若手アトツギがアトツギピッチを実践する際、注意すべき箇所について纏めました。 1.資料の注意点とは 1.1.文字とは 1.2.配色とは 1.3.枚数とは 1.4.添付とは 1.5.サイズとは 1.6.アニメとは 1.7.単一とは 2.準備の注意点とは 2.1.アイデア設計とは 2.2.資料作成とは 2.3.発表練習とは 3.実践の注意点とは 3.1.記憶とは 3.2.視線とは 3.3.質問とは 3.4.時間とは 3.5.物語とは 3.6.短文とは 3.7.着実とは 3.8.情熱とは

1. 若手アトツギ向け
アトツギピッチ実践講座
2021年11月11日
中本 卓利（Nakamoto Takuto）
一般社団法人ベンチャー型事業承継 エヴァンジェリスト

2. はじめに

3. 前提1
本スライドはゼロからイチを生み出す起業家のピッチではなく、家業の経営資
源を活かした新規事業を生み出すアトツギのピッチ（以下アトツギピッチ）
に関して書き記すものである。
ゼロからイチを
生み出す起業
家業の経営資源を
活かした新規事業

4. 前提2
本スライドは若手アトツギ向けアトツギピッチ基礎講座の補足資料である。
アトツギピッチの概要は下記をご参考いただければ幸いだ。
https://www.slideshare.net/TakutoNakamoto/ss-245144686

5. スライドの進め方
以上の前提に基づき、本スライドは以下のように進める。
資料の注意点 準備の注意点
1 2
実践の注意点
3
アトツギピッチの資料を作成す
る上で、気を付けるべき箇所に
ついて説明する。
アトツギピッチの準備をする上
で、気を付けるべき箇所につい
て説明する。
アトツギピッチを実践をする上で、
気を付けるべき箇所について説
明する。

6. 資料の注意点
1

7. 若手アトツギが
陥りやすいミス①
アトツギピッチ資料は
趣向を凝らす

8. 若手アトツギが
心掛けるべきこと①
アトツギピッチ資料は
簡素で明瞭に

9. 資料の注意点とは
アトツギピッチ資料は聞き手の理解を促すため、出来る限り簡潔に整える
必要がある。その簡潔さを担保する上で注意すべきポイントは下記の通り。
配色
文字 枚数
添付
サイズ 単一
アニメ

10. 1.1 文字とは
配色
文字 枚数
添付
サイズ 単一
アニメ
① 文字は出来る限り大きく
② 奇抜なフォントは使わない

11. 1.2 配色とは
配色
枚数
添付
サイズ 単一
アニメ
① 2色もしくは3色でスライドを統一
② 色を変える部分は特に強調の箇所のみ
文字

12. 1.3 枚数とは
配色
枚数
添付
サイズ 単一
アニメ
① 5分以下のピッチは上限10枚を推奨
② 質問対策スライドは上限5枚を推奨
文字
*質問対策スライドの作成方法は別途、②準備の注意点にて説明

13. 1.4 添付とは
配色
枚数
添付
サイズ 単一
アニメ
① 動画は資料に入れ込まず写真で説明
② オンラインで読み込むモノは入れない
文字

14. 1.5 サイズとは
配色
枚数
添付
サイズ 単一
アニメ
① 資料のファイルサイズは軽量化して準備
② スライドショーで動作の遅延を事前確認
文字

15. 1.6 アニメとは
配色
枚数
添付
サイズ 単一
アニメ
① フェード以外のアニメーションは非推奨
② 間を置いて話す箇所以外は動かさない
文字

16. 1.7 単一とは
配色
文字 枚数
添付
サイズ 単一
アニメ
① １スライドにつき１メッセージ推奨
② １スライドにつき１イメージ推奨

17. 整理
資料はあくまでアトツギが事業を口頭で伝える上で補助的な役割を果た
すものである。資料に何もかもを盛り込まないよう心掛けよう。
配色
文字 枚数
添付
サイズ 単一
アニメ

18. 準備の注意点
2

19. 若手アトツギが
陥りやすいミス②
自分一人で頑張って
ピッチの準備をする

20. 若手アトツギが
心掛けるべきこと②
最初から人を巻き込み
一緒に準備をする

21. 準備の注意点
アトツギピッチのアイデア設計、資料作成、発表練習等の準備を自分一人
で進めると客観的な目線を欠き失敗するケースが多い。だからこそ一つ一つ
の準備を人を巻き込みながら段階を追って確認することが重要だ。
アイデア設計 資料作成 発表練習

22. 2.1 アイデア設計とは
アイデア設計の注意点とは、アトツギピッチで伝えるアイデアの全ての要素
を一気に考えないことである。まず必要最小限のアイデア（中心）を作り、
その是非を確認した後に周辺を含めたアイデア（全体）を検討していこう。
アイデア
（中心）
アイデア
（全体）

23. 2.1.1 アイデア（中心）設計例
○○ な顧客（ユーザー）の、
△△ な課題（ 願望 ）を、
◇◇ な家業の資源を活かし、
□□ で解決する新規事業！
アイデア
（中心）

24. 2.1.2 アイデア（全体）設計例
アイデア
（全体）
アイデア
（中心）
ビジネスモデル
競合優位性
顧客獲得法

25. 2.2 資料作成とは
資料作成の注意点とは、イラストや写真等のイメージを最初からスライド
に盛り込まないことである。まずテキストで自身のアイデアを簡潔に表現し、
その是非を確認した後に聞き手の理解を深めるイメージを付与していこう。
テキスト作成 イメージ付与
在庫の山
在庫の山

26. 2.2.1 スライド例（テキスト作成）
新規事業として
××を手掛けます。
＊＊な顧客は○○という
課題を抱えています。
課題解決策として
家業の◎◎を活かし
△△な製品を届けます。
競合と比較して□□で
優位性があります。
市場規模は◇◇で
参入するには魅力的です。
ビジネスモデルは
☆☆な仕組みです。
顧客は◆◆を通じて
獲得を進めます。
★★な協力を
お願いします！
想定顧客からは
予約等を獲得済みです。

27. 2.2.2 スライド例（イメージ付与）
新規事業として
××を手掛けます。
＊＊な顧客は○○という
課題を抱えています。
課題解決策として
家業の◎◎を活かし
△△な製品を届けます。
競合と比較して□□で
優位性があります。
市場規模は◇◇で
参入するには魅力的です。
ビジネスモデルは
☆☆な仕組みです。
顧客は◆◆を通じて
獲得を進めます。
★★な協力を
お願いします！
想定顧客からは
予約等を獲得済みです。

28. 2.3 発表練習とは
発表練習の注意点とは、一人だけで練習をしないことである。録音をして
取り組むことは重要ではあるものの、改善には客観的な目線が欠かせない。
一人で練習 他人と練習

29. 2.3.1 練習ステップ例
✓ 時間内に終えられること
✓ 噛まずに喋り切れること
✓ 資料を見ずに出来ること
一人で練習
✓ 緊張や不安を感じない
✓ 質問に回答を準備できた
✓ 相手と自分の認識が合致
他人と練習
下記をクリアしたら他人へ 下記をクリアしたら本番へ

30. 補足1
ピッチの壁打ち（フィードバック受領）は大幅な手戻りを防ぐため、全ての
準備が整ってから実施ではなく段階を追って都度取り組んでいこう。
アイデア（中心）
壁打ち
1
アイデア（全体）
壁打ち
2
3 4
在庫
スライド（テキスト）
壁打ち
スライド（イメージ）
壁打ち

31. 補足2
ピッチの壁打ちの中で聞き手から貰った質問に対し、口頭での回答では相
手に意図が中々に伝わらない際は質問対策スライドを準備しよう。もちろ
ん発表スライドに補足を盛り込むことも出来るものの、情報が溢れ返り最も
伝えたいメッセージが隠れてしまうリスクもあるため推奨しない。
質問 口頭説明難航
質問対策
スライド作成
回答

32. 整理
アトツギピッチは自分一人で最後まで準備を進めてしまうと勘違いや思い
込みが多々入り込んでしまうもの。他人に見せるのが恥ずかしい未完成の
段階から相談を重ねていこう。
アイデア設計 資料作成 発表練習

33. 実践の注意点
3

34. 若手アトツギが
陥りやすいミス③
ピッチ資料を
一字一句読み上げる

35. 若手アトツギが
心掛けるべきこと③
ピッチ資料ではなく
アトツギ自身を伝える

36. 実践の注意点
アトツギピッチを実践する際は聞き手の理解を促すため、伝え方に様々な
工夫を盛り込む必要がある。注意すべきポイントは下記の通り。
記憶 視線 質問 時間
A B C D
E F G H
物語 短文 着実 情熱

37. 3.1 記憶とは
記憶とは、アトツギピッチ資料を目にしなくとも空で言える状態を指す。背
のスライドを振り返って眺め聞き手に背を向けないよう注意しよう。
スライドを見て話す 聞き手を見て話す

38. 3.2 視線とは
視線とは、話す際に会場のどこかではなく聞き手に目線を合わすことを指
す。視線には相手の注意や関心を引き付ける働きがあると覚えておこう。
目線を逸らす 目線を合わす

39. 3.3 質問とは
質問とは、話す際に質問を相手に投げ掛けないことを指す。聞き手に回
答を考えさせる時間が勿体ないだけでなく、回りくどくなるので避けるのが吉。
質問から始める 結論から始める
！
?

40. 3.4 時間とは
時間とは、与えられた時間を全て使って話すことを指す。時間が余っての
説明不足や時間を超えて質疑への食い込みが起こらないよう注意しよう。
過不足あり 過不足なし

41. 3.5 物語とは
物語とは、インタビュー等を通じて得られた顧客の生の声が盛り込まれて
いることを指す。顧客が持つ課題の切実さは統計からは伝わり辛い。
統計の数字を話す 顧客の痛みを話す

42. 3.6 短文とは
短文とは、一文が端的で短く表現されていることを指す。端的に話せない
ということは自身が本質を理解できていない可能性が高いと覚えておこう。
長々と話す 端的に話す

43. 3.7 着実とは
着実とは、一言一言ゆっくりと丁寧に話せていることを指す。人は緊張する
と早口になるため、遅すぎると思うぐらいの速さで言葉を口にしてみよう。
急いで話す ゆっくり話す

44. 3.8 情熱とは
情熱とは、聞き手に自身が持つ強い想いを伝えることを指す。情熱があり
ます！と口にせず、立ち居振る舞いを通じて聞き手に感じ取って貰おう。
言葉で伝える 行動で伝える

45. 整理
アトツギピッチを通じて聞き手に行動を起こして貰えるよう、話し方から時間
配分から立ち居振る舞いまで様々なポイントの改善を重ねていこう。
記憶 視線 質問 時間
A B C D
E F G H
物語 短文 着実 情熱

46. まとめ
若手アトツギ向け
アトツギピッチ実践講座

47. 資料の注意点
まとめ
アトツギピッチを実践する上で注意すべき三つのポイント
①資料の注意点：出来る限り簡潔にして情報量を落とす
②準備の注意点：一人で取り組まず最初から人を巻き込む
③実践の注意点：八つの立ち居振る舞いを心掛け発表する
1
準備の注意点
2
資料作成
アイデア設計 発表練習
配色
文字 枚数
添付
サイズ 単一
アニメ
実践の注意点
3
D
C
B
A
E F G H
記憶 視線 質問 時間
物語 短文 着実 情熱

48. 最後に

49. 若手アトツギが
陥りやすいミス④
アトツギピッチは
スタートアップの
真似事である

50. 若手アトツギが
心掛けるべきこと④
アトツギピッチは
アトツギベンチャーの
幕開けである