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京大サマーデザイン
スクール2013
京大サマーデザインスクール2013
 
 
(c)2013 西尾泰和(サイボウズ・ラボ)
西尾泰和
断片的情報の構造化
断片的情報の構造化
 
 
 
みなさんの前には
たくさんの付箋
断片化した情報がある
断片的情報の構造化
 
 
 
これをどうするのか?
断片的情報の構造化
 
 
 
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   組織化したい
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断片的情報の構造化
 
 
 
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断片的情報の構造化
 
 
 
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断片的情報の構造化
 
 
 
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断片的情報の構造化
 
 
 
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KJ法
断片的情報の構造化
 
 
 
KJ法の流れ
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KJ法の流れ
KJ法の実践
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断片的情報の構造化
 
 
 
京大サマーデザインスクール2013
 
 
 
実録
KJ法の流れ
今回このKJ法の資料作り自体を
KJ法でやって過程を記録した
実録 KJ法の流れ
 
 
 
雰囲気をつかむために
流れを追ってみよう
実録 KJ法の流れ
 
 
 
実録 KJ法の流れ
まず2分半で脳内の思いついたことを書きだしてみた(7枚)
 
 
実録 KJ法の流れ
次に25分で「発想法」を読みながら思いついたことを書きだしたり抜き書き
 
 
実録 KJ法の流れ
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実録 KJ法の流れ
さらに25分「発想法」を読む。手法の章だったので抜き書きの枚数が多い。
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実録 KJ法の流れ
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実録 KJ法の流れ
実は講義の全体像を練るために事前に書いていた付箋がいくつかあるので回収
 
 
実録 KJ法の流れ
適当な空いている机を見つけたのでここに広げることに決めた
 
 
実録 KJ法の流れ
付箋を広げた(6分かかった)
(実はまだホワイトボードに貼られていた付箋は合流していない)
 
実録 KJ法の流れ
3分後、徐々にまとまってきた
隙間が増えたのでホワイトボードの付箋も合流させた
 
実録 KJ法の流れ
まとめ始めて10分経過
 
 
実録 KJ法の流れ
一部拡大
 
 
実録 KJ法の流れ
20分経過、表札は赤丸で囲むことにした
 
 
実録 KJ法の流れ
どんどん束ねて表札をつけ、圧縮していく
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実録 KJ法の流れ
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17分目
 
実録 KJ法の流れ
 
 
 
実録 KJ法の流れ
50分経過
正確には「25分のセッションの2回目が終了」途中に休憩が入っている
 
実録 KJ法の流れ
「離れザル」を集めてみた
どこに入れるか悩ましい…
 
実録 KJ法の流れ
空間的配置に意味をもたせた
離れザルは未解決
 
実録 KJ法の流れ
おおまかに2つのグループがあるが、継ぎ目にある付箋をどちらに入れるか悩む
 
 
実録 KJ法の流れ
おおまかに2つのグループがあるが、継ぎ目にある付箋をどちらに入れるか悩む
 
 
実録 KJ法の流れ
75分経過、束を更に束ねて離れザルも吸収
第3セッション終了時 
 
実録 KJ法の流れ
あらためて空間的配置
自宅に持ち帰っているので背景が変わっている
 
実録 KJ法の流れ
KJ法A型(図解化)途中
よくあるクロッキー帳(30.7cmx25.3cm)を使っている
 
実録 KJ法の流れ
もう片方も空間的配置
 
 
実録 KJ法の流れ
KJ法A型(図解化)完了
 
 
実録 KJ法の流れ
話の流れを描き入れた
実は図解化してから2日後。A4にコピーして書き込んでいる
 
実録 KJ法の流れ
「KJ法の背景」の「まとめる」をスライド化(KJ法B型の亜種)
スライドを作る過程で机に並べた。25分、付箋23枚、スライド20枚
 
実録 KJ法の流れ
「KJ法の背景」の「実験科学」「問題理解の必要」をスライド化
つなぎがスムーズでないので「実験科学は万能ではない」を追加
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規模感
 
 
付箋148枚
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実録 KJ法の流れ
規模感
『発想法』p69
 
2時間のブレストが
数十枚∼百数十枚の
付箋になる
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1人でやっても
2時間で百数十枚の
付箋になった
実録 KJ法の流れ
規模感
⃝1個が25分
 
付箋づくり⃝⃝⃝⃝
まとめ作業⃝⃝⃝ 
図解化  ⃝⃝  
スライド化⃝⃝⃝⃝⃝⃝ 
付録
付録
 
 
 
付録
 
 
 
情報収集とその構造化を
KJ法で行い
発表資料を作った
付録
 
 
 
判断・収束のフェーズが
含まれていない
↓
資料は初期に「必要かも」
と思った内容を全部含む
付録
 
 
 
出来上がりを見て
「やっぱりいらない」
の枝刈りが必要
付録
 
 
 
・アイデアの干渉作用
→付録へ移動
付録
 
 
 
出来上がりを見て
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付録
 
 
 
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付録
 
 
 
この過程はPC上で
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付録
 
 
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その後はさみで切る回数を減らすために25upマージンなしのPDFを作るツール
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付録
 
「はがせるスティックのり」を試してみる予定
 
未解決問題
切り抜くのがめんどくさい
裏に糊がついていない
↓
印刷できる付箋が欲しい
このスライドは、サイボウズ・ラボの西尾泰和
と竹迫良範が、 京都大学サマーデザインスクー
ル 2013で行った「チームワークのデザイン」の
講義資料の一部です。
他のスライドは http://nhiro.org/kuds2013/ で見つ
けることができます。
 
このスライドについて
 
 

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