九州大学教育学部の演習の一環で取り組んだ、糸島市立小学校のホームページ活用に向けた提案

1. 古閑千晶、中本彩香、春口将人、有座かおり
山本晴佳、横山葵、坂本祥章、藤元哉、和田静華
- 九州大学教育学部2年・3年-
糸島市立小学校ホームページの活用と
持続的な運用に向けて
教育学フィールドワーク演習Ⅰ 田北チーム
March, 2015

2. 目的
公立小中学校のホームページは、保護者や地域
とのつながりをつくる上で重要であるにも関わ
らず、教職員の異動により引き継ぎがなされな
かったり、運営タスクが特定の人に集中したり
等、多くの課題があります。
!
よって本演習では、糸島市立小学校を事例に、
学校のホームページ（以下、HP）のデザインや
運用の課題を明らかにし、その解決を目指した
提案をすることを目的としています。
学校のホームページを考える

3. 演習のながれ
Ⅰ. 調査編
◎ HPの現状と課題、先進事例の調査
◎ 先行研究や文献などの調査
◎ 秘書広報課・教育委員会へのヒアリング
◎ 小学校（波多江）へのヒアリング
◎ 全小学校へのアンケート
!
Ⅱ. 提案編
◎ HPの活用と持続的な運用に向けて

4. Ⅰ. 調査編

5. Ⅰ. 調査編
糸島市立小学校18校のHPを調査
HPの現状と課題、先進事例の調査
更新頻度が低い、デザインの工夫が少ない、無料
サーバの利用により一定期間更新しないと広告が
出る等…。全般的にHPに対する理解が乏しく、活
用されていないことが明らかになった。

6. Ⅰ. 調査編
広告
ある小学校のHP｜更新されておらず広告が
強制的に表示。メニューが使えない状態に。
例
HPの現状と課題、先進事例の調査

7. Ⅰ. 調査編
全国の小学校HP、先進事例の調査
高い更新頻度、デザインの工夫、HPの特性を活
かした素早い情報伝達（緊急情報等）、SNSと
の連携、地域イメージの活用等、糸島市で参考
にできる要件を幾つか把握できた。
HPの現状と課題、先進事例の調査

8. 波多江小学校
糸島市秘書広報課・教育委員会
糸島市も現状のHPについて課題を感じて
おり、秘書広報課と教育委員会が連携しな
がら、HPの改善を検討していた。その話
をうかがった。
Ⅰ. 調査編
2014年7月1日、他
2014年7月29日、他
波多江小学校にて、HP担当の先生のお話
をうかがった。想定していたような更新作
業の困難さ等を確認でき、より現実的な提
案の参考になった。
ヒアリング調査

9. Ⅰ. 調査編
糸島市も現状の学校HPを改善する意向があり、今
後、各学校の最低限の情報を掲載した、市教委が
管理するHP【市教委HP】を作成することにな
り、その助言を行うこととなった。
!
従来まで学校が独自に作成していた【独自HP】に
ついては、運用の意向がある学校のみが引き続き
運用することになった。その際、無料のサーバで
はなく、市のサーバに移行することになり、無料
サーバーが抱える課題は解決する方向となった。
まとめ

10. Ⅰ. 調査編
新たな体制で、学校HP=【市教委HP】+【独自
HP】を運用していく上での手がかりを把握する
ために、秘書広報課と共同で、全小中学校に対
して、HPに対する意識調査を行った。
!
8月に全て回収でき、今後の運用指針に参考とな
る意見を集めることができた。
まとめ

11. Ⅱ. 提案編

12. Ⅱ. 提案編
HPの役割
ITツールの役割
現状のHP等の利用実態を鑑みると、HPではな
く ITツール という枠組みで役割や整備・運用方
針を検討していく必要性があると考えた。
ITツール：市教委HP、独自HP、メール、Facebookや
TwitterなどのSNS、「いとごんカード」に関連づけられた
保護者専用マイページの、情報発信に関わる5つのツール。
▶
HPの役割からITツールの役割へ

13. Ⅱ. 提案編
①基本情報を発信すること
◎ 説明責任が伴う情報
◎ 施設情報
◎ 学校基本情報、等
!
②つながりが必要な人たちに対して
情報を発信・共有すること
◎ 保護者への情報
◎ 保護者以外の地域住民への情報
◎ 同窓生等、学校に関心を持つ人たちへの情報
学校におけるITツールの5つの役割

14. Ⅱ. 提案編
③ツールの特質を踏まえた情報を発信すること
◎ 他ツール（紙媒体など）の補完的情報
◎ 活動等のリアルタイムな情報
◎ インタラクティブな情報
◎ 防災・防犯につながる緊急時の情報
!
④デザイン(表現)によりイメージを醸成すること
◎ 学校のイメージ
◎ 地域（校区・自治体）のイメージ
学校におけるITツールの5つの役割

15. Ⅱ. 提案編
⑤ITリテラシーを向上させること
◎ 教職員のリテラシー
◎ 児童生徒のリテラシー
◎ その他、保護者や地域住民などのリテラシー
ITツール：市教委HP、独自HP、メール、Facebookや
TwitterなどのSNS、「いとごんカード」に関連づけられた
保護者専用マイページの、情報発信に関わる5つのツール。
▶
校務情報化やICT教育に特化したツールは含めない。
今までの調査から、以上の5つの役割をまとめることができた。
学校におけるITツールの5つの役割

16. Ⅱ. 提案編
ITツールを活用しながらHPを持続的に運用してい
くために、2つのチームを設立し、連携する
IT運営チーム
IT支援チーム
各学校につくられた運営チーム。役割を分散させ、
特定の教職員のタスクにしない。2名以上。
糸島市のスケールでつくられた専門的・後方支援チー
ム。各学校にアドバイス等をおこなう。
HPの持続的な運用に向けて

17. Ⅱ. 提案編
教職員・地域住民・保護者など、2名以上とす
る。可能な限り、学校だけで閉じず、地域住民に
協力してもらう体制をつくる。コミュニティスクー
ルへの拡がりを意識すると共に、教職員の頻繁な
異動に対応するため。IT運営チーム
IT支援チーム
教育委員会・秘書広報課・情報政策課・九大（教
員・学生）・地域住民・参加を希望する教職員な
どから構成する。管轄の異なるITツールの窓口を
一元化することを目指すとともに、学校で対応で
きない専門的な後方支援が可能な体制とする。
構成メンバー？
HPの持続的な運用に向けて

18. Ⅱ. 提案編
ITツールの活用方針、市教委HP・独自HPの更新・
管理の指導にあたる。実作業はチームメンバーで
なくてもよく、特定の個人にタスクが集中しない
よう留意する。教職員の異動に備えて地域住民と
ともにマニュアルを作成する。IT運営チーム
IT支援チーム
学校現場のITリテラシーを高める仕組み（研修）
をつくったり、市の窓口を一元化した上で専門的
な視点から後方支援を行う。また、校区による人
材の偏りを軽減するために、糸島市全域から「運
営チーム」へ協力可能な人材を探したりする。
取り組み内容・役割？
HPの持続的な運用に向けて

19. Ⅱ. 提案編
IT運営チーム IT支援チーム
ITツールを活用していける体制を、市域・校区域
で連携してつくることで、既存の課題を解決し、
学校の情報発信・共有を活発にしていけます。
!
また、その実践が教職員のITリテラシーの向上を
促し、情報化を通した校務の効率化や児童生徒へ
のICT教育等、波及効果が期待できます。
まとめ