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- 7. 研究概要
• 目標温湿度環境への遷移を最小の消費電力で
実現する家電制御システムの実現
• 課題1:温湿度遷移のための最適デバイス制御
• スマートホーム内の任意のコンテキスト間を最小のコストで遷
移させるデバイス操作系列導出ツールPathSim[1]
• 課題2:多種の家電制御形態に対応
• 様々な家電制御システムに対応するための中間言語として家
電制御言語を作成
• 赤外線リモコンデバイスIRKitを用いた家電集中制御シ
ステム
[1]Teruhiro Mizumoto, Khaled El-Fakih, Keiichi Yasumoto: “PathSim: A Tool for
Finding Minimal Energy Device Operation Sequence for Reaching a Target Context
in Smart-Home,” the 10th IEEE International Conference on Ubiquitous Intelligence
and Computing (UIC-2013), pp.64-71, (December 2013)
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- 10. コンテキスト遷移
• コンテキスト
• デバイス
• 環境情報(温度,湿度など)
温度レンジ:1度区切り
湿度レンジ:2.5%区切り
Ex.
• 温度 24-25度
• 湿度 50-52.5%
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遷移
コンテキスト c コンテキスト c’
• イベント e
• エアコン冷房
• コスト e.energy
• 消費電力量 1500kWh
有向グラフ𝐺 = 𝑉, 𝐸 で表現
V: コンテキスト(ノード)の集合
E: 遷移(エッジ)の集合
状態を変数の組として保持したもの
⇒連続値を離散的な範囲(レンジ)に分割
コスト(ノード間距離)=消費電力
DICOMO2015
Tmp : 26-27
Hmd : 70-72.5
Tmp : 23-24
Hmd : 70-72.5
- 15. イベントの定義
• 環境デバイスイベント
• EDE::= “op(” Device “,” Action “)”
• Deviceの家電をActionで起動する.
例:op(ac,on(mode(dh)) ) エアコンを除湿モードで起動
• 環境遷移イベント
• ETE::= “check(” Type “,” Range “,”T”,” α “)”
• T秒後にTypeの値がRangeの条件を満たしているかどうか観
測する.満たしていなければα秒後に再観測し,それを繰り返
す.
• 例 check( Temp , x ≦ 22 , 150 ,30 )
温度が22℃以下かどうかを観測
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- 20. 実験環境
• 使用家電
• コンテキスト遷移情報
• PathSimがシミュレーションにより導出した消費電
力と実際に計測された消費電力の比較を行った
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消費電力 冷暖房能力,除湿量
エアコン×2
RAS-281EDR
COLD:990W
HOT:1225W
DH:155W
COLD:3.4kW
HOT:4.7kW
DH:1.5L/h
外気レンジ 目的レンジ
温度(℃) 25 – 26 20 - 21
湿度(%) 67.5 – 70.0 52.5 – 55.0
- 31. 実コストと推定コストの算出
• 実コスト
• cs から隣接ノードc’までのコストを合計
• 推定コスト(ユークリッド距離で算出不可)
• c’からct まで有効なデバイスを動作する/しない場合の組合せに対して
シミュレーションし消費電力量の最小値となる組合せを選択
c’
cs
加算 加算 推定
ct
実コスト 推定コスト
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- 32. 具体的な操作例
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[62.5%, 65%)[60%, 62.5%)[57.5%, 60%)[50%, 57.5%)
[28℃,29℃)
[27℃,28℃)
①64Wh
②7.6Wh
① 3.8Wh 3.2Wh 3.7Wh
② 25Wh
PathSim:①AC←除湿,②AC←冷房,HM←ON
HDS:①AC←冷房,DH←ON,②AC←除湿
※目標温度に対する相対湿度
- 34. IRKit opensource infrared remote controller[2]
• WiFi機能の付いたオープンソースの赤外線リモコ
ンデバイス.
• 内部にHTTPサーバがあり,JSON形式の赤外線情報
をHTTP POSTリクエストに乗せて送ることで赤外線信
号を送ることが出来る.
• キャッチした最新の赤外線信号情報を保持しており,リ
クエストを送ることでその情報を得ることが可能
[2] IRKit open source infrared remote controller : http://getirkit.com/
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- 37. 家電制御スクリプト例
• op(AC1(mode),1);
• op(AC2(mode),1);
• check(temp,20,999,60);
• op(AC1(mode),3);
• op(AC2(mode),3);
• check(humid,72.5,53,60);
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Editor's Notes
- まず,日常生活において
- 家電の最適な制御法が求められれば 制御しないといけないよね
- 我々が以前発表したツール PathSImを用いて シミュレーションにより家電の操作列を導出する
- ハイブリットダイナミカルシステムというのは,目標の温湿度に対して有効な家電を全て稼働し,達成すれば切る
- 遷移イベントを求める時に,家電の性能,外気の影響,壁や天井等の影響を計算して行う
- しかしながら,対象とするスマートスペースのこんてきすとの遷移というのは,各エッジとコストの存在が本当にあるのかというはわからないため,
シミュレーションにより動的に隣接ノードとコストを探索するようなデバイス操作系列導出ツールパスシムを提案します.
パスシムでは,まず探索ノードにおいて実行するイベントを生成し,生成されたイベントを模擬実行し隣接ノードと遷移コストを導出します.
そして,A*アルゴリズムと同様に,隣接ノードの実コストと推定コスト算出し,最小コストを持つノードから再び探索していきます.
- 動作はOperationとcheckで
文脈自由文法っていったらあかn
ばっかすなうあ
Device::= “ac“ | “hm” | “dh” | “ht” | …
Action::= ON | “off” | “tmp:=” Val |…
ON::= “on” | “on(“ Mode “)”
Mode::= “mode(cl)” | “mode(dh)” | …
- 先ほどの
- 多数の情報家電やセンサデバイスが埋め込まれ,情報の収集や機器制御が可能な空間をスマートスペースと呼ばれています.
そして,このようなスマートスペース内の各デバイスの状況やセンサ値などをまとめて,スマートスペースのコンテキストと呼ばれており,
- 評価方法として,
公聴会で関先生にご指摘を頂いたように,対象とするコンテキストアウェアシステムは,温度のような連続値とデバイスの状態のような離散値を動的に扱うハイブリッドシステムとみなすことができるので,単純なハイブリッドシステムと比較を行いました.
このシステムでは,各デバイスがそれぞれ独立したハイブリッドシステムとして,例えばヒータの場合このようなオートマトンに従って動作するようにします.
この際,公聴会時の比較手法のような有効であればすべてONにするという操作はせずに,外気のみで遷移できる場合,例えば,夏に目標コンンテキストより外気の方が温度が高い場合には,ヒータや暖房は使わないようにしました.
また,エアコンのような温度・湿度にも有効なモードを持っている機器に関しては,厳密に条件を設定するために,
湿度より温度の調整を優先するようにしました.
そして,このハイブリッドシステムで遷移させた場合と,
パスシムで導出した場合の操作系列に対して,
消費電力量と,遷移時間,またハイブリッドシステムに対する削減率を評価しました.
- この際,イベントの生成において,任意のこんてきすとで実行可能なイベントの集合を生成しますが,
実行可能なイベントを全て生成しては計算時間が肥大化してしまいます.
そこで,もくひょうのこんてきすとに遷移させるために有効なイベントのみを生成します.
この有効なイベントとは何か明確ではないと公聴会で伊藤先生にご指摘いただきましたので,明確に定義させて頂きますと,
博士論文においては,温度の上昇に関しては,エアコンの暖房モードとヒータ,温度の低下については,エアコンの冷房,
湿度の上昇については加湿器,湿度の低下についてはエアコンの除湿モードと除湿器といったように,目標のコンテキストに近づくことが可能な
デバイスのイベントを有効なイベントとさせていただきます.
- そして,これらの生成した各イベントを模擬実行し遷移の隣接ノードを導出します.
この時,デバイスの状態を変更するイベントであるときは,変更した場合のノードが生成され,
温度や湿度など変化に時間が掛かるようなイベントである場合には,
隣接ノードに変化するための物理量例えば,熱量や水蒸気量など
と,1秒間に変化する物理量,これは,デバイスが発する量と,外気からの影響から求められるもの,
これらを用いて変化に要する時間と,変化後のコンテキストを導出することで,隣接ノードを生成します.
また,遷移に掛かるコストに関しては,変化に要する時間と動作中の全デバイスの消費電力により計算します.
このデバイスの消費電力に関しては,公聴会でご指摘のあったシステムの動作コストも最新の博士論文では考慮させて頂きました.
- そして,実コストと推定コストの算出においては,
実コストはA*アルゴリズムと同じようにソースノードまでのコストを合計することで求め,
推定コストに関しては,ゆーうりっど距離では算出できないため,隣接ノードから目標のノードまでの有効なデバイスを動作する・しない場合の組み合わせ対して,
シミュレーションで消費電力量を求め最小値となる組み合わせを選択するようにします.
これは,公聴会では有効な全てのデバイスとしておりましたが,この方が適切なコストを算出できると思い変更させて頂きました.
- 具体的な操作例を見てみますと,
パスシムでは,エアコンで除湿してから,冷房で温度を下げ,
HDSでは,エアコンと除湿器で温度と湿度を両方下げ,エアコンの除湿モードと除湿器を使って除湿しています.
これは,除湿器自体の消費電力が高いので,エアコンを先に使った方が効率がよくなっております.