認証のパラダイムシフトは実際にみなさんの開発の現場に採用されるまでに時間差はあるものの開発者のみなさんに必要なスキルのひとつになっていきます。 たとえば外部情報の活用という点では、FacebookなどのアイデンティティプロバイダーのAPIでSSOを行うことでサービスを提供する側はアカウントの管理から解放されます。また、Microsoft GraphによるOffice 365連携をすることでユーザーの既存資産を活用します。その他の外部Webサービスとのマッシュアップを利用するシーンも増えてきています。Microsoft Graphでスコープの制限を使った情報共有のユーザーごとの制御の必要のあった開発の経験がある方やログイン時にアカウントをアイデンティティプロバイダーから選択できる画面の開発経験がある方は「認証におけるパラダイムシフトになるであろう分散型IDによる認証方式」を知っておくことの必要性を理解いただいていると思います。

1. 分散型IDによる認証の考え方
Decentralized Identities（DID）実装の仕組み

2. 自己紹介 髙尾 哲朗
システム構築のプロセス評価、改善、策定、開発フレームワークの設計、実装管理、プリセー
ルスやプロジェクトの立ち上げなど
ブログ ：http://blog.processtune.com
プロフィール ：Tetsuro Takao on
Facebook, Twitter or http://mvp.microsoft.com
コミュニティ ：.NETラボの運営スタッフ
https://dotnetlab.connpass.com/
Microsoft MVP：Visual Studio and Developer Technologies
[July 2010 – June 2019]

3. 2014年6月 ~認証系を勉強する1日~
【案内の文面】
みなさんの作成するアプリケーションが、Internet of Things時代のユーザー
の日常生活についていくためには「外部の情報の活用」「ユーザーによる情報
共有範囲の制御」「その場で利用するアカウントを選べること」などをフォロ
ーする必要があり、これらすべてに認証が絡みます。 作成の際に利用できるサ
ービスやツール、開発フレームワークの機能などたくさんありますが、これら
の仕組みを知っていることで、アプリケーションの製造工数を軽減させ、その
選択肢を広げることでアプリケーションの設計の自由度が向上します。 本日の
セッションに先駆けて、認証の必要性について詳細をお話しします。

4. 分散型IDのファウンデーション
https://identity.foundation/

5. DIFは何を行っているか？
DIFメン
バーの
WG
人、組織、デバイ
スを集中管理す
ることなく識別し
見つける方法
分散型IDを認知し
あうためのプロト
コルやセキュリテ
ィの策定
アイデンティティを
要求する手順とア
イデンティティに
紐づく資格情報の
表現方法

6. ブロックチェーンテクノロジのサイクル
https://www.mckinsey.com/industries/financial-services/our-insights/blockchains-occam-problem
https://japan.zdnet.com/article/35126917/

7. ブロックチェーン方式のUniversal Resolver
DIF Universal Resolver
DID
Document
DID
Document
アリスは最近大学を卒業しました。
彼女は、卒業証書のデジタルコピー
（彼女のDIDに対して大学が発行した）
を要求できます。
彼女は、卒業証書の発行者、発行時
期、およびその状態を独自に確認でき
る潜在的な雇用者などだれにでも卒業
証書を提示することを選択できます。

8. Microsoftホワイトペーパー
https://query.prod.cms.rt.microsoft.com/cms/api/am/binary/RE2DjfY

9. 概念図
出典：https://query.prod.cms.rt.microsoft.com/cms/api/am/binary/RE2DjfY

10. キーの役割
DID
Primary
他人が自分を認識でき
るための軽量な情報
公開する写真
公開する最低限の情
報
Pairwise
自分の情報のうち、提
供する必要最低限の
情報
提供する相手に公開す
る情報

11. Visual Studio

12. Java製のUniversal Driver(Jetty)

13. まとめ
DIDは認証認可の分離が進んだもの
必要に応じてアイデンティティに紐づく情報を制限す
る
集中型のアイデンティティにおける管理コストとリスクを
考慮すると分散型になっていく