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BADUIからユニバーサルデザインへ展開するデザイン教育実践

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BADUIからユニバーサルデザインへ展開するデザイン教育実践

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CIS2015発表スライド

論文: https://ja.scribd.com/doc/255147300 (各資料へのリンク有り)
授業スライド: http://www.slideshare.net/saireya/what-is-design-44244816

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BADUIからユニバーサルデザインへ展開するデザイン教育実践

  1. 1. BADUI からユニバーサルデザインへ展開する デザイン教育実践 大西 洋, 藤岡 健史 (京都市立西京高等学校) February 28, 2015 1 / 16
  2. 2. Background 専門教科情報「情報デザイン」の学習指導要領 「適切な情報伝達やコミュニケーションの要件及び手法を取り上げ,情報デ ザインの目的や役割及び重要性について扱う」 • 情報やコミュニケーションとデザインの間の密接な関係性を示唆 • 「情報」と「コミュニケーション」は情報科で扱う根本概念 ⇨ 専門学科でない生徒も、デザインを学ぶことは有意義 共通教科情報の学習指導要領 デザインに関する記述は不十分 • 「人間にとって利用しやすい情報システムの在り方 (中略) について考 えさせる」(社会と情報) • 「情報機器や情報通信ネットワークの様々な機能を簡単に操作できるよ うにする工夫及び高齢者や障害者による利用を容易にする工夫などにつ いても扱う」(情報の科学) ⇨ 各社教科書も、語句とユニバーサルデザイン (UD) の事例紹介に留まる2 / 16
  3. 3. Background Ralph によるデザインの定義 (Ralph, 2010) 与えられた環境で目的を達成するために、様々な制約下で、利用可能な要素 を組み合わせて、要求を満足する対象物の仕様を生み出すこと [1][5] ⇨ 重要だが、極めて抽象的で理解しにくい ⇨ これを暗記しても、デザインができるようにはならない 研究目的 共通教科情報で行うべきデザイン教育のカリキュラム作成 • 高校生が学ぶべきデザインの基礎事項を整理 • 勤務校の「社会と情報」での授業実践とその評価 3 / 16
  4. 4. 授業設計 初学者がもつ「デザイン」への誤解の例 • 「デザイン」はデザイナー・アーティストなど特殊な職業の人が行う • 「デザイン」は美術の時間・プレゼンテーションなど特殊な機会に行う ⇨ デザインの普遍性に対する誤解 • 「デザイン」は才能や感覚 (センス) に依り、特殊な能力が必要 ⇨ デザインの論理性に対する誤解 • 「デザイン」はデザイナーの自己表現のために行う ⇨ デザインの人間中心主義に対する誤解 4 / 16
  5. 5. 授業設計 扱うべきデザインの基礎事項 デザインを行う際に必要な基本的理解と、実際にデザインを扱う能力に分類 デザインの基本的理解 デザインを行うにあたり必要な基本的知識 1 デザインは日常生活の中で誰もが行う、身近なことである点 (普遍性) 2 デザインは論理的に決定されるもので、才能や感覚に依拠しない点 (論理性) 3 デザイン能力の向上には、(デザインの対象である) 人間について学ぶこ とが必要だという点 (人間中心主義) デザイン・リテラシー 実際にデザインを扱う上で必要な能力 1 デザインを批判的に見る (「読む」) 能力 2 デザインを作る (「書く」) 能力 5 / 16
  6. 6. 授業実践 京都市立西京高校 1 年生 (7 クラス) で実施 • 「社会と情報」の授業中、プレゼンテーションの後に実施 (生徒もデザインについて関心・経験が多少ある状況) • 2 時間の授業の実施後に課題を課し、返却時にフィードバックを実施 (プレゼンテーション) デザインの基本的理解 デザインの普遍性 デザインの論理性 デザインの 人間中心主義 デザイン・リテラシー デザインを 「読む」能力 デザインを 「書く」能力 BADUI UD 扱った特性: 学習障害(LD) 色覚異常 自閉スペクトラム(ASD) design vs art Form follows function 前半(35分程度) 後半(65分程度) 課題 (2週程度) フィードバック 授業(50分×2) 授業 (15分程度) Figure: 授業実践の全体図 6 / 16
  7. 7. 授業実践 前半: デザインの基本的理解 1 授業の動機付けとして、デザインの普遍性について説明 2 デザインとアートの違いを述べた blog 記事 [3][4] と、アメリカの建築 家 Louis Sullivan の理念「Form follows function」[2] を基にデザインの 論理性を説明し、従ってデザイン能力は学べば向上するものだと伝える 3 デザインの対象である相手 (人間) を学び、それに合わせたデザインを考 える (人間中心主義) ことで、より良いデザイン (UD) ができると伝える 7 / 16
  8. 8. 授業実践 後半: デザイン・リテラシー 授業では問題のあるデザイン (BADUI) から UD への流れを具体例で解説 1 人々のもつ特性を紹介 (例: 色覚異常) 2 その人々にとって不便なデザインを示す (例: 系列を判別しにくい色で区別しているため、系列を見分けられな い折れ線グラフ) 3 なぜそれが不便なのかを伝える (例: 色で対応付けを表現しているから) 4 その人々にとって便利なデザインを示す (例: 線種や線の太さでも対応付けを行う) 5 そのデザインが、特性をもたない他の人々も便利な (より universal な) ことを伝える (例: カラー資料を白黒コピーしても区別可能) ※ 実際に扱った特性は「学習障害」「色覚異常」「自閉スペクトラム障害」 8 / 16
  9. 9. 授業実践 課題 締切まで 2 週間程度の期間を設け、BADUI を見つけ改善する課題を提示 ※身近なデザインを批判的に見る過程が重要なため、締切まで時間をとる 身の周りのBADUIを探す デザインの問題を指摘 問題が生じる原因を分析 デザインの改善案を提案 感想(任意) 身の周りのBADUIを探す身の周りのBADUIを探す 課題 取り組み例 デザインを「読む」力 題材点で評価 (選んだBADUIの良さ) デザインを「書く」力 内容点で評価 (適切な分析と改善案) ルーズリーフのバインダー リングを開けられない 矢印の向きが間違っている 正しい向きに直す Figure: 課題の構成図 9 / 16
  10. 10. 授業実践 提出課題の評価 題材点と内容点の合計点でデザイン・リテラシーを評価 • 題材点: 選んだ BADUI の良さを評価 • 内容点: 問題分析と改善案を評価 ※ デザインの基本的理解に関しては、別に評価 点 題材点 (「読む」能力) 内容点 (「書く」能力) 0 未提出 未提出 1 趣旨に即さないもの、改善案 が安易に思い浮かぶもの 安易な分析・改善案しかない もの 2 趣旨を踏まえたもの 趣旨を踏まえたもの 3 より着眼の鋭いもの 工夫ある改善案や深い洞察の あるもの Table: 評価基準 10 / 16
  11. 11. 授業実践 得点分布 • 合計点はほぼ均等に分布 • 題材点は、定番のものでも 2 点としたため、1 点が少ない • 内容点は、安易な改善案は 1 点としたため、1 点が多い (「手すりがない」の改善案に「手すりをつける」など) 内容 題材 0% 20% 40% 60% 80% 100% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 合計 2 3 4 5 6 1 2 3 1 2 3 Figure: 得点分布 (提出分) 11 / 16
  12. 12. 授業実践 優秀な取り組み例 1 ルーズリーフのバインダー 2 バインダーのリングを開ける部分に左向きの矢印が表記されているが、 実際は右斜め下向きにスライドしないとリングが開かない 3 矢印の向きと開け方が合っていないから 4 右斜め下向きの矢印に変更する。もしくは、代表的なバインダーでは下 向きにスライドすればリングが開くので、その開け方と同様にする。 12 / 16
  13. 13. 授業実践 感想 (抜粋) • 本当の意味での「デザイン」は使う相手、対象のことを考えるという理 念が根本にあるのだと思いました。 • すべての人がふつうに過ごせるデザインを考えることは難しいと思いま すが、デザインによって使いやすさが変化するので重要性を感じま した。 • ユニバーサルデザインなどとかっこつけた言い方をせずに、そういうデ ザインの社会が当たり前の世の中になればいいのにな、と思った。 BADUI 発見の難しさ 多様な視点の重要性 身近な BADUI の多さ 身近な UD の多さ デザインの論理性 UD の重要性 UD の難しさ UD の限界 人間中心主義 その他 0 5 10 15 20 25 Figure: 感想の分類結果 13 / 16
  14. 14. Conclusion 高校生が学ぶべきデザインの基礎事項として、デザインの基本的理解とデザ イン・リテラシーを提案し、それに基づく授業を展開 • デザインの基本的理解: デザインの普遍性、論理性、人間中心主義 • デザイン・リテラシー: デザインを「読む」力、デザインを「書く」力 Future tasks UD の限界に関する内容を扱い、課題解決学習として展開させる • UD は完璧なのか? 本当に universal なデザインは存在するのか? • 存在しないとするならば、何を基にデザインするか? 14 / 16
  15. 15. Conclusion 15 / 16
  16. 16. Reference I David Paul Ralph. Fundamentals of software design science. 2010. url: http://hdl.handle.net/2429/29536. Louis H. Sullivan. サリヴァン自伝. 竹内 大, 藤田 延幸訳. 鹿島出版会, 1977, p. 269. isbn: 978-4306045828. Admix Web. Design and Art: Are They the Same? url: http://www.admixweb.com/2009/11/11/design-and-art-are-they-the-same. Web クリエイターボックス. アートとデザインの違いは? url: http://www.webcreatorbox.com/webinfo/art-design. 京都大学 デザイン学大学院連携プログラム. 「デザイン」の定義. url: http://www.design.kyoto-u.ac.jp/smalltalk/smalltalk_01. 16 / 16

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