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病態と薬剤から見る便秘と下痢
2015年4月23日
イムス三芳総合病院薬剤部 高塚 亮
高齢者における消化器異常を通じて
2
高齢者の消化管異常としての
便秘・下痢は観察頻度が高いが
原因(病因)が十分説明できる場合
は少なく、対症療法で行われている
場合が多い。
重大な疾患のサインであったり、
薬物の副作用である場合も多い
"disease"ではなく“symptom"
3
便秘の病態メカニズム
1 便秘とは、糞便の腸管内の異常な停滞あるいは腸管内
通過時間の異常な延長と定義される。
→便通の回数と排便量の減少した状態
2 しかし個人差が大きく、便秘を明確に定義する事は
困難である
3 日本内科学会の定義では「3日間以上排便が無い状態、
または毎日排便があっても残便感がある状態」とされ
ている
4 国際基準RomeⅢでは機能性便秘を「週3回未満の排便回
数、硬便が排便時の25%以上、用指的排便が25%以上、
下剤を服用しないと軟便は稀である状態」と定めている
4
発生機序からみた便秘の分類
便秘
①特発性
弛緩性便秘、痙攣性便秘
最も一般的な便秘
高齢者に多い
②神経性(中枢神経)
パーキンソン病
多発性硬化症
③機械性閉塞
大腸腫瘍、ヘルニア
憩室炎後狭窄、腸捻転
消化管術後狭窄、直腸脱
④内分泌疾患
下垂体機能低下症
甲状腺機能低下症
褐色細胞腫
⑤筋異常性疾患
家族性内臓骨格筋委縮症
剛皮症、アミロイド-シス
⑥代謝性疾患
糖尿病、低カリウム血症、高
カルシウム血症、ポルフィリ
ア、尿毒症
⑦薬剤性
オピオイド、抗コリン薬、カルシウム拮抗薬
パーキンソン病治療薬、鎮咳薬
5
全身疾患に伴う便通異常
疾患名 病態
糖尿病
糖尿病患者では下痢より便秘が一般的である。男性より
女性に多い。自律神経障害に相関してみられるがはっき
りとした原因は不明である。
甲状腺機能異常
甲状腺機能亢進症では25%の患者に下痢がみられる
甲状腺機能低下症では15%の患者に便秘がみられる
低カルシウム血症
高カルシウム血症
副甲状腺機能低下症における低カルシウム血症ではコレ
シストキニンが欠乏し脂肪便となる。副甲状腺機能亢進
症では高カルシウム血症により神経興奮性の減弱から便
秘がみられる。
低カリウム血症
低カリウム状態が続くと腸管平滑筋の筋力低下により便
秘きたす。
パーキンソン病
脳血管障害
末梢自律神経(錐体外路系)の機能不全が原因と考えら
れている。パーキンソン病では約80%の患者に大腸通過
時間の延長がみられ、健常人と比較して平均2倍に延長
しているとの報告もある。
6
大腸疾患からみた便秘の分類
便秘
器質性便秘
機能性便秘
狭窄あり
狭窄なし
急激に出現
慢性に経過
一過性のみ
慢性に経過
大腸癌 腸捻転 腹膜炎 腸重積
腹腔内癒着 S状結腸過長症
ストレス 食事内容変化
直腸性便秘
弛緩性便秘
痙攣性便秘 過敏性腸症候群
最も多い慢性便秘
直腸排便反射減弱
食事性便秘 食物繊維不足
7
便秘の鑑別に必要な情報
便秘の鑑別は問診と腹部診察が第一である
①いつから便秘が始まったか?
②腹痛やお腹の張りはあるか?
③便意は催すか?
④血便(便潜血)はあるか?
⑤活動量
⑥服用している薬剤
⑦食事(経管栄養)の形態
8
機能性便秘と器質性便秘
・慢性の便秘は加齢に伴い増加する傾向にあり機能性
便秘と器質性便秘に大別される。
・高齢者の便秘では内視鏡検査などで大腸がんをはじ
めとした器質的疾患を否定する必要がある。特に血
便、便潜血、発熱、嘔吐などの症状がある場合は注
意が必要である。(器質性を疑う)
・さらに二次性便秘の原因となる全身的疾患や薬剤の
使用がないかを確認する。
9
機能性便秘の4つのタイプ
①弛緩性
高齢者、長期臥床者などによくみられる。加齢による腹筋の
衰えにより腸管蠕動運動低下がみられ、大腸全体が弛緩する
。内容物の貯留により必要以上に水分が吸収され、硬い便が
形成される。
②痙攣性
過敏性腸症候群によくみられる便秘で下部大腸運動、緊張の
亢進により過度の痙攣性収縮をきたし、大腸内容物が停滞す
る。大腸刺激性下剤を大量に用いるとこのタイプの便秘が生
じることがある。
③直腸性
直腸内に内容物が入っても骨盤神経を介した排便反射が減弱
し、便意が弱まっている状態。下剤の常習や浣腸の乱用も排
便反射減弱の原因となる。高齢者では弛緩性便秘との合併も
よくみられる。
④食事性 食事量の減少、食物繊維の摂取不足などが原因
10
便の外観からの情報(1)
 便柱が細い・太い
細い→直腸下部や肛門の大腸癌などによる狭窄の存在を疑う。
太い→機能性便秘のうち高齢者に多い弛緩性便秘を疑う。
 便が兎糞状
過敏性腸症候群など痙攣性の便秘を疑う。
 便の表面に鮮紅色の血液が付着
S状結腸や直腸、肛門部に出血を起こしている器質的疾患を疑う。
(例:痔、大腸癌、潰瘍性大腸炎、アメーバ赤痢など)
 血性下痢便、粘血便
潰瘍性大腸炎、腸管出血性大腸菌、カンピロバクターなどの
細菌感染、偽膜性腸炎などの抗菌薬起因性大腸炎の可能性
11
便の外観からの情報(2)
 光沢のある黒色下痢(タール便)
胃・十二指腸潰瘍、胃癌、胃・食道静脈瘤出血などの
上部消化管出血を疑う。
 水溶性下痢
水分の吸収障害、ロタウィルス(白色、水様便)、アデノウイ
ルス(酸臭を伴う水様便)、ノロウィルス、コレラ(米のとぎ
汁様水様便)、クリプトスポリジウムなどの感染症 など
 光沢があり、やや黄色調の脂肪性下痢
慢性膵炎、吸収不良症候群などで脂肪の消化吸収が障害された
場合にみられる。
 灰白色下痢
胆道閉塞などの場合にみられる。
12
薬剤性便秘の原因
薬剤区分 代表的な薬剤 機序
オピオイド モルヒネ(MSコンチン®)など μ2受容体刺激
抗コリン作用を
有する薬剤
チキジウム(チアトン®)、チメ
ピジウム(セスデン®)など
ムスカリン受容体遮
断
向精神薬 ジアゼパム(セルシン®)、エチ
ゾラム(デパス®)など
ムスカリン受容体遮
断
抗ヒスタミン薬 クロルフェニラミン(ポララミン
®)、ヒドロキシジン(アタラッ
クス®)など
ムスカリン受容体遮
断
L-dopa
ドパミン刺激薬
レボドパ含有製剤(メネシット®
)、カベルゴリン(カバサール®
)など
ドパミン系賦活
Ca拮抗薬 ニフェジピン(アダラート®)、
ベラパミル(ワソラン®)など
詳しくは不明?
結腸通過時間の延長
鉄剤(経口) クエン酸第一鉄(フェロミア®) 鉄イオンの胃腸刺激
13
便秘症に対する薬物療法(1)
分類 一般名(商品名) 作用メカニズム
浸透圧性下剤
(塩類下剤)
(糖類下剤)
酸化マグネシウム
(マグラックス®)
D-ソルビトール
ラクツロース
浸透圧により腸管内に水分を移
行させ、内容物を軟化する。
習慣性が少ない。弛緩性便秘の
第一選択。腎機能低下患者には
注意。
膨張性下剤 ポリカルボフィルカルシ
ウム(コロネル®)
多量の水分を含むことで膨張し
腸管を刺激する。痙攣性便秘な
どに使われる。
大腸刺激性下剤 センナ類(プルゼニド®、
アローゼン®)
ピコスルファートNa
(ラキソベロン®)
消化管神経叢に作用し、腸管蠕
動運動を亢進させる。長期連用
で習慣性あり。痙攣性便秘には
逆効果となるため避ける。
副交感神経刺激薬 パントテン散
(パンテニール®)
ベタネコール(ベサコリ
ン®)
腸管蠕動運動を亢進させる。
14
便秘症に対する薬物療法(2)
分類 一般名(商品名) 作用機序
抗コリン薬 メペンゾラート
(トランコロン®)
チキジウム(チアト
ン®)
鎮痙作用。痙攣性便秘時に痙攣
を抑制し正常な収縮運動を回復
させる。(ex 過敏性大腸症)
消化管運動機能調節
薬
トリメブチン(ブチ
キノン®)
モサプリド(ガスモ
チン®)
消化管神経叢に作用し、腸管運
動調節、促進。
漢方薬 大建中湯
大黄甘草湯
坐薬 炭酸水素Na・無水
リン酸Na(新レシカ
ルボン坐剤®)
主に直腸性便秘に使用される。
浣腸薬 グリセリン 主に直腸性便秘に使用される。
15
下痢の病態メカニズム
 下痢は「糞便中の水分量が200ml/以上」または
「水様便を3回/日以上排出する場合」と定義さ
れている。
 腸管内の水分の80%前後が小腸で吸収され、残
りは大腸で吸収される。腸管内で行われる水分
吸収が十分に行われないか、水分分泌が増加す
ると便中の水分量が増加して下痢になる。
 浸透圧の上昇、電解質・水分分泌増加、腸管か
らの吸収不良、などを主とする。
16
下痢症状のとらえかた
1 急性下痢
大部分は感染性腸炎であり、対症療法(輸液など)が主となる。
分泌性下痢・・・病原体毒素により主として小腸での分泌異常をきたす
ex)コレラ、腸管毒素原性大腸菌など
大量の水様下痢、脱水症状(+) 便中白血球(-)
侵襲性下痢・・・侵襲菌による大腸粘膜異常をきたす
ex)赤痢、カンピロバクターなど
粘血便、腹痛(+) 便中白血球(+)
2 慢性下痢
原因は多岐にわたる。鑑別診断が重要である。
1ヶ月をこえるような下痢
17
下痢症状のとらえかた
慢性下痢をきたす代表的疾患。
炎症性疾患
潰瘍性大腸炎、クローン病
C.Difficile、アメーバ赤痢、寄生虫
機能性疾患 過敏性腸症候群
手術後 胃切除、胆嚢摘出、短腸症候群
その他
膵疾患:外分泌機能低下、内分泌腫瘍
甲状腺機能亢進症、糖尿病、膠原病
食物アレルギー、乳糖不耐症
18
薬剤起因性の下痢
薬剤区分 代表的な薬剤 機序
プロトンポンプ阻害薬
H2ブロッカー
ランソプラゾール(タ
ケプロン®)
ラニチジン(ザンタッ
ク®)
詳細は不明。免疫系の障害
という説がある。
プロスタグランジン製剤 ミソプロストール(サ
イトテック®)
リマプロスト(オパル
モン®)
腸管収縮作用による
ACE阻害薬 イミダプリル(タナト
リル®)等
腸管粘膜の血管性浮腫によ
るもの
ビグアナイド系糖尿病薬 メトホルミン(メトグ
ルコ®)
詳細は不明(肝機能低下者
で発生率が高いとの報告が
あり)
ジギタリス製剤 ジゴシン 副交感神経賦活によるもの
各種抗菌薬 菌交代症
19
原因薬剤 文献数 関連の程度
NSAIDs 11 高
PPI(特にランソプラゾール) 2 高
アスピリン 4 高
チクロピジン 4 高
カルバマゼピン 2 中
シンバスタチン 2 中
Microscopic colitis
難治性下痢を主訴とし, 内視鏡等では明らかな異常を認めず、顕微鏡下
で大腸上皮直下に沈着した膠原線維帯,およびリンパ球を主体とした
炎症細胞浸潤を特徴とする疾患である.
文献9 一部改編
20
抗菌薬関連性腸炎(1)
 抗菌薬関連性腸炎として、偽膜性腸炎、出血性腸炎、MRSA
腸炎などがあげられる
 抗菌薬投与による腸内細菌叢(そう)の菌交代現象が原因
 偽膜性腸炎は偽膜形成を特徴とする形態的な病名であり、
そのほとんどはClostridium difficile(CD)の産生毒素に
より生じる。近年ではC.difficile関連腸炎(CDAC)と総称
され、偽膜性腸炎はCDACの重症型に位置付けられる
 偽膜性腸炎のリスクファクターとして高齢、重篤な基礎疾
患、長期入院+抗菌薬使用などが確認されている
21
抗菌薬関連性腸炎(2)
【症状】一般的な症状は下痢、血便、腹痛、発熱である。
【検査】便検査でCDトキシンが検出される。大腸内視鏡で
直腸、S状結腸に好発する数mm~20mm大の半
球状の黄白色隆起(偽膜)が確認される。
【原因】C.difficileは芽胞形成性の
グラム陽性編性嫌気性細菌である。
通常の抗菌薬では効果が弱く、
抗菌薬により腸管内の菌交代が起こり
CDが増加→CDが産生したToxinが
粘膜障害起こす。
【治療】原因となる抗菌薬の中止
バンコマイシン or メトロニダゾール 内服
22
下痢症に対する止瀉薬薬物療法
分類 一般名(商品名) 作用機序
腸管運動抑制薬 ロペラミド(ロペミン®)、
コデインリン酸塩、ベルベ
リン(フェロベリン®)
ロペラミドは腸管オピオイド受容
体に作用する。
吸着薬 ケイ酸アルミニウム(アド
ソルビン®)
腸管内の水分を吸収する事で止瀉
作用を発揮する。腎障害のある患
者ではアルミニウム蓄積のおそれ
がある為注意
収れん薬 タンニン酸アルブミン
(タンナルビン®)
膵液によって分解されタンニン酸
を遊離し、収れん作用により止瀉
作用を示す。
抗コリン薬 ブチルスコポラミン(ブス
コパン®)
チキジウム(チアトン®)
副交感神経節を遮断し、腸管蠕動、
分泌を抑制する、緑内障、前立腺
肥大では禁忌である
整腸剤 乳酸菌(ラックビーN®)
酪酸菌(ビオスリー®)
腸内で乳酸を産生し、腸内環境を
酸性にすることで病原菌の増殖を
抑制する
23
下痢が体内動態に及ぼす影響
下痢が薬物の体内動態に及ぼす影響は,下痢の病態や薬物の種類に
よってまちまちであり、統一的に理解するためのエビデンスは十分に
は得られていない.
2週間以上抵抗性の下痢症状を呈している15
人の腎移植後患者と,下痢症状を呈してい
ない24人の腎移植患者での検討(タクロリ
ムス)
消化管や肝臓のCYP3A4, 肝臓のP一糖タンパク質
の発現量→変化なし
消化管のP一糖タンパク質の発現量→減少
文献10より引用
24
下痢が体内動態に及ぼす影響
タクロリムスは経口投与されると,空腸の上皮細胞に多く分布する
CYP3A4により代謝され,またP一糖タンパク質によって消化管管腔へと
排出輸送されることで,吸収が低く抑えられている.
消化管内を速やかに移動する→ CYP3A4が多く存在する空腸を通り越して,
消化管のより下部(CYP3A4が相対的に少ない)で多くのタクロリムスが吸
収されるようになる.小腸下部には別の生体防御機構であるP糖タンパク
質が豊富に存在するが,このP糖タンパク質の発現量が下痢時には低下する.
さらに,大腸における物質の透過性も下痢時には充進する.こうした複数
の要因が原因となって,下痢時にはタクロリムスの消化管吸収が大幅に亢
進するものと考えられる.
文献10より引用
下痢時 吸収亢進
25
下痢が体内動態に及ぼす影響
2つの生理的変化
文献10より引用
1 消化管運動亢進
下痢患者においては消化管運動(消化管の上部から下部への通過速度)
が亢進している.
→ 吸収(膜透過)の遅い薬物や徐放性製剤などの吸収を
低下させる可能性
→ 逆に,上部消化管のCYP3A4により初回通過代謝を受ける
ような薬物に対しては,吸収部位が下部に移動することで,
逆に吸収を亢進させる方向に作用する可能性がある.
2 透過性の亢進
CYP3A4やP一糖タンパク質などといったバリア機能を有するタン
パク質の機能が低下していると推定される.これらは,水溶性/
膜透過性が低い薬物や,CYP3A4もしくはP一糖タンパク質の基質
となる薬物の吸収を亢進させる方向に作用する可能性がある.
26
排便コントロールと嘔吐の関連性を検討した学会報告
(日本摂食・嚥下リハビリテーション学会誌より)
【対象と方法】慢性脳血管障害で経管栄養を施行している19例(男性8例, 女性
11例, 平均年令79才, 経鼻経管栄養法11例, 胃瘻8例)で7ヶ月調査
【結果】 経管栄養投与中、投与後1時間の姿勢をギャッチアップ40度程度
でおこなった。7ヶ月間の追跡期間中に7例で嘔吐が認められた。
そのうち4例では経管栄養投与終了後1時間以内に嘔吐を認め、
残り3例で投与終了2.5~5時間後に嘔吐を認めた。投与1時間以内
に嘔吐を認めた4例のうち3例においては嘔吐した当日にも排便
があり、便秘はなかった。1例においては2日間排便がなかった。
一方、投与後2.5~5時間で嘔吐を認めた3例では2~3日間排便が
認められていなかった。
【考察】 排便コントロールが困難である症例においては経管栄養投与終了
後、数時間経過した時点でも嘔吐・胃食道逆流現象を認めること
があり、腸管運動の有無を評価してから経管栄養をおこなうこと
が不可欠である。
参考文献8を一部改編
27
【参考文献・資料】
1. 杏林大学医学部 小嶋幸一郎 松岡弘芳 ナースが感じる排便ケアの疑問⑥
緩下剤の適切な使い方について 『泌尿器ケア』 2013 vol.18 no.1 (35)
2 堀内朗『高齢者排便障害(機能性腸障害)の診断・治療』
Geriatric Medicine eriat.Med.50(8):929-932,201
3. 東京総合病院 消化器内科 岡本真ほか『プロトンポンプ阻害薬による下痢症につい
て』67-1・2 2013
4. 『ナースの理解度と予防がカギ 排便障害って何?』スマートナース 2007 vol.9
5. 神戸市立医療センター西市民病院消化器内科 山下幸政 『高齢者の注意すべき消
化管運動機能障害』 Geriatric Medicine Vol.47 No.5 P607-611 2009
6. Ozeki T,et al.『Protein-losing enteropathy associated with collagenous colitis
cured by withdrawal of a proton pump inhibitor』Intern Med.
2013;52(11):1183-7.
7. 『medicina』医学書院「下痢と便秘 ― 今日的アプローチ」Vol.49 2012.2
8. 医療法人恒昭会藍野病院 永友隆之ほか『経管栄養例における投与時間と嘔吐・胃
食道逆流現象の関係についての検討』第12回日本摂食・嚥下リハビリテーション学
会学術大会 P401-402 2006 .12
9.『collagenous colitisの病態と臨床像』 日本消化器病学会雑誌 107(12): 1916-1926, 2010.
10.『下痢で薬の体内動態はどう変わる?』 大谷壽一 薬局 62(3): 42-47, 2011.

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薬剤師会発表 薬剤師のNST(消化器症状)

Notas del editor

  1. ご紹介いただきありがとうございます。イムス三芳総合病院薬剤部 高塚と申します。本日はこのような場を設けていただき、ありがとうございます。私は現在、医薬品情報業務を担当する傍ら、チーム医療の一環として病棟でのNST活動にも従事しています。NSTはニュートリッションサポートチームの略でして医師、管理栄養士や臨床検査技師とチームで入院患者さんのさまざまな栄養障害の問題解決にあたっています。今回はその中から高齢者で比較的よく見られる便秘や下痢を薬剤師としての視点からお話しさせて頂こうと思います。よろしくお願い致します。
  2. “disease”(疾患)ではなく“symptom”(徴候)
  3. これを全体通して言えるのは患者さんの実感によるところが大きく、逆に言えば第3者からみてそんなにひどい便秘に見えなくても患者さん自身が苦しい実感があるのであればそれは患者さんのQOLを下げる要因になりうる
  4. モルヒネ等のオピオイドの便秘は耐性の形成がほとんどないので下剤はほぼ併用必須となっている。
  5. ここには載せてないですが新機序のルビプロストン(アミティーザカプセル)もあります。デメリットとしては薬価が多少高価であること
  6. 一番新しいボノプラザンフマル酸塩錠(タケキャブ錠)も添付文書で下痢の記載がありますね。タケプロン下痢(13.2%)
  7. 厚生労働省が出している重篤副作用疾患別対応マニュアル―『重度の下痢』 の項目で、関連薬の1つとしてPPIが挙げられている。タケプロン下痢(13.2%)
  8. 市販薬ストッパ= ロートエキス+ベルベリン  添付文書にも緑内障、前立腺疾患を持つ方は相談を、血便、粘液便のひとは使用すると悪化する可能性があります注意喚起
  9. すいませんこのスライドはお手元の資料に無いんですが。これはある時、病棟である患者さんのアセスメントをしていた時に管理栄養士から「この患者さんは下痢が続いていますが、薬物の吸収率ってどうなるんですか?」と質問があった。
  10. なので一概には言えないが、このように変化する可能性があるということを知っておく必要がある。短期的に使用する薬剤で考慮する必要性は低いと思われるが、タクロリムスなど厳格な血中濃度を管理する必要がある薬剤では注意が必要になってくるかもしれない。
  11. ・一つの施設からの報告なので統計的な有意差などはでないのですが ・こういう患者さんの嘔吐の原因はもちろん便秘下痢だけではないので、投与した後1時間以内に嘔吐してしまうと胃から排出されてないので患者もいるわけですけど ・ここで気付くのは2~3日という期間ですね。 ・グル音とは、腸の蠕動運動(ぜんどううんどう・腸や胃が食べ物の消化のためうねり動くこと)に伴って出るゴロゴロという音のこと。
  12. ・プロバイオティクス関連の話は出来ませんでした。 ・前提として病院などを外来受診される患者さん(調剤薬局、ドラッグストア)便秘下痢の場合はまず食事や運動などの生活習慣から入ることが第一だと思います。 ・外来患者さんですと軽い便秘下痢ですとなかなか自分から言い出しづらい患者さんもいると思うんですね。 ・そのあたりをうまく健康相談というかたちで介入してもらうと患者さんのQOLも上がるのではないかな ・ご清聴ありがとうございました