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  1. 1. 1 グローバル政治論・GP15 デモクラシーに挑戦する Ver.2023.01.12 福原正人 (nonxxxizm@icloud.com) 高崎経済大学・フェリス女学院大学非常勤講師
  2. 2. 2 「選挙権の剥奪」 「先日、受験頂いた<投票者資格テスト>の結果、あなた の選挙権が剥奪されることになりました。あなたは次回以 降のあらゆる国政選挙で投票が認められません。」
  3. 3. ・支配的な見解がある 「デモクラシーこそが私たちの価値ある政治制度だ」 ・支配的な見解に挑戦するひとはあんまりいない 「民主的である」 「良い」「正しい」 「非民主的」 「悪い」「正しくない」 デモクラシーとその支配的な見解
  4. 4. 4 講義テーマ デモクラシーに理論的に挑戦する ・支配的見解はそこまで堅牢であるのか? ・この根拠が支持できないなら、他にはどのようなオルタ ナティブがあるのか? ・それでもデモクラシーにコミットするなら、どの点を意 識して改革するべきなのか
  5. 5. なぜいまさらデモクラシーを考え直すの? 5
  6. 6. ・現代デモクラシーの歴史は浅い(1) 1788年 国政レベルの普通選挙(アメリカ) 1925年 日本での普通選挙開始、1945年 日本での女性の参政権 ・デモクラシーはどうも最近は人気がない アメリカやヨーロッパで若年層を中心にデモクラシーを採用する 国家で暮らすことは「決定的でない」と考えるひとが増えている →デモクラシーの<脱定着化>(2) 現代社会とデモクラシー 6
  7. 7. ・日本人の15%、与党支持者の3割が「民主主義は 大事じゃない」と思っている?(3) 7
  8. 8. Brennan, J. (2016). Against Democracy. Princeton University Press. (『アゲインスト・デモクラシー』勁草書房、2022年8月刊行) →デモクラシーに対して初めて体系的な挑戦をした研究 (a) リバタリアニズム ・個人の(経済的)自由を重視せよ ・国家の政治的権力には注意せよ (b) PPE(政治学、哲学、経済学)アプローチ ・望ましい政治制度は経験的なデータ を踏まえて検討されるべき J.ブレナンによる民主主義への挑戦 8
  9. 9. 9 J.ブレナンの問い ・今のアメリカにおいてデモクラシーが望ましいのか? ・デモクラシーが個人の自由にとって望ましいのか?
  10. 10. 市民であればどんな人でも政治に参加できる (a) 投票 みんなの選好(望んでいること)を集計する (b) 熟議 (4) みんなの意見を交換したり説得されたりする e.g. 議会のようなフォーマルな制度の他、インフォーマルな社会実践も含む →<平等な政治的権利>を保障する政治制度 こうした制度が個人の自由にとって望ましいのか? デモクラシーとは? 10
  11. 11. ホビット: 無知、無関心 e.g. 投票を棄権するひと、投票にはいちおう行くひと フーリガン: 偏った知識、熱狂 e.g. 政治に熱心に参加するひと、政党員、政治家 ヴァルカン: 合理性、冷静さ →ほとんど存在しない デモクラシーの実態は? ・経験的なデータを踏まえると民主的な社会は、ホビットとフー リガンから構成される ・ホビットとフーリガンに<平等な政治的権力>を保障しても、 個人の自由を保障するためには役に立たない 11
  12. 12. * 現代の選挙民における政治的情報の分布(…)の単純な真理 は、平均の低さと分散の大きさである * 少なくとも投票者の35%が「何もしらない」、非投票者はさ らにひどいと予測できる e.g. イギリスでEU離脱をめぐる国民投票 離脱派は、移民に対する児童手当を実際の額の40倍から100倍ほど多く見積もる →「政治的無知」とその合理性(5) ・個人の投票がもつ影響力はほぼない ・政治的無知(や投票棄権)は合理的である=<合理的無知> ホビット:政治的無知とその合理性 12
  13. 13. 13 ・まともな決定をするためには<知識>が必要 ・しかし<知識>がない ・よってまともな政治的決定を期待できない
  14. 14. 「多様性は能力を勝る(DTA)」定理 ・個人の知識は乏しい ・意見の多様性がある ・他人の意見に誠実に耳を傾ける →これらの条件を満たすとき、その集団は <集合知>として高い問題解決能力をもつ J. ランデモアによるデモクラシーの擁護 個人としての政治的知識は乏しいが、多様な意見をもった市 民が集まって意見を交換してゆけば、その熟議は個人の自由 を保障するために役に立つようになる(Landemore 2013)(6) 14
  15. 15. スポーツ・ファンと政治に詳しいひとの類似性 スポーツ・ファン: 一定の知識あり、応援にいく 政治に詳しいひと: 一定の知識あり、投票にいく →ファンの行動は(贔屓クラブや政党の勝利にとって)合理的でない では、この非合理性を乗り越えるものは? (1) 単純に自己満足、(2) コミュニティの存在 →この集団にはバイアス(偏った知識や判断)が発生しやすい(7) (a) 自分が所属している集団かそれ以外かで考えてしまう (b) 集団が良く見えるデータを重視して逆のデータを重視しない フーリガン:偏った知識とその非合理性 15
  16. 16. 16 ・集合知の成立のためには以下の条件を満たす必要 ーー意見の多様性がある ーー他人の意見に誠実に耳を傾ける ・この条件は満たさない ・よって集合知は成立しない やっぱりまともな政治的決定を期待できない
  17. 17. ブレナンは安易な解決案を退けている 「教育は大事」説: アメリカの教育レベルは明らかに上がっているが、政治 的無知は改善されていない 「政治参加は大事」説: ホビットをフーリガンにするだけでまともな決定を期 待できるわけではない 17
  18. 18. ではどのようなオルタナティブを提案するのか? 18
  19. 19. <知識>に基づく免許制とその不平等さ e.g. 裁判官、弁護士、医者は誰でもなれるわけではない ・法的決定や医学的判断は他者の人生に影響を与える場合がある ・こうした決定や判断には知識が要求される ・これらに関わる権利はその知識に応じて不平等に分配される →同じことが政治的決定に関わる権利も該当する 19
  20. 20. × <平等な>政治的権利 、○ <不平等な>政治的権利 →市民であればどんな人でも政治に参加できるというのは誤り (1) 試験により有能な投票者の「選別」 (政治・経済に関する基本的な知識) ・選挙免許制 ・複数投票制度 (2) 有能な投票者の「育成」(8) a. くじ引きで投票候補者 b. この候補者のみ一定期間の教育 「知者の支配(エピストクラシー)」 20
  21. 21. 21 まとめ(1) ・誰かに決定する権利を付与するときその<決定の 望ましさ>を期待している ・選挙民は無知なホビットか偏ったフーリガンである ・知者に決定する権利を認める政治制度は(デモク ラシーよりも)望ましい決定をする見込みが高い
  22. 22. エピストクラシーは本当に望ましい決定をするのか? 22
  23. 23. 23 J.ブレナンに対する批判 ・現在のエリートは社会のなかで恵まれた集団に 偏っていることからバイアスの可能性がある(9) ・よってエリートに望ましい決定は期待できない
  24. 24. 24 J.ブレナンからの応答 ・エリートにもバイアスはあるが、それでも平均的 な選挙民よりもマシである(10) ・仮にエリートに望ましい決定は期待できないとい う理由でこれを認めないなら、他の免許制もダメと いうことになる(11)
  25. 25. 25 まとめ(2) ・決定の望ましさ(=制度のパフォーマンス)だけ見れば、 支配的見解はそこまで堅牢ではない ・改めて「選挙権の剥奪」に戻ろう。あなたは神奈川県の判 断に納得するのか。できないなら、それはなぜなのか? ・それがデモクラシーを擁護するヒントになるかもしれない
  26. 26. ・道具的価値 →手段として価値がある 政治制度のパフォーマンスに注目する(×) ・非道具的価値 →それ自体として価値がある 政治制度内部のプロセスに注目する e.g.市民をエンパワーする(=自律) (△) 市民の意見や立場を平等に扱う (?) 平等な政治的権利とその価値 26
  27. 27. WWW.SITE2MAX.PRO PowerPoint & KeyNote Templates 27 nonxxxizm@icloud.com 質問はいつでもどうぞ

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