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リベリアの保健・エボラ・平和構築 (Health sector, Ebola & peacebuilding in Liberia)
- 6. 政府の努力と国際社会の支援
資金供与
医療保健パッケージ(Essential Package of Health Services)の策定
妊産婦死亡等を減少させる行動計画(ロードマップ)の作成
施設増設・改良
資機材供与
乳児・妊婦への予防接種の充実化
従事者の研修
施設のパフォーマンスに応じてボーナスを支払う仕組み(Performance-
based Contract)の導入
情報管理システム(Health Information Management System)の導
入
保健システム改善支援
・
・
・
- 11. 保健システム
保健システム(horizontal: WHO 6 Building Blocks)
ガバナンス 財政 人材 サービス 施設・資機材 情報
マラリア
疾病アプローチ
(vertical)
HIV/AIDS
結核
疾病対策に有効
・NTD等は優先順位が低い
・関係者間の調整・協力の欠如→調整コストの増大
医療保健サービスの持続的供給に貢献
・成果発現に時間がかかる
・関係者間の調整・協力の欠如→すべてのコンポーネントをバランスよく発
展させることが困難
X
XX
- 13. 現状
判定 人数 死亡者数 致死率(%)
陽性確定 403 271 67
擬陽性 815 373 46
疑いあり 480 227 47
計 1,698 871 51
2014年8月31日時点(WHO)
上記死亡者数の約1割は医療保健従事者。資機材不足で多くの施設
が閉鎖。一般診療や母子保健に影響が生じている
最大(保健システムの中で最上位)の病院で給与遅配・労働環境に抗
議して従事者がスト
「検疫」されているコミュニティーがあり、一部で暴動・略奪が発生
食糧価格高騰
www.ctvnews.ca
- 17. リベリアの平和構築の課題
Liberal peacebuilding?
資源の呪い?
指導者層に国家運営のオーナーシップをもたせられていない?(”suitcase
minister”の問題等)
伝統的自治制度(tribal chiefdom等)の軽視
市民社会(CBO等)の不十分な参画
www.insightonconflict.org www.poverty-action.org
Notas del editor
- 2010年7月~2013年7月にJICA企画調査員(平和構築・復興支援/母子保健プログラム)としてリベリアに赴任。
- ・1989~2003年に内戦
・(右上)国章(Coat of arms: “The love of God brought us here”)
・人間開発指数:経済・保健・教育の充実度から算出
・GDP成長率・人間開発ランキングはエボラの影響でどのようになるか?
- ・医療保健施設はすべてが万全に機能しているわけではない。
・日本では医療機関で妊産婦死亡が起こると大ニュース。
・HIV感染率は幸い低い(0.9%(2012年))。
・写真はlymphatic filariasis(象皮病)。
・エボラもNTDの1つ。
・精神医療・保健に関して当然、内戦の影響でトラウマを抱えた人々は多い。
- ・現地では自宅近くの海岸で人々が排泄しているのを見た。
・人々に保健知識を伝達し、行動変容を促すのに重要な役割を果たすのはCommunity Health Volunteerであるが、賃金が支払われず、2014年に入って彼らにも手当を支払うことを含める行動計画(ロードマップ)が策定された。
・自己中絶したいために施設に行かないというケースもある(しかし、出血等により結局、搬送されるという場合も多い)。
・医師が特に不足(人口1,000人中0.014人(国全体で60人足らず):世界で4番目に少ない)(WHO)。
・「患者を叱る」という傾向は途上国によくあり、これには①教育を受けた従事者がそうでない患者より(社会的)立場が上であるとの優越感、また実際の社会的階層の違い、②十分な給与が支払われない、給与遅配、希望に反して過疎地勤務をさせられる等によるモチベーション不足、③多忙であることによるストレス、等の背景がある。
- ・Essential Package of Health Servicesのようなものはリベリアのみならずアフガニスタン等の脆弱国家に対して米国等が主導して導入支援する。
・保健システムについては後ほど詳しく説明。
- MoHSW=保健社会福祉省
- ・2007年の率の上昇は内戦の影響によるものと言えるが、Demographic and Health Surveyにより実情が把握できた結果である。
・エボラの影響もあり、残念ながらMDGは達成できないだろう。
- エボラの影響が懸念される。
- MDGはすでに達成。しかし、エボラの影響が懸念される。
- ・ドナー・援助者は成果発現やこれをドナーに示すことの容易さ等により支援対象コンポーネントを選択しがちである。また、グローバルなトレンドも大きく影響する(したがって、NTD・多くの子どもの命を奪う下痢・保健システムコンポーネントに対する支援が比較的少なくなる)。また、NTDについては薬剤・ワクチンの開発コストに対して「市場」が小さいことや治験対象規模が小さいことから高い優先順位で取り組まれない。
・(疾病アプローチ)「調整コストの増大」:頻繁な疾病ごとの会議等
・(保健システム)「すべてのコンポーネントをバランスよく発展させることが困難」:結核対策要員がドナー・援助者にとってより高い優先順位にあるHIV/AIDS対応に忙殺され、専門知識・技術の向上を図れない等。また、特に援助修了後の人材の定着や知識・技術の向上には課題が多い
・次のスライドから現在、喫緊の課題であるエボラを焦点にNTDと保健システム等について考える。
- ・写真は首都最大のスラム(West Point)の検疫終了を喜ぶ人々。
・152人の医療保健従事者が感染し、79人が死亡。
・リベリアのreproduction number (RO)は3(1人の患者が平均的に3人を感染させる)。
・リベリア・シエラレオネ・ギニアの3ヶ国では3月から7月17日までの4ヶ月半で患者数が1,000人、その後8月13日までの1ヶ月で2,000人、8月26日までの13日間で3,000人に達した。10月には20,000人になると予想されている。
・最大の病院へは前職で支援しており、残念な思いが強い。
- 民間企業・大学についてはグラクソスミスクライン・ジョンソン&ジョンソンがワクチンを開発中、長崎大学が検査キットを開発。
- ・政府:
-使途不明の対策費用あり
-政府高官の縁故採用?
-国外に逃れた大臣・政府高官の罷免(”suitcase minister”の問題)
・人々:
-治療施設に隔離された人々は餓死させられるという噂
-政府が支援を得るためにエボラを作り出したという噂
-CIAの陰謀説
- 前のスライドにおける政府による不十分な社会サービスの提供は上図右側、「行政能力の欠如」であり、これは主要根本要因である汚職とあいまって「正当性の欠如」につながる。また、このたびの事態では「安全保障の欠如」も引き起こしている。