長野県飯田市の地域活性化を目指し「木の駅プロジェクト」という事業の企画立案を行った。市役所や地域の方に環境問題に関する解決策として林地残材の解消と地域通貨を使った地域活性化を提案した。

1. 西澤ゼミが考える
木の駅プロジェクト

2. 西澤ゼミナール
活動方針：地域貢献と環境保全
環境問題に対し、フィールドワークを通して
問題点の発見や解決策の提案などを行う
ことを目的とする
飯田市での活動
２００８年 ワーキングホリデー
２００９年 温室効果ガス排出削減の諸方策
２０１０年・１１年 獣害問題
２０１２年 小水力発電による地域振興
２０１３年 放置竹林の解消
２０１４年 耕作放棄地の解消・利用方法
２０１５年 木の駅プロジェクト

3. 構成
・林業の現状
・里山資本主義の考え方
・木の駅プロジェクトとは～長野県根羽村の例～
・プロジェクトにかかるコスト
・三穂村での導入の提案

4. 林業の現状

5. 日本の森林面積

6. 林業の現状
・木材価格の低下
・外材丸太の輸入自
由化による国産材の
シェア減少
・バブル経済崩壊によ
る木材需要の減少
・林業のみでは生活
が成り立たない
・放置される私有林
・林業の衰退

7. 里山資本主義の考え方

8. マネー資本主義
お金を第一と考える
たくさん稼ぎ、たくさん使う
里山資本主義
経済の危機的状況に備え、
地域の資源を使い地域内の経
済循環を促すサブシステム
里山資本主義の考え方

9. 里山資本主義から
・三穂村にある豊富な森林、山材を活用
・木材で地域活性化をはかり地域内の経済循環を促すことで
地域の繋がりを深める
木材を活用した地域経済のサブシステム構築
それを体現するための一つに木の駅がある

10. 木の駅プロジェクトとは

11. 木の駅プロジェクトとは
森林整備
間伐材や未利用材を
搬出することで
山の公益機能を保つ
地域活性化
地域通貨の導入で
地域の活性化を図る
森林整備と地域経済の活性化を目的とした事業

12. 森林
所有者 木の駅
買取
業者
間伐材等の搬出
モリ券
(地域通貨)
売上代金
販売
商品
木の駅のしくみ
商店
現金

13. 現在３０を超え
る地域で取り組
まれています！
岐阜県恵那市中野方
２００９年スタート
木の駅のひろがり

14. 総面積 8,995ha
森林面積 8,176ha
人口 1,189人
世帯数 442世帯
事例① 長野県根羽村 木の駅プロジェクトねばりん

15. 経緯・・・特別養護老人ホーム「ねばねの里なごみ」の
館内全体の暖房のエネルギー源納入ために開始
理念・・・山をきれいにしたい
ねばねの里なごみ全体図 なごみの木質ボイラー
事例① 長野県根羽村 木の駅プロジェクトねばりん

16. ☆木の駅完成までの流れ
平成25年４月 勉強会(愛知県旭町)
６月 準備委員会
８月 実行委員会
１０月 木の駅スタート！
場所の選定
実行委員会で話し合い 木の駅 薪置き場
事例① 長野県根羽村 木の駅プロジェクトねばりん

17. 価格設定・・・先行の事例を参考に
１㎥ ４,５００円
１t ６,０００円
地域通貨・・・ねばね森券（単位・カエル）
事例① 長野県根羽村 木の駅プロジェクトねばりん

18. 木の駅プロジェクトを持続させるために
・販売先の確保
・森林からの木材搬出方法の普及
・木の駅から出荷者に支払う地域通貨と
木の駅が販売先からもらう売却額の逆ザヤ
持続させるためには逆ザヤの解消が重要！

19. プロジェクトにかかるコスト

20. 前提と目的
・材の運搬機械は軽トラックと仮定する
・材の積み込み・積み下ろしは人力と仮定する
・人件費は計算に含めない
・利益がこの通り出るとは限らない
・あくまでもこの計算は目安である
・具体的な数値を出すことで利益の目途をつける
・土場の距離と残材買取価格における利益の変化
前提
目的

21. どのように木の駅の利益計算をしたか
仁淀川町木質バイオマス利活用事業における材出荷実態と出荷者の
実収支の分析の論文を用いた
（ http://ci.nii.ac.jp/naid/110009597258 ）
材の積み込み、運搬、積み下ろしの費用
具体的に使用する機械の費用も計算に含める
山から材を降ろしてくる際のコストは計算に入ってない

22. 機械の費用

23. 実際の数字を仮定した計算
土場までの距離が５ｋｍ・残材買取価格3000円の場合
①作業総時間
30＋20＋30＝80分
②収集運搬一回当たりの費用
0×0.5＋784×0.333＋0×0.5＝261円
③１ｔ搬出するのにかかる経費
261÷0.35＝740円
④木材１ｔ当たりの利益
3000－740＝2260円

24. 実際に計算しグラフにしたもの
2260
1510
760
15
3260
2510
1760
1015
4260
3510
2760
2015
5260
4510
3760
3015
0
1000
2000
3000
4000
5000
6000
5 10 15 20
利益（円/t)
距離（km）
距離と買取価格のおける出荷者利益
買取価格3000円/ｔ
買取価格4000円/ｔ
買取価格5000円/ｔ
買取価格6000円/ｔ

25. 結果
山から材を降ろしてくるコストが入っていないためこの結果より利益が
大きくなるのは考えにくい
土場が近ければ近いほど利益は大きくなる
机上の計算なので、出荷している方の利益とズレがある可能性
土場までの距離が5kmの時、１ｔ搬出するのに約２３０分かかる
５ｋｍ・３０００円の時、作業時間が約２３０分で利益が２２６０円
木の駅プロジェクトの標準売却額６０００円だと逆ザヤが発生する
Jクレジット制度の併用を考案します

26. 三穂地区で行う
木の駅プロジェクトの提案

27. 三穂地区の概要
長野県南部、下伊那のほぼ
中央に位置している地区
・人口 1482人
（男：718人 女：764人）
・総面積 11.8㎢
（東西:4.9km 南北:6.1km 周囲:18.5km）

28. 交通アクセスにおいて便利
南信バイオマスに近い
三穂地区における木の駅プロジェクトを提案
三穂地区に設定した理由

29. 南信バイオマスとは？
企業説明
・他の燃料に比べ,CO2の排出量を抑えることができる木質の固形燃料である
「木質ペレット」を製造販売している
・平成16年に協同組合として開業
初期費用8900万円
（費用の約1/2は国からの補助金）
開業1年目 ペレット生産量:20トン
現在 ペレット生産量:1300トン
・工場稼働時間 1日10時間 年間約300日間
・雇用人数 5人

30. 南信バイオマス
飯田市役所
事業所等
J-クレジット購入者
消費者
補助金
補助
山林所有者等
現 金
商店
現金
(木材代)
現金
(J-クレ販売代金)
地域通貨
木の駅
(三穂)
J-クレジット保有者
J-クレ販売
ペレット
販売
現金 CO₂削減量
木 材
飯田市木質ペレットを用いたＪ-クレジットの仕組み

31. 地域通貨使用における範囲
の施設に地域通貨を導入できないか
三穂周辺の地域活性化も考えて
川路・天竜峡

32. 地域通貨使用において考えられる施設
地域通貨は地域内で
使わないと意味がない
地元ゆかりの施設
地域の方
が利用
する施設
食堂
呉服
店
温泉
美容
院

34. 木の駅導入により期待できる効果
地域の木材を利用した木の駅の運営により、
①地域の森林整備が進む
②地域を自分たちで回すことができる
実感を創出することで地域を活性化する
③地域通貨の発行により従来地域外に出ていたお金を
地域で回し、地域を活性化させる
④地域を新たな視点で見ることで、地域の絆を再確認

35. 西澤ゼミが考える今後の展望
①地域の方とのさらなる信頼関係の構築
②木の駅プロジェクトの精度向上
③長期的な目での活動

36. 参考文献
出典：飯田市の世帯数と人口 2016年9月末
（https://www.city.iida.lg.jp/uploaded/attachment/27775.p
df）