2015年 Personal Democracy Forum (PDF) の参加報告です。2015年7月10日早稲田大学で行われた「テクノロジーで変える政治と市民社会―世界の最新事例報告―」シンポジウム資料。
Report from Personal Democracy Forum 2015 (in Japanese)
5. 関連セッション (「民主主義は壊れている」)
• Understanding America‘s Interested Bystanders (Kate Krontiris)
→ コミュニティや社会改善に関心あるが政治から遠ざかっている
「関心ある傍観者たち」。
• Public Engagement Is Broken. Are You Part of the Problem? (Catherine
Bracy) → 行政広聴をテクノロジーで改善する。
• Hacking the Civic Imagination (Andrew Slack)
→ 企業献金が支配する選挙への抵抗を呼びかけ。シビックテックで
市民の関心のある政策を2016年大統領選に向けプレイアップ。
• The Politics of Joy (Zephyr Teachout)
→ 大企業への権力集中を懸念。シビックテックは口だけの宣言が
多く、まだ実際に組織的インパクトを持てていないと注文。
7. 関連セッション (「資本主義も壊れている」)
Creative Collision: How Business and Social Movements Will Reshape Our
Future(Palak Shah)
→ 家事労働者のためのクラウドソーシングの改善
Putting Labor in the Lab: How Workers Are Rebooting Their Future
(Carmen Rojas)
→ 労働環境改善サービスへのファンディング
Labor Codes: The Power of Employee-Led Online Organizing
(Jess Kutch)
→ スターバックス従業員の労働環境改善のためのSNS組織化など
9. 関連セッション (「この社会は分断されている」)
Segregation, Society, and the Future of Social Data (Dave Troy)
→ Twitter API のビッグデータで社会の分断をマッピング。
差別を可視化し、社会不安を予測。
Powerful Platform, Powerful Movements (Dante Barry)
→ 時給15ドルを巡る闘争の組織化、アフリカ系アメリカ人のツイッ
ターコミュニティ(Black Twitter)など。テクノロジーは当局による市
民監視でなくて、市民のために使わなくてはいけない。
Reverse-Engineering the Vampire Squid (Astra Taylor)
→ Debt Collective: 教育ローンや医療費による過重債務者の解放
のための組織化プラットフォーム。
10. 関連セッション (「この社会は分断されている」)
Winner Texts All (Nancy Lublin)
→ 危機的状況にある子供のためのホットライン Crisis Text Line
ビッグデータ解析でトリ―アジ。どのコミュニティで自殺者が多いか
なども解析(モンタナ州のネイティブアメリカン居留地)
14. 関連セッション (シビックテックが得意な分野)
<社会の組織化>
What Kind of God Do We Want To Be? (Jim Gilliam)
→ Nation Builder:リーダーのためのコミュニティ構築用ソフト
You Are Not a Target: What We Actually Do With Your Data (Carol Davidsen)
→ ビッグデータによる選挙キャンペーン
Building a New Operating System for Democracy (Santiago Siri)
→ ネットによる直接民主主義政党をアルゼンチンで作る
Imagining the Congress of the Future (Rep. Cathy McMorris Rodgers)
→ 政党のメディア部門をIT化、国民とネットでコミュニケーション。
共和党は民主党にテクノロジーで遅れをとっている
15. 関連セッション (シビックテックが得意な分野)
<データの活用>
Network Mapping the Ecosystem (Marc Smith)
→ ソーシャル・グラフから社会の組織構造を分析。6つの類型:
1)polarized crowd, 2)tight crowd, 3)brand clusters, 4) community
clusters, 5) broadcast network, 6) support network
The Civic Graph: Put Yourself On The Map (John Paul Farmer)
→ ソーシャル・グラフでNPOや財団、市民リーダーなどの協力関係を
可視化。資金源や協力すべき相手を見つけることができる。
Open Data and Mass Joy (Daniel X. O‘Neil)
→ シカゴ市におけるビッグデータなどの活用。テクノロジーとデータは
市民の幸せのために。
16. 関連セッション (シビックテックが得意な分野)
The Long Struggle for Open Knowledge (Rufus Pollock)
→ 真のオープンデータとは何か。データは使える形に。活版印刷を
発明したグーテンベルクよりも聖書を英訳したティンデールに注目。
The Public Library as Civic Hub in the Digital Age (Dr. Anthony Marx)
→ 市民社会の基盤となる知識・情報の源である「図書館」はまだ完全
に電子化されていない。図書館の電子化や情報の活用について
シビックテックコミュニティに協力を呼びかけ。
17. 関連セッション (シビックテックが得意な分野)
<民間的手法の政府導入>
The U.S. Digital Service: An Improbable Public Interest Startup (Haley Van
Dyck)
→ healthcare.gov の失敗を受け、米国政府が外部テック専門家を起用。
民間では当たり前のリーン開発やUI最適化導入により大幅改善。
From Alinsky to Zuckerberg: UX Rules for Radicals (Taren Stinebrickner-
Kauffman)
→ 市民活動のためのUX改善。市民活動はテックでシリコンバレー企業
にまだまだ3~5年は遅れている。
18. 関連セッション (シビックテックが得意な分野)
<途上国における活躍>
During and After Atrocity: How Kenyans Use The Web to Heal and Deal
(Nanjira Sambuli)
→ ケニアで政府の弾圧に対してSNSで市民を組織化・情報提供
Collaborative News: From "Narcotweets" to Journalism-as-a-Service
(Andres Monroy-Hernandez)
→ 麻薬シンジケートの前に政府もメディアも機能不全。市民が暗号を
使ったツイッターでメディアの役割を果たす。
21. 関連セッション (シビックテックが苦手な分野)
People v. City: A Love Story In Three Hacks (Xavier Leonard)
→ サンディエゴ市当局に対する「人的ハック(ソーシャルエンジニ
アリング)」の体験談
Reckoning With Power (Eric Liu)
→ シビックテックは可視化・効率化などばかりでなく、「正しい方向
へ権力を動かす力」になれ、との訴えかけ
Can We Finally Have a Digital Democracy? (Emma Mulqueeny)
→ デジタル民主主義は可能か?ツールだけでは不十分。
人々の訴え:①政局より政策、②普通の言葉で、③一方通行は
やめろ、④理解しないと参加できないが理解する時間がない。
22. 関連セッション (シビックテックが苦手な分野)
Can the Internet Generation Come to Power? (Birgitta Jonsdottir)
→ アイスランドの海賊党: 財政危機下の憲法改正という一点突破
で民衆の支持を得て国会に乗り込む。「モンスター」となった政党
政治を市民の手に取り戻す試み。
Time For an “Internet Party”? (Craig Aaron CEO of Free Press)
→ ポピュリズム的なエネルギーをどうやって永続的な政治改革に
結びつけるか?「インターネット政党」はまだ早い。
少なくとも2016年で「インターネット政策」を主要なテーマに位置
付けるためのキャンペーンを貼ろう!
25. 関連セッション (新しい技術の活用)
Do-it-Yourself Drones for Good (Emily Jacobi)
→ アマゾン原住民が森を守るための監視・管理に活用。
Blockchain As the Next Platform (Brian Forde)
→ ブロックチェーンの基本知識と、市民のための応用の可能性
の説明。シビックテック・コミュニティに、新たな利用方法の開発を
呼びかける。
28. 関連セッション (テクノロジーの負の側面への対応)
Imagine All the Feelz (Deanna Zandt)
→ 女子の74%は他の女子がネットで自分を実際より良く見せてい
ると思っている。SNSで社会は集団”うつ”に?
Constantly Distracted? Design for Time Well Spent (Tristan Harris)
→ 時間と関心を奪い続けるスマホはスロットマシーンと一緒だ。
より有意義に時間を過ごせるためのプロダクトデザインとは?
Weapons of Math Destruction (Cathy O‘Neil)
→ 見えないアルゴリズムが人々をランク付けして社会を支配する。
勤務評定や法執行の場面で。
29. 関連セッション (テクノロジーの負の側面への対応)
Fear Fear (Lila Tretikov)
→ 政府の監視に対抗するツールを作る。
An Internet of Things That Do As They‘re Told (Cory Doctorow)
→ IoTの世界は、家電も車も家も、すべてが「インクジェットプリン
ター」のようになる。DRM(著作権管理技術)に守られ、
純正品しか使えず、自分で修理もできない。
32. 関連セッション (シビックテックを支える法制度的な基盤)
The Net as a Public Utility (Harold Feld)
→ 通信インフラは「公共財」。通信事業へは政府の介入が必要。
The Perils and Prospects of Bringing the Next Billion Online (Sunil Abraham)
→ Internet.orgは囲い込み。途上国にも自由でオープンなネットを。
Same As The Old Boss? (Danny O‘Brien)
→ 政府監視との戦い。巨大ネット企業による監視も問題。