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の新機能、
pilz industrial motion
を試してみた
株丹 亮
ROS Japan UG #36
2020.5.1
⾶び込みLT・ネットワーキング(オンライン開催)
⽬的
MoveItでの新機能、Industrial motionを試す
従来型の産業⽤ロボットとMoveItの機能⽐較その前に...
従来型の産業⽤ロボット
ティーチングペンダントで動作を⽣成
作業内容に合わせて経由点を⼿動で定義する。
同じ動作を精度良く繰り返すのが得意。
例:溶接作業、組み⽴て作業など
⾃動でロボットの動作を⽣成
ティーチングでは⾮常に煩雑な障害物回避動作
を⾃動で⽣成可能。センシングした結果をもと
にその場で動作を⽣成可能。
例:ばら積みピッキング作業など
pilz industrial motionの登場
MoveItは⾰新的だが、
従来型の産業⽤ロボットが得意な細かい動作を
作り込むのは難しい。
動作⽣成アルゴリズムが乱数ベースで動作が毎回変わってしまう。
ありがたいときもあるし、不便なときもある。
そうだ!従来型の産業⽤ロボットの機能もつけてしまおう!!
pilz industrial motionの登場
開発者 Pilz GmbH & Co. KG
ドイツのFAメーカ
開発状況 本家MoveItにプルリクエスト、
絶賛レビュー中(5/1時点)
機能概要 pilz industrial motion planner
としてプラグインで使⽤可能。
関節補間、直線補間、円弧補間、
3つの動作を⽣成可能。
悩み...!
ビルド⽅法(参考情報)
5/1時点ではマージされていないので、以下の⼿順
で導⼊した。(※ マージされたらこんなことしなくてよい)
前提
• ROS1のmelodicで検証。
• MoveItのソースビルド済みの環境である。ソースビルドは、
https://moveit.ros.org/install/source/
を参照。
$ git clone https://github.com/PilzDE/moveit.git
$ cd moveit
$ git checkout -b pilz_planner_merge origin/pilz_planner_merge
$ cd ..
$ git clone https://github.com/PilzDE/pilz_industrial_motion.git
$ cd pilz_industrial_motion
$ git checkout -b moveit_merge origin/moveit_merge
$ cd ..
$ git clone https://github.com/PilzDE/pilz_robots.git
$ cd pilz_robots
$ git checkout -b moveit_merge origin/moveit_merge
$ cd ..
$ git clone https://github.com/PilzDE/moveit_msgs.git
$ cd moveit_msgs
$ git checkout -b pilz_planner_merge origin/pilz_planner_merge
$ cd ../..
$ rosdep install -i -y -r --from-paths src
$ catkin build
実際に試してみる
関節補間
(PTP)
直線補間
(LIN)
円弧補間
(CIRC)
[ INFO] [1588254635.697290019]: Generating CIRC trajectory...
[ERROR] [1588254635.697460199]: No path constraint named "interim" or "center" found (found unknown constraint:
"req.path_constraints.name" instead)
[ WARN] [1588254635.714897758]: Fail: ABORTED: No motion plan found. No execution attempted.
移動に⼀番時間がかかる関節軸に合わせて
すべての関節の動作が決定。
⽬標姿勢まで直線的に結ぶ。
従来の直線補間よりも安定的?
moveit::planning_interface::MoveGroup::
computeCartesianPath
評価はまだできていない。
plizのほうが補間失敗原因の内容が
親切な気がする。
⼆点の姿勢と円弧の中⼼点を指定。
GUI上で指令しても以下のエラーが出る。この補間⽅法独⾃の制約情報が必要であるため。
C++/PythonからMotionPlanRequestをきちんと作って投げれば問題なし。
プラス⽬⽟機能
複数の区間をまとめてリクエストとして投げることが
できる。
P0〜P4が経由する姿勢
軌道⽣成区間はP0-P1、P1-P2、...
blend_radiusで
経由点での内回り量を指定可能。
結果
blend_radius = 0.1
blend_radius
= 0.05
blend_radius = 0
内回り量が⼤きいほど
減速なしで次の区間の移動が可能
テスト⽤Pythonコードをここに置く予定。https://github.com/Ry0/test_pilz_industrial_motion
ここがデカイ!!
まとめ
• MoveItの新機能を紹介した。
• 問題なく動作した。
• GUI等を作り込めば、FA現場でMoveItがさらに使える
ようになる(はず)。
わかってないこと
• パスプランニングとの組み合わせ技はできる?
OMPLと共存させたい。
• 問題なく動いたが、パッケージ肥⼤化などの問題で
マージされるか不透明な部分はある。
結論
ご静聴ありがとうございました。
質問があれば、お気軽に話かけてください!!

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