本稿では,路車間の通信を用いたナビゲーションシステムでショッピングセンター駐車場における渋滞を解消する手法を提案する.場内の車両位置情報を基に,サーバが駐車場の利用状況を推定し,駐車場の各エリアに到達するに必要な時間や駐車待ち時間を見積もり,場内車両に配信する.各車両は,受け取った情報を用いて,駐車待ち時間の期待値が最小となる経路を計算し,ドライバーに提示することで短い時間での駐車を目指す.提案手法の有効性を評価するために奈良市内のショッピングセンターを模した駐車場シミュレータを作成し,実際の入庫データを用いてシミュレーション実験を行った.その結果,複数の比較対象手法と比べ,平均で 20~50%程度駐車待ち時間を削減可能であることを確認した.