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Exercise therapy versus arthroscopic partial
meniscectomy for degenerative meniscal tear in
middle aged patients: randomised controlled trial
with two year follow-up
中年者の半月板変性断裂における
運動療法vs関節鏡下半月板部分切除の
RCT(2年follow-up)
*画像はイメージです
半月板とは
http://kotoseikeigeka.life.coocan.jp/12hangetuban.html
役割(大きく分けて2つ)
1)関節にかかる荷重、衝撃の吸収。
2)膝の安定性を確保する。
半月板断裂
①外傷性断裂
下腿が固定された状態で、大腿が捻られるようなスポーツ(バスケットボール、
サッカー、スキー等)や膝の側面を強く打撲した時に生じる。
②変性断裂
加齢などで半月板老化、水分・弾力性・柔軟性の低い状態で生じる。
外傷の記憶が無いほどのわずかな外傷でも断裂が生じる。
③その他(円板状半月板)
*成長過程で何らかの原因で半月板の吸収が阻害され、円板状半月板の状態が
持続することで生じる。
*新生児の半月板は円板状の型をしており、成長過程で半月板の一部が吸収され、三日月型の半月板が形成される
https://www.joa.or.jp/jp/public/sick/condition/meniscal_tear.html
半月板断裂の症状
急性の症状
ひねった際に、ボキッと音(しない場合もある)とともに違和感や疼痛を感じる。
ひざを伸ばすときに、ひっかかるような違和感がある(キャッチング)。
ひざがピンと伸ばせなくなる(ロッキング)。
階段を下りる際にがくんとひざが崩れる(ギビングウエイ)。
慢性の症状
関節炎を生じ、関節内に関節液や血が溜まって腫れる。
長期化すると大腿四頭筋の萎縮を招くこともある。
重症化する(半月板がめくれる)と、関節軟骨を傷つけ、変形性膝関節症を招くこともある。
激痛や可動域制限で歩けにくい、歩けない
半月板変性断裂
半月板は決して強い訳でなく、ひねったりすることで、
容易に傷がつくことがある。
傷がついた半月板のまま膝を使っていると、大腿骨や
脛骨の軟骨にも傷が広がり、徐々に膝が悪くなるため、
半月板に対する治療の多くは半月板部分切除術になる。
半月板変性断裂
損傷形態が小さければ縫合で治療可能だが、半月板は
外周付近にしか血行がありません。
血行がない場所が損傷した場合、自然治癒はほぼなく、
縫合も出来ません。
そのため、悪い部分を少し切り取る関節鏡下半月板部分
切除術が広く行われている。
https://rehatora.net/%E5%8D%8A%E6%9C%88%E6%9D%BF%E6%90%8D%E5%82%B7%E3%81%AE%E3%83%AA%E3%83%8F%E3%83%93%E3%83%AA%E6%B2%BB%E7%99%82%EF%BD%9C%E4%BF%9D%E5%AD
%98%E7%99%82%E6%B3%95%E3%81%A8%E6%89%8B%E8%A1%93%E7%99%82%E6%B3%95/
半月板変性断裂
切除した半月板は完全に回復することはないので、関節軟骨に
負担がかかりやすくなる。
半月板とは、膝のクッションであり、そのクッションを取れば、
膝関節の緩衝材は減少する。
人によって激しい運動ができなくなったり、歩きにくさは続くことが
ある。
半月板変性断裂
また若い時期に半月板部分切除を行うと、変形性膝関節症の
発症を早める可能性があると言われている。
たくさん歩いて軟骨がすり減る→関節裂隙が狭小
→骨が擦れ合う→骨棘が形成→変形性膝関節症
http://ameblo.jp/t-y-ki/entry-11476343325.html
http://www.kansetsu-itai.com/doctor/doc078.php
BACKGROUND
半月板変性断裂に対して西洋では、毎年100万人のうち
300人は関節鏡下半月板部分切除術を受けます。
デンマークでの手術率は2000年~2011年にかけて二倍
になりました。
しかし、関節鏡下半月板部分切除は有益性が低く、有害性
があるかもしれないとも考えられてます。
過去の研究では、変形性膝関節症に対しても関節鏡視下半月板
部分切除術を行っていたり、運動プログラムが不十分であったと
考えられました。
そこで今回の研究では、中年者の半月板変性断裂に対し、
運動療法と関節鏡下半月板部分切除の優越性を検討した
無作為試験が行われました。
BACKGROUND
METHODS
観察期間)
2009年10月~2012年9月
観察対象者)
ノルウェーのオスロ大学病院(2009年10月~2011年4月)、マルチナ・
ハンセン病院(2011年5月~2012年9月)の患者で評価対象者341人
から適格基準を満たす226例を登録した。
平均年齢49.5歳(35.7~59.9歳)
このうち適格条件でかつ参加可能な患者140例(運動療法群70例、
手術群70例)を解析対象とした。
METHODS
適格規準)
1)精神的外傷のない(一つの身体的なイベントから生じた突然の膝の
痛みの出現と定義される) 2ヶ月以上の片側の膝の痛み。
2)MRIで内側退行性の半月板変性断裂と診断されたもの。
3)Kellgren-Lawrence分類で最高でもグレード2に等しいX線像。
を確認されたもの。
METHODS
除外基準:115人
膝に痛みがない:24人
ひざの両面に痛みがある人:15人
身体的な活動を実行することができない:16人
ノルウェー語が話せない人:13人
kellgren-lawrence 分類でグレードがⅢ以上:11人
関節鏡視下の部分的な半月板切除術の適応ではない:7人
若すぎたり、高齢者すぎる人:5人
靱帯損傷:3人
精神的な痛み:3人
その他:1人
METHODS
その他の除外(今回の研究の適応だが除外した人):86人
今回の調査の参加を拒否した人:85人
運動療法を受けたくない人:52人
関節鏡視下の部分的な半月板切除術を受けたくない人:17人
アンケート調査(KOOS、SF)に参加したくない人:5人
調査施設までの距離が遠くて参加を拒否した人:11人
別の怪我が生じて参加拒否した人:1人
METHODS
関節鏡下半月板部分切除を行うグループ(以下、手術群) 70人と
手術をしないで12週間の運動療法を行うグループ70人
に無作為に分けました。
手術群は足取りが正常化するまで、手術後に2本の松葉杖を使うよう
に勧められました。松葉杖に関しては特に問題はありませんでした。

運動療法群には、運動療法について書面による口頭指示とその運動
療法を毎日2~4回行うことを奨励されました。
METHODS
Primary outcomes
・KOOS(膝損傷・変形膝関節症のアウトカムスコア)による
患者の報告(3、12、24ヶ月後に評価)
・A Biodex 6000 dynamometerによる筋力評価
(3、12ヶ月後に評価:静止した自転車で10分のウォームアップ
した後に筋力と下肢性能試験を行いました。)
KOOSは、ベースラインを基準として3ヶ月、12ヶ月、24ヶ月後の
変化で計算しました。
3ヶ月と12ヶ月では病院を受診した際に収集し、
24ヶ月後のフォローアップでは郵便で行われました。
METHODS
Secondary outcomes
・ホップ・テストによる筋力の評価(fig4)
・KOOSスコア(疼痛、他の症状、スポーツまたはレクリエーション機能、
日常生活機能、膝関連QOL)での、それぞれの平均スコア(fig5)
・SF-36による患者の報告(fig5)
この時のKOOSとSFは12ヶ月~24ヶ月の変化をもとに分析されている。
方法
http://innervate.exblog.jp/25954020/
METHODS
両群に大きな違いはありません
結果
KOOSにおいて、ベースラインから24ヶ月後のフォローアップまで両群間に差はありま
せんでした。
24ヶ月後におけるKOOSスコアの平均点は運動療法群で25.3ポイント(21.6~29.0)、
手術群で24.4ポイント(20.7~28.0)でありました。
KOOSスコアにおいて手術群81%と運動療法群80%は10.1ポイント以上改善されました。
fig2
A Biodex 6000 dynamometerによる筋力評価において、運動療法群では3ヵ月後に
おいて全ての筋力変数に大きな改善がありました。(P≤0.004)
また、peak torque flexion(Nm)、peak torque extension(Nm)、total work flexion(J)、
total work extension(J)のいずれも両群に優位差はありませんでした(いずれも95%信
頼区間は1をまたぐ)
結果
fig3
運動療法群では全ての筋力テストで12ヶ月のフォローアップで大きな改善
がありました。 (P < 0.03)
特にthe 6 m timed hop testにおいて運動療法群では3ヶ月後(P=0.02)と
12ヶ月後(P=0.04)に大きな改善がありました。
One leg hop test、Knee bends 30 secについて3ヶ月、12ヶ月後の評価では
両群に優位差はありませんでした
結果
fig4
KOOS
24ヶ月時点のKOOSにおける両群変化に、臨床的に意義のある差は認められなかった。
(KOOS:0.9ポイント、95%信頼区間[CI]:-4.3~6.1、p=0.72)
運動療法群は手術群よりSymptomにおいて5.3ポイントの統計差が見られました。
(95%信頼区間0.5~10.2;P=0.03)
SF-36における両群変化に、臨床的に意義のある差は認められなかった。
重篤な有害事象は、追跡期間中に両群とも報告されなかった。
なお、運動療法群に割り付けられた被験者のうち19%が、追跡期間3~16ヶ月(平均7.7ヶ月)の間
に手術を受けたが、付加的な改善は得られなかった。
結果
fig5
DISCCCATION
少なくとも2年という短期間では、半月板変性断裂に対する下腿の
筋力向上について、運動療法は関節鏡視下の半月板部分切除術
に対し、前向きな影響を示しました。
両群において2年後に臨床的な改善が報告されました。
KOOSスケールで測られるsymptomを除いて、患者の報告による
secondary outcomesは観察期間2年において両群の臨床的な違い
を認められませんでした。
運動療法群はsymptom(膝の腫脹、運動制限など)の改善が報告
されました。
DISCCCATION
KOOSの疼痛の評価において、手術群の方が運動療法群に対し、
3ヶ月後に8点、12ヵ月後に6点高い結果が報告されました。
12ヶ月後では、KOOSの膝関連ADLとスポーツとレクリエーションの機能
評価で、必ずしも手術群の方が良いという報告は出なかった。
しかし、これは観察対象期間が2年という短期間であり、これ以降の
変化については明らかにしていません。
LIMITATION
患者による医療効果評価(KOOS、SF)は、プラセボ効果の傾向がある。
外科的介入を非外科的介入と比較した臨床試験の解釈のため、客観
的な結果はプラセボの傾向があるかもしれない。
LIMITATION
今回は客観的な結果として筋力テストを用いた。
患者による医療効果評価(KOOSやSF-36)を使って評価される際に、
処置間の有意差を見つけなかったが、筋力においては運動療法群
では、3ヶ月と12ヶ月で大きな改善がみられた。
運動療法群では筋力がすぐに増加し、12ヶ月まで維持されたが、
手術群では3ヶ月の筋力の増加は12ヶ月の筋力と比較し少ないです。
運動療法では、この強化効果によって筋力が12ヶ月後まで維持される
と考えられます。
LIMITATION
この研究では、より若い人で、半月板の変性断裂や、スポーツなど
による外傷性断裂が起こった場合は対象とされていません。
そのため、同じ結果がそれらに当てはまるかどうかは分かりません。
一般的に、ここで対象とされたような場合に手術をするかどうかは、
症状などから判断されています。
判断に迷うような場合に、実際に試したデータが役に立ちます。
中年者の半月板変性断裂に対して、監督された運動療法は
関節鏡下半月板部分切除と比較し、少なくとも短期的には
下腿の筋力を向上させる前向きな影響を示しました。
中年者の半月板変性断裂に対して、関節鏡下半月板部分切除と
運動療法の効果は同程度という結果でした。
中年者の半月板変性断裂に対して運動療法を治療の選択肢と
奨励しなければなりません。
CONCLUSION

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2016.5.27 急性低酸素性呼吸不全における鼻カニューレによる高流量酸素療法
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2016.7.1 教育・情報・インセンティブによる、より安全な処方に関するトライアル
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2016.12.2 院内CPA患者に対する低体温療法
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28.8.19 急性腹症患者の画像診断戦略
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2016.7.15 高血圧患者と非高血圧患者における尿中ナトリウム排泄量と心血管イベントの関係4つのstudyのデータのプール解析
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2016.11.4 中年者の半月板変性断裂における運動療法vs関節鏡下半月板部分切除

Editor's Notes

  1. 大腿骨と脛骨の間にある膝関節として、半月板と呼ばれる軟骨があります。膝の内側と外側に1個ずつあり、内側のものはC字型をしており内側半月板と呼ばれています。外側のものは環状をしており外側半月板と呼ばれております。内側半月板の後側の部分が、一番大きく、幅1.4センチ厚さ4.3ミリほどあります。硬さは、少し硬めの消しゴムほどあります 
  2. https://www.joa.or.jp/jp/public/sick/condition/meniscal_tear.html 半月板断裂を生じるメカニズムは主に3つあります。 外傷性断裂 下腿が固定された状態で、大腿が捻られるようなスポーツ(バスケットボール、サッカー、スキー等)や膝の側面を強く打撲した時に生じる。 変性断裂 加齢などで半月板が老化、水分を失い、弾力性や柔軟性を失っている状態では、ほんの小さな外傷により断裂が生じます。 膝に疼痛を生じるような外傷の記憶が無い場合でも、断裂していることがあります 内側半月板の後側(後角部といいます)が複雑に切れている場合が多いです。 その他(円板状半月板) 新生児の半月板は円板状の型をしており、成長の過程で半月板の一部が吸収され、三日月型の半月板が形成される。この吸収の過程が、何らかの原因で阻害されると、円板状半月板の状態が持続し、6歳から8歳時に、膝を動かすとポキポキと音がしたり、膝の痛みや、引っかかり感が出現したりする(アメリカでは5%、日本では16%程→ライフスタイルの違いによる)
  3. http://ameblo.jp/t-y-ki/entry-11476343325.html http://www.kansetsu-itai.com/doctor/doc078.php
  4. 適格性のために評価される341人の患者から、226は資格がありました、そして、140(41%)は2つの治療群(70人の参加者と一緒の各々)にランダム化されました。 今回の調査対象基準に含まないもの(今回の研究の条件に合わず、除外する疾患など):115/340人 膝に痛みがない:24人、ひざの両面にある痛み:15人、身体的な活動を実行することができない:16人、ノルウェー語が話せない人:13人、チェルグレン・ローレンス骨関節炎など:11人、関節鏡視下の部分的な半月板切除術の適応ではない:7人 若すぎたり、高齢者すぎる人:5人、靱帯損傷:3人、精神的な痛み:3人 その他:1人 →341人中、これらの疾患は条件外のため、評価対象からはずしました。
  5. 96%において膝変形性関節症の明らかなX線所見は認められなかった。 ノルウェーの2つの公的整形外科病院と2つの理学療法クリニックおいて、MRIで内側半月板変形性断裂を確認された患者。 平均年齢49.5歳(35.7~59.9歳)の140例 関節鏡手術(半月板部分切除)を行うグループと 手術をしないで12週間の運動療法を行うグループ に無作為に分けました。 手術群は足取りが正常化するまで、手術後に2本の松葉杖を使うように勧められました。松葉杖に関しては特に問題はありませんでした。   運動療法群には、運動療法について書面による口頭指示とその運動療法を毎日2~4回行うことを奨励(しょうれい)されました。
  6. 除外基準(今回の研究の条件に合わず、除外する疾患など):115人 →341人中、これら115人を除外しました。 *Kellgren-Lawrenceの分類(←変形性膝関節症の分類) 日本だとグレードⅡ以上で変形性膝関節症と診断
  7. *Kellgren-Lawrenceの分類(←変形性膝関節症の分類) 日本だとグレードⅡ以上で変形性膝関節症と診断
  8. 精神的外傷のない(一つの身体的なイベントから生じた突然の膝の痛みの出現と定義される) 2ヵ月以上の片側の膝の痛み MRIによって確かめられる内側退行性の半月板変性断裂; そして、最高でも、Kellgren-Lawrence(チェルグレン-ローレンス)分類でグレード2に等しいX線像。 *Kellgren-Lawrenceの分類(←変形性膝関節症の分類) 日本だとグレードⅡ以上で変形性膝関節症と診断
  9. 今回の対象となった患者の特徴です
  10. Figure2を見てください。この表は運動療法群と手術群における3ヶ月後、12ヶ月後、24ヶ月後におけるKOOSスコアの違いを表しています。 3カ月後と2年後においては両郡に大きな違いはありませんでした。 1年後においてすごい改善は、 2年後において、運動療法群では25.3ポイント(21.6~29.0)であり、手術群では24.4ポイント(20.7~28.0)でした。 グラフで見ると、12ヶ月の時点では関節鏡下の部分的な半月板切除のスコアが僅かに優位ですが、その後はプラトーとなります。 一方、運動療法は3ヶ月から24ヶ月にかけて、1ヶ月当たり平均2ポイント上昇しています。 なお、この研究は“intention to treat analysis”で評価しており、運動療法群の患者の19%が、2年間のフォローアップ中に手術に移行しました。 主要な患者による医療効果評価: ひざ損傷と結果サブスケール(KOOS4)の平均スコアの変化の治療する意図に基づく解析は痛み、徴候、スポーツの機能とレクリエーションのために得点します、そして、ベースラインから3ヵ月、12ヵ月と2年のフォローアップまで、ひざは運動治療グループと関節鏡の部分的な半月板切除術グループで生活の質を関連させました。ひげは、95%の信頼区間を代表します
  11. http://nakajima-bonesetter.com/blog/post-1979 Figure3を見てください。A Biodex 6000 dynamometerによる筋力評価を表しています。 運動療法群では3ヵ月後において全ての筋力変数に大きな改善がありました。(P≤0.004)(fig3)
  12. https://www.youtube.com/watch?v=QBppGOIb3iI Fig4はhop testによる下肢の運動機能を評価しています。 運動療法群では全ての筋力テストにおいて大きな改善が12ヵ月のフォローアップ(P < 0.03)でありました。  Hop test は高価なオープンキネティック(OKC)の機械の様な高度な解析は出来ないものの,クローズキネ ティック(CKC)の状態で計測出来るため,本来の運動動作の特異性をより反映した実用的なテストであると 言える
  13. KOOSスコア 2年時点のKOOS4スコアにおける両群変化に、臨床的に意義のある差は認められなかった。 (0.9ポイント、95%信頼区間[CI]:-4.3~6.1、p=0.72) 運動療法群におけるKOOSの平均スコアはそれぞれ 痛み7.4点、症状8.4点、ADL4.1点、スポーツとレクリエーション機能10.9点、膝におけるQOL13.6点でした。 健康関連QOL(SF-8)の身体的サマリースコア(Physical component summary;PCS)と精神的サマリースコア(Mental component summary;MCS) 3ヶ月時点の評価では、運動療法群の筋力の有意な改善が認められた。(p=0.004) 運動療法群は手術群よりSymptomにおいて5.3ポイントの有意差が見られました。(95%信頼区間0.5~10.2;P=0.03) 重篤な有害事象は、追跡期間中に両群とも報告されなかった。 なお、運動療法群に割り付けられた被験者のうち19%が、追跡3~16ヶ月(平均7.7ヶ月)に手術を受けたが、付加的な利益は得られなかった。 重篤な有害事象は、追跡期間中に両群とも報告されなかった。 なお、運動療法群に割り付けられた被験者のうち19%が、追跡3~16ヶ月(平均7.7ヶ月)に手術を受けたが、付加的な利益は得られなかった。
  14. 運動療法とは具体的に何?
  15. 運動療法とは具体的に何?
  16. 運動療法とは具体的に何?
  17. 運動療法とは具体的に何?