心に問題の存在を指摘し一部資料を提供。一般質問ではほかに二議員が公園廃止を質した。 ◆表面化・一二月定例会 二〇二二年一二月初めに問題が表面化するやインターネットを介し全国的な社会問題に。諸紙誌などオールドメディアでも市に批判的な論調が展開され、九日の市議会一般質問の模様はTV放映された。市は代替措置として、児童センター利用児童は青木島小の校庭を利用できるとの旨を説明していたが、福祉環境委員会では小泉(一)の質問に、利用は長期休み等に限られることを認めた。議会後の二八日、市は「廃止を判断した経緯について」を公表。 ◆揺り戻し 一二月中旬から一時、「毎日家の前で、児童センターの子どもが四〇人から五〇人で遊ぶ状況」を一八年間我慢してきた等と、一部住民の主張をそのまま報道する傾向が強まる。 ◆市民運動 二二日、市民団体「遊園地を考える会」と「子どもを守る会」が「住民の対話」と「遊園地存続」を求める署名運動を開始。翌年二月七日までに累計八千二百余筆を市に提出。運動途中の一月には「考える会」の一部が分派し、「遊園地の存続を願う地元住民有志の会」が「地元の思いに特化」を掲げ発足。三輪や川中島に在住する市議に参加を仰いだ。 文化サロンMARUKUNI「哲学カフェ」は廃止問題について議論し、書下ろし記事を加えた冊子「対話」を二月中旬にに出版。 ◆住民監査請求 青木島住民らのグループは一〇日、遊園地の原形復旧工事の差止め等を求めて住民監査請求を提出し、監査委が受理。四月一一日までに監査結果が示される見込み。二月二〇日、グループ有志は、市に対し監査が終わるまでの工事見合わせ等と「こどもの権利」侵害への対処を陳情。市議会にも廃止見直し等を求める請願を提出した。 二七日、児童センターは遊園地利用を試行的に再開。 ◆廃止について住民説明会 二月一一日、更北公民館で青木島小学校区内住民に対し非公開で実施。市長は廃止再検討を言明。 ◆三月定例会 再び廃止へ 定例会初日の二二日、市長は遊園地の存廃だけでなく、周辺の住環境、子育て環境などについて「総合的に改善・解決していく」と唐突に表明、近く解決策を示すとした。三月一日、市長は質問に廃止を再表明。地権者が敷地の跡利用を計画しており、「断念せざるを得ない」と告白した。 二〇日、廃止見直し等請願を本会議が不採択。 【令和四年一二月九日 一般質問の概要】 ◆小泉一真 青木島遊園地を廃止することに断固反対。市長就任以来、最大の失政が行われようとしている。これを回避し、市長の名誉と子供の権利を守りたい。 市の文書によれば、トラブルの責任は一部の苦情にあるという、遊園地存続を判断する上で決定的に重要な市顧問弁護士の見解を、市は青木島区長会に伝えていない。区長会の廃止方針決定はこの情報が隠された結果で、手続の上で重大な欠陥があり、無効。 ( 廃止の要因として「愛護会の解散」とあるが、)遊園地の愛護会活動が継続できない理由について。 〇こども未来部長 これまで児童センターが保護者の協力により行ってきたが、コロナ禍以降は困難であり、児童センター館長が単独で行ってきた。 ◆小泉(一) つまり新型コロナが理由。どの遊園地でもあり得る話だ。二輪草刈り機を運びこみ草刈りをしてくれる近隣住民の存在を、知っているか。 〇こ未部長 報告は受けている。 ◆小泉(一) このようなボランティアパワーを愛護会に活用する等の工夫を最大限行わずに投げ出してはならない。 遊園地で「かなりの音」の発生があると言うが、どの程度の測定数値か。 ▼都市整備部長 測定の記録はない。 ◆小泉(一) 客観的データで論じるべきで、記録を残さない都整部、こ未部は怠慢。遊園地は、設置要綱等明文で設置目的を定めるべきでは。 ▼都整部長 他都市の事例を参考に必要性を判断していきたい。 ◆小泉(一) 廃止強行は、地域での一部苦情元の立場を危うくすることになる。廃止は立ち止まって見直すべき。 ■市長 地元から廃止の要望が出されたことに対して、非常に苦しい判断ではあったが、このまま手続を進める。 ◆小泉(一) 廃止を青木島の子供たちに、市役所の誰がいつ、どう伝えるか。 ▼都整部長 施設管理者として判断したこと。答えは持ち合わせない。 ◆小泉(一) 市長は子育てを応援すると選挙で公約したのに、遊園地廃止とはどのように整合するのか。 ■市長 子育て支援に力を入れているつもり。住民のそれぞれの声も大切にするのが行政の役割。子供たちが伸び伸びと過ごせる環境づくりは進めていきたい。 ◆小泉(一) チルドレンファーストは長野市にはありませんでした。