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Small Animal Oncologic Emergency
Masanao. Ichimata
イヌ・ネコの発熱性好中球減少症 ­診断と初期対応編­
この資料の⽬的
1. イヌ・ネコの、発熱性好中球減少症の定義を

さらっと⾔える
2. イヌ・ネコの、がん薬物療法投与後における、

「この状況はマズい」と思える感覚を⾝につける
3. イヌ・ネコの、がん薬物療法中の発熱に対する

初期診断・対応を知る
まずは具体例を基にして

感覚を掴んでいきましょう
これらの症例

通院治療? それとも⼊院?
• 雑種⽝、12歳齡、避妊雌
• 現病歴
• 2週間前に肺葉切除済み
• 肺腺癌、リンパ管浸潤あり、リンパ節転移なし
• 術後がん薬物療法(カルボプラチン)開始後7⽇⽬
• カルボプラチン投与量は250mg/m2
症例 1
注※ この症例データは、著者の妄想で

作成している為、実在する症例ではありません
• 臨床徴候:元気・⾷欲低下、嘔吐なし・下痢あり
• 臨床徴候は4⽇前から、制吐剤内服中
• 体重:15.0 kg、体温:38.7 ℃
• 本⽇の好中球数:1,270/μL
雑種⽝、12歳齡、避妊雌
注※ この症例データは、著者の妄想で

作成している為、実在する症例ではありません
• ミニチュア・ダックスフンド(MDH)

10歳齡、去勢雄
• 現病歴
• 2週間前に脾臓摘出切除済み
• 脾臓⾎管⾁腫、現時点で明らかな転移なし
• 術後がん薬物療法(ドキソルビシン 25mg/m2)開始7⽇⽬
症例 2
注※ この症例データは、著者の妄想で

作成している為、実在する症例ではありません
• 臨床徴候:元気・⾷欲低下、嘔吐なし・下痢あり
• 臨床徴候は2⽇前から、抗⽣剤・制吐剤内服中
• 体重:6.7 kg、体温:38.2 ℃
• 本⽇の好中球数:1,080/μL
MDH、10歳齡、去勢雄
注※ この症例データは、著者の妄想で

作成している為、実在する症例ではありません
• バーニーズ・マウンテン・ドッグ(BMD)

6歳齡、避妊雌
• 現病歴
• 多中⼼性⼤細胞性B細胞性リンパ腫 Stage Vb
• 第8週⽬のビンクリスチン(0.7mg/m2)投与
• 投与時、リンパ腫は完全寛解
• 本⽇第8週⽬のビンクリスチン投与後、8⽇⽬
症例 3
注※ この症例データは、著者の妄想で

作成している為、実在する症例ではありません
• 臨床徴候:元気あり、⾷欲低下、嘔吐・下痢なし
• 臨床徴候は2⽇前から、内服なし
• 体重:35.7 kg、体温:39.2 ℃
• 本⽇の好中球数:880/μL
BMD、6歳齡、避妊雌
注※ この症例データは、著者の妄想で

作成している為、実在する症例ではありません
本スライドのアウトライン
1. 発熱性好中球減少症の定義
2. 知っておきたい各がん薬物療法(剤)の特徴
3. 発症におけるリスク因⼦
1) 治療レジメン側の要因
2) 症例側の要因
4. 初期対応⽅法
1) ⼊院か通院か
2) 抗菌薬の使い⽅
1. 発熱性好中球減少症
の定義
発熱性好中球減少症(獣医学)
• 定義:がん薬物療法後の好中球減少症に伴う発熱
• Febrile Neutropenia:FN
• 体温(直腸温)
✓ 39.2 ℃(102.5 °F)以上(イヌ)
✓ 38.8 ℃ (102.0 °F)以上(ネコ)
• 好中球数
✓ 2,000­2,500/μL 以下(イヌ)
✓ 参考基準値の下限値以下(ネコ)
Britton B et al, Vet Comp Oncol, 2012
Sorenmo KU et al, J Am Vet Med Assoc, 2010
Peerro J et al, Vet Comp Oncol, 2016
Shaffer K et al,Vet Med Sci. 2016
発熱性好中球減少症(ヒト ⽇本ver.)
• 定義:がん薬物療法後の好中球減少症に伴う発熱
• 体温:37.5℃ 以上(腋窩温)、38.0℃ 以上(⼝腔内)
• 好中球数
✓ 500/μL 未満
✓ 1000/μL 未満で48時間以内に500/μL 未満になると予測
される場合
⽇本臨床腫瘍学会編, 

発熱性好中球減少症ガイドライン(改訂第2版), 南江堂, 2017
意外と
あまり書かれていないこと
発熱性好中球減少症の
臨床徴候って何?
発熱性好中球減少症の臨床徴候
• この3つが多い主訴です!
1. 発熱
2. 震え
3. 元気・⾷欲低下
• 感染部位が明確であれば、その部位に特徴的な徴候
✓ 泌尿器系・⽣殖器系(排尿異常・障害)、胃腸・肝胆嚢系(胃腸
障害)、肺(呼吸不全、発咳)、⽪下膿瘍(留置部、⽪下注射・
点滴部位の炎症所⾒)など
敗⾎症と発熱性好中球減少症

の違いって?
SIRS感染症
よくみるやつ
敗⾎症
菌⾎症
真菌⾎症
寄⽣⾍

⾎症
ウイルス
⾎症
その他
その他
外傷
熱傷
膵炎
Bone RC et al, Chest, 1992
敗⾎症について(旧定義 ヒト)
• 敗⾎症
• 定義:感染による全⾝性炎症反応症候群
• 重度敗⾎症
• 定義:臓器障害を伴う敗⾎症
• 敗⾎症性ショック
• 定義:敗⾎症で輸液負荷に反応しない低⾎圧
全⾝性炎症反応症候群
• 全⾝性炎症反応症候群
• Systemic Inflammatory Response Syndrome:SIRS
• 侵襲の種類にかかわらず、サイトカインを中⼼とした免疫-
炎症反応による⾮特異的な全⾝⽣体反応を把握するための
臨床概念

(⽇本救急医学会HPより抜粋 http://www.jaam.jp/html/dictionary/dictionary/word/
0730.htm)
全⾝性炎症反応症候群
診断に必要な検査所⾒:以下を2つ以上満たすこと
パラメータ イヌ ネコ
体温
37.8℃ 以下、
もしくは39.7℃ 以上
37.8℃ 以下、
もしくは39.7℃ 以上
⼼拍数 120bpm 以上
140bpm 以下、もしくは
225bpm 以上
呼吸数
20bpm 以上、もしくは
PaCO2が32mmHg 以下
40bpm 以上
総⽩⾎球数
5,000/μL 以下

18,000/μL 以上

桿状好中球の⽐率が10% 以上
5,000/μL 以下

19,000/μL 以上

桿状好中球の⽐率が10% 以上
Mathews KA et al, J Vet Emerg Crit Care, 2006
• 定義:感染症に対する制御不能な宿主に起因した臓器
障害(= 従来の重症敗⾎症)
敗⾎症(Sepsis-3 新定義 ヒト)
Singer M et al, JAMA, 2016
旧定義 新定義
敗⾎症性ショック敗⾎症性ショック
重度敗⾎症(敗⾎症+臓器障害) 敗⾎症(感染症+臓器障害)
敗⾎症(感染症+SIRS)
感染症
感染症
Sepsis­3
• 敗⾎症性ショックも定義が変更!
• 旧定義:敗⾎症で輸液負荷に反応しない低⾎圧
• 新定義:適切な輸液負荷にも関わらず…
✓ 平均動脈圧が65mmHg以上を維持する為に、循環作動薬
が必要
✓ ⾎清乳酸値が2mmol/L(18mg/dL)である状態
Singer M et al, JAMA, 2016
以上を踏まえると・・・
現時点ではこんなイメージ
FN
敗⾎症
感染症 SIRS
2. 発熱性好中球減少症を診断
する上で、知っておきたい
各がん薬物療法の特徴
• ⾻髄抑制(Bone marrow suppression)
1. 好中球減少症
2. ⾎⼩板減少症
3. 貧⾎
• 脱⽑(Alopecia)
• 胃腸障害(Gastrointestinal toxicity)
1. ⾷欲低下
2. 嘔吐
3. 下痢
がん薬物療法剤による3⼤毒性
3⼤毒性の出てくるタイミング
各毒性が投与期間中、ずっと出るわけでは
なく、多くの場合で限られた期間に

それぞれの毒性が発現!
⾻髄抑制の発現するタイミング
• 好中球減少症
• 殆どのがん薬物療法剤では、好中球数が最も低くなるのは

投与後、5­10⽇⽬の間(7⽇⽬付近が多い)
✓ ビンカアルカロイドは少し早いかも(5­6⽇⽬)
⾻髄抑制の発現するタイミング
• 好中球減少症
• 例外
1) カルボプラチン:7­21⽇⽬の間(多くは14⽇⽬付近)
2) CCNU(ロムスチン)
• 特にネコ:14­28⽇⽬の間(かなり予測しづらい!)
⾻髄抑制の発現するタイミング
• 蓄積性⾻髄抑制
• これらの薬剤では、投与回数が増えると⾻髄抑制の強さや
タイミングに変化が認められる可能性がある
• 代表的な薬剤
1) カルボプラチン
2) CCNU(ロムスチン)
胃腸障害の発現するタイミング
• 主に3つに分けられる
1. 即時性:投与直後から48時間以内
✓ 化学受容体引き⾦帯(CTZ)への直接刺激
✓ アレルギー反応:L-アスパラギナーゼなど
胃腸障害の発現するタイミング
• 主に3つに分けられる
2. 急性・遅発性:投与後2­14⽇
✓ 消化管粘膜の刺激や炎症
✓ 細胞傷害性や酵素バランスの変化
✓ 多くの抗がん剤で、投与後2­5⽇⽬がピーク
胃腸障害の発現するタイミング
• 主に3つに分けられる
3. 慢性・蓄積性:週・⽉・年単位
✓ 殺細胞性抗がん剤では稀
✓ イヌではリン酸トセラニブ(分⼦標的薬)でしばしば認められる
この期間に⾒た⽬で分かる副作⽤は

「通常は無い」所がポイント!!
どんながん薬物療法剤がFNを
起こしやすい?
治療レジメン側の要因
イヌのがん薬物療法後の敗⾎症※のリスク因⼦
• がん薬物療法剤の種類
1) ドキソルビシン:OR=12.5(95%CI=2.4­66.0)
2) ビンクリスチン:OR=9.0(95%CI=1.6­52.0)
※ 現在の診断基準ではFNに該当する症例が殆ど
Sorenmo KU et al, JAVMA, 2010
治療レジメン側の要因
• FN症例で実施されていたがん薬物療法 Top 3
• CCNU(± L-アスパラギナーゼ):7/27(25.9 %)
• カルボプラチン:5/27(18.5 %)
• シクロホスファミド:4/27(14.8 %)
Shaffer K et al,Vet Med Sci, 2016
治療レジメン側の要因
イヌのがん薬物療法剤後のFNの発⽣率の違い(⽇本)
• 発⽣率
1) CCNU(ロムスチン):10.2%
2) カルボプラチン:7.7%
3) シクロホスファミド:6.2%
4) ビンクリスチン:5.4%
5) ミトキサントロン:2.5%
6) ドキソルビシン:1.4%
⼩嶋ら, ⽇本獣医内科学アカデミー, 2014
国内でのFNについての報告
薬剤名 例数(投与回数)
薬⽤量の
最⼩値­最⼤値
薬⽤量の

最頻値
カルボプラチン 59例(168回) 150­300 mg/m2 250 mg/m2
シクロホスファミド 90例(241回) 150­250 mg/m2 250 mg/m2
ドキソルビシン 135例(425回) 1 mg/kg­30 mg/m2 1 mg/kg
ビンクリスチン 104例(484回) 0.35­0.7 mg/m2 0.7 mg/m2
ミトキサントロン 41例(118回) 3.75­5.5 mg/m2 5 mg/m2
ロムスチン 94例(334回) 44­87.7 mg/m2 70 mg/m2
あくまで1施設内におけるデータ
施設周囲環境・患者側の要因・投与量や事前のFN対策など
様々な交絡因⼦があることに注意
⼩嶋ら, ⽇本獣医内科学アカデミー, 2014
まとめ 1
1. 発熱性好中球減少症
- 発熱・がん薬物療法後・好中球数 2500/μL 以下(イヌ)
- 発熱・がん薬物療法後・好中球数参考基準値以下(ネコ)
2. がん薬物療法後の好中球減少症
1) ⼤体5­10⽇⽬がピーク
2) 例外を覚える!
✓ カルボプラチン・CCNU(ロムスチン)
まとめ 2
3. 副作⽤はある程度パターンあり
1) 胃腸障害は、投与後1­5⽇⽬の間に発現しピーク
2) こんな時は要注意!必ず来院を促しましょう!!
✓ 胃腸障害が徐々に悪化し、投与後7⽇⽬を迎えそう
✓ 投与後5­10⽇⽬に急に元気や⾷欲低下、震えている
3. 発熱性好中球減少症
の発症リスク因⼦
発熱性好中球減少症の発症リスク因⼦
主に2つに⼤別される
1. 治療レジメン側の要因(前述)
2. 患者側の要因
患者側の要因 1­1
イヌのがん薬物療法後の敗⾎症※のリスク因⼦(海外)
1. 体重(⼩型⽝ > ⼤型⽝)
2. リンパ腫 vs. 固形癌
✓ 66.7 vs. 45.5%(p=0.037)
※ 現在の診断基準ではFNに該当する症例が殆ど
Sorenmo KU et al, JAVMA, 2010
患者側の要因 1­2
イヌのがん薬物療法後の敗⾎症※のリスク因⼦(海外)
• リンパ腫での敗⾎症の発⽣
• 71.8%(28/39)がリンパ腫導⼊期に発⽣
※ 現在の診断基準ではFNに該当する症例が殆ど
Sorenmo KU et al, J Am Vet Med Assoc, 2010
患者側の要因 2­1
ネコの発熱性好中球減少症
• 腫瘍種:リンパ腫が最も多かった(55%:11/20)
• がん薬物療法剤:
✓ CCNUが最も多かった(60%:12/20)
✓ ついでビンカアルカロイド
• 殆どの症例で⾷欲低下あり(90%:18/20)
Pierro J et al, Vet Comp Oncol, 2016
患者側の要因 2­2
ネコの発熱性好中球減少症
• がん薬物療法投与後、FN発⽣までの期間中央値
✓ ビンクリスチン・ビンブラスチン:4⽇(範囲:4­5⽇)
✓ ロムスチン:19.5⽇(範囲:6­24⽇)
Pierro J et al, Vet Comp Oncol, 2016
患者側の要因(ヒト)
ASCO NCCN EORTC
⾼齢者(65歳以上)
Full Doseのがん薬物療法
を受けている⾼齢者(65歳以上)
⾼齢者(65歳以上)
パフォーマンスステータス不良または
栄養状態不良
パフォーマンスステータス不良
腎障害 腎障害(CCr<50)
肝障害(ビリルビン⾼値) 肝機能障害(ビリルビン>2.0)
⼼⾎管疾患
複数の合併症
感染の存在
HIV 感染 HIV感染
進⾏がん 進⾏がん
がん薬物療法施⾏歴

または放射線治療歴
がん薬物療法施⾏歴

または放射線治療歴
開放創の存在

または最近の⼿術歴
最近の⼿術歴や開放創
治療前の好中球減少

または腫瘍の⾻髄浸潤
治療前の好中球減少症
レジメンの異なる先⾏がん薬物療法に
おけるFNの機構歴
4. 発熱性好中球減少症の
初期対応
外来でがん薬物療法後に

FNを発症した場合の対応は?
原則⼊院!
原則⼊院
• 重要点
• 可能な限り「早く」
• 「抗菌薬」を
• 「静脈」から投与すること!
• なぜ、静脈内投与が重要なのか
1) 最⾼⾎中濃度までの到達時間
2) 吸収率
3) 腸内細菌叢 など
なぜ、原則⼊院なのか
ヒトでの外来可能なFNを確認
外来で対応可能な条件
1. 低リスク群
1) MASCCスコアが21点以上
2) 活動性の併存疾患がない
3) 肝機能と腎機能が安定
4) 好中球減少が7⽇以内
2. 臨床的クライテリアを満たす
3. 社会的条件を満たす
4. フルオロキノロンの予防内服をしていない
Freifeld AG et al, Clin Infect Dis, 2011
Flowers CR et al, J Clin Onco, 2013
Taplitz RA et al, J Clin Onco, 2018
Freifeld AG et al, Clin Infect Dis, 2011
MASCCスコアリングシステム
危険因⼦ スコア
症状なし・軽度の症状 5
中程度の症状 3
低⾎圧なし 5
慢性閉塞性肺疾患なし 4
固形腫瘍/真菌感染の既往のない⾎液の悪性腫瘍 4
脱⽔なし 3
外来患者である 3
60歳未満 2
Taplitz RA et al, J Clin Onco, 2018
Low-risk:MASCCスコア 21点以下
Low-riskと判定されても、約10%が重症化し、⼊院が必要となるので注意!
臨床的クライテリア
• 以下の項⽬がない症例
1. ⾎圧低下
2. 貧⾎
3. 好中球 100未満が7⽇以上続く
4. 内服困難
5. 吐き気・嘔吐・下痢
6. 肝障害
7. 頻呼吸・低酸素⾎症
8. などなど
Flowers CR et al, J Clin Onco, 2013
Taplitz RA et al, J Clin Onco, 2018
社会的条件
• 綿密な観察と適切なケアへの迅速なアクセスが24時間
週7⽇保証されている状況
• 臨床状態が悪化した場合に、患者が1時間以内に地域の
医療施設を受診可能
• 家族もしくは介護者が24時間在宅
• 服薬コンプライアンス不履⾏の歴がない
Taplitz RA et al, J Clin Onco, 2018
Freifeld AG et al, Clin Infect Dis, 2011
臨床的クライテリア、社会的条件の
達成は、動物では困難!
抗菌薬投与のタイミングの重要性
• 発熱性好中球減少症
• 1時間延⻑する毎に、0.31⽇間の⼊院期間の延⻑
• 1時間延⻑する毎に、1.18倍の死亡率上昇
• ただし、あまり関係なかったとする報告もあるので

慌てないこと
Perron T et al., BMC Health Serv Res, 2015
Rosa RG et al., Antimicrob Agents Chemother 2014
Butts AR et al., J Oncol Pharm Pract 2017
抗菌薬投与のタイミングの重要性
• 敗⾎症性ショック
• 低⾎圧が認められてから6時間の間、抗菌薬投与が1時間

延⻑する毎に、7.6%の死亡率の上昇
Kumar A et al, Crit Care Med, 2006
まとめ 3
1. リスクの⾼いがん薬物療法剤
• ⽇本では、特にカルボプラチン・ロムスチンに注意?
2. FNの初期対応
• 原則⼊院
• 可能な限り早く・静脈から・抗菌薬!(+ 静脈点滴)
じゃあ、⼊院後の抗菌薬は?
治療開始時の抗菌薬
• まず、聞く・確かめる・考えるコト
1. 感染徴候や、感染を⽰す検査異常があるかどうか
2. 抗菌薬が予防的に投与されているかどうか
✓ 処⽅されていれていれば、その種類
3. (取得可能なら)⾃施設・地域での耐性菌の状況
抗菌薬の予防的投与って?
• がん薬物療法後の、好中球減少期における抗菌薬の

予防投与は、発熱や菌⾎症の発⽣頻度を有意に減少
• 上記などの根拠から、⾼度な好中球減少症が⻑時間続
くと予想される患者に適応される抗菌薬の投与⽅法
⽇本臨床腫瘍学会編, 

発熱性好中球減少症ガイドライン(改訂第2版), 南江堂, 2017
Bow EJ, Clin Microbiol Infect, 2005
抗菌薬の予防的投与(ヒト)
• 投与対象
• 好中球数 100 /μL未満が7⽇を超えて続くと予想される患者
参考(ヒトの参考基準値など)
✓ WBC:約 3,000­9,000 /μL
✓ Seg:約 45­70%
✓ ⼀般的な好中球減少症:1,500 /μL

⽇本臨床腫瘍学会編, 

発熱性好中球減少症ガイドライン(改訂第2版), 南江堂, 2017
抗菌薬の予防的投与(ヒト)
• 処⽅される抗菌薬
• フルオロキノロンが最もエビデンスが多い
✓ プラセボまたはST合剤と⽐較
• グラム陰性菌感染の頻度を約80%減少
• すべての感染の発症率を減少
⽇本臨床腫瘍学会編, 

発熱性好中球減少症ガイドライン(改訂第2版), 南江堂, 2017
Engels EA et al, Clin Infect Dis, 1998
抗菌薬の予防的投与(ヒト)
• ただし、抗菌薬の予防的投与によるデメリット
• フルオロキノロン予防的投与によるE.coli、

P.aeruginosa耐性化の進⾏
• C.difficile感染症のリスク増加
⽇本臨床腫瘍学会編, 

発熱性好中球減少症ガイドライン(改訂第2版), 南江堂, 2017
Bucanave G, N Eng J Med, 2005
Bow EJ, Clin Microbiol Infect, 2005
Carratala J, Clin Microbiol Infect, 1995
Garnica M, BMC Infect Dis, 2013
FNの原因菌(ヒト)
急性⾻髄性⽩⾎病患者の⾎流感染症の原因微⽣物
原因微⽣物
分離頻度(%)
n=89
グラム陽性菌 58(65.2)
Staphylococcus aureus 9
coagulase-negative staphylococci 24
staphylococci 12
entetoccoci 6
その他 7
グラム陰性菌 20(22.5)
Pseudomonas aeruginosa 11
その他 9
⽇本臨床腫瘍学会編, 

発熱性好中球減少症ガイドライン(改訂第2版), 南江堂, 2017
FNの原因?菌(イヌ)
• ⾎液培養で菌分離:4/27(15%)
• 同定された菌
• Streptococcus canis
• Staphylococcus intermedius
• Staphylococcus pseudintermedius
• Staphylococcus epidermidis Shaffer K et al,Vet Med Sci, 2016
FN発症時の抗菌薬の選択(ヒト)
• 基本的には、グラム陰性桿菌を抗菌スペクトラム

に含むβ­ラクタム薬単剤
• 参考:β­ラクタム系抗菌薬
✓ ペニシリン系
✓ セフェム系
✓ カルバペネム系
✓ βラクタマーゼ阻害剤系
⽇本臨床腫瘍学会編, 

発熱性好中球減少症ガイドライン(改訂第2版), 南江堂,
2017
先⽣、⼊院期間って
何⽇くらいになりますか?
重症化における⾼リスク群(ヒト)
• 7⽇間を超える好中球減少症(≦100/μL)が予想される
• 併存する医学的問題がある
• ⾎⾏動態不安定
• ⼝腔・消化管粘膜障害(嚥下に影響や重度な下痢)
• 腹痛・悪⼼・嘔吐・下痢などの消化器症状
• 新たに出現した神経学的状態と精神状態の変化
• カテーテル関連⾎流感染(CRBSI)
• 新しい肺浸潤影、低酸素⾎症、慢性肺疾患の既往
• 肝障害・腎障害
• MASCCスコア21点未満
Freifeld AG et al, Clin Infect Dis, 2011
⼊院期間の延⻑要因(イヌ)
• 来院後のさらなる好中球減少
• G-CSFの使⽤
• 来院時の頻脈(120 bpm以上)
• 胃腸障害
• 感染症の併発
Britton BM et al, Vet Comp Onco, 2014
まとめ 4
3. 抗菌薬の選択
1. 基本はβ­ラクタマーゼ阻害薬単剤
2. 症例・地域の背景を考慮
3. ⼀般的には、動物の抗菌薬の予防的投与はニューキノロン
かST合剤
4. 重症化要因を学んでおいて⼊院期間を想定しましょう
以上を踏まえて、

症例1-3を⾒返してみよう!
1. プロフィール
2. 腫瘍種
3. がん薬物療法レジメン
4. 臨床徴候・併発疾患の有無
5. 併⽤薬の有無
特に確認するポイント
• 雑種⽝、12歳齡、避妊雌
• 現病歴
• 2週間前に肺葉切除済み
• 肺腺癌、リンパ管浸潤あり、リンパ節転移なし
• 補助がん薬物療法(カルボプラチン)開始後7⽇⽬
• カルボプラチン投与量は250 mg/m2
症例 1
注※ この症例データは、著者の妄想で

作成している為、実在する症例ではありません
• 臨床徴候:元気・⾷欲低下、嘔吐なし・下痢あり
• 臨床徴候は4⽇前から、制吐剤内服中
• 体重:15.0 kg、体温:38.7 ℃
• 本⽇の好中球数:1,270/μL
雑種⽝、12歳齡、避妊雌
注※ この症例データは、著者の妄想で

作成している為、実在する症例ではありません
症例 1:確認ポイント
1. プロフィール:そこそこ⾼齢
2. 腫瘍:肺腺癌、外科済み(顕微鏡学的病変)
3. がん薬物療法
• 第1回⽬のカルボプラチン(250 mg/m2)から7⽇⽬
4. 臨床徴候・併発疾患:下痢
5. 併⽤薬:制吐剤
症例 1:ここがポイント!
1. カルボプラチン投与「1回⽬」の「7⽇⽬」
1. 初回のがん薬物療法なので、副作⽤の程度が掴みづらい
2. まだ胃腸障害をひきずっている
3. 好中球減少症が「すでに」起きている
• 推測と対応
1. FNが出る可能性は⾼そう
2. FNが出た場合、重篤化する可能性も⾼そう
3. 予防的抗菌薬は必須、夜間も診れるなら計画的⼊院も考慮
• ミニチュア・ダックスフンド、10歳齡、去勢雄
• 現病歴
• 2週間前に脾臓摘出切除済み
• 脾臓⾎管⾁腫、現時点で明らかな転移なし
• 補助がん薬物療法(ドキソルビシン 25 mg/m2)開始7⽇⽬
症例 2
注※ この症例データは、著者の妄想で

作成している為、実在する症例ではありません
• 臨床徴候:元気・⾷欲低下、嘔吐なし・下痢あり
• 臨床徴候は2⽇前から、抗菌薬・制吐剤内服中
• 体重:6.7 kg、体温:38.2 ℃
• 本⽇の好中球数:1,080/μL
MDH、10歳齡、去勢雄
注※ この症例データは、著者の妄想で

作成している為、実在する症例ではありません
症例 2:確認ポイント
1. プロフィール:⼩型⽝
2. 腫瘍:脾臓⾎管⾁腫、外科済み(顕微鏡学的病変)
3. がん薬物療法
• 第1回⽬のドキソルビシン(25 mg/m2)から7⽇⽬
4. 臨床徴候・併発疾患:元気・⾷欲低下、下痢
5. 併⽤薬:抗菌薬・制吐剤
症例 2:ここがポイント!
• ドキソルビシン投与「1回⽬」の「7⽇⽬」
1. 初回のがん薬物療法なので、副作⽤の程度が掴みづらい
2. 好中球減少症あり
3. まだ胃腸障害をひきずっている
• 推測と対応
1. 今後FNになる可能性は⾼い
2. 予防的抗菌薬の継続は必須
3. 夜間も診れるなら計画的⼊院も考慮
• バーニーズ・マウンテン・ドッグ、6歳齡、避妊雌
• 現病歴
• 多中⼼性⼤細胞性B細胞性リンパ腫 Stage Vb
• 第8週⽬のビンクリスチン(0.7mg/m2)投与
• 投与時、リンパ腫は完全寛解
• 本⽇第8週⽬のビンクリスチン投与後、8⽇⽬
症例 3
注※ この症例データは、著者の妄想で

作成している為、実在する症例ではありません
• 臨床徴候:元気あり、⾷欲低下、嘔吐・下痢なし
• 臨床徴候は2⽇前から、内服なし
• 体重:35.7 kg、体温:39.2 ℃
• 本⽇の好中球数:880/μL
BMD、6歳齡、避妊雌
注※ この症例データは、著者の妄想で

作成している為、実在する症例ではありません
症例 3:確認ポイント
1. プロフィール:⼤型⽝
2. 腫瘍:顕微鏡学的病変
1) 多中⼼性⼤細胞性リンパ腫 Stage V、完全寛解中
3. がん薬物療法
• 第8回⽬のビンクリスチン(0.7 mg/m2)投与後から8⽇⽬
4. 臨床徴候・併発疾患:発熱(39.2 ℃)・⾷欲低下
5. 併⽤薬:なし
ここで、とっても⼤事なこと
がん薬物療法中の発熱
イコール
発熱性好中球減少症
ではない!
がん薬物療法中に発熱が認められた時
• 考えるべきこと:がん薬物療法の副作⽤ではない場合
1. がん薬物療法の副作⽤が関係している場合
1) 発熱性好中球減少症
2) 感染源はどこにある?
2. がん薬物療法の副作⽤が関係していない場合
1) 腫瘍性:腫瘍熱(腫瘍の進⾏)など
2) ⾮腫瘍性:その他の発熱原因
3. 上記の複合
• 感染源:確認を忘れがち、もしくは特定が難しい臓器
1. 肺:特に嘔吐や嚥下障害を伴う症例の誤嚥性肺炎
2. 消化管:下痢を伴う症例(診断がほぼ除外診断)
3. 肝・胆嚢:特に細菌性胆嚢・胆管肝炎
4. 膀胱・腎臓:発熱を伴う場合は、ほぼ腎盂腎炎あり
5. ⽪膚・⽪下膿瘍:特に補液・カテーテル関連感染
発熱の原因特定
発熱の原因特定(ヒト)
• 感染源
• 発熱性好中球減少症では特定が難しいことも多い
✓ 消化管、肺や⽪膚などに明らかに認められる割合:
20­30%
✓ 静脈⾎培養で菌⾎症が証明される割合:10­25%
Freifeld AG et al, Clin Infect Dis, 2011
症例 3:ここがポイント!
1. 第8週⽬のがん薬物療法
2. ビンクリスチン投与「8⽇⽬」なのに…
1) 発熱性好中球減少症?
2) 元気あり?
• 推測と対応
1) 興奮しているようであれば、落ち着いてから再測定
2) それでも発熱しているなら、がん薬物療法の副作⽤以外の
発熱の原因を鑑別に考えながら、⼊院治療開始
まとめ 5
• 臨床徴候の特徴
• 発熱のみの場合:多くが急に発現し、悪化も早い
• 胃腸障害を合併している場合は、経過が違うので要注意
• がん薬物療法投与中の発熱 ≠ 発熱性好中球減少症
• 下記は、常に頭の⽚隅に常におくこと

「がん薬物療法の有害事象以外の疾患の鑑別」
治療開始後、
何⽇で熱は下がるの?
⼊院期間の⽬安って
どの位?
抗菌薬の変更の

タイミングって?
G-CSFの適応って?
次回、治療中の対応編で!

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