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Y Combinator 創業者 Paul Graham からのスタートアップへのアドバイス(スタートアップが迷った時に読む Paul Graham からのアドバイス)

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スタートアップが迷った時に読む Paul Graham からのアドバイス集です。これまでのエッセイをトピック別にまとめ、アドバイスを抽出しました。

Y Combinator のプログラムを通して、数百社のスタートアップに対して アドバイスを続け、Y Combinator が他アクセラレーターとは別格のスタートアップを続々と輩出してこれたのは、おそらく Paul Graham のスタートアップへのアドバイスが的確だったからだろう、と思っています。なので日本でも Paul Graham のエッセイにアクセスしやすくなれば、スタートアップの皆さんの架空の相談先の一つとして役立つのではないか、と思いまとめた次第です。

併読して役立つであろうスタンフォード大学の How to Start a Startup のサマリーは以下においています。
http://www.slideshare.net/takaumada/how-to-start-a-startup-42996994

Publicado en: Tecnología
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Y Combinator 創業者 Paul Graham からのスタートアップへのアドバイス(スタートアップが迷った時に読む Paul Graham からのアドバイス)

  1. 1. 世界最高のスタートアップ メンター Paul Graham、珠玉のアドバイス集 スタートアップが迷った時に読む Paul Graham からのアドバイス Takaaki Umada, Microsoft Ventures January 12th, 2015 https://medium.com/@tumada/ / tumada@microsoft.com Summary of Paul Graham Essays 1
  2. 2. Y Combinatorのパートナーと若い起業家の会話の多くは 「どうすれば…?」 という質問で始まり、 そしてパートナーは 「ただ (just) ... をしよう」 と答えます。 http://www.paulgraham.com/before.html 2 So many of the conversations YC partners have with young founders begin with the founder asking "How do we..." and the partner replying "Just...“
  3. 3. 本ドキュメントの目的 本ドキュメントは、スタートアップの経営陣が何かに悩んだときに、Paul Graham からの アドバイスを素早く参照する目的で作られました • 背景:Microsoft Ventures 支援先スタートアップからたくさんの相談が寄せられますが、相談されるトピック には類似の傾向があります。また詳細な内容は個別で違えど、大きな回答の方向性はおおよそ同じで、ほとん どのケースで Paul Graham のアドバイスが役に立ちます • より詳細なアドバイスを求めるときは我々を含む近くの方々に相談するほうが良いですが、近くの人に相 談する前に代表的なアドバイスを知って考えておけば、より効果的な相談が可能になります • アドバイスの代表性を担保するうえで、700 人以上の創業者を輩出し、各アクセラレーターの中で最も実 績を出している Y Combinator 創設者の Paul Graham のアドバイスが、現時点での最も有効かつ一般的な アドバイスであると判断しました • Paul Graham のアドバイスの多くは抽象的なので実効性はありませんが、だからこそ自分たちでよくその 意味を考えることで、様々なケースに対応できると思います。 • 本ドキュメントの対象は、シード ~ アーリー期のスタートアップの創業者です • Paul Graham 以外の参考文献を挙げているので、そちらも参照してください • 個別により詳細なアドバイスが欲しいときは適宜ご相談ください 悩んでいるトピック見る → 気になったらエッセイを読む、という進め方がお勧めです これまで Paul Graham の Essay を翻訳してきた、多くの訳者の方々の貢献に感謝致します 3 Objectives
  4. 4. 4 Why Paul Graham Photo by Dave Thomas, released under the Attribution Creative Commons license, from http://www.paulgraham.com/bio.html
  5. 5. 世界で最も効果を上げてきた Paul Graham のアドバイスから得られるもの 5 なぜ Paul Graham からのアドバイスが必要なのか? Efficient 世界で最も有効な アドバイスを得る Speed 経営の速度を上げる Encourage 勇気づけられる 700 以上の創業者と多くのス タートアップを輩出し、世界で 最大の業績を上げている Y Combinator の創業者(=最 も多くのスタートアップを知る 人)である Paul Graham の効果 的なアドバイスを知ることがで きる スタートアップ業界のスタン ダードともいえるアドバイスや 理論を知ることで、個別のケー スに合わせた経営判断を早める ことができる 世界で最も成果を上げてきた Paul Graham のアドバイスに従 うことで、自分たちの判断がお そらく間違っていないであろう と勇気づけられる
  6. 6. 今回カバーするのはスタートアップの方向性、人、お金、仕事の仕方に関するトピック 6 Startup, People, Money and Work Startup Direction 方向性 People 人 Money お金 Work 仕事
  7. 7. カバーする 15 のトピック スタートアップの方向性に迷ったときに • 原則 • アイデア • 解決すべき課題 • 成長率 • 製品開発 人間関係に迷ったときに • 共同創業者 • 採用 お金のことに迷ったときに • 資金繰り • 資金調達 • 投資家 • 投資家へのピッチ 仕事の仕方に迷ったときに • 決定 • 仕事 • 失敗 • メンタル 7 Agenda (Detail)
  8. 8. 良いニュースは、 多くの成功したスタートアップも (破産に近い)臨死体験をして そしてその後花開いたということだ http://paulgraham.com/pinch.html 8 The good news is, plenty of successful startups have passed through near-death experiences and gone on to flourish.
  9. 9. 9 Startup スタートアップの方向性に迷ったときに
  10. 10. Make Something People Want Paul Graham Essay • Do Things that Don‘t Scale (訳: POSTD さん) • Startups in 13 Sentences (訳: lionfan さん) • Why Smart People Have Bad Ideas (訳: lionfan さん) • How not to Die (訳: Yasushi Aoki さん) Other Recommendations • Lean Startup • How to Win Friends & Influence People 10 Principle 原則
  11. 11. 人々の欲しいと思うものを作ろう Make something people want 「人々の欲しいと思うものを作ろう」 • スタートアップにとって一番難しいのは、人々の欲しいと思うものを作れるかどうかである(二番目は資金調達)。 • 人々の欲しいと思うものを作れるまで、粘り強くかつ素早くローンチを繰り返し、諦めないこと Understand your users「ユーザーを知ろう」 • ユーザーのことを知っていれば、状況が最悪になっても士気を保てるし、製品を愛してくれるユーザーが10人いるだけで仕事 を続けることができる • ユーザーを知るためには Do things that don’t scale – スケールしないことをしよう。そうすれば顧客に対して驚くほど良い サービスを提供できるし、顧客のことをよりよく知ることができる。少数のユーザーに愛されるほうが、多くの人に好かれる よりもよっぽど良い。 Startup = Growth「スタートアップ=成長」 • スタートアップとは、新しく設立された企業ではなく、テクノロジー分野での起業でもない。上場や M&A がスタートアップ ではない。スタートアップに必要不可欠なことは「成長」だ。他のすべてのことは成長を達成するための要素にしか過ぎない。 • 進む方向を間違えたら、決して成功しない。成長を追求することを忘れないこと。成長を追いかければ、他のこともうまくい く。迷ったときは、成長するかどうかをコンパスにすればいい。すべての意思決定で成長するかどうかを判断基準にしよう。 Bad shit is coming「ひどいことは起こる」 • 酷いことは起こる。それはスタートアップの常だ。災難に見舞われないスタートアップはいない。だからといって、それでや る気をなくさないようにしよう。やる気を失えばスタートアップは死ぬ。死ななければいずれは成功する。 11 Principles – 原則
  12. 12. The Best Ideas Look Initially Like Bad Ideas Paul Graham Essay • How to Get Startup Ideas • Black Swan Farming (訳: lionfan さん) • Frighteningly Ambitious Startup Ideas (訳: Yasushi Aoki さん) • Organic Startup Ideas (訳: lionfan さん) • Why Smart People Have Bad Ideas (訳: lionfan さん) • The Top Idea in Your Mind (訳: lionfan さん) Other Recommendations • Zero to One • Welcome, and Ideas, Products, Teams and Execution Part I (CS183B) 12 Idea アイデア
  13. 13. 良いアイデアは最初バカげたものに見える 良いアイデアは最初バカげたものに見える(秘密を知る、ブラックスワン) • 成功した創業者は「他の人が気づいていない問題」を知っている。そして「自分が欲しいと思っており」「自分が作り出すこ とができ」「ほとんどの人がそれに価値があると認識していない」アイデアが最善であると言える。 • 技術に強い人はそれだけでアイデアという点でリードしていると言ってよい。なぜなら技術の進歩は速く、過去には実現不可 能なアイデアが誰にも気づかれないうちに解決可能になっていることがあるから。若者にも同じアドバンテージがある。 • ただし誰かが望んでいるものを作ること。誰もほしがらないものを作ってはいけない。ただし製品をリリースする前に誰かに 製品が欲しいかと聞いても意味がないので、早くローンチしよう。そのとき、製品を大好きになってくれる少数の人たちから 始めること。粗末なバージョン 1.0 のものでも、どうしても使いたいと思ってもらえるものを作ろう。多数のまあまあ好きな ユーザーよりも、よっぽど良いフィードバックをしてくれる。 柔軟でいよう • ユーザーと対話してフィードバックをもらおう。そしてユーザーとの対話から利益を得たいのなら、アイデアを変更しても良 いと思う必要がある。素早く繰り返してアイデアを変えられる程度に柔軟であり続けよう。 大きな問題に取り組みたいなら、正面攻撃を避けよう • 小さなマーケットから始めよう。数億人が使う Web サイトを作りたいのなら、Harvard の学生が使うストーキングサイトを作 ればいい。コンピュータの OS を寡占したいのなら、数千人の使うマシンのための Basic インタプリタを作ることだ。 • ただし競争を避けるあまり、小さなニッチマーケットを選ばないようにすること。いいものを作ろうとすれば、競合は出てく るだろうが、それを避けずに向き合うことが重要。競争を避けると、いいアイデアを避けることになってしまう。 • 優れたテクノロジーで勝負するなら、小さな顧客のほうが良い。営業力では大企業に勝てないし、テクノロジーの世界では、 常にローエンドがハイエンドを食っている。安価な製品を強力にしていこう。たとえば中くらいのサイズの非テクノロジー企 業で、彼らがコンピュータを使って何をやっているか2週間ほど観察してみるとよい。 13 Idea – アイデア
  14. 14. Live In the future Paul Graham Essay • The 18 Mistakes That Kill Startups (訳: Yasushi Aoki さん) • Before the Startup (訳: Shiro さん) Other Recommendations • Physics of the Future • Requests for Startups • The Innovator’s Dilemma 14 Problem 解決すべき課題
  15. 15. 未来に生きよう 解決すべき最良の問題は、自分が個人的に抱えている問題 • Google はオンラインで情報を欲しかったから生まれたし、Apple はコンピュータが欲しかったから生まれた。模倣のアイデア を避けよう。それは誰かの問題だ。自分の直接的な体験から始めたほうがずっと良い。だから「アイデアが起業に足るか?」 を考えるより、単に自分が問題だと思った点を修正しよう。そうすることで最終的に多くの人が欲しがるものが作れる。 未来に生き、未来に欠けているものを作る。問題は考えるのではなく、気付くものだ • 未来を生き、欠けているものを作ればいい。起業のアイデアは「考える」のではなく「気づく」ものなのだ。Y Combinator で は創業者の経験から出てくるアイデアを重要視している。 • 問題は考えるものではなく、気づくものだ。今ある非効率的なものに気づけば、それは問題となりうる。それに気づくには、 未来を生き、未来に欠けているものを作ればいい。そうした中で、対応可能な未知のニーズに気づけたら、それは金鉱と同様 だ。金を掘り出すために一所懸命に働く必要はあるが、どこを掘ればいいか分かっていることが金鉱では最も重要だと言える。 • たとえば仮にいま大企業で働いていれば、仕事をしている中で「誰かが○を作ってくれればお金を払うのに」という問題を思 いつけば、それが良いプロダクトのアイデアになる。 顧客を観察する • YC のパートナーの Blackwell の起業のレシピでは「お金を持っている人々の使い方を観察し、何に時間を使っているかを見て、 解決策を見つけ出し、彼らに売りつけること。利益を生む解決策は驚くほど小さく、まだ手つかずだ」とまとめている。 15 Problem – 解決すべき課題
  16. 16. What growth rate successful startups tend to have Paul Graham Essay • Startup = Growth (訳: innova さん) Other Recommendations • Traction • Hooked • Startup Growth Engines • Growth (CS183B) 16 Growth 成長率
  17. 17. 成功するスタートアップはどのような成長率で伸びているのかを問おう 正しく成長しているのか • 大きく成長するには、大勢の人々が欲しがり、かつ欲しい人全員に届ける必要がある。ソフトウェアは届ける能力に秀でてい るが、大勢の人々が欲しがるものを作れるかの制約は残る。ソフトウェア企業が成長するには、前者に注力しよう。 • 初期の段階は成長しないことがある。だが人が欲しがる製品を作って届ける方法を見つければ、急速な成長が始まる。このう ち、スタートアップと呼ばれるフェーズは急成長のフェーズであり、それは獲得した顧客の絶対数ではなく、既存の顧客数に 対する新規の顧客の割合で測られる。 • スタートアップの立ち上げとは最適化の問題だ。焦点を絞ることで効率的になる。成長率に焦点を当てれば、スタートアップ が取り組まないといけない様々な問題を考える必要がなくなる。だからスタートアップは成長率に最適化していこう。 • 正しく進んでいるかどうかを確認するには、「どのくらいの成長率があれば、スタートアップと言えるのか」ではなく「成功 するスタートアップは、どのような成長率で伸びているのか」を問う。 Y Combinator では週次の成長率を計測しており、良 い成長率は週 5 – 7%。10% を達成すれば非常に好調と言える。 • 成長率の測定は売り上げの成長率を見るのが良い。課金をしないのならアクティブなユーザー数で測る。ユーザー数がのちの 売り上げの指標となるから。 成長を追い求めれば成功する • 成長を目標にすれば、次第に最適化されてくるし、新しいアイデアを持つこともできる。成長だけを追い求めるのは問題が起 きるかもしれないと思うかもしれない。けれど、毎週の成長率を達成することこそが、創業者を行動させる。そして行動を起 こすことが成功につながる。だから迷ったときは成長を指標にすること。成長率をコンパスにしてあらゆる判断を行う。 • CEO や CTO の役割は 6 – 12 か月ごとに完全に変わる。プログラムを書く時間が半分になり、社員のさまざまな動機に対応す る必要が出てくるだろう。気構えを持とう。そしていったん成長の軌道に乗れば、ストレスははるかに減る可能性がある。 17 Growth – 成長率
  18. 18. Start With Something Minimal Paul Graham Essay • The Other Half of “Artists Ship” (訳: lionfan さん) • Six Principles for Making New Things (訳: lionfan さん) Other Recommendations • Running Lean • How to Build Products Users Love (CS183B) 18 Product Development 製品開発
  19. 19. 最小のものから始める 素早くローンチし、ユーザーと話し、改良してローンチを繰り返す • リリースして、現実のユーザーとの対話が始まってから本当の学びが始まる。 • 最初のバージョンはシンプルかつ最小のものから始める。プライドのせいで改良の余地のあるものをリリースしたがらないが、 最初のバージョンをリリースしてから本格的な学びが始まる。自分がリリースしたものが恥ずかしくないなら、リリースが遅 すぎるということを肝に銘じよう。ただしローンチは早すぎてもいけない。それ自体有用であって、徐々にプロジェクト全体 へと拡大していけるようなコアを見つけて、その部分だけをリリースすること ユーザーとエンゲージしろ • 商品開発とは、リリースしてから本当に始まるユーザとの対話だ。そしてユーザーとの対話から利益を得たいなら、アイデア を変更する必要が出てくる。起業時のアイデアは青写真ではなく仮説だ。その時に最高だと思えることをなんでもしよう。 • ユーザの獲得は大変だ。製品がユーザにリーチできていないだけなのか、単に製品が悪いせいなのか、どちらかわかりづらい からだ。よい製品でさえユーザ数が減る場合がある。ユーザが何を求めているかのデータを収集する方法や、ユーザーに近づ くための情報が知りたいのなら、周りのアドバイザーに相談しよう。彼らは知恵を持っていることが多い。 絶えず出荷をすることがエンジニアをエンジニアであり続けさせる • 「本物の芸術家は出荷する」という Steve Jobs の格言は、単に芸術家が出荷しているというだけではなく、芸術家は出荷をし たがっているということでもある。だから出荷をさせなければ、芸術家はいなくなる。エンジニアにはコードをすぐにリリー スさせて、常にエンジニアであり続けさせることが重要だ。 • 既存の技術の周辺には拡張できる場所がたくさんある。何を最初に作るべきか、という問いが最も重要で、どの製品を作るか については、「その製品を作るのにどれぐらいの時間がかかるか」「ユーザはその製品のレベルの高さにどれくらい興奮する か」で何かを選ぶ。一度リリースが終わったら、ユーザーの獲得や売り込みの基本路線について話そう。 19 Product Development – 製品開発
  20. 20. 20 People 人間関係に迷ったときに
  21. 21. The Success of a Startup is Almost Always A Function of Its Founders Paul Graham Essay • What We Looks in Founders (訳: Yasushi Aoki さん) • What Happens at Y Combinator (訳: lionfan さん) • Startup FAQ (訳: lionfan さん) • What Startups Are Really Like (訳: lionfan さん) • The 18 Mistakes That Kill Startups (訳: Yasushi Aoki さん) Other Recommendations • The Founder’s Dilemma • Hatching Twitter • Ideas, Products, Teams and Execution Part II (CS183B) 21 Co-founders 共同創業者
  22. 22. スタートアップの成功はほとんどいつも創業者たちの働きのおかげだ 共同創業者は必要だ、けれど選ぶのは慎重に • スタートアップにおける共同創業者は、不動産でいう立地条件に等しい。立地条件と同様に共同創業者を変えるのは難しい。 そしてスタートアップの成功は、創業者たちの働きに依存する。そして、通常、一人での創業は厳しすぎてうまくいかない。 特に最悪のときに元気づけてくれる同僚が必要だ。共同創業者は必要だが、変更はきかない。慎重に選ぼう。 • 共同創業者は、能力ではなく性格と熱心さで選ぶこと。特に失敗する理由は、性格と熱意の不足にある。できれば1年以上の人 間関係ができている人と創業しよう。それでも創業後の関係維持には苦労する。共同創業は友情ではなく結婚に近い。スター トアップは共同創業者間の子供である。 • 技術的なスタートアップにビジネスの得意な共同創業者が必要かと言うと、場合による。ただチームに一人は、顧客を理解し、 顧客が何を望んでいるかということに喜んでフォーカスできる人間が一人は必要だ。それはもちろんビジネス側の人間である 必要はなく、プログラマであってもよい。 手伝わなくても大丈夫な創業者チーム • Y Combinator では、「見込みがあるチーム」と「見込みがないチーム」と「見込みのないアイデアにはまった、見込みのある チーム」に分かれる。Y Combinator に採用するのは、1 番目と 3 番目のケースである。 • 成功するスタートアップは「彼らは手伝わなくても大丈夫だ」と思われる。「本当に賢い」とか「素晴らしいアイデアの持ち 主だ」と評されるのではない。つまり成功する根拠となる気質は、精神力、適応力、決断力などが挙げられる。チームとして そのような気質を持つ共同創業者を選ぼう。 喧嘩は必ず起こる • 最高のスタートアップチームですら喧嘩をする。みなが思うよりも喧嘩は多い。喧嘩が起きたときはアドバイザーに相談しよ う。きっと同じような状況を何度も見ているので、うまく仲裁してくれるはずだ。 22 Co-founders
  23. 23. Could You Describe The Person As An Animal? Paul Graham Essay • A New Venture Animal (訳: lionfan さん) • The 18 Mistakes That Kill Startups (訳: Yasushi Aoki さん) • How to Start a Startup (訳: Yasushi Aoki さん) Other Recommendations • How Google Works • Slicing Pie • Culture (CS183B) 23 Hiring 採用
  24. 24. その人を動物に例えられるか? 採用は十分な検討の上で行うこと • 採用を行うことで余計な業務が発生し、短期的に成長率を悪化させることがある。また人を増やさずに成長率を達成し続ける 方法があるのであればそうしよう。 • 採用に関する一般的な提案は、避けられる限りは採用せず、サラリーよりも株式で払う(献身的なタイプの人が集まる)、そ してコードを書く人か外に出てユーザーを獲得する人だけを雇う、ということだ。最初必要となるのはその人たちだけだ。 誰を雇うかを決めるアニマルテスト:「その人を動物に例えられるか?」 • スタートアップにとっての優れた人は、動物のように脅迫的に仕事をする。度が過ぎて真剣で、一度始めたら仕事を止めない。 営業なら商談を成立させるまで帰ってこないし、ハッカーであればコードにバグが残った状態でベッドへ行くくらいなら、朝 まで起きているような人が動物であると言える。デザイナーなら、2ミリずれていると肉体的苦痛を感じるような人が好ましい。 • 雇う人が動物的であるかどうか、を問おう。頭が良くても、動物的でなければスタートアップには向いていない。 出来の悪いプログラマを雇わない • プログラマはアニマルテストのほかに、「純粋に頭がいいか」そうであるなら「物事を成し遂げるか」、そして最後に「一緒 にいて耐えられるか」をテストしよう。態度が大きな人間は、頭がいいわけではないケースが多いので、おおよそ最初のテス トで落ちる(頭のいい人間は自分の頭が良いと見せかけようとしない)。 • そして優れたプログラマはビジネス屋の言われたままのことを実装する、という仕事はやりたがらないと肝に銘じよう。 24 Hiring – 採用
  25. 25. 25 Money お金のことに迷ったときに
  26. 26. Ramen Profitable Paul Graham Essay • Ramen Profitable (訳: lionfan さん) • A Fundraising Survival Guide (訳: lionfan さん) • The Fatal Pinch Other Recommendations • How to Raise Money (CS183B) 26 Cash Flow 資金繰り
  27. 27. 日々の生活費を稼げればすべてが変わる ラーメン代を稼げば資金調達のやり方が変わる • 日々の生活費(最低食費のインスタントラーメンを毎日食べられる程度の収益)を稼ごう。そうすれば生き残るための資金調 達が必要なくなり、創業者と投資家の関係性は一変する。投資家に強く出れるようになるし、もとより投資家も自分たちの投 資が必要のないスタートアップが好きなのだ。ラーメン代を稼いでいれば、起業家たちにお金を払ってくれる顧客がいて、 人々が望むものを作っており、コストを意識しているということが投資家たちにも伝わる。それはこのスタートアップがお金 を儲けようとしている姿勢を投資家たちに示している。 • またラーメン代を稼げるようになれば、士気が上がる。だんだん自分の生活費を稼いでいる気になり、企業になったと感じ始 める。自分たちの生活費を稼げるようになるのが、その重要な分岐点で、その時点から倒産ではなく存続がデフォルトになる。 • 何より、資金を調達する必要がなければ、資金調達のために仕事を中断しなくて済む。資金調達中の仕事の中断はスタート アップにとっては致命的になりうるので、常に「この資金調達が最後の資金調達だ」と思うようにしよう。 支出を落とそう • 資金難になった時には、たいてい人を削るしかない。人を首にするにはハードであるが、今がその時だと思うしかない。全員 のサラリーを減らすことは得策ではない。 (もしそれが適切であれば)コンサルティングになれるようにしておく • コンサルティングをすれば、ラーメン代を稼ぐことはできる。けれどコンサルティングはスケールしない。月 3,000 ドルのコ ンサル会社になるのは簡単で、急場はしのげるだろうが、それは安売りする契約するプログラマとなることと同義だ。それに 受託やコンサルティングは本来苦手な部分をやらされるケースもある。 • ただしコンサルティングに良い面もある。ユーザーをより深く理解できる。またソフトウェ販売では捕まえられない顧客を、 コンサルティングであれば捕まえることができるかもしれない。 27 Cash Flow – 資金繰り
  28. 28. Paradoxically, Fundraising is This Type of Distraction Paul Graham Essay • A Fundraising Survival Guide (訳: lionfan さん) • The Equity Equation (訳: lionfan さん) • How to Raise Money (訳: Gengo さん) • The New Funding Landscape (訳: Hiro Senaga さん) • The Future of Startup Funding (訳: lionfan さん) • Startups in 13 Sentences (訳: lionfan さん) Other Recommendations • Venture Deals • 起業のファイナンス • 起業のエクイティファイナンス • Startup Innovators 28 Fundraising 資金調達
  29. 29. 資金調達は道草である 資金調達はスタートアップにとって妨害である:それでも資金調達は必要だが • 資金調達が必要なのは、生き続けるためか、急成長をするためだ。スタートアップは十分な顧客や収益をすぐに生まず、時間 がかかる。そしてどれぐらいの時間がかかるかは、やってみないと分からない。資金調達をしないとスタートアップは大成功 はしないが、けれどスタートアップにとって資金調達は脇道である。 • 資金調達期間は驚くほどにそれ以外のことが進まなくなる。下手をすると数か月仕事が止まる。資金調達は誰か一人専任でア サインして、他の人はプロダクトに集中しておくべきだ。会社のリソースが減るが、それでもこれが最善の手と言える。 • 資金調達すべきタイミングは、急成長するために資金が必要で、かつ急成長のポテンシャルがあるときにのみすべきだ。 • 資金調達モードに入っていないのであれば、投資家とのミーティングは避けよう。依頼があっても丁重にお断りするべきだ。 • 資金調達モードに入るのなら、できるだけ短期間で終わらせるよう心掛けること。さっさと終わらせて仕事に戻ろう。長期間 減速してしまうのはスタートアップにとって最悪の事態だし、スタートアップは資金不足なので、交渉が遅れればスタート アップが譲歩することが多くなる。投資家が興味を持っているなら、投資家を座らせず、熱意のある状態で小切手を書かせる。 • 投資を受けるかどうかの判断は、 1/(1 – n) の方程式で考えること。手放したもの (n) により企業価値が大きくなればいい。 調達したお金を使わないこと • 大きな金額で急成長を目論み、多くの顧客を得ようとすると、多くの人を早く雇い入れることにつながる。一番のお金の使い どころは人を雇うところだが、ただしそれは一般的に良い手ではない。資金調達した資金のベストな使い方は、お金を使わな いこと。Burn Rate を下げよう。 • それに大きな資金を使うのに忙しくなりすぎてはいけない。顧客が本当に欲しいものを作ることにフォーカスするべきだ。 資金調達にあまり期待するな • 資金調達は期待するよりはるかに困難であり、スタートアップに失望を生む。失望はスタートアップを殺すだろう。 29 Fundraising
  30. 30. VCs were jerks. How could it be otherwise? Paul Graham Essay • A Unified Theory of VC Suckage (訳: lionfan さん) • High Resolution Fundraising (訳: lionfan さん) • The Future of Startup Funding (訳: lionfan さん) • A Fundraising Survival Guide (訳: lionfan さん) • Startup = Growth (訳: innova さん) • Investor Herd Dynamics • How to Fund a Startup (訳: Hisashi Morita さん) Other Recommendations • Mastering the VC Game 30 Investor 投資家
  31. 31. VC は嫌な奴だ。でもしょうがない 投資家の仕組みを知ろう:彼らがなぜ臆病で悪徳なのかが分かるから • 投資家は無能なのが普通だ。投資家は自分たちの理解していないものに対して決定を迫られ、そしてしばしば間違う。理解し ていないことに対して決断をしなければならないので、投資家は臆病になり、起業家を振り回すことすらある。 • VC が臆病なのは主に給与体系のせいだと言える。VC では通常、ファンドの 2% を年間の運営費(ベースの給与)として取り、 利益の 20% をインセンティブとしてもらう。1人では多くの取引を管理できないから、それぞれの取引は大きくならざるを得 ない(巨額の資金は時にはスタートアップにとって悪いことですらあるというのに)。そのため臆病にならざるをえないし、 悪徳に行動せざるをえない。また投資家にとって、事実上すべてのリターンはわずかな企業から来ており、他のスタートアッ プはコストとなることを起業家側も知っておこう。 • 新米と二流の VC を避けよう。新米は怖く見えないが神経質で危険かもしれない。新米の投資家から資金を得たいなら、主導 権をこちらで握るか、他の投資家が主導権を持っているラウンドの一部に使おう。二流の VC には通常一流の VC を断られた案 件しか来ず、自分より優秀な創業者と働かなければいけないケースが多い。選べるなら、極力二流は避けるべきだろう。 • 投資家は「他の投資家が投資している」という事実に最も大きな影響を受ける。資金調達の交渉中、VC に他の交渉している VC のことを聞かれても答えないようにしよう。エンジェルは協調して、VC は徒党を組んで企業価値を低く見積もるときがあ る。それに「他の投資家が投資している」という性質がある以上、最初の投資家の説得はつらいが、二人目以降は簡単だ。 創業者は投資家を管理する必要がある • スタートアップが投資家を必要としているのと同様に、投資家もまたスタートアップを必要としている。ファンドのリターン を生むために、特に成功しそうなスタートアップに投資をする必要がある。 • 投資家は有用な洞察を持っているかもしれないので、無視すべきではない。ただし牛耳られないようにスタートアップ側が管 理する必要がある。最近はシリーズ A 後もスタートアップの経営権をスタートアップ側が持つことが普通だ。 31 Investor – 投資家
  32. 32. Convincing the Hot Investors is The Best Way To Convince The Lukewarm Ones Paul Graham Essay • How to Present to Investors (訳: lionfan さん) • A Fundraising Survival Guide (訳: lionfan さん) Other Recommendations • Pitch Anything • Made to Stick • Sequoia Capital – Writing a Business Plan • How to Talk to Investors (CS183B) 32 Pitch to Investors 投資家へのピッチ
  33. 33. 熱心な投資家を説得することが、あまり熱心ではない投資家を説得するための最良の方法である 「自分たちが何をしているかを説明する」ことと「なぜユーザがそれを望むかを説明す る」ことの 2 点を達成することに絞る • 漠然とした説明より限定した説明のほうを選ぶ。何でもできる、という説明は内容がゼロに近づく。 • 上記 2 点以外の副次的な話には時間を割かないようにする。競合は3社ぐらいリストし、違いを一行で説明する程度でいい。 早くにデモを持っていき、ユーザーのことを話す • ビジネスモデルについてはくどくどと話す必要はない。短いピッチの時間で投資家はビジネスモデルを聞きたがらないし、初 期の段階のビジネスモデルは間違っていることが多い。そしてデモはどんな言葉よりも雄弁に語る。早くデモをしよう。 • ユーザーの話をしよう。投資家が恐れるのは、起業家が独りよがりの理論に基づいて、誰もほしがらないものを作ることだ。 人がすでに大金を払っているなら、ユーザーのニーズが発見できているサインである。 • 投資家の記憶に残るキャッチフレーズを作ることを忘れないように。投資家はたくさんのピッチを聞いていて、時間が経つと 忘れてしまう。忘れられないように、記憶によく残るフレーズを作り上げておこう。 まずは熱心な投資家に Yes を言わせる • 投資家が一番「Yes」と言いそうなものに焦点を絞ること。投資家の価値は、金額×Yesの可能性であらわせる。後者に焦点を 絞るべき。一人の投資家が「Yes」と言えば、他の投資家も急速にあなたに興味を持ち始める。なので熱心な投資家を説得する ことが、あまり乗り気ではない投資家を説得する最高の方法と言える。 33 Pitch to Investors
  34. 34. 34 Work 仕事の仕方に迷ったときに
  35. 35. Startups Are Very Counterintuitive Paul Graham Essay • Startups in 13 Sentences (訳: lionfan さん) • Before the Startup (訳: Shiro さん) • Good and Bad Procrastination (訳: lionfan さん) Other Recommendations • Decisive • How to Manage (CS183B) 35 Decision 決定
  36. 36. スタートアップは非直観的である スタートアップに関する直観は信じないこと(ただし人材に関する直観は信じよう) • スタートアップは多くの間違いを犯して、Y Combinator のパートナーからのアドバイスを「ちゃんと聞いておけばよかった」 と後で後悔する。これはスタートアップに関する決定が反直観的だからだ。だから自分の直観のみに従わず、メンターの言う ことに耳を傾けてみよう。納得いかなければ、何故そうなのかと Sam Altman のように楯突いてみること。 • ただし人に関する直観は信じていい。若い創業者の犯す間違いの多くは、人に関する直観を十分に信じきれないところから生 まれる傾向にある。 成功できるかどうかは決断力で決まる。余計なことに気を取られるな • スタートアップが成功するかどうかは、創業者の知能や才能ではなく、決断力で決まる。技術的なスタートアップのほうが治 世の重要性が増すように見えるだろうが、究極のハイテク産業でさえ、成功は知能よりも決断力にかかっている。 • 決断力は頑固さであり、頑固なだけでなく自分に厳しい必要がある。自分の頑固さを自制心でバランスし、そして野心がなけ ればならない。大きな仕事をしようと決意したら、周りに誘惑が増えるので、それに応じて自制心を強くする必要がある。自 制心がなければ、だんだん頑固さが優勢になり、達成できるものは平凡なものになるだろう。 • 何より気を散らすものほど、スタートアップを破滅させるものはない。 良い後回しをしよう • 大きな仕事のために、小さな仕事を放っておこう。仕事ができる人はみんな後回しの達人だ。やることなんて無限にあるし、 何かしていたら他のことは何にもできない。だから後回しを回避するのではなく、良い後回しをすること。 • 真の仕事にはまとまった時間と、良い雰囲気が必要だ。時には義務的な仕事を全部後回しにする。スタートアップは常に自分 ができる最良の仕事は何か、なぜ自分がそれをしていないのかを問おう。それは楽しくないことかもしれないが、やろう。 36 Decision – 決定
  37. 37. Startups Are Not Jobs Paul Graham Essay • Schlep Blindness (訳: lionfan さん) • The 18 Mistakes That Kill Startups (訳: Yasushi Aoki さん) • What Startups Are Really Like (訳: lionfan さん) • What Happens at Y Combinator (訳: lionfan さん) Other Recommendations • Founders at Work • How to Operate (CS183B) • Sales and Marketing (CS183B) 37 Work 仕事
  38. 38. スタートアップは job ではない 面倒で退屈で嫌な仕事 (schlep) は定義上避けられrない • 凄い仕事をしたいなら、面倒で退屈な仕事は避けられない。プログラムさえ書いていればスタートアップが成功するわけでは ない。企業は企業が引き受ける面倒な仕事によって定義されると言っても良い。大きな仕事であればあるほど、面倒な仕事が 伴い、それから逃げてはいけない。逃げなければ、それは大胆なアイデアとなり、価値は倍増する。Stripe は決済という大胆 で面倒なアイデアに愚直に取り組むことで、アイデアの割安株を手に入れたも同様だった。 • 動きの遅い組織と接触する方法は、彼らとの付き合いを本業から分離することだ。そして取引先から拒絶されることを受け入 れよう。投資家は持ち込まれるプランのうち 1% 程度しか投資しないし、顧客だってほとんどの人が断るだろう。 アドバイスを得よう • 多くの Y Combinator で喋る人の多くのアドバイスは一貫している。アドバイスに耳を傾けよう。アドバイスを得るためには、 起業家を助けてくれる人のいる環境に身を置こう。誰かが強い興味を持ってくれるだけでもスタートアップの助けになる。 • コミュニティの価値も高い。スタートアップ同士の、ボランティア精神にあふれるやり取りがスタートアップに貢献する範囲 は計り知れない。それにスタートアップにとって財を成すのはゼロサムゲームではない。助け合おう。 スタートアップは職務 (job) ではない • スタートアップは職務 (job) に似ている、とみんな予想する。だが、実際には違う。スタートアップは共同創業者を選ぶのに慎 重になる必要があるし、人間関係の維持に気を遣う必要があるが、職務で同僚を選ぶ必要はない。職務 (job) のメンタルモデル を捨てよう。スタートアップで酷いことが起こることが信じられないなら、それは過去の job のイメージに引きずられている からだ。スタートアップは職務 (job) ではない。酷い思いをしたときは、そう考えよう。 38 Work
  39. 39. Don't Worry About This; Worry About That Instead Paul Graham Essay • The 18 Mistakes That Kill Startups (訳: Yasushi Aoki さん) • A Word to the Resourceful (訳: lionfan さん) • The Hardest Lessons for Startups to Learn (訳: lionfan さん) • The Fatal Pinch Other Recommendations • The Top 20 Reasons Startups Fail • Startup Genome Report • ベンチャー企業の経営危機データベース 39 Fail 失敗
  40. 40. それについて心配するのではなく、代わりのことを心配しよう スタートアップを殺す失敗は「ユーザが欲しがるものを何も作らない」という 1 個だけ • スタートアップは資金がなくなり死ぬが、資金難はスタートアップの死ぬ真の原因ではない。真の原因は「ユーザーが欲しが るものを何も作れなかった」というただ一つの原因である。試験勉強や大学受験のような、試験をパスするためのコツを探す のはやめよう。我々は学校教育に毒されすぎており、どこかにスタートアップが成功するコツがあると信じているが、実際に はほとんどない。市場は学校よりも厳しい。スタートアップはユーザーの欲しいものを作ればいいが、それが最も難しい。 多くの失敗の脅威に晒されるが、多くの失敗は脅威ではない • スタートアップにとって目立つ失敗は、見た目ほど脅威ではない。スタートアップにとって失敗はいつものことで、きちんと 対処すれば致命傷にはならない。そして YC で喋るような有名なスタートアップですら失敗することを知ろう。対抗となる特 許が見つかっても、サーバーがダウンしても、技術的な問題に出くわしても、きちんと対処しよう。 • 直観に反するが、スタートアップは競合の出現ではほとんど失敗しない。競合に過剰反応する理由の一つは、アイデアを過大 評価しているからだ。重要なのは実行に移すことで、そして結局自社のプロダクトとユーザーの獲得が最も大変なのだから、 プレスの発表に惑わされてはいけない。大企業の競合が出てきても気にするべきではない。Google が似た製品を作っても、彼 らは倒産する危機感がないし、行動を遅くする官僚的な手続きがあるので出し抜ける。 • ただしまだ存在知られていない競合には気を付ける。すでに存在する競合だけを見ていると安心してしまいがちだが、他の人 が実現する可能性がある何かとは競争するべきだ。気を抜けば彼らは物凄いスピードで追いついてくる。 柔軟であり続け、目標を絞り切る • フォーカスを失うのに最悪なのはお金を得られるサイドビジネスやコンサルティングだ。現在の顧客の電話に対応して中断し たり、資金調達のためのミーティングをしたりは、すべてスタートアップがフォーカスを失う原因となる。 • 失敗した起業家とは、会話が成り立たない場合が多かった。彼らは柔軟ではなかった。失敗した起業家は、言われたことをす べて実行する能力はあったが、言われた言葉の先にある嬉しくない結論に到達したときに、嫌でもやることをしなかった。つ まり本気にはなれなかったのだろう。賢くてもやる気を失ってはいけない。それを知っているのはきっと助けになるだろう。 40 Fail
  41. 41. Relentlessly Resourceful Paul Graham Essay • What Startups Are Really Like (訳: lionfan さん) • Startups in 13 Sentences (訳: lionfan さん) • Relentlessly Resourceful (訳: lionfan さん) Other Recommendations • Fooled by Randomness 41 Mental メンタル
  42. 42. 粘り強く、したたかにあり続ける スタートアップは生活を支配し、感情を激しく揺さぶる • どのスタートアップでも、想定していた以上にスタートアップは生活を支配する。そして感情を揺さぶられる経験を多数味わ う。素晴らしいと思った瞬間を味わってから、数時間後に絶望へと変わることもある。それを想定しておこう。 • そしてその最悪の想定をも上回る最悪なことが起こるのも想定しておこう。 立ち直る力が必要 • 取引の多くは失敗する。期待しないようにしよう。そしてたとえ落ち込んでも諦めてはいけない。諦めないようにするだけで、 驚くほど遠くへ行ける。プロダクトを改善する手を止めず、改善を続けること。 • 落ち込まない。スタートアップが倒産する直接的な原因は、資金不足であることが多いが、真の原因は目標を絞り切れず、や る気を失ってしまったときだ。諦めるな。 粘り強く、したたかであり続ける (relentlessly resourceful) • 素晴らしい起業家を2単語にまとめると relentlessly resourceful といえる。正反対の単語は hapless だ。人々が欲しいものを作 る、はゴールだが、relentlessly resourceful であり続けることはゴールに到達する方法と言える。 運は重要 • 製品の販売は、技術×粘り強さ×運であらわせる。失敗した起業家は自分たちを責めがちだが、運がゼロならすべて失敗する。 普通、成功した起業家は自分たちが幸運に恵まれていたことを知らない。運は普通の人たちにとってはとても重要だ。ハッ カーは技術に最高の価値を置き、期待通りのものを得ているだろうが、ビジネスはそうではなく、運が重要だ。だから運が来 るまで粘り強く、したたかであり続けよう。 42 Mental
  43. 43. 43 I like to find (a) simple solutions (b) to overlooked problems (c) that actually need to be solved, and (d) deliver them as informally as possible, (e) starting with a very crude version 1, then (f) iterating rapidly. (Paul Graham が伝えるスタートアップの一般的な方法論は) (a)単純な解決策を探し、 (b)見過ごされている問題で、 (c)かつ実際に解決すべき問題に (d)できるだけくだけた形で解決策を示し、 (e)大雑把なバージョン 1 から初めて、 (f)迅速に繰り返すこと
  44. 44. 参考文献 • Y Combinator • How to Start a Startup • 日本語サマリ: Summary of “How to Start a Startup” • The Launch Pad: Inside Y Combinator • naoya_t:ポール・グレアムのエッセイと和訳一覧 Paul Graham Website http://paulgraham.com/ 44 Further Readings

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