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『CRI ADX2』サウンドオーサリングツール
           体験会
       (初∼中級編)
∼ゲーム開発の流れに沿ったサウンド制作の
     新しいワークフロー∼


       2012-08-22 田中孝


                          1
はじめに


• ゲーム開発の流れに沿った
 サウンド制作の新しいワークフロー ?

• ちょっと変わったゲームの音作りの提案になるかも?
• ゲームジャムっぽい?
• 音をつけるの楽しいよね?

                         2
はじめに(補足)



•   このスライドはCEDEC2012サウンドオーサリングツール体
    験会の持ち帰り用の資料を元に若干の補足を加えたものと
    なっています。

•   ワークショップの内容を共有する事を目的としています。




                                 3
このワークショップでは・・・
• 試行錯誤ができます。
 いろいろ試すと違った印象になる事が分かります。
 想像とは違った面白い事もあるかも。
 【自分のイメージ】に近づけるために何が必要か確認できます。
 失敗しても気にしないでください。



• 音がゲームの演出に影響する事を実感できます。
 【 何も音がない状態】から作業していきます。
 つけていく途中、【物足りなく感じる】部分もあるでしょう。
 音とゲームの【絶妙な関係】を感じてもらえたら幸いです。


                             4
環境について
• 少ない手順でゲーム中の音を加工できる環境として
 【CRI ADX2】の【CRI Atom Craft】を使います。
 ※イベント版ADX2として特別なツールとランタイムを使用しています。
 正式リリース版と混在しないよう注意してください。




• ゲームは【Unity3D】で作成しています。
 ※本ワークショップでは直接弄りませんが、UnityEditorのプロジェクトファ
 イルも添付していますので、
 【C://CEDEC2012】フォルダごと持ち帰りソースを確認できます。
 ※なお、Editor実行にはUnity Proライセンスが必要です。
 こちらで呼び出し側のソースを確認できます。

                                        5
素材について

• 波形編集、収録なども時間がかかるため、あらかじめ用
    意しました。

• 本ワークショップでは波形を指定して進行しますが、
    あえて違う波形を選んで進める事もできます。
    おまけとして【ゲームジャム】で使用したSE,BGM,Serif素材も入れて
    あります。なにかと流用できるかと思います。
    またUSBなどで波形を持ってきている方は登録の仕方を教えます。

•   音声合成素材として「VOICELOID+民安ともえ」を使用しています。
    【声を扱う事による魅力や表現力】を体感してもらうきっかけになれば幸
    いです。
                                          6
ワークショップの進め方
• 説明の後、作業時間を設けます。
 ただし時間が限られていますので、間に合わない場合もあるかと思い
 ます。
 もし間に合わなかった場合は途中からのプロジェクトで追従するか、
 そのまま進めて下さい。


• だいたいあっていればOK
 パラメータの細かい点を真似る必要はありません。もし時間が
 余った時は他のパラメータや波形の選択などいろいろ弄ってみてく
 ださい。


• 不明な点がありましたら、まわりにいるサポートの人に
 お知らせください。
                                7
再開用プロジェクト


• もし追いつけなかった場合や、
    途中から参加した場合などは
    プロジェクトファイルの後ろの番号と章の番号
    が同じものから再開できますのでご利用くださ
    い。

•   C:/CEDEC2012Workshop/pinball/Sample/
    PinballWork00.atomcproj   PinballWork08.atomcproj


                                                        8
音の演出
    【初∼中級編】

    第1章 バンパーのリアクション音 •
                                       第5章 ボールロスト時の声
•                                      【実況?声の魅力】
                                       ロスト状況音にリアクションセリフのランダム再生を追加
    【音の登録と設定】
    1Shot音の追加、発音数制限、 インゲームプレビュー
                                   •   第6章 BGMをつける
                                       【情動を与える、無音を埋める】
                                       ループ波形の登録
•   第2章 ボールのリアクション音
    【リアル?アンリアル?インタラクティブ音】
    AISACによる衝撃度による変化を追加
                                   •   第7章 声を目立たせる
                                       【自動バランス調整の設定】
                                       カテゴリによるバランス調整と、
                                       REACTによるダッキング
• 第3章 ターゲットの音
                                       【上級編】
    【印象的な音を目指して】
    ランダムピッチ、ランダムフィルタ、デチューン音
                                   •   第8章 BGMをインタラクティブ化
                                       【気分はDJ】
• 第4章 エフェクトをつける                        ボールロスト毎に変化するブロック再生
    【全体をなじませる、塩こしょう少々】
    リバーブ、エコーをかける                       【おまけ】
                                       完成イメージの確認、リリースアプリに反映

                                  ※このワークショップでは『初∼中級編』までやります。
                                         『上級編』は別の機会で・・・
                                                              9
ブロックを解除する
• セキュリティ関連のダイアログが出た時は
  「ブロックを解除する」
 を選択してください。




 プレビューでアプリケーション間の通信処理を行
 うため、ブロックを解除する必要があります。
                          10
ゲームを起動する
• C:/CEDEC2012Workshop/win/
 Pinball.exe




          ゲームが起動します。




                              11
ゲームについて

                        マウスクリックする
                        と
                        ボールの位置を
                        クリックした位置に
                        移動ます。

【Click to Start】ボタン
でゲーム開始。
                      デバッグ時に有効で
15秒くらい放置していても         す。
自動で開始します。
                                  12
ゲームのポーズについて
       【Stopper】を
       チェックすると
       ゲームオーバーにな
       なくなります。
       【Pause/Resume】
       ボタンでポーズでき
       ます。

       【Multi Ball】おまけ
       です。




                         13
初∼中級編


        14
作業フォルダ
• C:/CEDEC2012/Workshop/
           /CEDEC2012 Unity3D
            プロジェクトフォルダ

           /common
            ライセンスファイルフォルダ

           /pinball
            CRI Atom Craftプロジェクト

           /tools
            CRI Atom Craftツールフォルダ

           /win
            Pinball.exeアプリケーション     15
CRI Atom Craftを起動
• C:/CEDEC2012Workshop/tools/criatomex/
  CriAtomCraft.exe
  を開く。
  (デスクトップのショートカットからも起動できます。)




                                          16
作業用プロジェクトを開く
•   C:CEDEC2012Workshoppinball
    PinballWork.atmcprojを開く

                           ファイルメニューから
                           「プロジェクトファイル
                           を開く...」を選択




                               PinballWork.atmcproj
                               を開く


                                                      17
空のキューを用意しました
• 作業を簡略化するため、
 あらかじめ以下のキューを用意しています。




                    18
第1章 バンパーのリアクション音
        【音の登録と設定】
 1Shot音の追加、発音数制限、 インゲームプレビュー


• バンパーに当たった時のキューに波形
 【bullet1.wav】を追加します。


• 【原音波形】と【キュー】の
 【プレビュー方法】など基本的な操作を
 紹介します。
                               19
バンパーの音をつける
  ボールが
  バンパーに当たって跳ね返す
  時に【Bumper】キューが呼ばれま
  す。




  ツリーから【Bumper】のキューを
  選択します。



                       20
原音確認(wav再生)


     マテリアル(.wav)を選択し
     【F3キー】で
      元波形(wav)再生
     【F4キー】で
      停止します。

    DirectXでwav再生されてい
    ます。
                   21
原音(wav)の追加
【波形を持ち込みした方】は、

【波形ファイル】または【波形ファイルのあるフォルダ】をマ
テリアルの任意のフォルダへ

ドロップして追加してできます。


                【フォルダ】へ
                波形ファイルを
                ドロップすると追加されま
                す。
                           22
バンパーの音をつける
                    【Bumper】キューへドロップ
マテリアルから             します。
【bullet1.wav】を選択し




                     【Bumper】キューに波形が登
                     録されます。
                                   23
もし間違えたら...
間違えて違うキューとかに
ドロップしてしまったら、
【Ctr+Zキー】でUndoできます。     このボタンでも
                        Undoできます。
間違えたら         キューの左側の
Undoすると...    三角が消える




                              24
キューのプレビュー
• 【キューを選択】し、音を出して確認できます。
 【F5キー】を押すと音が鳴ります。
 【F6キー】で停止。
              ツール画面上部の


            ボタンでも操作できます。




            CRI Atomランタイムで
             再生されています。 25
F5キー連打で多重再生

• 【F5キー】を【連打】すると音が
 【多重で再生】されます。

• 発音数は



  のVoicesで確認できます。
                     26
バンパーの発音数

【キューを選択】し

【キューリミット】のチェックボックスをチェックします。




• リミットをかける事で、無駄な発音を軽減できます。
• ゲームでのメモリ消費、CPU負荷削減。音量増加による音割れを抑制。
                                      27
バンパーの音量調整
少しうるさいのでボリュームを下げておき
ます。




                      28
インゲームプレビュー
• 【インゲームプレビュー】とは、
 ツール側で音を加工、編集した結果を
 【実行中のゲーム】に送信し、
 音を即時に差し替える技術です。

• ゲームを中断させる事なく音の加工を反映させる事が
 できるため、非常に細かい微調整が可能です。

        インゲーム接続




                         29
インゲームプレビュー(2)

• データの修正の自動反映には時間がかかる
 場合があります。
 数秒∼10秒程。

• F10キーで強制再転送します。
 データ修正
         データ転送




                        30
インゲームプレビューの開始
【F10キー】を押す
または、【プレビューメニュー】から【インゲームプレ
ビューの開始】を選択




             一瞬音が止まって、
             発音数が変化していれば接続OK
                            31
インゲーム接続

• 音が停止し【Bumper】だけ鳴る状態
 に変化します。


           【Pause】している場合は
           解除します。




                        32
インゲーム解除
• 【Ctr+F10】キーを押してインゲームプレ
 ビューを解除できます。

• 解除してもゲームは動き続けていますので、
 【Pause】を押して音を止めます。

               【Pause】を押
               すとゲームの音
               が止まります。

                           33
プレビュー状態
 • プレビュー状態は、【表示/プレビューウィンドウ】
   で確認できます。



                接続状態はここで確認




【データの接続状態】
でチェックが外れてい
ると内容が反映されて
  いない状態
                              34
インゲームのまま波形追加
• 試しにインゲーム中のまま【Paddle】キューに
 【rim.wav】を追加してみましょう。

• しばらくすると更新が入りパドルの音が鳴るようにな
 ります。




                             35
第2章 ボールのリアクション音
   【リアル?アンリアル?インタラクティブ音】

 AISACによる衝撃度による変化を追加


• ボールの音をつける。
• ボールのぶつかった時の
 【速度変化】を音で表現する。


                           36
ボールの音をつける


【Ball】のキューを選
               空のタイムラインが
択します。          表示されます。




                           37
ボールの音をつける
マテリアルから         タイムラインの右下あたりに
【Tan.wav】を選択し   ドラッグ&ドロップします。




                    【波形】をド
                    ラッグして
                    左端に寄せます     38
ボールの発音数

【キューリミット】のチェックボックスを
チェックします。




 リミットをかける事で、無駄な発音数を軽減できます。
 とても大事な事なので繰り返しになりますが、
 ゲームでのメモリ消費、CPU負荷削減。音量増加による音割
 れを抑制することに繋がります。                39
ボールの音が単調なので
• ゲーム側に【AISAC】が組まれていて、
 【ぶつかった速度】で
 【AISAC】の値が変化します。

• 【AISAC】を追加して音の変化をデザインしてみます。




                           40
速度と音程

• 物理的にはおかしいですが、記号的演出として
• 【速くぶつかる】音程が高くなる
• 【ゆっくりぶつかる】音程が低くなる




                          41
AISACの追加
【トラック】を選択します。   【トラック】の余白を
                右クリックし、
                【AISACの追加...】を選択




                【AISACの追加】ダイアログで
                【ピッチ】に変更し

                【追加】ボタンを押します。
                               42
ボールの音程が変化するように
【右肩上がり】の【グラフ】にします。




インゲーム接続で確認すると、【ピッチ】が変化します。43
特定の音のみに限定する
変化に【メリハリ】を付けるため、【階段状】にします。




【プロパティリスト】で【数値編集】もできます。




                          44
第3章 ターゲットの音をつける
ランダムピッチ、ランダムフィルタ、デチューン音



• 音を追加する。
• 【ピッチ】を【ランダム】化する。
• 【フィルタ】を【ランダム】化する。
• 【デチューン】の表現
                          45
ターゲットの音をつける

   ここに当たった時の音をつ
   けます。




    ツリーから【HitTarget】の
    キューを選択します。



                    46
ターゲットの音をつける
マテリアルから            【HitTarget】キューへド
【hajiku.wav】を選択し   ロップします。




                       キューを選択し
                       登録されているのを確認
                                      47
ターゲットの発音数
【キューリミット】のチェックボックスをチェックします。




• リミットをかける事で、無駄な発音数を軽減できます。
• 今回の音は【長めの音】なので、【3音のリミット】にしてみ
 ました。
                              48
ピッチをランダム化
       ピッチをランダムにするには・・・

【トラック】を選択



                    【ピッチ】を
【FX1】を選択            【縦方向】にドラッグ
                    してランダム化




                              49
ローパスフィルタを選択

【トラック】
を選択

                  【バイクアッドフィルタ】
                  の種類を
【FX2】を選択          【ローパス】に変更




                              50
ローパスフィルタのランダム

      【バイクアッドフィルタ】を
      【ローパス】に変更します。




      【Cof】を左くらいの設定に
      変更します。
      【Q】を高めにします。

                  51
トラックを複製しデチューン

【トラック】を選択
したまま・・・


【Ctr+R】で複製




片方の【波形】を
【ドラッグ】して
再生位置をずらす
                    52
第4章 リバーブ、エコーをつける
    【全体をなじませる】




 •リバーブをかけてみる。
 •エコー追加する。

                   53
ボールの余韻をエフェクトで延ばす


【トラック】を選択
し・・・


 【FX1】を選択

【バスセンド1】を変更する
と、

【リバーブ】が掛かります。
                        54
エコーを試す




【バスセンド1】を変
更すると、

エコーが掛かります。
                55
センドエフェクトの細かい設定

       【表示】メニューから

       【ミキサー(DSPバス
       設定ウィンドウ)】
       で【エフェクト】の
       設定が確認できます。




                 56
第5章 ボールロスト時の音
 ロスト状況音にリアクションセリフのランダム再生を追加




• 【やられボイス】を【複数追加】する。
• 【シーケンシャル再生】
 (再生の毎に音が切り替わる)にする。

                              57
ボールロストの音をつける

     ここを抜けて
     【ボールロスト】した時の音
     をつけます。



     ツリーから【BallLost】
     のキューを
     選択します。

                   58
ボールロストの音をつける
マテリアルから           【BallLost】キューへ
【yarare】フォルダ以下の   ドロップ
4つのwavを選択し




                                   59
【複数トラック】に
それぞれの【波形】が登録されます。




                    60
【シーケンシャル】に変更

      キューの【タイプ】を

      【ポリフォニック】

      から


       【シーケンシャル】

       に変更します。


                   61
第6章 BGMをつける
    • 【情動を与える、無音を埋める】
      ループ波形の登録

• BGM大事です。
• 無いと緊張感が高まります。
• あると不安から解放されます。
• ループが短いと飽きてしまいます。
• ゲームに合わせて変化するのが良いと思います。
  →【ブロック再生】
 ※今回はやりませんが、資料とサンプルを添付してあります。
  【おまけ】を参照ください。
                           62
BGMをつける
マテリアルから            【BGM】キューへドロップ
【bgm0.wav】を選択し




                 【波形】を左に寄せる

                                   63
第7章 声を目立たせる

• ダッキングを追加する。
 セリフ再生時にBGMを自動的に下げる設定にする。




                            64
カテゴリ
• キューを【カテゴリ】に割り当てる事
 で、
 【カテゴリ】によるキューの
 コントロールが可能になります。
 プログラマが【キューの内容】を知らなくても
 【カテゴリ】という大まかな要素でコントロール可能になる。

 【カテゴリ】による【ボリューム調整】
 や、【リミット数】指定ができます。




                                65
REACT
• 【REACT】は、カテゴリ内の再生状態に応じて様々な音の
 効果を発動する機能です。


• 例えば、ダッキング(声が入るとBGMが下がる)といった
 効果をデータ側でつけることができます。


• うまく使う事で、ダイナミックなオーディオ調整を自動で
 行ったりアイデア次第で様々な効果を与える事ができます。
 例:水に潜るとフィルターとピッチLFOがかかる。ジャンプ
 中はハイパス効果。特殊魔法で時間が遅くなる等。


                            66
もっと声を聞かせたい
    •   声が埋もれがちなので、声を聞こえるように変更します。



    カテゴリ
    【Other】




    カテゴリ
    【Serif】




•   【Other】カテゴリを
    【Serif】再生時に変化させます。
    【ボリューム】が【0.2】になるように設定されています。



                                     67
もっと声を聞かせたい
•   【Other】カテゴリを
    【Serif】再生時に変化させます。
    【ボリューム】が【0.2】になるように設定されています。




                         【変化パラメータ】
                         が【ボリュームレベル】

                         【変化レベル値】

                         が【0.2】     68
カテゴリを確認
あらかじめ設定してあるカテゴリを確認

              キューシート
              【PinballMain】
              を選択




                     【BallLost】
                     が【Serif】カテゴリ


                     他が
                     【Other】カテゴリ
                     になっています。
                                  69
BGMカテゴリを変更
【BGM】キューをカテゴリ【Other】に追加します。




                      【BGM】の
                      【カテゴリ】を
                      ダブルクリック


                【カテゴリの編集】ダイアログ
                で【Other】をチェックし


                 【OK】ボタンで確定する。

                                 70
REACT設定

     【REACT】から
     【React_SerifOther】
     を選択

       【変化時間】100msec
       【戻り時間】300msec
       と調整すると
       変化のかかり方が変わり
       ます。


       変化のカーブが変わ
       る                  71
まとめ
      音をつける楽しさを広めてください

• サウンドの有効的な活用を【再検討】してください
 例:音でボールの【状態を表現】する


• 【初期の段階で音をつける】
 できれば企画段階から仮の音で良いのでつけてみる、
 または想像してみてください。


• 【仮音をとにかくつける】
 プログラムが動きだしたら
 バランスをとる良いきっかけになるかもしれません。
                            72
最後に
• CRI・ミドルウェアではお客様のニーズに合わせた
    解決策を一緒に考えます。相談にのります。お手伝
    いします。お気軽にお問い合わせ下さい。
         
•   【復習】できます
    【C:/CEDEC2012/Workshop】の
    フォルダをコピーして持ち帰りOKです。


• 【8月末】までの試用が可能です。
    ぜひ持ち帰って上級編などにチャレンジしてみてください。

                                  73
上級編


      74
第8章 BGMをインタラクティブ化
  BGMがゲームの状況に合わせて、
  自然に変化するようにしてみます。
  ボールがロストすると変化するようにします。



• 音を追加する。
• BGMを変化(遷移)させてみる。
• 遷移変化をはっきりさせる。
                          75
ブロック再生

• キューをブロック(楽章、小節、フレーズ)に分
 割します。

• ブロックの遷移は、ブロックの終端や、ブロック
 の分割位置から遷移します。
 プログラムの即時反応ではなく、ブロックが切り替わるタイミングをデータ側に
 持たせる事ができます。これにより、プログラム側で再生時刻や繋がる音の再生
 タイミングなど細かい指定をせずに連結再生ができます。
 さらに、遷移する時だけ鳴るトラックや、遷移時初回のみ再生するトラックを指
 定できます。



                                    76
波形をループから1Shotに

•   ブロックでループ波形は相性が悪いで
    す。
    →【ブロックでループ】するため、
    ループ波形が多重リクエストされるか
    らです。

•   まず、波形を1Shot化する方法を紹介
    します。
                          77
波形を【ループ】から【1Shot】に




【bgm0.wav】
を選択

【リループタイプ】
を【ループ】

【リループ設定の有
効フラグ】【True】

にします。
                       78
BGMをブロック化
キューの右横の余白を【右クリック】し、

【ブロックを作成】を選択します。




  【ブロック】が追加されます。




                      79
ブロックをループに変更
     【タイムライン上】で
     【ブロック】を
     【右クリック】し

     【プロパティリスト】を表示

     【ブロック】を選択し

     【ブロックループ回数】を
     【32768】に指定。


                  80
ブロックを追加
【beat0.wav】を【BGM】
キューにドロップします。




  【Block...】が追加されます。

  選択しループ回数を32768にします。




                       81
ブロックの遷移を変更
 •   ボールロストするとブロックが切り替わります。


 •   変化が【ブロックエンド】だと【反応が悪い】ので、
     より細かい単位【指定分割】で遷移するように変更し
     ます。
                 【ブロック遷移タイプ】
【ブロック分割数】を【4】に
                 を【指定分割で】




                                82
ブロックの遷移を変更
【ブロック】に【区切り線】が追加されました。

この【タイミング】でも遷移するように変化しました。




                         83
ブロックの切り替わりを派手に
       【ブロック】が【切り替わる時のみ】
       【ドラムのフィルイン】が鳴るようにしてみ
       ましょう。

【drumfill.wav】を追加しま   それぞれブロックの区切り前に設定
す。




                                   84
ブロックの切り替わりを派手に
【トラック】の【ブロック遷移発音タイプ】を
【遷移時発音】に




  これで、遷移時のみドラムが鳴ります。    85
ブロック再生をもっと知りたい
• 【もっと凝ったデータ】を知りたい場合は
 【おまけ】の章を参考

• YouTubeで「adx2 ブロック再生」と検索
• 【ヘルプ】メニューから【デモのダウンロード】




                             86
おまけ 完成イメージの確認

• ブース展示デモや
 初期状態で再生されていた音がどうなっている
 か【インゲームプレビュー】で確認する事がで
 きます。

• 今回紹介しきれなかった事【ブロック再生】
• 【パラメータ】を弄ったりして何が変わるか試
 してみてください。
                         87
完成プロジェクト


•   C:/CEDEC2012Workshop/
    pinball/Sample/Pinball.atmcproj




                                      88
BGMのブロック再生
      再生して【ブロック】を選
      択で切り替わります。




               遷移時のみ
              遷移初回時
              のみ再生
                     89
DSPバス設定のパラメータ

【DSPバス設定】から            他のエフェクタを追加して
【DspBusSetting_0】を選択   みたり




                                      90
おまけ2 リリースアプリに反映
CRI Atom Craftでビルドしたデータ(acf,acb)を
C:/CEDEC2012/Workshop/CEDEC2012/win/Pinball_Data/
StreamingAssets/ 以下にコピーします。
                            この場所のPC/以下データ(acf,acb)
                            が出力されます。
                            PinballMainが選択されている事を
                            確認。




                            なお、PC/inGamePreview/
                            以下のデータ(acf,acb)を使う
                            事でインゲームプレビューが
                            可能なデータとなります。            91

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