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電波で探る宇宙の歴史
Aman Chokshi
島袋隼士(云南大学、SWIFAR)
@スーパーサイエンス・ミュージアム(2021年12月5日)
email: shimabukuro@ynu.edu.cn
今日の内容
• 自己紹介(海外のお話)

• 地球、太陽、銀河、私達の住む宇宙

• 宇宙の歴史の話
本トークではクイズが含まれているので、クイズ部分は
見えなくしています。意欲的な人はクイズに挑戦してみ
てください。
•島袋隼士(しまぶくろ はやと)
•1987年10月29日生まれの34歳
•沖縄県那覇市出身。昭和薬科大学附属高校。
•東北大学宇宙地球物理学科天文学コース卒(2011年3月)
•名古屋大学大学院素粒子宇宙物理学専攻卒(2016年3月、博士(理学))
•でも、博士課程はほとんど熊本大学
•パリ天文台(ポスドク)→清華大学(ポスドク)→雲南大学(副研究員)
•英検2級、漢検2級、HSK3級(中国語の検定試験)
•専門は観測的宇宙論。特に宇宙再電離期、21cm線。
•趣味:将棋、読書、中国語学習、アイドルの応援、筋トレ&ジョギング、映画鑑賞、絵画鑑賞(美術検
定4級)、料理。じゃがいも栽培。雲南省のきのこ。
ざっくり自己紹介
宣伝
youtubeに出演しました!
「らぶラボQ」、「佐伯恵太のなんでも研究チャンネル」で検索してください!
•清華大学(2018-2019)
•パリ天文台(2016-2018)
•東北大卒(2011年) •博士号(名古屋大学、2016年)
経歴
•清華大学(2018-2019)
•パリ天文台(2016-2018)
•東北大卒(2011年) •博士号(名古屋大学、2016年)
経歴
•云南大学(2019ー)
初の海外長期滞在
博士課程1年目、初めての海外長期滞在。しかし、それまで海外経験ほ
とんどなし!英語を離せない!
フローニンゲン(オランダ) オックスフォード(英国)
メルボルン(オーストラリア)にも3ヶ月滞在。
初の海外長期滞在
博士課程1年目、初めての海外長期滞在。しかし、それまで海外経験ほ
とんどなし!英語を離せない!
フローニンゲン(オランダ) オックスフォード(英国)
メルボルン(オーストラリア)にも3ヶ月滞在。
初の海外長期滞在
博士課程1年目、初めての海外長期滞在。しかし、それまで海外経験ほ
とんどなし!英語を離せない!
フローニンゲン(オランダ) オックスフォード(英国)
メルボルン(オーストラリア)にも3ヶ月滞在。
個人的にお気に入りな場所(ロンドン)
グリニッジ天文台
子午線
バッキンガム宮殿
大英博物館
ウェストエンド
海外訪問歴
研究者は研究会で海外に行くことが多い。私の場合・・・
韓国、台湾、インド、中国、アメリカ、イギリス、イタリア、バチカン、オランダ、
ギリシャ、クロアチア、スペイン、ドイツ、フランス、
オーストラリア
Q.下の写真の共通点分かりますか?
ギリシャ
シチリア島
ドブロブニク(クロアチア)
博士号取得、そして海外へ
2016年3月、博士号を取得。パリ天文台にてポスドクを開始。
子午線
350年の歴史!
*職場からエッフェル塔が見えました。
(ボスのBenoit Semelin氏と)
フランスってこんな国!
美術館
スイーツ
建造物
そして中国へ
清華大学(北京)
雲南大学(雲南)
中国屈指の名門大学。キャンパスが
でかい!(東京ドーム87個分)
中国の南に位置している
雲南省ってこんなところ
雲南省ってこんなところ
標高が2000mくらいで、空が近く、よく見える。
雲南省ってこんなところ
標高が2000mくらいで、空が近く、よく見える。
古い街並みが残っている
雲南省ってこんなところ
標高が2000mくらいで、空が近く、よく見える。
古い街並みが残っている
きのこが有名(肉より高い!)
海外経験で学んだこと
・渡航後しばらくは、言語の壁に阻まれて苦労。
→始めての海外長期滞在先オランダでの最初の3ヶ月は英語が聞き取れない、話せ
ないで本当に辛かった。人と会いたくなかった。
・英語は話さないと上達しない。
→オックスフォードに移ったら、親日家のイタリア人と仲良くなり、彼を起点に友人
が増えた。金曜日にはパブに繰り出していた。必然的に英語で話す機会が増えた。
・文法のミスは最初は気にしないのが大事。
→とにかく話す事が大事。会話の中で文法ミスもするかもしれないが、相手はさほど気に
しない。
・研究者に必要な能力の一つはコミュニケーション力
→研究遂行のためだけではなく、海外生活ではコミュニケーション力は必須。日本にいる
時はコミュ力低かったけど、海外ではパーティーとかにも積極的に参加した。
英語を勉強すると、自分の選択肢が広がります!きちんと勉強しましょう!
ここからは宇宙の話
今から約46億前に地球が誕生。
誕生したばかりの地球は熱かった。
徐々に冷えて現在の地球に。
約20万年前に現在の人類につながるホモ・サピエンスが誕生
人類の進化
今から約2000年前にエジプトでピラミッドやスフィンクスなどが作ら
れました。
そして、現在・・・文明が高度に発達
ここでクイズです。
ここでクイズです。
地球が約46億年前に誕生してから現在まで、ずっと変わ
らないことは何でしょうか??(答えは色々あります)
答えは・・・
•地球が誕生してから現在までずっと太陽が存在し、地球は太陽の周りを1年かけて
1周(公転)している。
•太陽の様に、自分で輝いている星のことを恒星といいます。
•地球の様に、恒星の周りを周っている、自分では輝いていない地球や火星、
水星、土星の様な星のことを惑星といいます。
惑星
恒星
恒星(やガス)がたくさん集まった構造のことを銀河と言う
•私達の住む太陽系が属している銀河
は天の川銀河。
©https://utyuu-tanosimu.net/entry330.html
•輝いている一つ一つの点が恒星。
•銀河の中心にはブラックホールがある。
→秦先生の授業で!
•銀河の大きさは約30kpc
=10万光年
=9.23*10の17乗[km]
10=10の1乗
100=10の2乗
1000=10の3乗
0が17個=10の17乗
クイズ①
時速300kmの新幹線で銀河を横断するには何年かか
るでしょう?
(ヒント1)
(ヒント2)
クイズ①
時速300kmの新幹線で銀河を横断するには何年かか
るでしょう?
•銀河の大きさは約30kpc
=10万光年
=9.23*10の17乗[km]
(ヒント1)
(ヒント2)
クイズ①
時速300kmの新幹線で銀河を横断するには何年かか
るでしょう?
•銀河の大きさは約30kpc
=10万光年
=9.23*10の17乗[km]
(ヒント1)
(ヒント2)
時速300kmの新幹線は1年間で
300km/h*24[hour]*365[days]=2.63*10の6乗
[km]進む。
クイズ①
時速300kmの新幹線で銀河を横断するには何年かか
るでしょう?
•銀河の大きさは約30kpc
=10万光年
=9.23*10の17乗[km]
(ヒント1)
(ヒント2)
時速300kmの新幹線は1年間で
300km/h*24[hour]*365[days]=2.63*10の6乗
[km]進む。
(答え)
9.23*10の17乗÷2.63*10の6乗
=3.51*10の11乗[年]
=3500億年!
クイズ①
時速300kmの新幹線で銀河を横断するには何年かか
るでしょう?
•銀河の大きさは約30kpc
=10万光年
=9.23*10の17乗[km]
(ヒント1)
(ヒント2)
時速300kmの新幹線は1年間で
300km/h*24[hour]*365[days]=2.63*10の6乗
[km]進む。
(答え)
9.23*10の17乗÷2.63*10の6乗
=3.51*10の11乗[年]
=3500億年!
ちなみに時速40000万kmのロケットでも約26億年かかる。
クイズ②
宇宙に銀河は何個くらいあるでしょうか?
1. 100個
2. 1万個
3. 100万個
4. 1億個 
5. もっとたくさん!
天文学=「宇宙について研究する学問」
小まとめ
•我々は惑星・地球に住んでいる
•地球は太陽の周りを周っている。太陽の周りには地球以外にも
惑星が存在する(太陽系)
•太陽は(天の川)銀河の中の一つの星にすぎない。
•宇宙にはものすごくたくさんの銀河が存在する。
宇宙の歴史の話
人々は今から2000年以上前に既に夜空を見て、宇宙を感じ、理解しようとして
きた。
©Greek astronomer
天文学の歴史は長い!宇宙を知りたいという気持ちは人類が昔から持っていた
よく尋ねられる質問
Q:天文学って何の役に立つんですか?
宇宙は一体、どれくらい大きいのだろう?
A. お金をたくさん稼いだり、生活を便利にするという意味では役に立たないかも
しれません。また、人は宇宙について考えなくても生きていけます。
しかし・・・
ふと夜空を見上げて、広大に広がる宇宙に想いを馳せるとき、もしかしたら、ワク
ワクするかもしれません。そして、それはあなたの人生を少しだけ豊かにするかも
しれません。好奇心や疑問を大切にしてください。考えることを止めないでくださ
い。
宇宙の歴史ってどうなっているんだろう?
地球以外にも生命は存在するのかな?
よく尋ねられる質問
Q:天文学って何の役に立つんですか?
宇宙は一体、どれくらい大きいのだろう?
A. お金をたくさん稼いだり、生活を便利にするという意味では役に立たないかも
しれません。また、人は宇宙について考えなくても生きていけます。
しかし・・・
ふと夜空を見上げて、広大に広がる宇宙に想いを馳せるとき、もしかしたら、ワク
ワクするかもしれません。そして、それはあなたの人生を少しだけ豊かにするかも
しれません。好奇心や疑問を大切にしてください。考えることを止めないでくださ
い。
宇宙の歴史ってどうなっているんだろう?
地球以外にも生命は存在するのかな?
観測的宇宙論
⃝宇宙の歴史や進化を研究する分野
(例:宇宙はどのようにして始まったのか?
宇宙の中身はどうなっているのか?
宇宙は将来どうなるのか?)
⃝理論と観測の両方で研究
(紙と鉛筆による計算、コンピューター
を使った計算、地上望遠鏡、宇宙望遠
鏡)
Q. 現在、宇宙の年齢は何歳でしょう?
クイズ③
1・約1億歳
2・約10億歳
3・約100億歳
4・約1000億歳
5・もっと年取っている
Q. 現在、宇宙の年齢は何歳でしょう?
クイズ③
1・約1億歳
2・約10億歳
3・約100億歳
4・約1000億歳
5・もっと年取っている
宇宙マイクロ波背景放射の観測により、現在の宇
宙年齢は138億歳ということが分かっている。
現在の宇宙
©Hubble space telescope
現在の宇宙
星、銀河で輝く夜空
©Hubble space telescope
過去の宇宙
過去の宇宙
星や銀河が存在しない真っ暗な宇宙
過去の宇宙
星や銀河が存在しない真っ暗な宇宙
真っ暗な宇宙はどのような過程を経て、現在の宇宙になっ
たのだろう?
宇宙の歴史・・・の前に中学校で習う
化学のお話
水素(H):一番軽い元素
H H
O
酸素(O)
合体!
H H
O
水(H2O)
水素は地球上でも身近な物質だけど、宇宙でも一番多い物質。宇宙の「普通の」
物質の約75%が水素。
(宿題)
宇宙には「普通ではない」物質や「よく分からない」エネルギーも存在します。
自分で調べてみよう!(ヒント:暗黒物質、暗黒エネルギー)
水素(H)は陽子(p)と電子(e)で作られている。電子は陽子の周りを周っている。
水素
電子が陽子の周りから飛び出す
=電離(イオン化)
p e p
e
宇宙の歴史
現在
過去
https://universe-review.ca/
宇宙暗黒時代(Dark Ages)・・・星や銀河の存在しない真っ暗な時代
宇宙再電離期(Epoch of Reionization, EoR)・・・銀河からの紫外線
によって宇宙(銀河間物質中)の水素が電離(イオン化)。
宇宙の夜明け(Cosmic Dawn)・・・宇宙最初の星や銀河が作られる
(宇宙誕生数億年後).
©国立天文台
Q:宇宙暗黒時代、宇宙の夜明け、宇宙再電離期は何で重要?
A: 何も無かった宇宙に最初の星や銀河ができて、どのように現在の宇宙に進化した
かを考えることは、宇宙の歴史を考える上で重要。
Q:宇宙暗黒時代、宇宙の夜明け、宇宙再電離期は何で重要?
A: 何も無かった宇宙に最初の星や銀河ができて、どのように現在の宇宙に進化した
かを考えることは、宇宙の歴史を考える上で重要。
宇宙暗黒時代、宇宙の夜明け、宇宙再電離期はまだ観測され
ていない!!
Q:宇宙暗黒時代、宇宙の夜明け、宇宙再電離期は何で重要?
A: 何も無かった宇宙に最初の星や銀河ができて、どのように現在の宇宙に進化した
かを考えることは、宇宙の歴史を考える上で重要。
?
宇宙暗黒時代、宇宙の夜明け、宇宙再電離期はまだ観測され
ていない!!
宇宙の物質のほとんどは水素
宇宙再電離期は未だ観測されていない天文学のフロンティア!初代星
や初代銀河とも深い関係があるのでとても重要な時代。
宇宙暗黒時代、宇宙の夜明け、宇宙再電離期をどうやって観測する?
H
宇宙の物質のほとんどは水素
水素から出る「光」を観よう!
宇宙再電離期は未だ観測されていない天文学のフロンティア!初代星
や初代銀河とも深い関係があるのでとても重要な時代。
宇宙暗黒時代、宇宙の夜明け、宇宙再電離期をどうやって観測する?
H
電磁波は「波長」によって名称が異なる
電磁波の種類
電磁波は「波長」によって名称が異なる
電磁波の種類
Q:身近で電磁波を使っている物は何があ
りますか??
我々の日常生活には電磁波がいろいろなところで使われている!
©電磁界情報センター
天文学でもいろいろな波長の電磁波を使って観測をしている。
すばる望遠鏡
ALMA望遠鏡
チャンドラ衛星
フェルミ衛星
いろいろな波長で見た天の川銀河
○21cm線: 中性水素原子から波長が21cm(周波数1.4GHz)の
電波、「21cm線」が放射される。
21cm線
水素から電波が出る!
つまり・・・
ということが重要。
21cm線
21cm線
21cm線(難しい説明)
•21cm線放射 :超微細構造によって、IGM中の中性水素は21cm線を放射する.
z=6 (EoR) → 1.5m or 202 MHz
z=20 (cosmic dawn) → 4.4m or 68MHz
電波 域!
IGM中の21cm線を使えば、中性水素の3次元分布を赤方偏移に沿ってトモグラ
フィー的に観測できる
Tb =
TS T
1 + z
(1 exp(⌧⌫))
⇠ 27xH(1 + m)
✓
H
dvr/dr + H
◆ ✓
1
T
TS
◆ ✓
1 + z
10
0.15
⌦mh2
◆1/2 ✓
⌦bh2
0.023
◆
[mK]
•輝度温度 (21cm signal)
赤 : 宇宙論 青 : 天体物理
21cm線で観る宇宙(シミュレーション)
(C)Kenji Hasegawa(Nagoya University)
Credit: M. Alvarez, R. Kae
(C)Kenji Hasegawa(Nagoya University)
Credit: M. Alvarez, R. Kae
21cm線を観測するには
21cm線は電波なので、電波望遠鏡を用いて観測する。
電波観測
FAST望遠鏡(単一鏡、中国) ALMA望遠鏡(干渉計、チリ)
電波観測と光赤外観測の違い
光赤外観測 電波観測
⃝基本的には一つの望
遠鏡で観測
(例・すばる望遠鏡)
⃝複数の望遠鏡を組み
合わせて観測可能(高
分解能を実現)
⃝星や銀河などを観測
⃝銀河間ガスや星間ガ
ス等を観測。
電波観測
MWA LOFAR HERA
GMRT
電波干渉計
現在の21cm線観測
たくさんのアンテナを組み
合わせて観測する。
MWA LOFAR HERA
GMRT
電波干渉計
現在の21cm線観測
たくさんのアンテナを組み
合わせて観測する。
しかし、まだ過去の宇宙の
21cm線は観測されていない!
21cm線を観測するための新しい望遠鏡SKAが2028年に観測開始予定!
21cm線を観測するための新しい望遠鏡SKAが2028年に観測開始予定!
みなさんが大学生、大学院生にな
る頃には天文学がさらに発展して
いる!
おまけ
©朝日新聞
•宇宙に地球人以外の知的生命体は存在する
のか?
•SKAで推進する科学目標の一つが「知的
生命体」の探査
興味のある人は「宇宙生物学」や
「SETI」で調べてみよう。
•これからの天文学のホットトピックの一つ。
撮影はアレシボ望遠鏡やカール・ジャンスキー望遠鏡。
宇宙の知的生命体を取り扱った映画作品と
して「コンタクト」がおすすめ
宇宙について勉強・研究したくなったら
•天文学を勉強するには数学、物理学は必須です。また、宇宙生物学などを勉強したい人
は、化学や生物学も勉強しないといけません。
•論文は英語で書かれていますし、海外の研究者とのやり取りは英語です。英語もしっ
かり勉強しましょう。
•日本で、宇宙について勉強できる大学は東京大学、京都大学、東北大学、名古屋大学
などがあります。これらは難しい大学ですので、まずは学校の勉強をしっかりやりま
しょう。
•ここに参加しているみなさんは、好奇心旺盛で人と少し変わっていて、周囲から何か
言われることもあるかもしれません。しかし、そんなのは気にしなくて良いです。自分
の好きなことをトコトン追求しましょう。
宇宙について勉強・研究したくなったら
「Newton」という雑誌は歴史ある伝統的な科学雑誌。豊富なイラストで宇宙に
ついて学べます。
保護者の皆様へ
•大人でも興味を持てない人がいる科学に興味のあるお子様を育てられたのは、保護者
の皆様がお子様の好奇心を伸ばす教育をしたからだと思います。
•私自身は親から「勉強しろ」と言われたことはただの一度もありませんでした。これ
からもお子様の自由な成長を見守り、お子様と一緒に考える事を続けていただければ
と思います。
•昨今、日本の科学技術力は衰退し、国際的な地位も低下しています。そんな中で、科
学技術に興味のあるお子様は、今後の日本の科学技術において貴重な存在になると思
います。
メッセージ
•みなさんがどんな職業に就くか分かりませんが、英語がで
きると海外で働くという選択肢が広がります。
•海外で生活すると日本とは異なる文化に触れることがで
き、また、新しい視点で日本を見つめ直すことができます。
•宇宙再電離、21cm線、SKAという単語だけでも覚えて帰っ
てください。
•天文学は長い歴史を持っているが、未だに宇宙については
分からないことがいっぱい。
自習用スライド(興味のあ
る人は読んでください)
1・相対性理論
相対性理論??
相対性理論(Theory of relativity)
•難しい理論だ!(普通の反応)
•相対性理論ってどんな理論?(普通の反応)
•特殊相対性理論と一般相対性理論ってあるけど違いは?
(科学に詳しい人の反応)
•最近は一般相対性理論を超えて修正重力理論や、量子力学との融合を目指して量子重力理論
なども活発に研究が行われていますよね(プロだ!今日の話は退屈だと思うので早く寝てください!)
今日は相対性理論がどんな理論で、何故、宇宙を考える上で重要なのかを
知ってもらえればと思います。
相対性理論って何?
アルバート・アインシュタイン
(Albert Einstein)
20世紀の天才物理学者・アルバート・アインシュタインによって提唱され
た理論。特殊相対性理論(1905年)、一般相対性理論(1916年)
相対性理論を一言で説明すると
時間+空間(時空)、物質についての理論
「宇宙」という単語は「天地四方上下(空間)」を意味する「宇」と「往古来今(時間)」を
意味する「宙」でできている。(中国戦国時代の書物「尸子巻下」より)
つまり、「宇宙」について考えることは「時空」について考えること
何故、相対性理論は宇宙を考える上で大事なの?
アインシュタイン小噺
•アインシュタインのノーベル賞は「相対性理論」に対してではない!?
•慰謝料はノーベル賞の賞金で
1921年、ノーベル物理学賞を受賞。受賞理由は「光電効果の法則の発見等」
1905年は奇跡の年と呼ばれ、「特殊相対性理論」「光量子仮説」「ブラウン運動」に関する論文を発表。
どれも当時の物理界で画期的な理論。
相対性理論は観測的な検証がなされていなかったからノーベル賞対象ではなかった言われている。
最初の妻ミレーバとの離婚の際に、「ノーベル賞を取って、その賞金を慰謝料に充てる」と言って離婚を
成立させる。その後、本当にノーベル賞受賞。
•親日家
親日家である。日本に滞在した際に宿泊した帝国ホテルでベルボーイにチップ代わりに渡した2枚のドイ
ツ語のメモが2017年、それぞれ156万ドル、24万ドルで落札された。
(特殊)相対性理論とは
Q.そもそも、何が「相対的」なのか?
A.空間。アインシュタイン以前の力学(ニュートン力学)では、「絶対空間」と呼ばれる、
「自分は絶対に静止している」と言える空間を考えた。でも、相対性理論では「『自分は
絶対に静止している』と主張できる空間などない」というのが出発点になる。
•「絶対空間」の否定。その代わりに「絶対」なのが「光の速さ」
実験的に「光の速さは観測者によらず一定」ということが示される。(マイケルソン&モーレー)
+(特殊)相対性原理(自然法則は慣性系において同一の方程式で書ける)
特殊相対性理論!
(等速直線運動している=一定の速さで動いている)
特殊相対性理論で起こる不思議なこと
•動いている物体が縮んで見える! (ローレンツ収縮)
•動いている人の時間は遅れる!
(参考:http://www.phys.u-ryukyu.ac.jp/~maeno/rel/tokushu.pdf)
光の速さが一定であることから以下の2つの現象が起こる。
静止している人が、動いている人(モノ)を見た時、縮んで見える。
静止している人が動いている人の時計を見ると、時間が遅れて進んで見える。
興味のある方は「双子のパラドックス」で検索してみてください。
特殊相対性理論(発展的内容)
と、ここまでが一般向けの特殊相対性理論の本で取り上げられていること・・・ ここではより発展的な内容に興味のある
人にむけての説明を行う。それ以外の人は聞き流してもらって大丈夫です!
•ローレンツ変換
•慣性系における自然法則の共変性
ニュートン力学では慣性系間の座標変換は「ガリレイ変換」で与えられるが、光速度不変の原理を
考慮するとガリレイ変換は成り立たず、特殊相対性理論ではガリレイ変換に変わる「ローレンツ変
換」を考えないといけない。
ローレンツ変換によって、力学法則や電磁気学の法則の形は共変であり、座標系によらず変
わらない形で書くことができる。
<latexit sha1_base64="4YxvJMoQh1Wyj8FQ6eriN091Dfk=">AAACN3icbVDJSgNBFOxxjXGLevQyGMQETJwJil6EoBdPEsHEQDZ6Oj3apGex+01IaOavvPgb3vTiQRGv/oGdBVySgoaiqh6vXzkhZxIs69mYmZ2bX1hMLCWXV1bX1lMbmxUZRILQMgl4IKoOlpQzn5aBAafVUFDsOZzeOJ3zgX/TpUKywL+GfkgbHr71mcsIBi21Upc9tRef1l2BierluhCrurwXoOxcpntAss1CHO9D8ycDQ72pCnG2NyXbSqWtvDWEOUnsMUmjMUqt1FO9HZDIoz4QjqWs2VYIDYUFMMJpnKxHkoaYdPAtrWnqY4/KhhreHZu7WmmbbiD088Ecqr8nFPak7HuOTnoY7uR/byBO82oRuCcNxfwwAuqT0SI34iYE5qBEs80EJcD7mmAimP6rSe6w7gd01Uldgv3/5ElSKeTto7x1dZguno3rSKBttIMyyEbHqIguUAmVEUEP6AW9oXfj0Xg1PozPUXTGGM9soT8wvr4BJ+OsDA==</latexit>
x0
=
x vt
p
1 (v/c)2
, t
0
=
t (v/c2
)x
p
1 (v/c)2
(販売:Eman Physics)
特殊相対性理論で扱えないこと
•慣性系以外の座標系では取り扱えない
つまり、特別な状況しか考えることができない。だから「特殊」相対性理論。
•重力は対象外
力学や電磁気学(電気や磁気の分野)は取り扱えるが、重力は取り扱えない。
特殊相対性理論は一言で説明すると、「光速度不変の原理と相対性原理に基づいて慣性系で物
理法則を同じ形で表す」という理論。
しかし・・・
どうするか?
一般相対性理論への道
”生涯で最も素晴らしいアイデア” by アインシュタイン
重力を直接取り扱えないなら、重力を消せば良いんだ!(等価原理)
©真海さんの記事
落下するエレベーター内では「ふわっ」とする。
あたかも重力が「消えた」様に見える
つまり落下する(加速する)ことで重力が「消せる」。
重力が消せるということは「慣性系」として取り扱える。
+(一般)相対性原理(自然法則は全ての系において同一の方程式で書ける)
一般相対性理論!
一般相対性理論
Rµ⌫
1
2
gµ⌫R + ⇤gµ⌫ =
8⇡G
c4
Tµ⌫
アインシュタイン方程式
時空の歪み(曲率) 宇宙定数項 物質分布
アインシュタイン方程式の意味「物質(エネルギー)があると、時空(時間+空間)は歪む」
測地線方程式
<latexit sha1_base64="SbtVyA20mhImYUUXtm4e2w7Q0DM=">AAACSHicbZBPa9swGMbldG3TbO3S9tiLWRgMBsEOG+ulUNrDdsxgaQJxYl7LciIiyUZ/SoPwx+ulx932GXbZoWPsNjk1LEv2guDh97wPkp6kYFTpIPjmNXae7e7tNw9az18cHr1sH5/cqNxITAY4Z7kcJaAIo4IMNNWMjApJgCeMDJPFdeUPb4lUNBdf9LIgEw4zQTOKQTsUt+Mok4BtOrW98m5qI+aiKZSlTdW0V76NPgLn8JfHNuImEqasY1WEm9X6OhI1ugjidifoBqvxt0VYiw6qpx+3v0Zpjg0nQmMGSo3DoNATC1JTzEjZiowiBeAFzMjYSQGcqIldFVH6rx1J/SyX7gjtr+h6wgJXaskTt8lBz9WmV8H/eWOjs/OJpaIwmgj8dFFmmK9zv2rVT6kkWLOlE4AldW/18RxcH9p133IlhJtf3hY3vW74vht8fte5vKrraKIz9Aq9QSH6gC7RJ9RHA4TRPfqOHtFP78H74f3yfj+tNrw6c4r+mUbjD2N8tkk=</latexit>
d2
x
ds2
+ µ⌫
dxµ
ds
dx⌫
ds
= 0
曲がった時空での運動を記述する式(運動方程式)
近年出版された一般相対性理論入門書。高校生
レベルから出発して一般相対性理論にたどり着
ける
一般相対性理論
Rµ⌫
1
2
gµ⌫R + ⇤gµ⌫ =
8⇡G
c4
Tµ⌫
アインシュタイン方程式
時空の歪み(曲率) 宇宙定数項 物質分布
アインシュタイン方程式の意味「物質(エネルギー)があると、時空(時間+空間)は歪む」
測地線方程式
<latexit sha1_base64="SbtVyA20mhImYUUXtm4e2w7Q0DM=">AAACSHicbZBPa9swGMbldG3TbO3S9tiLWRgMBsEOG+ulUNrDdsxgaQJxYl7LciIiyUZ/SoPwx+ulx932GXbZoWPsNjk1LEv2guDh97wPkp6kYFTpIPjmNXae7e7tNw9az18cHr1sH5/cqNxITAY4Z7kcJaAIo4IMNNWMjApJgCeMDJPFdeUPb4lUNBdf9LIgEw4zQTOKQTsUt+Mok4BtOrW98m5qI+aiKZSlTdW0V76NPgLn8JfHNuImEqasY1WEm9X6OhI1ugjidifoBqvxt0VYiw6qpx+3v0Zpjg0nQmMGSo3DoNATC1JTzEjZiowiBeAFzMjYSQGcqIldFVH6rx1J/SyX7gjtr+h6wgJXaskTt8lBz9WmV8H/eWOjs/OJpaIwmgj8dFFmmK9zv2rVT6kkWLOlE4AldW/18RxcH9p133IlhJtf3hY3vW74vht8fte5vKrraKIz9Aq9QSH6gC7RJ9RHA4TRPfqOHtFP78H74f3yfj+tNrw6c4r+mUbjD2N8tkk=</latexit>
d2
x
ds2
+ µ⌫
dxµ
ds
dx⌫
ds
= 0
曲がった時空での運動を記述する式(運動方程式)
近年出版された一般相対性理論入門書。高校生
レベルから出発して一般相対性理論にたどり着
ける
人生最大の過ちだった!!
宇宙膨張が観測されて・・・・
人生最大の過ちだった!!
宇宙膨張が観測されて・・・・
近年では暗黒エネルギー
に対応する項
地上で時間の遅れを測定
東京大学が18桁の精度の「光格子時計」を用いて、スカイツリーの地上階と展望台での時間
の遅れを測定。
一般相対性理論によると重力の強い場所では「時間の進みが遅れる」
スカイツリー(約600メートル)の高さでも重力の大きさに違いがある。
→スカイツリーの展望台で時間の進みが早いことを確かめた。
①アインシュタイン自身による相対論の一般向け解説本。
②相対論専門家による入門書。
③大学で相対論を初めて学んだ一冊。分かりやすい。
④一般相対性理論を学んだ一冊。分かりやすい。
⑤ノーベル賞物理学者S. Weinbergによるガチ専門書。大
学上級生から大学院生向け。でも読みやすい。
① ② ③ ④
⑤
相対性理論おすすめ本
①アインシュタイン自身による相対論の一般向け解説本。
②相対論専門家による入門書。
③大学で相対論を初めて学んだ一冊。分かりやすい。
④一般相対性理論を学んだ一冊。分かりやすい。
⑤ノーベル賞物理学者S. Weinbergによるガチ専門書。大
学上級生から大学院生向け。でも読みやすい。
① ② ③ ④
⑤
相対性理論おすすめ本
一般相対性理論で見る宇宙
一般相対性理論の予言すること①
•(星質量)ブラックホール
一般相対性理論によると、物質(エネルギー)で時空は曲がる。星も最期には自分の重
さで潰れて時空が極端に曲がる。光さえも逃げられない。
•超巨大質量ブラックホール(Super Massive Black Hole)
太陽質量の10の5乗から10乗倍程度の質量を持つブラックホー
ル。銀河の中心に存在。今年のノーベル賞はいて座Aの超巨大
質量ブラックホールの発見について。遠方宇宙のSMBH。
EHTによるブラックホールシャドーの撮像
Why?
一般相対性理論の予言すること②
•重力波
時空のさざなみ。時空の激しい変動による歪みが波として伝わる。長年に渡り未検出
だったが、2015年ついに初検出。現在では50以上のイベントを観測。
重力波は時空の激しい変動によって生じる。
例えば中性子星やブラックホールの合体。
ブラックホールや中性子星の性
質を探る有力な手段。 重力波天文学の幕開け!
•重力レンズ効果
一般相対性理論の予言すること③
重力によって時空が曲がると光の経路も曲がる。1919年、エディントンが皆既日食を利用
して光の曲がりを確認。
光では見えない暗黒物質の探索にも使われいる。
弱い重力レンズ効果 強い重力レンズ効果
系外惑星の探索にも使われており、重力レンズ効果は現代の天文学では最重要な効果の一
つ。
(番外編)最新の論文紹介
宇宙で最遠方の銀河を発見!赤方偏移
z=11(宇宙誕生後約4億年)
2・膨張する宇宙
前回の復習(一般相対性理論)
Rµ⌫
1
2
gµ⌫R + ⇤gµ⌫ =
8⇡G
c4
Tµ⌫
アインシュタイン方程式
時空の歪み(曲率) 宇宙定数項 物質分布
アインシュタイン方程式の意味
「物質(エネルギー)があると、時空(時間+空間)は歪む」
アインシュタイン方程式を使うと、宇宙自体の進化について考えることができる!
Rµ⌫
1
2
gµ⌫R + ⇤gµ⌫ =
8⇡G
c4
Tµ⌫
アインシュタイン方程式
アインシュタイン方程式を眺める
①この方程式を解く。→
<latexit sha1_base64="viHyuF6PHzAaZClpzXD/JkVhZok=">AAAB8XicbVDLSgNBEOyNrxhfUY9eBoPgKeyKosegF48RTAxmlzA7mU2GzMwu8xDCkr/w4kERr/6NN//GSbIHTSxoKKq66e6KM8608f1vr7Syura+Ud6sbG3v7O5V9w/aOrWK0BZJeao6MdaUM0lbhhlOO5miWMScPsSjm6n/8ESVZqm8N+OMRgIPJEsYwcZJj4NeHgobSjvpVWt+3Z8BLZOgIDUo0OxVv8J+Sqyg0hCOte4GfmaiHCvDCKeTSmg1zTAZ4QHtOiqxoDrKZxdP0IlT+ihJlStp0Ez9PZFjofVYxK5TYDPUi95U/M/rWpNcRTmTmTVUkvmixHJkUjR9H/WZosTwsSOYKOZuRWSIFSbGhVRxIQSLLy+T9lk9uKj7d+e1xnURRxmO4BhOIYBLaMAtNKEFBCQ8wyu8edp78d69j3lryStmDuEPvM8f+kKRHQ==</latexit>
gµ⌫
を自分で与えて方程式をいじる。
②
<latexit sha1_base64="viHyuF6PHzAaZClpzXD/JkVhZok=">AAAB8XicbVDLSgNBEOyNrxhfUY9eBoPgKeyKosegF48RTAxmlzA7mU2GzMwu8xDCkr/w4kERr/6NN//GSbIHTSxoKKq66e6KM8608f1vr7Syura+Ud6sbG3v7O5V9w/aOrWK0BZJeao6MdaUM0lbhhlOO5miWMScPsSjm6n/8ESVZqm8N+OMRgIPJEsYwcZJj4NeHgobSjvpVWt+3Z8BLZOgIDUo0OxVv8J+Sqyg0hCOte4GfmaiHCvDCKeTSmg1zTAZ4QHtOiqxoDrKZxdP0IlT+ihJlStp0Ez9PZFjofVYxK5TYDPUi95U/M/rWpNcRTmTmTVUkvmixHJkUjR9H/WZosTwsSOYKOZuRWSIFSbGhVRxIQSLLy+T9lk9uKj7d+e1xnURRxmO4BhOIYBLaMAtNKEFBCQ8wyu8edp78d69j3lryStmDuEPvM8f+kKRHQ==</latexit>
gµ⌫
を求める。
計量は中学校の時に習ったあの「定理」を使ったら理解できるので、次のページで見ていきましょう。
アインシュタイン方程式を見かけたら・・・
Rµ⌫
1
2
gµ⌫R + ⇤gµ⌫ =
8⇡G
c4
Tµ⌫
アインシュタイン方程式
アインシュタイン方程式を眺める
①この方程式を解く。→
<latexit sha1_base64="viHyuF6PHzAaZClpzXD/JkVhZok=">AAAB8XicbVDLSgNBEOyNrxhfUY9eBoPgKeyKosegF48RTAxmlzA7mU2GzMwu8xDCkr/w4kERr/6NN//GSbIHTSxoKKq66e6KM8608f1vr7Syura+Ud6sbG3v7O5V9w/aOrWK0BZJeao6MdaUM0lbhhlOO5miWMScPsSjm6n/8ESVZqm8N+OMRgIPJEsYwcZJj4NeHgobSjvpVWt+3Z8BLZOgIDUo0OxVv8J+Sqyg0hCOte4GfmaiHCvDCKeTSmg1zTAZ4QHtOiqxoDrKZxdP0IlT+ihJlStp0Ez9PZFjofVYxK5TYDPUi95U/M/rWpNcRTmTmTVUkvmixHJkUjR9H/WZosTwsSOYKOZuRWSIFSbGhVRxIQSLLy+T9lk9uKj7d+e1xnURRxmO4BhOIYBLaMAtNKEFBCQ8wyu8edp78d69j3lryStmDuEPvM8f+kKRHQ==</latexit>
gµ⌫
を自分で与えて方程式をいじる。
②
<latexit sha1_base64="viHyuF6PHzAaZClpzXD/JkVhZok=">AAAB8XicbVDLSgNBEOyNrxhfUY9eBoPgKeyKosegF48RTAxmlzA7mU2GzMwu8xDCkr/w4kERr/6NN//GSbIHTSxoKKq66e6KM8608f1vr7Syura+Ud6sbG3v7O5V9w/aOrWK0BZJeao6MdaUM0lbhhlOO5miWMScPsSjm6n/8ESVZqm8N+OMRgIPJEsYwcZJj4NeHgobSjvpVWt+3Z8BLZOgIDUo0OxVv8J+Sqyg0hCOte4GfmaiHCvDCKeTSmg1zTAZ4QHtOiqxoDrKZxdP0IlT+ihJlStp0Ez9PZFjofVYxK5TYDPUi95U/M/rWpNcRTmTmTVUkvmixHJkUjR9H/WZosTwsSOYKOZuRWSIFSbGhVRxIQSLLy+T9lk9uKj7d+e1xnURRxmO4BhOIYBLaMAtNKEFBCQ8wyu8edp78d69j3lryStmDuEPvM8f+kKRHQ==</latexit>
gµ⌫
を求める。 そもそも
<latexit sha1_base64="viHyuF6PHzAaZClpzXD/JkVhZok=">AAAB8XicbVDLSgNBEOyNrxhfUY9eBoPgKeyKosegF48RTAxmlzA7mU2GzMwu8xDCkr/w4kERr/6NN//GSbIHTSxoKKq66e6KM8608f1vr7Syura+Ud6sbG3v7O5V9w/aOrWK0BZJeao6MdaUM0lbhhlOO5miWMScPsSjm6n/8ESVZqm8N+OMRgIPJEsYwcZJj4NeHgobSjvpVWt+3Z8BLZOgIDUo0OxVv8J+Sqyg0hCOte4GfmaiHCvDCKeTSmg1zTAZ4QHtOiqxoDrKZxdP0IlT+ihJlStp0Ez9PZFjofVYxK5TYDPUi95U/M/rWpNcRTmTmTVUkvmixHJkUjR9H/WZosTwsSOYKOZuRWSIFSbGhVRxIQSLLy+T9lk9uKj7d+e1xnURRxmO4BhOIYBLaMAtNKEFBCQ8wyu8edp78d69j3lryStmDuEPvM8f+kKRHQ==</latexit>
gµ⌫ って何!?
<latexit sha1_base64="viHyuF6PHzAaZClpzXD/JkVhZok=">AAAB8XicbVDLSgNBEOyNrxhfUY9eBoPgKeyKosegF48RTAxmlzA7mU2GzMwu8xDCkr/w4kERr/6NN//GSbIHTSxoKKq66e6KM8608f1vr7Syura+Ud6sbG3v7O5V9w/aOrWK0BZJeao6MdaUM0lbhhlOO5miWMScPsSjm6n/8ESVZqm8N+OMRgIPJEsYwcZJj4NeHgobSjvpVWt+3Z8BLZOgIDUo0OxVv8J+Sqyg0hCOte4GfmaiHCvDCKeTSmg1zTAZ4QHtOiqxoDrKZxdP0IlT+ihJlStp0Ez9PZFjofVYxK5TYDPUi95U/M/rWpNcRTmTmTVUkvmixHJkUjR9H/WZosTwsSOYKOZuRWSIFSbGhVRxIQSLLy+T9lk9uKj7d+e1xnURRxmO4BhOIYBLaMAtNKEFBCQ8wyu8edp78d69j3lryStmDuEPvM8f+kKRHQ==</latexit>
gµ⌫ は「計量(metric)」という名前です。
計量は中学校の時に習ったあの「定理」を使ったら理解できるので、次のページで見ていきましょう。
アインシュタイン方程式を見かけたら・・・
μやνには数字が入る。
計量とは①
計量とは空間(時空)の距離を決める量。 <latexit sha1_base64="pYMcwsRSMjnM540QWkIPDmbWuTU=">AAAB6XicbVBNS8NAEJ3Ur1q/qh69LBbBU0lE0WPRi8cq1hbaUDabSbt0swm7G6GE/gMvHhTx6j/y5r9x2+agrQ8GHu/NMDMvSAXXxnW/ndLK6tr6RnmzsrW9s7tX3T941EmmGLZYIhLVCahGwSW2DDcCO6lCGgcC28HoZuq3n1BpnsgHM07Rj+lA8ogzaqx0H+p+tebW3RnIMvEKUoMCzX71qxcmLItRGiao1l3PTY2fU2U4Ezip9DKNKWUjOsCupZLGqP18dumEnFglJFGibElDZurviZzGWo/jwHbG1Az1ojcV//O6mYmu/JzLNDMo2XxRlAliEjJ9m4RcITNibAllittbCRtSRZmx4VRsCN7iy8vk8azuXdTdu/Na47qIowxHcAyn4MElNOAWmtACBhE8wyu8OSPnxXl3PuatJaeYOYQ/cD5/AJzejWk=</latexit>
ds
<latexit sha1_base64="6egftbR1QwQvF8VoQ/Q+J04H3r8=">AAAB6XicbVBNS8NAEJ3Ur1q/qh69LBbBU0lE0WPRi8cq9gPaUDbbTbt0swm7E7GE/gMvHhTx6j/y5r9x2+agrQ8GHu/NMDMvSKQw6LrfTmFldW19o7hZ2tre2d0r7x80TZxqxhsslrFuB9RwKRRvoEDJ24nmNAokbwWjm6nfeuTaiFg94DjhfkQHSoSCUbTSff+pV664VXcGsky8nFQgR71X/ur2Y5ZGXCGT1JiO5yboZ1SjYJJPSt3U8ISyER3wjqWKRtz42ezSCTmxSp+EsbalkMzU3xMZjYwZR4HtjCgOzaI3Ff/zOimGV34mVJIiV2y+KEwlwZhM3yZ9oTlDObaEMi3srYQNqaYMbTglG4K3+PIyaZ5VvYuqe3deqV3ncRThCI7hFDy4hBrcQh0awCCEZ3iFN2fkvDjvzse8teDkM4fwB87nD6RyjW4=</latexit>
dx
<latexit sha1_base64="dcNX2je37clunP2MVKBvjeXiXa8=">AAAB6XicbVBNS8NAEJ3Ur1q/qh69LBbBU0lE0WPRi8cq1hbaUDabTbt0swm7E6GE/gMvHhTx6j/y5r9x2+agrQ8GHu/NMDMvSKUw6LrfTmlldW19o7xZ2dre2d2r7h88miTTjLdYIhPdCajhUijeQoGSd1LNaRxI3g5GN1O//cS1EYl6wHHK/ZgOlIgEo2il+3Dcr9bcujsDWSZeQWpQoNmvfvXChGUxV8gkNabruSn6OdUomOSTSi8zPKVsRAe8a6miMTd+Prt0Qk6sEpIo0bYUkpn6eyKnsTHjOLCdMcWhWfSm4n9eN8Poys+FSjPkis0XRZkkmJDp2yQUmjOUY0so08LeStiQasrQhlOxIXiLLy+Tx7O6d1F3785rjesijjIcwTGcggeX0IBbaEILGETwDK/w5oycF+fd+Zi3lpxi5hD+wPn8AaX2jW8=</latexit>
dy
ピタゴラスの定理(三平方の定理)
<latexit sha1_base64="Ac0uI/nhObTAnc/muYWOY7rkjQI=">AAAB/XicbVDLSsNAFL2pr1pf8bFzM1gEQShJUXQjFN24rGAf0MYymUzboZMHMxMxhuKvuHGhiFv/w51/46TNQlsPDPdwzr3cO8eNOJPKsr6NwsLi0vJKcbW0tr6xuWVu7zRlGAtCGyTkoWi7WFLOAtpQTHHajgTFvstpyx1dZX7rngrJwuBWJRF1fDwIWJ8RrLTUM/c8eZdWxxfeQ1aOvSQrPbNsVawJ0Dyxc1KGHPWe+dX1QhL7NFCEYyk7thUpJ8VCMcLpuNSNJY0wGeEB7WgaYJ9KJ51cP0aHWvFQPxT6BQpN1N8TKfalTHxXd/pYDeWsl4n/eZ1Y9c+dlAVRrGhApov6MUcqRFkUyGOCEsUTTTARTN+KyBALTJQOrKRDsGe/PE+a1Yp9WrFuTsq1yzyOIuzDARyBDWdQg2uoQwMIPMIzvMKb8WS8GO/Gx7S1YOQzu/AHxucPJ5mVBw==</latexit>
ds2
= dx2
+ dy2
全く同じことですが、空間内のある2点の距離も同
様に計算できる。
<latexit sha1_base64="pYMcwsRSMjnM540QWkIPDmbWuTU=">AAAB6XicbVBNS8NAEJ3Ur1q/qh69LBbBU0lE0WPRi8cq1hbaUDabSbt0swm7G6GE/gMvHhTx6j/y5r9x2+agrQ8GHu/NMDMvSAXXxnW/ndLK6tr6RnmzsrW9s7tX3T941EmmGLZYIhLVCahGwSW2DDcCO6lCGgcC28HoZuq3n1BpnsgHM07Rj+lA8ogzaqx0H+p+tebW3RnIMvEKUoMCzX71qxcmLItRGiao1l3PTY2fU2U4Ezip9DKNKWUjOsCupZLGqP18dumEnFglJFGibElDZurviZzGWo/jwHbG1Az1ojcV//O6mYmu/JzLNDMo2XxRlAliEjJ9m4RcITNibAllittbCRtSRZmx4VRsCN7iy8vk8azuXdTdu/Na47qIowxHcAyn4MElNOAWmtACBhE8wyu8OSPnxXl3PuatJaeYOYQ/cD5/AJzejWk=</latexit>
ds
<latexit sha1_base64="6egftbR1QwQvF8VoQ/Q+J04H3r8=">AAAB6XicbVBNS8NAEJ3Ur1q/qh69LBbBU0lE0WPRi8cq9gPaUDbbTbt0swm7E7GE/gMvHhTx6j/y5r9x2+agrQ8GHu/NMDMvSKQw6LrfTmFldW19o7hZ2tre2d0r7x80TZxqxhsslrFuB9RwKRRvoEDJ24nmNAokbwWjm6nfeuTaiFg94DjhfkQHSoSCUbTSff+pV664VXcGsky8nFQgR71X/ur2Y5ZGXCGT1JiO5yboZ1SjYJJPSt3U8ISyER3wjqWKRtz42ezSCTmxSp+EsbalkMzU3xMZjYwZR4HtjCgOzaI3Ff/zOimGV34mVJIiV2y+KEwlwZhM3yZ9oTlDObaEMi3srYQNqaYMbTglG4K3+PIyaZ5VvYuqe3deqV3ncRThCI7hFDy4hBrcQh0awCCEZ3iFN2fkvDjvzse8teDkM4fwB87nD6RyjW4=</latexit>
dx
<latexit sha1_base64="dcNX2je37clunP2MVKBvjeXiXa8=">AAAB6XicbVBNS8NAEJ3Ur1q/qh69LBbBU0lE0WPRi8cq1hbaUDabTbt0swm7E6GE/gMvHhTx6j/y5r9x2+agrQ8GHu/NMDMvSKUw6LrfTmlldW19o7xZ2dre2d2r7h88miTTjLdYIhPdCajhUijeQoGSd1LNaRxI3g5GN1O//cS1EYl6wHHK/ZgOlIgEo2il+3Dcr9bcujsDWSZeQWpQoNmvfvXChGUxV8gkNabruSn6OdUomOSTSi8zPKVsRAe8a6miMTd+Prt0Qk6sEpIo0bYUkpn6eyKnsTHjOLCdMcWhWfSm4n9eN8Poys+FSjPkis0XRZkkmJDp2yQUmjOUY0so08LeStiQasrQhlOxIXiLLy+Tx7O6d1F3785rjesijjIcwTGcggeX0IBbaEILGETwDK/w5oycF+fd+Zi3lpxi5hD+wPn8AaX2jW8=</latexit>
dy
<latexit sha1_base64="Ac0uI/nhObTAnc/muYWOY7rkjQI=">AAAB/XicbVDLSsNAFL2pr1pf8bFzM1gEQShJUXQjFN24rGAf0MYymUzboZMHMxMxhuKvuHGhiFv/w51/46TNQlsPDPdwzr3cO8eNOJPKsr6NwsLi0vJKcbW0tr6xuWVu7zRlGAtCGyTkoWi7WFLOAtpQTHHajgTFvstpyx1dZX7rngrJwuBWJRF1fDwIWJ8RrLTUM/c8eZdWxxfeQ1aOvSQrPbNsVawJ0Dyxc1KGHPWe+dX1QhL7NFCEYyk7thUpJ8VCMcLpuNSNJY0wGeEB7WgaYJ9KJ51cP0aHWvFQPxT6BQpN1N8TKfalTHxXd/pYDeWsl4n/eZ1Y9c+dlAVRrGhApov6MUcqRFkUyGOCEsUTTTARTN+KyBALTJQOrKRDsGe/PE+a1Yp9WrFuTsq1yzyOIuzDARyBDWdQg2uoQwMIPMIzvMKb8WS8GO/Gx7S1YOQzu/AHxucPJ5mVBw==</latexit>
ds2
= dx2
+ dy2
計量とは②
<latexit sha1_base64="Ac0uI/nhObTAnc/muYWOY7rkjQI=">AAAB/XicbVDLSsNAFL2pr1pf8bFzM1gEQShJUXQjFN24rGAf0MYymUzboZMHMxMxhuKvuHGhiFv/w51/46TNQlsPDPdwzr3cO8eNOJPKsr6NwsLi0vJKcbW0tr6xuWVu7zRlGAtCGyTkoWi7WFLOAtpQTHHajgTFvstpyx1dZX7rngrJwuBWJRF1fDwIWJ8RrLTUM/c8eZdWxxfeQ1aOvSQrPbNsVawJ0Dyxc1KGHPWe+dX1QhL7NFCEYyk7thUpJ8VCMcLpuNSNJY0wGeEB7WgaYJ9KJ51cP0aHWvFQPxT6BQpN1N8TKfalTHxXd/pYDeWsl4n/eZ1Y9c+dlAVRrGhApov6MUcqRFkUyGOCEsUTTTARTN+KyBALTJQOrKRDsGe/PE+a1Yp9WrFuTsq1yzyOIuzDARyBDWdQg2uoQwMIPMIzvMKb8WS8GO/Gx7S1YOQzu/AHxucPJ5mVBw==</latexit>
ds2
= dx2
+ dy2
これをちょっとややこしく書くと
<latexit sha1_base64="CkUFX/RgBQrO+Y1YNuQB2C3zbo4=">AAACDXicbVDLSsNAFL3xWesr6tLNYBUEoSRF0Y1QdOOygn1AG8tkMmmHTh7MTMQS+gNu/BU3LhRx696df+OkDaKtBwbOOfde7tzjxpxJZVlfxtz8wuLScmGluLq2vrFpbm03ZJQIQusk4pFouVhSzkJaV0xx2ooFxYHLadMdXGb15h0VkkXhjRrG1AlwL2Q+I1hpq2vue/I2rYzO7Y5iAZXIu8/k0Y8cZrJrlqyyNQaaJXZOSpCj1jU/O15EkoCGinAsZdu2YuWkWChGOB0VO4mkMSYD3KNtTUOsdznp+JoROtCOh/xI6BcqNHZ/T6Q4kHIYuLozwKovp2uZ+V+tnSj/zElZGCeKhmSyyE84UhHKokEeE5QoPtQEE8H0XxHpY4GJ0gEWdQj29MmzpFEp2ydl6/q4VL3I4yjALuzBIdhwClW4ghrUgcADPMELvBqPxrPxZrxPWueMfGYH/sD4+AadGZtF</latexit>
ds2
= 1 ⇥ dx2
+ 1 ⇥ dy2
さらにもう少しややこしく書くと
<latexit sha1_base64="8iZ4BQ1aj0OsPeUxXO86Hjyy/ZI=">AAACK3icbZDLSgMxFIYz9VbrbdSlm2ARKkqZDIpuCqVuXFawF2hryWTSNjRzIcmIw9D3ceOruNCFF9z6HmY6RbR6IPDz/edwcn4n5Ewqy3ozcguLS8sr+dXC2vrG5pa5vdOUQSQIbZCAB6LtYEk582lDMcVpOxQUew6nLWd8kfqtWyokC/xrFYe05+GhzwaMYKVR36y58iaxJ5VhP0Fo0lXMoxK6dyk70sy2v1mcMljKGivoOHMr6LBvFq2yNS34V6CZKIJZ1fvmU9cNSORRXxGOpewgK1S9BAvFCKeTQjeSNMRkjIe0o6WP9f5eMr11Ag80ceEgEPr5Ck7pz4kEe1LGnqM7PaxGct5L4X9eJ1KD817C/DBS1CfZokHEoQpgGhx0maBE8VgLTATTf4VkhAUmSsdb0CGg+ZP/iqZdRqdl6+qkWK3N4siDPbAPSgCBM1AFl6AOGoCAe/AIXsCr8WA8G+/GR9aaM2Yzu+BXGZ9ftC6mDA==</latexit>
ds2
= g11 ⇥ dx2
+ g22 ⇥ dy2
(g11 = 1, g22 = 1)
逆に言えば、
<latexit sha1_base64="btEiqqVwoy9owzwAsDUREqZypy8=">AAAB/XicbZDLSgMxFIbP1Futt/GycxMsQgUpk6LoRii6cVnBXqAdhkyatqGZC0lGqEPxVdy4UMSt7+HOtzFtZ6GtPwQ+/nMO5+T3Y8GVdpxvK7e0vLK6ll8vbGxube/Yu3sNFSWSsjqNRCRbPlFM8JDVNdeCtWLJSOAL1vSHN5N684FJxaPwXo9i5gakH/Iep0Qby7MPUKnvpRiPr/CpgUrFwIlnF52yMxVaBJxBETLVPPur041oErBQU0GUamMn1m5KpOZUsHGhkygWEzokfdY2GJKAKTedXj9Gx8bpol4kzQs1mrq/J1ISKDUKfNMZED1Q87WJ+V+tnejepZvyME40C+lsUS8RSEdoEgXqcsmoFiMDhEpubkV0QCSh2gRWMCHg+S8vQqNSxudl5+6sWL3O4sjDIRxBCTBcQBVuoQZ1oPAIz/AKb9aT9WK9Wx+z1pyVzezDH1mfP088kzI=</latexit>
(g11 = 1, g22 = 1) という計量を与えれば、平面上での距離を表現できる。
計量とは②
<latexit sha1_base64="Ac0uI/nhObTAnc/muYWOY7rkjQI=">AAAB/XicbVDLSsNAFL2pr1pf8bFzM1gEQShJUXQjFN24rGAf0MYymUzboZMHMxMxhuKvuHGhiFv/w51/46TNQlsPDPdwzr3cO8eNOJPKsr6NwsLi0vJKcbW0tr6xuWVu7zRlGAtCGyTkoWi7WFLOAtpQTHHajgTFvstpyx1dZX7rngrJwuBWJRF1fDwIWJ8RrLTUM/c8eZdWxxfeQ1aOvSQrPbNsVawJ0Dyxc1KGHPWe+dX1QhL7NFCEYyk7thUpJ8VCMcLpuNSNJY0wGeEB7WgaYJ9KJ51cP0aHWvFQPxT6BQpN1N8TKfalTHxXd/pYDeWsl4n/eZ1Y9c+dlAVRrGhApov6MUcqRFkUyGOCEsUTTTARTN+KyBALTJQOrKRDsGe/PE+a1Yp9WrFuTsq1yzyOIuzDARyBDWdQg2uoQwMIPMIzvMKb8WS8GO/Gx7S1YOQzu/AHxucPJ5mVBw==</latexit>
ds2
= dx2
+ dy2
これをちょっとややこしく書くと
<latexit sha1_base64="CkUFX/RgBQrO+Y1YNuQB2C3zbo4=">AAACDXicbVDLSsNAFL3xWesr6tLNYBUEoSRF0Y1QdOOygn1AG8tkMmmHTh7MTMQS+gNu/BU3LhRx696df+OkDaKtBwbOOfde7tzjxpxJZVlfxtz8wuLScmGluLq2vrFpbm03ZJQIQusk4pFouVhSzkJaV0xx2ooFxYHLadMdXGb15h0VkkXhjRrG1AlwL2Q+I1hpq2vue/I2rYzO7Y5iAZXIu8/k0Y8cZrJrlqyyNQaaJXZOSpCj1jU/O15EkoCGinAsZdu2YuWkWChGOB0VO4mkMSYD3KNtTUOsdznp+JoROtCOh/xI6BcqNHZ/T6Q4kHIYuLozwKovp2uZ+V+tnSj/zElZGCeKhmSyyE84UhHKokEeE5QoPtQEE8H0XxHpY4GJ0gEWdQj29MmzpFEp2ydl6/q4VL3I4yjALuzBIdhwClW4ghrUgcADPMELvBqPxrPxZrxPWueMfGYH/sD4+AadGZtF</latexit>
ds2
= 1 ⇥ dx2
+ 1 ⇥ dy2
さらにもう少しややこしく書くと
<latexit sha1_base64="8iZ4BQ1aj0OsPeUxXO86Hjyy/ZI=">AAACK3icbZDLSgMxFIYz9VbrbdSlm2ARKkqZDIpuCqVuXFawF2hryWTSNjRzIcmIw9D3ceOruNCFF9z6HmY6RbR6IPDz/edwcn4n5Ewqy3ozcguLS8sr+dXC2vrG5pa5vdOUQSQIbZCAB6LtYEk582lDMcVpOxQUew6nLWd8kfqtWyokC/xrFYe05+GhzwaMYKVR36y58iaxJ5VhP0Fo0lXMoxK6dyk70sy2v1mcMljKGivoOHMr6LBvFq2yNS34V6CZKIJZ1fvmU9cNSORRXxGOpewgK1S9BAvFCKeTQjeSNMRkjIe0o6WP9f5eMr11Ag80ceEgEPr5Ck7pz4kEe1LGnqM7PaxGct5L4X9eJ1KD817C/DBS1CfZokHEoQpgGhx0maBE8VgLTATTf4VkhAUmSsdb0CGg+ZP/iqZdRqdl6+qkWK3N4siDPbAPSgCBM1AFl6AOGoCAe/AIXsCr8WA8G+/GR9aaM2Yzu+BXGZ9ftC6mDA==</latexit>
ds2
= g11 ⇥ dx2
+ g22 ⇥ dy2
(g11 = 1, g22 = 1)
逆に言えば、
<latexit sha1_base64="btEiqqVwoy9owzwAsDUREqZypy8=">AAAB/XicbZDLSgMxFIbP1Futt/GycxMsQgUpk6LoRii6cVnBXqAdhkyatqGZC0lGqEPxVdy4UMSt7+HOtzFtZ6GtPwQ+/nMO5+T3Y8GVdpxvK7e0vLK6ll8vbGxube/Yu3sNFSWSsjqNRCRbPlFM8JDVNdeCtWLJSOAL1vSHN5N684FJxaPwXo9i5gakH/Iep0Qby7MPUKnvpRiPr/CpgUrFwIlnF52yMxVaBJxBETLVPPur041oErBQU0GUamMn1m5KpOZUsHGhkygWEzokfdY2GJKAKTedXj9Gx8bpol4kzQs1mrq/J1ISKDUKfNMZED1Q87WJ+V+tnejepZvyME40C+lsUS8RSEdoEgXqcsmoFiMDhEpubkV0QCSh2gRWMCHg+S8vQqNSxudl5+6sWL3O4sjDIRxBCTBcQBVuoQZ1oPAIz/AKb9aT9WK9Wx+z1pyVzezDH1mfP088kzI=</latexit>
(g11 = 1, g22 = 1) という計量を与えれば、平面上での距離を表現できる。
宇宙空間(時空)での距離を決めるにはどういう計量を与えれば良いんだろう??
FLRW計量
(特別な場所が無い、一様・等方な)時空(時間+空間)での距離を決めるための計量はフリードマ
ン(Friedmann)、ルメートル(Lemaitre)、ロバートソン(Robertson)、ウォーカー(Walker)によっ
て与えられた。
<latexit sha1_base64="8iZ4BQ1aj0OsPeUxXO86Hjyy/ZI=">AAACK3icbZDLSgMxFIYz9VbrbdSlm2ARKkqZDIpuCqVuXFawF2hryWTSNjRzIcmIw9D3ceOruNCFF9z6HmY6RbR6IPDz/edwcn4n5Ewqy3ozcguLS8sr+dXC2vrG5pa5vdOUQSQIbZCAB6LtYEk582lDMcVpOxQUew6nLWd8kfqtWyokC/xrFYe05+GhzwaMYKVR36y58iaxJ5VhP0Fo0lXMoxK6dyk70sy2v1mcMljKGivoOHMr6LBvFq2yNS34V6CZKIJZ1fvmU9cNSORRXxGOpewgK1S9BAvFCKeTQjeSNMRkjIe0o6WP9f5eMr11Ag80ceEgEPr5Ck7pz4kEe1LGnqM7PaxGct5L4X9eJ1KD817C/DBS1CfZokHEoQpgGhx0maBE8VgLTATTf4VkhAUmSsdb0CGg+ZP/iqZdRqdl6+qkWK3N4siDPbAPSgCBM1AFl6AOGoCAe/AIXsCr8WA8G+/GR9aaM2Yzu+BXGZ9ftC6mDA==</latexit>
ds2
= g11 ⇥ dx2
+ g22 ⇥ dy2
(g11 = 1, g22 = 1)
<latexit sha1_base64="sJnhSmg8ACVO9Xu6xZauClxNW5Q=">AAACK3icbVDLSsNAFJ34tr6qLt0Ei1ApLUlQdCOIbtypYFVokjKZ3LRDJw9mboQS+j9u/BUXuvCBW//Dae1CrRfucDjnXO7cE2SCK7SsN2NqemZ2bn5hsbS0vLK6Vl7fuFZpLhk0WSpSeRtQBYIn0ESOAm4zCTQOBNwEvdOhfnMHUvE0ucJ+Bl5MOwmPOKOoqXb5JFS+c1RnvhOi79RoFXd9xxUQYcuNJGWFPSjsek/6ziDUT0136J7H0KHaJnmni167XLEa1qjMSWCPQYWM66JdfnLDlOUxJMgEVaplWxl6BZXImYBByc0VZJT1aAdaGiY0BuUVo1sH5o5mQjNKpe4EzRH7c6KgsVL9ONDOmGJX/dWG5H9aK8fo0Ct4kuUICfteFOXCxNQcBmeGXAJD0deAMsn1X03WpToi1PGWdAj235MnwbXTsPcb1uVe5fhkHMcC2SLbpEpsckCOyRm5IE3CyD15JC/k1Xgwno134+PbOmWMZzbJrzI+vwC/d6Y5</latexit>
ds2
= c2
dt2
+ a(t)2

1
1 kr2
dr2
+ r2
d⌦2
FLRW計量
何となく似ているなと思ってください。
<latexit sha1_base64="hWTW7PK9RKc0HJ9/XtF/xjP5zZo=">AAAB8XicdVDJSgNBEK2JW4xb1KOXxiB4CjOi6DHoxWMEs2BmCD2dnqRJd8/QixCG/IUXD4p49W+8+Td2FiFuDwoe71VRVS/OONPG9z+8wtLyyupacb20sbm1vVPe3Wvq1CpCGyTlqWrHWFPOJG0YZjhtZ4piEXPaiodXE791T5Vmqbw1o4xGAvclSxjBxkl3/W4eChtKO+6WK0HVnwL5v8iXVYE56t3ye9hLiRVUGsKx1p3Az0yUY2UY4XRcCq2mGSZD3KcdRyUWVEf59OIxOnJKDyWpciUNmqqLEzkWWo9E7DoFNgP905uIf3kda5KLKGcys4ZKMluUWI5Miibvox5TlBg+cgQTxdytiAywwsS4kEqLIfxPmifV4Kzq35xWapfzOIpwAIdwDAGcQw2uoQ4NICDhAZ7g2dPeo/fivc5aC958Zh++wXv7BPvCkR4=</latexit>
gµ⌫
<latexit sha1_base64="ryr/0On5bE0drxMcRCRHPFS9Fho=">AAACKHicbZDJSgNBEIZ7XGPcRj16aQyCIISZQdGLGPTizQhmgWz09PRMmvQsdNcIYcjjePFVvIgokqtPYmchaOIPDT9fVVFdv5sIrsCyhsbS8srq2npuI7+5tb2za+7tV1WcSsoqNBaxrLtEMcEjVgEOgtUTyUjoClZze7ejeu2JScXj6BH6CWuFJIi4zykBjTrmtafazlXQySxr0AQeMoU9aDunmtj2jMgJcZwZad6HLCBtp2MWrKI1Fl409tQU0FTljvne9GKahiwCKohSDdtKoJURCZwKNsg3U8USQnskYA1tI6LXtbLxoQN8rImH/VjqFwEe098TGQmV6oeu7gwJdNV8bQT/qzVS8C9bGY+SFFhEJ4v8VGCI8Sg17HHJKIi+NoRKrv+KaZdIQkFnm9ch2PMnL5qqU7TPi9bDWaF0M40jhw7RETpBNrpAJXSHyqiCKHpGr+gDfRovxpvxZQwnrUvGdOYA/ZHx/QMRqqVg</latexit>
ds2
= g00 ⇥ dt2
+ g11 ⇥ dr2
+ g22 ⇥ d⌦2
Rµ⌫
1
2
gµ⌫R + ⇤gµ⌫ =
8⇡G
c4
Tµ⌫
アインシュタイン方程式
アインシュタイン方程式をいじる
①この方程式を解く。→
<latexit sha1_base64="viHyuF6PHzAaZClpzXD/JkVhZok=">AAAB8XicbVDLSgNBEOyNrxhfUY9eBoPgKeyKosegF48RTAxmlzA7mU2GzMwu8xDCkr/w4kERr/6NN//GSbIHTSxoKKq66e6KM8608f1vr7Syura+Ud6sbG3v7O5V9w/aOrWK0BZJeao6MdaUM0lbhhlOO5miWMScPsSjm6n/8ESVZqm8N+OMRgIPJEsYwcZJj4NeHgobSjvpVWt+3Z8BLZOgIDUo0OxVv8J+Sqyg0hCOte4GfmaiHCvDCKeTSmg1zTAZ4QHtOiqxoDrKZxdP0IlT+ihJlStp0Ez9PZFjofVYxK5TYDPUi95U/M/rWpNcRTmTmTVUkvmixHJkUjR9H/WZosTwsSOYKOZuRWSIFSbGhVRxIQSLLy+T9lk9uKj7d+e1xnURRxmO4BhOIYBLaMAtNKEFBCQ8wyu8edp78d69j3lryStmDuEPvM8f+kKRHQ==</latexit>
gµ⌫
を自分で与えて方程式をいじる。
②
<latexit sha1_base64="viHyuF6PHzAaZClpzXD/JkVhZok=">AAAB8XicbVDLSgNBEOyNrxhfUY9eBoPgKeyKosegF48RTAxmlzA7mU2GzMwu8xDCkr/w4kERr/6NN//GSbIHTSxoKKq66e6KM8608f1vr7Syura+Ud6sbG3v7O5V9w/aOrWK0BZJeao6MdaUM0lbhhlOO5miWMScPsSjm6n/8ESVZqm8N+OMRgIPJEsYwcZJj4NeHgobSjvpVWt+3Z8BLZOgIDUo0OxVv8J+Sqyg0hCOte4GfmaiHCvDCKeTSmg1zTAZ4QHtOiqxoDrKZxdP0IlT+ihJlStp0Ez9PZFjofVYxK5TYDPUi95U/M/rWpNcRTmTmTVUkvmixHJkUjR9H/WZosTwsSOYKOZuRWSIFSbGhVRxIQSLLy+T9lk9uKj7d+e1xnURRxmO4BhOIYBLaMAtNKEFBCQ8wyu8edp78d69j3lryStmDuEPvM8f+kKRHQ==</latexit>
gµ⌫
を求める。
アインシュタイン方程式を見かけたら・・・
<latexit sha1_base64="sJnhSmg8ACVO9Xu6xZauClxNW5Q=">AAACK3icbVDLSsNAFJ34tr6qLt0Ei1ApLUlQdCOIbtypYFVokjKZ3LRDJw9mboQS+j9u/BUXuvCBW//Dae1CrRfucDjnXO7cE2SCK7SsN2NqemZ2bn5hsbS0vLK6Vl7fuFZpLhk0WSpSeRtQBYIn0ESOAm4zCTQOBNwEvdOhfnMHUvE0ucJ+Bl5MOwmPOKOoqXb5JFS+c1RnvhOi79RoFXd9xxUQYcuNJGWFPSjsek/6ziDUT0136J7H0KHaJnmni167XLEa1qjMSWCPQYWM66JdfnLDlOUxJMgEVaplWxl6BZXImYBByc0VZJT1aAdaGiY0BuUVo1sH5o5mQjNKpe4EzRH7c6KgsVL9ONDOmGJX/dWG5H9aK8fo0Ct4kuUICfteFOXCxNQcBmeGXAJD0deAMsn1X03WpToi1PGWdAj235MnwbXTsPcb1uVe5fhkHMcC2SLbpEpsckCOyRm5IE3CyD15JC/k1Xgwno134+PbOmWMZzbJrzI+vwC/d6Y5</latexit>
ds2
= c2
dt2
+ a(t)2

1
1 kr2
dr2
+ r2
d⌦2
With FRLW計量
Rµ⌫
1
2
gµ⌫R + ⇤gµ⌫ =
8⇡G
c4
Tµ⌫
アインシュタイン方程式
アインシュタイン方程式をいじる
①この方程式を解く。→
<latexit sha1_base64="viHyuF6PHzAaZClpzXD/JkVhZok=">AAAB8XicbVDLSgNBEOyNrxhfUY9eBoPgKeyKosegF48RTAxmlzA7mU2GzMwu8xDCkr/w4kERr/6NN//GSbIHTSxoKKq66e6KM8608f1vr7Syura+Ud6sbG3v7O5V9w/aOrWK0BZJeao6MdaUM0lbhhlOO5miWMScPsSjm6n/8ESVZqm8N+OMRgIPJEsYwcZJj4NeHgobSjvpVWt+3Z8BLZOgIDUo0OxVv8J+Sqyg0hCOte4GfmaiHCvDCKeTSmg1zTAZ4QHtOiqxoDrKZxdP0IlT+ihJlStp0Ez9PZFjofVYxK5TYDPUi95U/M/rWpNcRTmTmTVUkvmixHJkUjR9H/WZosTwsSOYKOZuRWSIFSbGhVRxIQSLLy+T9lk9uKj7d+e1xnURRxmO4BhOIYBLaMAtNKEFBCQ8wyu8edp78d69j3lryStmDuEPvM8f+kKRHQ==</latexit>
gµ⌫
を自分で与えて方程式をいじる。
②
<latexit sha1_base64="viHyuF6PHzAaZClpzXD/JkVhZok=">AAAB8XicbVDLSgNBEOyNrxhfUY9eBoPgKeyKosegF48RTAxmlzA7mU2GzMwu8xDCkr/w4kERr/6NN//GSbIHTSxoKKq66e6KM8608f1vr7Syura+Ud6sbG3v7O5V9w/aOrWK0BZJeao6MdaUM0lbhhlOO5miWMScPsSjm6n/8ESVZqm8N+OMRgIPJEsYwcZJj4NeHgobSjvpVWt+3Z8BLZOgIDUo0OxVv8J+Sqyg0hCOte4GfmaiHCvDCKeTSmg1zTAZ4QHtOiqxoDrKZxdP0IlT+ihJlStp0Ez9PZFjofVYxK5TYDPUi95U/M/rWpNcRTmTmTVUkvmixHJkUjR9H/WZosTwsSOYKOZuRWSIFSbGhVRxIQSLLy+T9lk9uKj7d+e1xnURRxmO4BhOIYBLaMAtNKEFBCQ8wyu8edp78d69j3lryStmDuEPvM8f+kKRHQ==</latexit>
gµ⌫
を求める。
アインシュタイン方程式を見かけたら・・・
<latexit sha1_base64="sJnhSmg8ACVO9Xu6xZauClxNW5Q=">AAACK3icbVDLSsNAFJ34tr6qLt0Ei1ApLUlQdCOIbtypYFVokjKZ3LRDJw9mboQS+j9u/BUXuvCBW//Dae1CrRfucDjnXO7cE2SCK7SsN2NqemZ2bn5hsbS0vLK6Vl7fuFZpLhk0WSpSeRtQBYIn0ESOAm4zCTQOBNwEvdOhfnMHUvE0ucJ+Bl5MOwmPOKOoqXb5JFS+c1RnvhOi79RoFXd9xxUQYcuNJGWFPSjsek/6ziDUT0136J7H0KHaJnmni167XLEa1qjMSWCPQYWM66JdfnLDlOUxJMgEVaplWxl6BZXImYBByc0VZJT1aAdaGiY0BuUVo1sH5o5mQjNKpe4EzRH7c6KgsVL9ONDOmGJX/dWG5H9aK8fo0Ct4kuUICfteFOXCxNQcBmeGXAJD0deAMsn1X03WpToi1PGWdAj235MnwbXTsPcb1uVe5fhkHMcC2SLbpEpsckCOyRm5IE3CyD15JC/k1Xgwno134+PbOmWMZzbJrzI+vwC/d6Y5</latexit>
ds2
= c2
dt2
+ a(t)2

1
1 kr2
dr2
+ r2
d⌦2
With FRLW計量
フリードマン方程式
アインシュタイン方程式を変形したら・・・
✓
ȧ
a
◆2
+
kc2
a2
c2
⇤
3
=
8⇡G
3c2
⇢
:フリードマン(Friedmann)方程式
宇宙の伸び縮み
(スケール因子)
宇宙に存在する物質
(エネルギー密度)
<latexit sha1_base64="LHuwpsEKzI0tung5Srf1NZJwPNg=">AAAB7XicbVDLSgNBEOyNrxhfUY9eFoMQL2FXFL2IQS8eI5gHJEuYnUySMbMzy0yvEJb8gxcPinj1f7z5N06SPWi0oKGo6qa7K4wFN+h5X05uaXlldS2/XtjY3NreKe7uNYxKNGV1qoTSrZAYJrhkdeQoWCvWjEShYM1wdDP1m49MG67kPY5jFkRkIHmfU4JWapAyHl9edYslr+LN4P4lfkZKkKHWLX52eoomEZNIBTGm7XsxBinRyKlgk0InMSwmdEQGrG2pJBEzQTq7duIeWaXn9pW2JdGdqT8nUhIZM45C2xkRHJpFbyr+57UT7F8EKZdxgkzS+aJ+IlxU7vR1t8c1oyjGlhCqub3VpUOiCUUbUMGG4C++/Jc0Tir+WcW7Oy1Vr7M48nAAh1AGH86hCrdQgzpQeIAneIFXRznPzpvzPm/NOdnMPvyC8/ENaFiOXA==</latexit>
a(t) =?
スケール因子が分かれば宇宙の
進化について分かる!
フリードマン方程式
アインシュタイン方程式を変形したら・・・
✓
ȧ
a
◆2
+
kc2
a2
c2
⇤
3
=
8⇡G
3c2
⇢
:フリードマン(Friedmann)方程式
宇宙の伸び縮み
(スケール因子)
宇宙に存在する物質
(エネルギー密度)
<latexit sha1_base64="LHuwpsEKzI0tung5Srf1NZJwPNg=">AAAB7XicbVDLSgNBEOyNrxhfUY9eFoMQL2FXFL2IQS8eI5gHJEuYnUySMbMzy0yvEJb8gxcPinj1f7z5N06SPWi0oKGo6qa7K4wFN+h5X05uaXlldS2/XtjY3NreKe7uNYxKNGV1qoTSrZAYJrhkdeQoWCvWjEShYM1wdDP1m49MG67kPY5jFkRkIHmfU4JWapAyHl9edYslr+LN4P4lfkZKkKHWLX52eoomEZNIBTGm7XsxBinRyKlgk0InMSwmdEQGrG2pJBEzQTq7duIeWaXn9pW2JdGdqT8nUhIZM45C2xkRHJpFbyr+57UT7F8EKZdxgkzS+aJ+IlxU7vR1t8c1oyjGlhCqub3VpUOiCUUbUMGG4C++/Jc0Tir+WcW7Oy1Vr7M48nAAh1AGH86hCrdQgzpQeIAneIFXRznPzpvzPm/NOdnMPvyC8/ENaFiOXA==</latexit>
a(t) =?
スケール因子が分かれば宇宙の
進化について分かる!
フリードマン方程式
アインシュタイン方程式を変形したら・・・
✓
ȧ
a
◆2
+
kc2
a2
c2
⇤
3
=
8⇡G
3c2
⇢
:フリードマン(Friedmann)方程式
宇宙の伸び縮み
(スケール因子)
宇宙に存在する物質
(エネルギー密度)
宇宙膨張も収縮も
させたくない
<latexit sha1_base64="LHuwpsEKzI0tung5Srf1NZJwPNg=">AAAB7XicbVDLSgNBEOyNrxhfUY9eFoMQL2FXFL2IQS8eI5gHJEuYnUySMbMzy0yvEJb8gxcPinj1f7z5N06SPWi0oKGo6qa7K4wFN+h5X05uaXlldS2/XtjY3NreKe7uNYxKNGV1qoTSrZAYJrhkdeQoWCvWjEShYM1wdDP1m49MG67kPY5jFkRkIHmfU4JWapAyHl9edYslr+LN4P4lfkZKkKHWLX52eoomEZNIBTGm7XsxBinRyKlgk0InMSwmdEQGrG2pJBEzQTq7duIeWaXn9pW2JdGdqT8nUhIZM45C2xkRHJpFbyr+57UT7F8EKZdxgkzS+aJ+IlxU7vR1t8c1oyjGlhCqub3VpUOiCUUbUMGG4C++/Jc0Tir+WcW7Oy1Vr7M48nAAh1AGH86hCrdQgzpQeIAneIFXRznPzpvzPm/NOdnMPvyC8/ENaFiOXA==</latexit>
a(t) =?
スケール因子が分かれば宇宙の
進化について分かる!
アインシュタインは自分の
哲学的立場から宇宙膨張は
認めなかった!
フリードマン方程式
アインシュタイン方程式を変形したら・・・
✓
ȧ
a
◆2
+
kc2
a2
c2
⇤
3
=
8⇡G
3c2
⇢
:フリードマン(Friedmann)方程式
宇宙の伸び縮み
(スケール因子)
宇宙に存在する物質
(エネルギー密度)
宇宙膨張も収縮も
させたくない
<latexit sha1_base64="LHuwpsEKzI0tung5Srf1NZJwPNg=">AAAB7XicbVDLSgNBEOyNrxhfUY9eFoMQL2FXFL2IQS8eI5gHJEuYnUySMbMzy0yvEJb8gxcPinj1f7z5N06SPWi0oKGo6qa7K4wFN+h5X05uaXlldS2/XtjY3NreKe7uNYxKNGV1qoTSrZAYJrhkdeQoWCvWjEShYM1wdDP1m49MG67kPY5jFkRkIHmfU4JWapAyHl9edYslr+LN4P4lfkZKkKHWLX52eoomEZNIBTGm7XsxBinRyKlgk0InMSwmdEQGrG2pJBEzQTq7duIeWaXn9pW2JdGdqT8nUhIZM45C2xkRHJpFbyr+57UT7F8EKZdxgkzS+aJ+IlxU7vR1t8c1oyjGlhCqub3VpUOiCUUbUMGG4C++/Jc0Tir+WcW7Oy1Vr7M48nAAh1AGH86hCrdQgzpQeIAneIFXRznPzpvzPm/NOdnMPvyC8/ENaFiOXA==</latexit>
a(t) =?
スケール因子が分かれば宇宙の
進化について分かる!
アインシュタインは自分の
哲学的立場から宇宙膨張は
認めなかった!
膨張も収縮もしない静的な宇宙を実現するために
反重力的な宇宙項を導入
フリードマン方程式
アインシュタイン方程式を変形したら・・・
✓
ȧ
a
◆2
+
kc2
a2
c2
⇤
3
=
8⇡G
3c2
⇢
:フリードマン(Friedmann)方程式
宇宙の伸び縮み
(スケール因子)
宇宙に存在する物質
(エネルギー密度)
宇宙膨張も収縮も
させたくない
<latexit sha1_base64="LHuwpsEKzI0tung5Srf1NZJwPNg=">AAAB7XicbVDLSgNBEOyNrxhfUY9eFoMQL2FXFL2IQS8eI5gHJEuYnUySMbMzy0yvEJb8gxcPinj1f7z5N06SPWi0oKGo6qa7K4wFN+h5X05uaXlldS2/XtjY3NreKe7uNYxKNGV1qoTSrZAYJrhkdeQoWCvWjEShYM1wdDP1m49MG67kPY5jFkRkIHmfU4JWapAyHl9edYslr+LN4P4lfkZKkKHWLX52eoomEZNIBTGm7XsxBinRyKlgk0InMSwmdEQGrG2pJBEzQTq7duIeWaXn9pW2JdGdqT8nUhIZM45C2xkRHJpFbyr+57UT7F8EKZdxgkzS+aJ+IlxU7vR1t8c1oyjGlhCqub3VpUOiCUUbUMGG4C++/Jc0Tir+WcW7Oy1Vr7M48nAAh1AGH86hCrdQgzpQeIAneIFXRznPzpvzPm/NOdnMPvyC8/ENaFiOXA==</latexit>
a(t) =?
スケール因子が分かれば宇宙の
進化について分かる!
フリードマン方程式
アインシュタイン方程式を変形したら・・・
✓
ȧ
a
◆2
+
kc2
a2
c2
⇤
3
=
8⇡G
3c2
⇢
:フリードマン(Friedmann)方程式
宇宙の伸び縮み
(スケール因子)
宇宙に存在する物質
(エネルギー密度)
宇宙膨張も収縮も
させたくない
<latexit sha1_base64="LHuwpsEKzI0tung5Srf1NZJwPNg=">AAAB7XicbVDLSgNBEOyNrxhfUY9eFoMQL2FXFL2IQS8eI5gHJEuYnUySMbMzy0yvEJb8gxcPinj1f7z5N06SPWi0oKGo6qa7K4wFN+h5X05uaXlldS2/XtjY3NreKe7uNYxKNGV1qoTSrZAYJrhkdeQoWCvWjEShYM1wdDP1m49MG67kPY5jFkRkIHmfU4JWapAyHl9edYslr+LN4P4lfkZKkKHWLX52eoomEZNIBTGm7XsxBinRyKlgk0InMSwmdEQGrG2pJBEzQTq7duIeWaXn9pW2JdGdqT8nUhIZM45C2xkRHJpFbyr+57UT7F8EKZdxgkzS+aJ+IlxU7vR1t8c1oyjGlhCqub3VpUOiCUUbUMGG4C++/Jc0Tir+WcW7Oy1Vr7M48nAAh1AGH86hCrdQgzpQeIAneIFXRznPzpvzPm/NOdnMPvyC8/ENaFiOXA==</latexit>
a(t) =?
スケール因子が分かれば宇宙の
進化について分かる!
©郡さん
宇宙膨張?宇宙収縮?
いろいろなモデル別でのスケール因子の振る舞い。
宇宙の中身の内容によって、宇宙
が膨張するか収縮するか決まる。
宇宙の未来がどうなるか分かる!?
実際の宇宙は・・・
ハッブル(・ルメートル)の法則
天文学辞典より(http://astro-dic.jp/hubbles-law/)
1929年、E. Hubbleによって宇宙は膨張していること
が発見される。アインシュタイン、ショック!
エドウィン・ハッブル
~
v = H~
r
ハッブルの法則:
天体の後退速度
我々から天体までの距離
天体の後退速度は天体までの距離に比例する
(遠い天体ほど早く遠ざかる。)
ハッブル(・ルメートル)の法則
距離(Mpc)
後退速度
(km/s)
(確かに、比例しているように見えるが、そうでも無いように見える・・・)
ハッブルの論文の図
ハッブル(・ルメートル)の法則
距離(Mpc)
後退速度
(km/s)
(確かに、比例しているように見えるが、そうでも無いように見える・・・)
ハッブルの論文の図
ハッブル(・ルメートル)の法則
赤方偏移
赤方偏移 z(redshift):宇宙膨張によって、光の波長がどれだけ伸び
たのかを表す量。大きい値ほど、過去の(若い)宇宙。
*救急車のサイレンと同じ(近づいてくる救急車と遠ざかる救急車で聞こえ方が違いますね。)
元々の波長
伸びた波長
z=0 : 現在(138億歳)
(例)
z=0.1 : 124億歳
z=1 : 60億歳
z=10:6億歳
z=20:1億歳
宇宙年齢
z =
0
0
加速膨張の発見、そして宇宙項、再び・・・
超新星の観測により、1998年、宇宙が加速膨張していることが発見された。
(2011年、ノーベル物理学賞)
(Permutter, Schmidt, Riess)
宇宙の加速膨張を説明するためには宇宙項
(ダークエネルギー)が必要。宇宙項の復活!
暗い
遠い
遠くの宇宙の超新星が思っていた以上に暗かった。
→宇宙が加速膨張していると考えないと説明できな
い。
加速膨張
減速膨張
Rµ⌫
1
2
gµ⌫R + ⇤gµ⌫ =
8⇡G
c4
Tµ⌫
アインシュタイン方程式
おまけ。アインシュタイン方程式を解く
①この方程式を解く。→
<latexit sha1_base64="viHyuF6PHzAaZClpzXD/JkVhZok=">AAAB8XicbVDLSgNBEOyNrxhfUY9eBoPgKeyKosegF48RTAxmlzA7mU2GzMwu8xDCkr/w4kERr/6NN//GSbIHTSxoKKq66e6KM8608f1vr7Syura+Ud6sbG3v7O5V9w/aOrWK0BZJeao6MdaUM0lbhhlOO5miWMScPsSjm6n/8ESVZqm8N+OMRgIPJEsYwcZJj4NeHgobSjvpVWt+3Z8BLZOgIDUo0OxVv8J+Sqyg0hCOte4GfmaiHCvDCKeTSmg1zTAZ4QHtOiqxoDrKZxdP0IlT+ihJlStp0Ez9PZFjofVYxK5TYDPUi95U/M/rWpNcRTmTmTVUkvmixHJkUjR9H/WZosTwsSOYKOZuRWSIFSbGhVRxIQSLLy+T9lk9uKj7d+e1xnURRxmO4BhOIYBLaMAtNKEFBCQ8wyu8edp78d69j3lryStmDuEPvM8f+kKRHQ==</latexit>
gµ⌫
を自分で与えて方程式をいじる。
②
<latexit sha1_base64="viHyuF6PHzAaZClpzXD/JkVhZok=">AAAB8XicbVDLSgNBEOyNrxhfUY9eBoPgKeyKosegF48RTAxmlzA7mU2GzMwu8xDCkr/w4kERr/6NN//GSbIHTSxoKKq66e6KM8608f1vr7Syura+Ud6sbG3v7O5V9w/aOrWK0BZJeao6MdaUM0lbhhlOO5miWMScPsSjm6n/8ESVZqm8N+OMRgIPJEsYwcZJj4NeHgobSjvpVWt+3Z8BLZOgIDUo0OxVv8J+Sqyg0hCOte4GfmaiHCvDCKeTSmg1zTAZ4QHtOiqxoDrKZxdP0IlT+ihJlStp0Ez9PZFjofVYxK5TYDPUi95U/M/rWpNcRTmTmTVUkvmixHJkUjR9H/WZosTwsSOYKOZuRWSIFSbGhVRxIQSLLy+T9lk9uKj7d+e1xnURRxmO4BhOIYBLaMAtNKEFBCQ8wyu8edp78d69j3lryStmDuEPvM8f+kKRHQ==</latexit>
gµ⌫
を求める。
アインシュタイン方程式を見かけたら・・・
実際にアインシュタイン方程式を解いて計量を求めた仕事もいくつかある
Rµ⌫
1
2
gµ⌫R + ⇤gµ⌫ =
8⇡G
c4
Tµ⌫
アインシュタイン方程式
おまけ。アインシュタイン方程式を解く
①この方程式を解く。→
<latexit sha1_base64="viHyuF6PHzAaZClpzXD/JkVhZok=">AAAB8XicbVDLSgNBEOyNrxhfUY9eBoPgKeyKosegF48RTAxmlzA7mU2GzMwu8xDCkr/w4kERr/6NN//GSbIHTSxoKKq66e6KM8608f1vr7Syura+Ud6sbG3v7O5V9w/aOrWK0BZJeao6MdaUM0lbhhlOO5miWMScPsSjm6n/8ESVZqm8N+OMRgIPJEsYwcZJj4NeHgobSjvpVWt+3Z8BLZOgIDUo0OxVv8J+Sqyg0hCOte4GfmaiHCvDCKeTSmg1zTAZ4QHtOiqxoDrKZxdP0IlT+ihJlStp0Ez9PZFjofVYxK5TYDPUi95U/M/rWpNcRTmTmTVUkvmixHJkUjR9H/WZosTwsSOYKOZuRWSIFSbGhVRxIQSLLy+T9lk9uKj7d+e1xnURRxmO4BhOIYBLaMAtNKEFBCQ8wyu8edp78d69j3lryStmDuEPvM8f+kKRHQ==</latexit>
gµ⌫
を自分で与えて方程式をいじる。
②
<latexit sha1_base64="viHyuF6PHzAaZClpzXD/JkVhZok=">AAAB8XicbVDLSgNBEOyNrxhfUY9eBoPgKeyKosegF48RTAxmlzA7mU2GzMwu8xDCkr/w4kERr/6NN//GSbIHTSxoKKq66e6KM8608f1vr7Syura+Ud6sbG3v7O5V9w/aOrWK0BZJeao6MdaUM0lbhhlOO5miWMScPsSjm6n/8ESVZqm8N+OMRgIPJEsYwcZJj4NeHgobSjvpVWt+3Z8BLZOgIDUo0OxVv8J+Sqyg0hCOte4GfmaiHCvDCKeTSmg1zTAZ4QHtOiqxoDrKZxdP0IlT+ihJlStp0Ez9PZFjofVYxK5TYDPUi95U/M/rWpNcRTmTmTVUkvmixHJkUjR9H/WZosTwsSOYKOZuRWSIFSbGhVRxIQSLLy+T9lk9uKj7d+e1xnURRxmO4BhOIYBLaMAtNKEFBCQ8wyu8edp78d69j3lryStmDuEPvM8f+kKRHQ==</latexit>
gµ⌫
を求める。
アインシュタイン方程式を見かけたら・・・
実際にアインシュタイン方程式を解いて計量を求めた仕事もいくつかある
アインシュタイン方程式の厳密解
シュヴァルツシルト解・・・ ブラックホールについて記述する解。事象の地平線
カー解・・・ 「回転する」ブラックホールを記述する解
(シュバルツシルト解は大学で一般相対性理論を勉強した時に学んだ。)
要約
• 一般相対性理論(アインシュタイン方程式)は宇宙の進化について考え
る出発点。
• 「計量」(時空の距離をどうやって測るか)を与えて、アインシュタイン方
程式を変形すると、フリードマン方程式を得る。
• フリードマン方程式を解くと、宇宙の進化について考えることができる。
• 観測的には宇宙は膨張していることが分かった。
• さらに近年の超新星観測によって、宇宙は「加速膨張」していることが
分かった。ダークネルギー?
3・ビッグバン宇宙
前回の復習
• 一般相対性理論(アインシュタイン方程式)は宇宙の進化について考え
る出発点。
• 「計量」(時空の距離をどうやって測るか)を与えて、アインシュタイン方
程式を変形すると、フリードマン方程式を得る。
• フリードマン方程式を解くと、宇宙の進化について考えることができる。
• 観測的には宇宙は膨張していることが分かった。
• さらに近年の超新星観測によって、宇宙は「加速膨張」していることが
分かった。ダークエネルギー?
時を遡ってみると・・・
Q. 宇宙は膨張しているなら、過去に遡ると宇宙は収縮するのでは?
A. Yes. 過去の宇宙ほど小さくて高温(~1億度)、高密度。
高温、高密度の初期宇宙で水素、重水素、ヘリウム、リチウムなどの軽元素が作られる。
(ビッグバン元素合成)
注意!
ビッグバンとは宇宙が爆発したのではなく、高温・高密度な宇宙で元素が作られている状態
ジョージ・ガモフ
ジョージ・ガモフ
•宇宙の元素の起源を説明するべくビッグバン理論(αβγ理論)
を提唱。(ただし、ビッグバンという名前をつけたのはガモフで
はなくフレッド・ホイル)
•その帰結として、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の存在を予
言。
•一般向け啓蒙書を多数執筆(不思議の国のアトキンスなど)
•原子核物理、宇宙論、分子生物学等、多岐の分野に渡り独創
的なアイデアを発表。
α
β
γ
元素とは?~周期表~
周期表?
©松原隆彦
原子とは?
元素は陽子(Proton)、中性子(Neutron)、電子(electron)によって構成されている。
陽子1個+電子1個
水素(H)
陽子1個+電子1個+中性子1個
重水素(D)
陽子2個+電子2個+中性子2個
ヘリウム4
<latexit sha1_base64="zx3duhvuNOmbc8Y2eKsLCRAMljA=">AAAB8XicbVDLTgJBEOzFF+IL9ehlIjHxRHYNRo9ELxwxkUeElcwODUyYnd3MzJqQDX/hxYPGePVvvPk3DrAHBSvppFLVne6uIBZcG9f9dnJr6xubW/ntws7u3v5B8fCoqaNEMWywSESqHVCNgktsGG4EtmOFNAwEtoLx7cxvPaHSPJL3ZhKjH9Kh5APOqLHSw2Ml7aqQ1HDaK5bcsjsHWSVeRkqQod4rfnX7EUtClIYJqnXHc2Pjp1QZzgROC91EY0zZmA6xY6mkIWo/nV88JWdW6ZNBpGxJQ+bq74mUhlpPwsB2htSM9LI3E//zOokZXPspl3FiULLFokEiiInI7H3S5wqZERNLKFPc3krYiCrKjA2pYEPwll9eJc2LsndZdu8qpepNFkceTuAUzsGDK6hCDerQAAYSnuEV3hztvDjvzseiNedkM8fwB87nD/dPkHQ=</latexit>
4
He
同位体(陽子の数は同じだが、中性子の数が違う)
宇宙誕生最初の3分間
γ(光子)
p
n
D
まずは陽子と中性子から重水素(D)が合成される。
しかし重水素は壊れやすいので光子(γ)によって破壊される。
<latexit sha1_base64="1NvtqdNfAHz2J9JWNIGYwDycHos=">AAACFHicdZDNSgMxFIUz9b/+VV26CRZBKAwzra26E3XhUsG2QqeUO2nahiaZIckoZZiHcOOruHGhiFsX7nwbZ9oiKnoh5PCde0nu8UPOtHGcDys3Mzs3v7C4lF9eWV1bL2xsNnQQKULrJOCBuvZBU84krRtmOL0OFQXhc9r0h6eZ37yhSrNAXplRSNsC+pL1GAGTok6hFHtK4DCZ3DLBnmL9gQGlgls8ZmdJyeuDEJDvFIqOfVSrlMsV7NrOuLBju261Wq19kSKa1kWn8O51AxIJKg3hoHXLdULTjkEZRjhN8l6kaQhkCH3aSqUEQXU7Hi+V4N2UdHEvUOmRBo/p94kYhNYj4aedAsxA//Yy+JfXikzvsB0zGUaGSjJ5qBdxbAKcJYS7TFFi+CgVQBRL/4rJABQQk+aYhfC1+/+iUbbdqu1c7hePT6ZxLKJttIP2kIsO0DE6Rxeojgi6Qw/oCT1b99aj9WK9Tlpz1nRmC/0o6+0TOwKeTQ==</latexit>
p + n ! D +
宇宙誕生最初の3分間
γ(光子)
p
n
D
宇宙の温度が1億度以下(宇宙誕生後約3分後)になると、光子は
重水素を破壊するエネルギーを持たなくなり、十分な量の重水素
が生成される。
<latexit sha1_base64="1NvtqdNfAHz2J9JWNIGYwDycHos=">AAACFHicdZDNSgMxFIUz9b/+VV26CRZBKAwzra26E3XhUsG2QqeUO2nahiaZIckoZZiHcOOruHGhiFsX7nwbZ9oiKnoh5PCde0nu8UPOtHGcDys3Mzs3v7C4lF9eWV1bL2xsNnQQKULrJOCBuvZBU84krRtmOL0OFQXhc9r0h6eZ37yhSrNAXplRSNsC+pL1GAGTok6hFHtK4DCZ3DLBnmL9gQGlgls8ZmdJyeuDEJDvFIqOfVSrlMsV7NrOuLBju261Wq19kSKa1kWn8O51AxIJKg3hoHXLdULTjkEZRjhN8l6kaQhkCH3aSqUEQXU7Hi+V4N2UdHEvUOmRBo/p94kYhNYj4aedAsxA//Yy+JfXikzvsB0zGUaGSjJ5qBdxbAKcJYS7TFFi+CgVQBRL/4rJABQQk+aYhfC1+/+iUbbdqu1c7hePT6ZxLKJttIP2kIsO0DE6Rxeojgi6Qw/oCT1b99aj9WK9Tlpz1nRmC/0o6+0TOwKeTQ==</latexit>
p + n ! D +
宇宙誕生最初の3分間
γ(光子)
He
D
その後、2体反応の積み重ねでヘリウム4が合成される。
D
<latexit sha1_base64="uSt83Jjn3vkRvumvMRj4fRr/vmA=">AAACS3icdZDNS8MwGMbT+TXn19Sjl+AQBKFkdk69DfXgUcE5Ya0jzbItLE1Lkiqj9P/z4sWb/4QXD4p4MKtl6NAXQl5+z/vwJo8fcaY0Qs9WYWZ2bn6huFhaWl5ZXSuvb1yrMJaENknIQ3njY0U5E7Spmeb0JpIUBz6nLX94OtZbd1QqFoorPYqoF+C+YD1GsDaoU/YTVwbwLN3Lb+hK1h9oLGV4DzN265zTXBap65am4Z+e2kSO0k65guzj47pTd2DVRllBZKM6co5qE1IBeV10yk9uNyRxQIUmHCvVrqJIewmWmhFO05IbKxphMsR92jatwAFVXpJlkcIdQ7qwF0pzhIYZ/elIcKDUKPDNZID1QE1rY/iX1o5178hLmIhiTQX5XtSLOdQhHAcLu0xSovnINJhIZt4KyQBLTLSJv2RCmPz9/+Z6364e2OiyVmmc5HEUwRbYBrugCg5BA5yDC9AEBDyAF/AG3q1H69X6sD6/RwtW7tkEv6ow9wUwVLLz</latexit>
D + D ! 3
He + n
3
He + D ! 4
He + p
<latexit sha1_base64="wgYRs+Wh/X/FDUUtS/s44N4HAVg=">AAACF3icdVDLSgMxFM3Ud31VXboJFkEoDDO1pXUn6sKlgn1Ap5Y7adqGJjNDklHK0L9w46+4caGIW935N2baCip64HIP59xLco8fcaa043xYmbn5hcWl5ZXs6tr6xmZua7uuwlgSWiMhD2XTB0U5C2hNM81pM5IUhM9pwx+epn7jhkrFwuBKjyLaFtAPWI8R0Ebq5OzEkwKfjQuzjj3J+gMNUoa3eKJdl87puOD1QQjIdnJ5xz5yq8ViFRtiUK6kxKlUDqvYtZ0J8miGi07u3euGJBY00ISDUi3XiXQ7AakZ4XSc9WJFIyBD6NOWoQEIqtrJ5K4x3jdKF/dCaSrQeKJ+30hAKDUSvpkUoAfqt5eKf3mtWPeq7YQFUaxpQKYP9WKOdYjTkHCXSUo0HxkCRDLzV0wGIIFoE2Uawtel+H9SL9pu2XYuS/njk1kcy2gX7aED5KIKOkbn6ALVEEF36AE9oWfr3nq0XqzX6WjGmu3soB+w3j4BI/efTw==</latexit>
D + D ! 4
He +
<latexit sha1_base64="CJw8iLAy6fKSkP0H1g9L+ykMwXA=">AAACTXicdVHNS8MwHE3n15xfU49egkMQhJLuw87bUA87KrgPWOdIs2wLS9OSpMoo+we9CN78L7x4UERsZwUd80HI473fI8mLG3CmNELPRmZpeWV1Lbue29jc2t7J7+41lR9KQhvE575su1hRzgRtaKY5bQeSYs/ltOWOLxK/dUelYr640ZOAdj08FGzACNax1Mv3I0d68HJ6ku7QkWw40lhK/x7OtNtSPXWDqePk5rSFiXKdprZIIrlevoDMs1P7zK5CZKJSpYqshFSKtl2GlolmKIAUV738k9P3SehRoQnHSnUsFOhuhKVmhNNpzgkVDTAZ4yHtxFRgj6puNGtjCo9ipQ8HvoyX0HCm/k5E2FNq4rnxpIf1SM17ibjI64R6UO1GTAShpoJ8HzQIOdQ+TKqFfSYp0XwSE0wki+8KyQhLTHT8AUkJPy+F/5Nm0bQqJrouF2rnaR1ZcAAOwTGwgA1qoA6uQAMQ8ABewBt4Nx6NV+PD+PwezRhpZh/8QWbtC+3Ksyc=</latexit>
D + D ! 3
H + p
3
H + D ! 4
He + n
他にも以下のような反応でヘリウム4が合成される。
ビッグバン理論の予言するもの①
•ヘリウムの存在量・・・ヘリウム4は(質量)比で約25%存在する。残りの75%は水素。
温度が低い
量
が
多
い
約0.25
ビッグバン時に合成される元素の割合の理論予想
ビッグバン理論の予言するもの①
ヘリウムの存在量は銀河の中の昔の銀河内のヘリウムの量からある程度制限できる。(ただ
し、最近では後述の宇宙マイクロ波背景放射からの制限がより精密。)
銀河の中の酸素の量(少ないほど過去の銀河)
ヘ
リ
ウ
ム
の
量
ビッグバン理論から予想される量
と一致!
Olieve(2000)
他の元素はどこで作られる?
実はビッグバンで作られる元素はリチウムまで。それより重い元素はビッグバンでは作られない。
人を構成する元素は酸素63%、炭素20%、水素9%、窒素5%、カルシウム1%、その他2%
特に炭素はアミノ酸やタンパク質などを構成する重要元素。
では、我々の人体を構成する炭素などの元素はどうやって作られるのか??
答えは星の中!星の中で炭素などの元素が形成される。
金やプラチナなどの重金属合成については、最近では中性子星の重力波により
観測されている。
宇宙の温度が高いと・・・
光(光子)が電子にぶつかってまっすぐ進まない
=我々に届かないため観測できない!
ビッグバン理論の予言するもの②
光子
電子
電子は陽子に捕らえられるため、ぶつかること無く光は真っ直ぐ進む。(宇宙の晴れ上がり)
=我々に光が届く!
宇宙膨張によって宇宙の温度が1000度くらいまで下がると・・・
このビッグバン宇宙の名残を宇宙マイクロ波背景放射(CMB)と呼び、
宇宙を満たしていることが予言される。
ビッグバン理論の予言するもの②
ビッグバン宇宙の名残
•1964年、ペンジアス&ウィルソンは電波観測
のために空の温度を測定しようとした。
ペンジアス&ウィルソン
•しかし、どうしても取り除けない雑音が全天に
存在することを発見して悩む(鳥の糞なども取
り除いたがそれでも雑音が存在)。
•たまたま、ビッグバンが予言する宇宙マイクロ
波背景放射を研究していたプリンストン大学の
グループ(ピーブルス等)と議論した結果、雑
音が宇宙マイクロ波背景放射であると結論。
ペンジアス&ウィルソンは1978年に、ピーブルスは2019年にノーベル物理学賞を受賞。
CMBの温度を測ると、一様等方(空のどこを観ても同じ温度)。
宇宙マイクロ波背景放射(CMB)①
宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の温度ゆらぎ
CMBの温度は約3Kで一様。しかし、10万分の1程度の揺らぎがある。
TCMB = 2.73[K]
T
T
⇠ 10 5
CMBの平均温度
温度の揺らぎ
宇宙マイクロ波背景放射(CMB)②
このCMBの揺らぎは様々な宇宙論的情報を教えてくれる。それは次回のトークで!
参考図書①
WMAP衛星開発プロジェクトの人間ドラマ。
WMAPが宇宙論に与えた影響についても知るこ
とができる。
一般向けサイエンス書に定評のあるサイモン・シン
によるビッグバン宇宙をめぐる人間ドラマ。サイモ
ン・シンの本は他にも「暗号解読」や「フェルマーの
最終定理」がおすすめ。
参考図書②
CMBの理論研究で多大な貢献をした著者による
一般向けの一冊。ビッグバン宇宙論やCMBのサ
イエンスについてよく分かる一冊。
ノーベル賞物理学者スティーブン・ワインバーグに
よる著書。ややレベルは高く、物理学科の大学生
向け。
• 膨張する宇宙から、宇宙初期はホットで高密度だったことが予
想される。その時の宇宙をビッグバンと言う。
• ビッグバンで主にヘリウム元素までが生成される。
• 宇宙の温度が冷えることで光子が自由に進むことができ、現
在、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)として観測される。
• ヘリウムやCMBの観測によって現在ではビッグバン理論は標準
的な理論となっている。
要約
4・観測的宇宙論の発展
CMBの温度を測ると、一様等方(空のどこを観ても同じ温度)。
宇宙マイクロ波背景放射(CMB)①
宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の温度ゆらぎ
CMBの温度は約3Kで一様。しかし、10万分の1程度の揺らぎがある。
TCMB = 2.73[K]
T
T
⇠ 10 5
CMBの平均温度
温度の揺らぎ
宇宙マイクロ波背景放射(CMB)②
このCMBの揺らぎは様々な宇宙論的情報を教えてくれる。
らぎとは何か?
10万分の1の揺らぎとはどれくらいなのか?
(例)日本人の20代男性の平均身長は171.5cm、標準偏差5.9cm(厚生労働省平成
28年調べ)→揺らぎは5.9÷171.5=0.034 つまり3.4%
分布関数・・・測定量がどの様に分布しているか。
自然科学でよく出てくるのはガウス分布(正規分布)
正規分布は「平均」と「標準偏差」のみで決ま
る。
例えば標準偏差(1σ)は「全体分布のうち
68%がこの範囲に収まっている」という意味。
平均身長が171.500cmだとすると、標準偏差が0.0017cm.つまり20代男性の68%が
171.498cmから171.502cmの範囲に入らないといけない!まさに髪の毛程度の違い。
どうやって解析するか?
CMBの温度ゆらぎのマップをどうやって解析するのか?
1. 空を見上げて、空間上の2点を選ぶ
2. その2点間の見込み角で揺らぎの大き
さを測る。
3. 再び別の2点を選んできて、揺らぎの
大きさを測る。これを色々な見込み角
で繰り返す。
4. これによって色々な空間スケールでの
揺らぎを測定。
まとめると・・・
CMBの温度揺らぎの解析では、様々な見込み角(空間
スケール)に応じた揺らぎの大きさを測定する。
解析結果
解析結果
解析結果
どういう特徴がありますか?
解析結果
CMB角度パワースペクトル 理論と観測が一致している!
解析結果
ピークの高さ
CMB角度パワースペクトル 理論と観測が一致している!
解析結果
振動している
ピークの高さ
CMB角度パワースペクトル 理論と観測が一致している!
解析結果
振動している
ピークの高さ
減衰している
CMB角度パワースペクトル 理論と観測が一致している!
解析結果
振動している
ピークの高さ
ピークの位置
減衰している
CMB角度パワースペクトル 理論と観測が一致している!
CMBの らぎ 測から分かったこと
•宇宙の構成要素(次のスライド)
•宇宙年齢は138億歳
•宇宙は平坦
•ヘリウムの存在量がビッグバン理論と一致。
•バリオン音響振動
などなど。
標準宇宙論モデル
宇宙の構成要素
ΛCDM(cold dark matter)モデル
95%は ダーク !! 
ダークマター:重力相互作用はする。
しかし、電磁波を出さない。正体不明。26.8%
ダークエネルギー:宇宙を加速膨張させる未知
のエネルギー。反重力的。68.3%
一般相対性理論+揺らぎの発展方程式(ボルツマン方程式)によって
宇宙を記述。観測結果をうまく説明できる。
普通の物質:周期表に載っている物質。たった5%
標準宇宙論モデル
宇宙の構成要素
ΛCDM(cold dark matter)モデル
95%は ダーク !! 
ダークマター:重力相互作用はする。
しかし、電磁波を出さない。正体不明。26.8%
ダークエネルギー:宇宙を加速膨張させる未知
のエネルギー。反重力的。68.3%
一般相対性理論+揺らぎの発展方程式(ボルツマン方程式)によって
宇宙を記述。観測結果をうまく説明できる。
普通の物質:周期表に載っている物質。たった5%
宇宙の構造形成
ΛCDMモデルに基づく宇宙構造形成進化理論
ダークマターが互いに重力で引きつけあって集まってくる
揺らぎの大きい場所ほど構造形成が起きやすい。
ダークマターが重力で集まって集合体ダークハローを形成
ダークハローの中でガスが集まって星や銀河形成される。
この辺りでようやく私の研究内容にもつながってくるので詳細は次回以降で!
宇宙の構造形成
ΛCDMモデルに基づく宇宙構造形成進化理論
ダークマターが互いに重力で引きつけあって集まってくる
揺らぎの大きい場所ほど構造形成が起きやすい。
ダークマターが重力で集まって集合体ダークハローを形成
ダークハローの中でガスが集まって星や銀河形成される。
この辺りでようやく私の研究内容にもつながってくるので詳細は次回以降で!
宇宙の構造形成
ΛCDMモデルに基づく宇宙構造形成進化理論
ダークマターが互いに重力で引きつけあって集まってくる
揺らぎの大きい場所ほど構造形成が起きやすい。
ダークマターが重力で集まって集合体ダークハローを形成
ダークハローの中でガスが集まって星や銀河形成される。
この辺りでようやく私の研究内容にもつながってくるので詳細は次回以降で!
宇宙の構造形成
ΛCDMモデルに基づく宇宙構造形成進化理論
ダークマターが互いに重力で引きつけあって集まってくる
揺らぎの大きい場所ほど構造形成が起きやすい。
ダークマターが重力で集まって集合体ダークハローを形成
ダークハローの中でガスが集まって星や銀河形成される。
この辺りでようやく私の研究内容にもつながってくるので詳細は次回以降で!
宇宙の構造形成
ダークマターシミュレーション
宇宙大規模構造
宇宙の大規模構造の観測
⃝一つ一つが銀河。
⃝銀河が密集している所があれ
ば、すかすかな領域もある。
⃝フィラメント状の構造を持つ。
密度揺らぎの大きな場所では構
造形成が進み、密度揺らぎの小
さい場所では構造形成が進まな
い。
解析結果
CMBと同じ様に、パワースペクトルを使ってダークマターの密度揺らぎを解析する
ことができる
CMBと同様に構造形成理論も理論と観測が一致している。
そもそも何故、 らぎが存在するのだろう?
答えから言うと「インフレーション」
宇宙誕生直後の10のマイナス36秒から10のマイナス34秒の短時間の間に宇宙が指数
関数的に約30桁倍膨張。(0.1mmの髪の毛が100億光年!)
•インフレーション時の量子的な揺らぎが宇宙
サイズに引き伸ばされた。
•インフレーション時のエネルギーが熱エネル
ギーに転化→ビッグバン。
実はインフレーションの観測的証拠はまだ無い!
CMBの偏光を使ってインフレーションを探る!
偏光
偏光
CMBの偏光
長谷川氏スライドより
CMBの偏光
長谷川氏スライドより
インフレーション時の原始重力波によってBモードが生成される。
日本主導のCMBのBモード観測を目的とした衛星。
2025年頃打ち上げ予定。
参考図書
参考図書
要約
• 宇宙マイクロ波背景放射(CMB)はインフレーション起
源の温度揺らぎを持っている。
• CMBの温度揺らぎは様々な宇宙論的情報を教えてくれ
る。
• 残されたCMBのフロンティアは偏光。偏光を観測できれ
ば、インフレーションの手がかりを得ることができる。
• 日本ではLiteBIRD計画が進行中。
高校生の時に読んだオススメの三冊
143
アインシュタイン自身によ
る相対論の一般向け解説本
一般向けではあるけど、
やや難しめ。
宇宙物理学者・佐藤文隆
氏の半生。
広島SSM
広島SSM
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