「創造企業」のページに「株式会社はまぞう」が掲載されました。

1. 28 SERI Monthly June 2016. No.616
浜松市など遠州地域を中心に地域密着型の情報
ポータルサイト「Ｈ
は ま ぞ う
ａｍａＺｏ」（http://www.
hamazo.tv/）を運営する㈱はまぞう。現在、地元
企業や一般市民など３万件以上のブログが登録さ
れ、グルメやイベント、店舗など旬な話題や地元
ネタを発信。月間閲覧数は1,700万ページビュー
と、国内の同サービスの中でもトップクラスであ
り、地元に根づいた情報サイトとして、今や遠州
地域に欠かせない存在となりつつある。
地域に焦点を当て、ネットサービスを展開
「ＨａｍａＺｏ」は、遠州地域の企業や市民に広
く使われているブログを中心とした情報ポータル
サイトである。ＩＴ事業を手掛ける㈱シーポイン
ト（本社：浜松市）が平成17年にサービスを開始
し、３年前、経営強化とさらなる発展を見据え設
立した㈱はまぞうがサイトの運営にあたってい
る。
インターネットは、世界の人とつながることが
できるが、同社は、「地域で必要とされ、ＩＴを
使って地元の人を幸せにしたい」との思いから、
地域内の人と人とのつながりに焦点を当てたサー
ビスを展開。また、「今や日本人のビッグデータ
のほとんどがフェイスブックやグーグルなどの米
国ネット巨人に支配されている」（佐野社長）との
地元に密着したネットサービスで地域を活性化
「ＨａｍａＺｏ」のホームページには、地域の情報がつまった魅力的なコンテンツが満載。新着記事やイベント情報、新規ブ
ログなどが紹介され、カテゴリー別、地域別など検索しやすい工夫が随所に施されている。
株式会社 はまぞう

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危機感から、これに対するアンチテーゼ（反対命
題）として、「地域のコンテンツや情報、データ
は、その地元の良識ある会社が持つべき」と考え、
地域密着型のプラットフォーム作りを使命として
きた。
サイトの立ち上げ以降、ブログ数は着実に増
え、現在、登録されているブログは３万3,000
件、累計記事投稿数は660万、月間訪問者数は延
200万アクセス、月間閲覧数は1,700万ページ
ビューと、国内の地域密着サイトで屈指のアクセ
ス数を誇る。ブログの利用者は、地元の飲食店や
小売店など事業者が７割を占め、商品の紹介やイ
ベント開催の告知など、お店の集客のために活用
されている。あとの３割は主婦などの個人で、い
わゆる日記として利用されている。
ブログは、特定のテンプレートを使えば誰でも
無料で開設でき、事業者向けにはブログをホーム
ページ風にアレンジする有料サービスも提供。ま
た、読まれやすいブログを書くコツやアクセス数
の上げ方などの講座を開催し、集客や売上アッ
プ、求人など、事業者の目的に応じてどのように
戦略的な情報発信ができるのかといったコンサル
ティング業務も手掛けている。
アジアを中心に海外でも事業を展開
地元浜松で「ＨａｍａＺｏ」のビジネスモデルが
成功したことで、全国の他地域でも同様のサービ
スを展開。現在、北海道から沖縄まで全国約50
カ所で、ブログサービスの提供を行っている。
また、海外にも進出し、平成20年のバンコク
（ナムジャイブログ http://www.namjai.cc/）を皮
切りに、平成23年にホーチミン（ベトニャットブ
ロ グ http://vietnhat.tv/）、 昨 年 は ジ ャ カ ル タ
（ジャカルタ地域密着ブログ「ＷａＧｏＭｕ」
http://www.wagomu.id/）で新しい挑戦を始め
た。
海外の事業では、さまざまな反省を重ねなが
ら、学んでいったことも多い。たとえば、バンコ
クとホーチミンでは最初、日本語表記でブログ
サービスをスタートしたが、少しずつ現地化を進
めた。ジャカルタの「ＷａＧｏＭｕ」は最初からイ
ンドネシア語でスタート。それは、インドネシア
のジャカルタ市民に愛されるインターネットサー
ビスでなければ存在する意味はないという思いか
らだ。現在、「ＷａＧｏＭｕ」のブログ登録数は
600件を超え、また、月間閲覧数は10万ページ
ビューと確実に利用者は増えている。
袋井市のシティプロモーションを手掛ける
同社は、地方創生の一環として、昨年から袋井
市と市民協働によるインターネットを使った戦略
的な情報発信（シティプロモーション）に取り組ん
でいる。県内の自治体で初めて「ＨａｍａＺｏ」の
サイト内に「袋井市公式ページ」を開設し、市民広
▲写真１ 袋井市の「可睡斎」で十二単を着るインドネシ
アの留学生。母国語で自身のブログに紹介し、
インドネシアの人々に袋井市の魅力をＰＲ。
▲写真２ 好評の「はまぞうＢＯＯＫ」。地元のグルメや
オシャレな店が数多く掲載され、地元の魅力
を再発見できる。
株式会社 はまぞう

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岩間晴美研究員
Harumi Iwama
報マンとなる市民ブロガーを育成。袋井市の魅力
を積極的に発信してもらっている。今般、その中
で有力な市民ブロガー７名が「市民アンバサダー
（発信大使）」として市長から表彰された。
また、在住の外国人留学生に市民ブロガーに
なってもらい、外国人が肌で感じた袋井市の魅力
をブログで発信する取組みを実施。たとえば、袋
井市の名刹「可
か す い
睡斎
さい
」のひなまつりイベントに参加
したインドネシア学生が、その様子を母国語で
「ＷａＧｏＭｕ」に紹介。インドネシアの人たちに
「袋井には、こんな魅力的なお寺がある」ことを伝
え、袋井市への興味を持ってもらう（写真１）。
「こうした情報発信が、ＦＩＴ（訪日個人客）を
狙った交流促進につながるはず」と佐野社長は大
きな期待を寄せる。
袋井市との取組みには、もう１つ重要な意味が
ある。それは、地方の自治体が地元の企業と手を
組んでオールローカルで取り組んだことである。
なかにはグーグルなど大手企業とシティプロモー
ションに取り組む自治体もあるが、佐野社長は
「本当の意味での地方創生は、各地域、地元のプ
レイヤーで実現し、地域自体が力をつけていかな
くてはと思う」と話す。
10周年を迎え、記念イベント「大感謝祭」を開催
同社では、今春、遠州地域の店舗を応援する
「はまぞうＢＯＯＫ」を発刊した（写真２）。はまぞ
うブロガーのグルメ、住宅、ファッション、美容
など238店舗が掲載されている無料の冊子で、お
得な特典もついている。当初２万部制作された
が、発刊からわずか10日で売り切れとなった。
また、「ＨａｍａＺｏ」のスマホ版として「ＬＩ
ＮＫ」というアプリを独自に開発、浜松市とタイ
アップして「いっちゃお！」というスマホ通報シス
テムを提供している。これは、道路で危険個所を
発見した際、現場の写真と説明文を入力するだけ
で市へ連絡ができる。誰でも無料で利用でき、在
住外国人でも使えるよう多言語表示も可能となっ
ている。
同社は昨年、「ＨａｍａＺｏ」開始10周年を迎
え、浜名湖畔で記念イベント「ＨａｍａＺｏ 大感
謝祭」を開催した。ブログに参加している飲食店
など約90店がブースを設け、地元にゆかりのあ
るアーティストが参加するステージイベントを一
緒に作りあげた。
さまざまなことに挑戦し続ける同社のモットー
は、“地域とともに成長する企業”。５年後、10
年後を見据え、「まだまだやりたいことはたくさ
んある」と佐野社長は話す。遠州地域における地
方創生、地域活性化の一翼を担う存在として、今
後の同社の活躍に期待したい。
所 在 地
設 立
資 本 金
従 業 員 数
事 業 内 容
T E L
浜松市中区富塚町1933-1 佐鳴湖パークタウンサウス 2Ｆ
平成25年10月
1,000万円
9 名
地域密着型ブログサービス「HamaZo」の運営、インバウンド・
アウトバウンド支援（タイ、ベトナム、インドネシア等）ほか
053-478-7116
株式会社 はまぞう
代表取締役 佐野 憲
株式会社 はまぞう