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120324 休眠口座国民会議シンポジウム発表資料(生田氏)
- 1. 1.日本版休眠口座基金 スキーム
預金者の権利は100%保護。金融機関と預金者の関係は変わらず預金者の権利は消滅しない。金融機関は、法律に基づく休眠預
金の管理機関である休眠口座基金に対して「寄付」を行う(寄付を促す税制上の措置を講じる)。
金融機関を横断したワンストップの休眠口座照会体制を構築。
資金は団体/組織向けの無利子貸付等で活用し、民間の新しい活力を生み出す。金融機関が毎年利益計上している休眠預金額
は、約880億円/年。そのうち、350億円を預金者への返還用として引き当て、さらに230億円を払戻率が高まった場合のバッファーとして
留保し、最終的に払戻しがされなかった300億円程度を活用。
日本版休眠口座基金スキーム(案)
団体/組織
RESEARCH PROJECT REPORT
RESEARCH PROJECT REPORT
金融庁
児童相談所
金融機関 休眠預金の寄付 規制・監督
預金者
休眠預金の 休眠預金の払戻し請求
払戻し請求 A銀行 貸付等 震災復興支援組織
B銀行
中間支援組織
休眠口座基金
C銀行
休眠預金の払戻し D銀行 休眠預金の払戻し DV防止センター
・
・ 連携
・
大学
休眠口座のデータ提供
(法律で定められた限定的な
休眠口座の照会 情報の提供) NPOバンク
休眠口座
ワンストップ照会 ・
窓口 ・
・
休眠口座の照会結果通知
1
- 2. 2-1.教育分野への活用
児童養護施設の児童数は約30,000人であり、大学進学率は10.8%(全国平均は53.9%)。
学費を除いた大学4年間の総生活費は600~700万円(東京都社会福祉事業団試算)
300億円の休眠口座基金から貸付を行う場合、希望する全ての児童が金銭的不安なく進学可能。
図表 児童養護施設の児童が大学進学する例
児童養護施設の現状 進学に伴い発生する費用
データ 必要費用
・児童数: 29,753人 (2009年時) ・学費 : 最低250万円(国公立大学)
RESEARCH PROJECT REPORT
RESEARCH PROJECT REPORT
・平均入所年数:4.6年 ・生活費: 600~700万円/4年
・大学進学率:10.8% (全国平均53.9%) (東京都社会福祉事業団試算)
進学率が低い主な理由は経済的負担 ・その他: 大学受験費等
→毎年約6,500名の児童が退所(卒業) →学費は奨学金で補うと仮定
3,500人(50%強)が大学進学希望と仮定 600万円/ 人の貸付が必要
児童養護施設から大学に全国平均で進学希望した場合
3 5 00 人
必要な支援額は あれば、大学進学を希望する全ての
参考資料
独立行政法人統計センター 平成21年社会福祉施設等調査
約210億円 児童養護施設の児童が
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001068770
社団福祉法人全国社会福祉協議会
大学進学可能。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000011cpd-att/2r98520000011dad.pdf
厚生労働省雇用均等・児童家庭局 *仮に生活費600万円/4年をバイトで稼ぐとすると
http://www.crc-japan.net/contents/notice/pdf/h20_0722.pdf 時給800円で150時間/月以上働く必要がある。 2
- 3. 2-2.災害時緊急支援への活用
東日本大震災の被災者を対象とした生活復興支援貸付の上限額は月額20万円(複数世帯の一時生活支援費)。
東日本大震災における住宅の全壊世帯は約13万戸(平成24年3月14日政府発表)。
300億円の休眠口座基金から貸付を行う場合、すべての全壊世帯に対して緊急支援が可能。
図表 地震災害時における生活福祉資金貸付制度の例
災害時の被害状況 平均貸付費用
データ 必要費用
・ 東日本大震災の災害規模 ・ 災害時の緊急貸付金額: 20万円
RESEARCH PROJECT REPORT
RESEARCH PROJECT REPORT
住宅全壊世帯: 13万世帯
・ 一時生活支援費
→ 住宅全壊世帯がすべて、 生活の目処が立つまでの当面の生活費
一時的な生活困窮世帯と仮定 の貸付
13万世帯に貸付が必要 20万円/世帯の貸付額が必要
東日本大震災並の大規模地震災害時
における緊急貸し付けが必要な世帯数
1 3 0 0 0 0 世帯
あれば、すべての必要世帯に対して
必要な緊急貸付額は 緊急貸付が可能。
約260億円
参考資料
東北地方太平洋沖地震の被害状況(警察庁)
http://www.npa.go.jp/archive/keibi/biki/higaijokyo.pdfl 3