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tcolorboxによる装飾表現(TeXユーザの集い2015)
- 3. 佐藤 淳俊 (さとう あつとし)
! 鉄緑会物理科 高2/高3担当 3年目
◦ 教材作成のために TeX を学ぶ。
◦ とはいえまだ3年目であり,普段は鉄緑会独自の
パッケージで TeX を使っているので,TeX に関
する一般的な知識はほぼ空っぽ。
! 東京大学医学部医学科 3年
◦ レポート作成で TeX を使用することもしばしば。
TeXユーザーの集い2015 3
- 5. なぜ tcolorbox か
! 高校生向けの教材を作成するにあたっ
て,複数種類の枠で囲む環境が必要
だった。
! ページまたぎもできると尚良い。
! 生徒の書き込み用スペースを作成する
ためのレイアウトを実現するのに苦労
していた。
TeXユーザーの集い2015 5
- 6. 目的のレイアウト
TeXユーザーの集い2015 6
2 3 23
Ⅲ 最後は問Ⅱの状態から気体1を熱していきます。
ここで,気体2についてはピストン B があるので,
圧力が一定であることが分かります。ピストン B
が大活躍ですね。ピストン1についてはⅠ⑴が成り
立つので,気体2が定圧である以上,気体1も定圧
になります。
この点に気づかなくても問題は解けますが,見通
しが良くなるのは間違いありません。
4
⑴ z も h も関係する気体2に注目します。気体2は,
圧力が一定であるうえ,温度も一定であるため,
であることが分かります。両ピストンの動
きによる体積変化に注目しましょう。
NoteSpace
斜線部の体積が等しいので,
2S0z = Sh ∴ z = S
2S0
h
⑵ 気体1の温度を求めます。気体1については,圧
力がⅡと等しく,体積変化が S0z であるため,状態
方程式を立てることが出来ます。
NoteSpace
加熱前後の EOS より,
V ′
1 + S0z
T′ =
V ′
1
T
後はⅡとⅢ⑴で V ′
1 と z を消去。
Answer: T ′
= T +
mgh
R
⑶ ⑵で T′
が求まるので,定圧変化であることを利
用して熱量を求めましょう。
NoteSpace
定圧変化の吸熱量は,Cp の定義より,
Qin
= nCp∆T
= 5
2
R(T′
− T)
Answer: Q =
5
2
mgh
- 7. 目的のレイアウト
TeXユーザーの集い2015 7
2 3 23
Ⅲ 最後は問Ⅱの状態から気体1を熱していきます。
ここで,気体2についてはピストン B があるので,
圧力が一定であることが分かります。ピストン B
が大活躍ですね。ピストン1についてはⅠ⑴が成り
立つので,気体2が定圧である以上,気体1も定圧
になります。
この点に気づかなくても問題は解けますが,見通
しが良くなるのは間違いありません。
4
⑴ z も h も関係する気体2に注目します。気体2は,
圧力が一定であるうえ,温度も一定であるため,
であることが分かります。両ピストンの動
きによる体積変化に注目しましょう。
NoteSpace
斜線部の体積が等しいので,
2S0z = Sh ∴ z = S
2S0
h
⑵ 気体1の温度を求めます。気体1については,圧
力がⅡと等しく,体積変化が S0z であるため,状態
方程式を立てることが出来ます。
NoteSpace
加熱前後の EOS より,
V ′
1 + S0z
T′ =
V ′
1
T
後はⅡとⅢ⑴で V ′
1 と z を消去。
Answer: T ′
= T +
mgh
R
⑶ ⑵で T′
が求まるので,定圧変化であることを利
用して熱量を求めましょう。
NoteSpace
定圧変化の吸熱量は,Cp の定義より,
Qin
= nCp∆T
= 5
2
R(T′
− T)
Answer: Q =
5
2
mgh
! 左側に装飾付きの線を
引きたい
- 8. 目的のレイアウト
TeXユーザーの集い2015 8
2 3 23
Ⅲ 最後は問Ⅱの状態から気体1を熱していきます。
ここで,気体2についてはピストン B があるので,
圧力が一定であることが分かります。ピストン B
が大活躍ですね。ピストン1についてはⅠ⑴が成り
立つので,気体2が定圧である以上,気体1も定圧
になります。
この点に気づかなくても問題は解けますが,見通
しが良くなるのは間違いありません。
4
⑴ z も h も関係する気体2に注目します。気体2は,
圧力が一定であるうえ,温度も一定であるため,
であることが分かります。両ピストンの動
きによる体積変化に注目しましょう。
NoteSpace
斜線部の体積が等しいので,
2S0z = Sh ∴ z = S
2S0
h
⑵ 気体1の温度を求めます。気体1については,圧
力がⅡと等しく,体積変化が S0z であるため,状態
方程式を立てることが出来ます。
NoteSpace
加熱前後の EOS より,
V ′
1 + S0z
T′ =
V ′
1
T
後はⅡとⅢ⑴で V ′
1 と z を消去。
Answer: T ′
= T +
mgh
R
⑶ ⑵で T′
が求まるので,定圧変化であることを利
用して熱量を求めましょう。
NoteSpace
定圧変化の吸熱量は,Cp の定義より,
Qin
= nCp∆T
= 5
2
R(T′
− T)
Answer: Q =
5
2
mgh
! 左側に装飾付きの線を
引きたい
! 広い書き込みスペース
を作るときに,自動的
にページ下端までの高
さに調整したい。
- 9. 目的のレイアウト
TeXユーザーの集い2015 9
2 3 23
Ⅲ 最後は問Ⅱの状態から気体1を熱していきます。
ここで,気体2についてはピストン B があるので,
圧力が一定であることが分かります。ピストン B
が大活躍ですね。ピストン1についてはⅠ⑴が成り
立つので,気体2が定圧である以上,気体1も定圧
になります。
この点に気づかなくても問題は解けますが,見通
しが良くなるのは間違いありません。
4
⑴ z も h も関係する気体2に注目します。気体2は,
圧力が一定であるうえ,温度も一定であるため,
であることが分かります。両ピストンの動
きによる体積変化に注目しましょう。
NoteSpace
斜線部の体積が等しいので,
2S0z = Sh ∴ z = S
2S0
h
⑵ 気体1の温度を求めます。気体1については,圧
力がⅡと等しく,体積変化が S0z であるため,状態
方程式を立てることが出来ます。
NoteSpace
加熱前後の EOS より,
V ′
1 + S0z
T′ =
V ′
1
T
後はⅡとⅢ⑴で V ′
1 と z を消去。
Answer: T ′
= T +
mgh
R
⑶ ⑵で T′
が求まるので,定圧変化であることを利
用して熱量を求めましょう。
NoteSpace
定圧変化の吸熱量は,Cp の定義より,
Qin
= nCp∆T
= 5
2
R(T′
− T)
Answer: Q =
5
2
mgh
! 左側に装飾付きの線を
引きたい
! 広い書き込みスペース
を作るときに,自動的
にページ下端までの高
さに調整したい。
! 任意のスペースを残し
て,ページ下端まで高
さを調整したい。
- 12. 使用準備
! pLaTeX + dvipdfmx で利用する場合
の典型的プリアンブル
TeXユーザーの集い2015 12
! ドキュメントクラスオプションに
dvipdfmx を付けておくと,dvipdfmx
用設定で graphicx, xcolor, tikz パッ
ケージがロードされる。
- 13. tcolorbox の作成
! options で様々な変更が可能。
! minipage を利用して作成されており,
width はデフォルトでは linewidth に
なる。
TeXユーザーの集い2015 13
基本的な tcolorbox の作成
begin{tcolorbox}[⟨options⟩]
⟨environment content⟩
end{tcolorbox}
- 15. options でできること色々
! box のサイズ変
更
! 枠のデザイン
! 透過性の設定
! ページまたぎ
! 表作成(tabular)
! 画像の貼り込み
! box のネストの
調整
! 前後余白の調整
! インラインでの利
用(tcbox)
! タイトルの独立,
場所変更
! 高さ揃え(後述)
! 上下分割の調整
! 影付き box
など,あげたらきりがない
TeXユーザーの集い2015 15
- 26. newtcolorbox, newtcbox
! newenvironment / newcommand
と同様の振る舞い。
TeXユーザーの集い2015 26
tcolorbox の定義
newtcolorbox[⟨init options⟩]
{⟨name⟩}[⟨number⟩][⟨default⟩]{⟨options⟩}
tcbox の定義
newtcbox[⟨init options⟩]
{⟨name⟩}[⟨number⟩][⟨default⟩]{⟨options⟩}
- 28. skin の変更 ― enhanced
! skin は枠の見た目を決める土台。
! standard, enhanced, empty など。
! enhanced skin を用いると,描画に
tikz コマンドを利用できる。
! 枠の見た目を劇的に変化させることが
可能(shadow も enhanced skin を
利用)。
! 完全にイチから box を作成する際は,
empty skin で全てを空っぽにする。
TeXユーザーの集い2015 28
- 29. options の活用 ― underlay
! TikZ コマンドを用いて,box に自由
に描画を上書きできる。
! 各種枠(タイトル部,テキスト背景部
など)の座標を取得することが可能な
ので,box の枠などを自由に創作で
きる。
TeXユーザーの集い2015 29
- 40. 物理教材における
利用例1
TeXユーザーの集い2015 40
15
Priority:5
▶ 位置エネルギー
物体がある位置に存在することによって得る,他の物体に仕事をすることが出来る能力を
と定義する。
この定義から,仕事をした分位置エネルギーは減少してしまうため,位置エネルギー
・
の
・
変
・
化
と保存力の間には以下の関係がある。
保存力の為す仕事 W保 を用いて,保存力の位置エネルギー U を以下の通りに定める。
∆U = −W保
Priority:3
▶ 重力の位置エネルギー
上記の位置エネルギーの定義と,(1次元の)仕事の定義式:W保 = Fx dx から得られる
∆U = − Fx dx
といった式を用いることで,重力や弾性力の位置エネルギーを考えることができる。
【重力の位置エネルギー】
右のように,x 軸を鉛直上向きに取り,物体が位置 x0
から任意の位置 x まで移動した場合を考える。働く重力
は,鉛直下向きで,大きさが mg なので,向きも含める
と,−mg と書くことができる(今は鉛直上向きを正方
向としているので,鉛直下向きに働く力は負の方向に働
いているとみなす)。
従って,この移動の際に重力がした仕事は,
Wg =
x
x0
(−mg) dx = −mg(x − x0)
と書くことができ,また,(5–1)式を用いることで,
∆Ug = −
x
x0
(−mg) dx = mg(x − x0)
となる。ここで,基準の位置 x0 を 0(すなわち,地面を基準として考える)とすれば,
Ug = mgx
が得られる。
Column
実は,世の中に存在するあらゆる種類のエネルギーは「運動エネルギー」か「位置エネルギー」のいず
れかであることが知られて
・
い
・
た。例えば,「熱エネルギー」は分子が持つ運動エネルギーであるし,「化
学エネルギー」は原子が持つ電子の位置エネルギーと考えられる。
しかし,アインシュタインが発見した E = mc2
という式によって,静止していて,かつ位置エネル
ギーを持たないような物体でも「質量エネルギー」を持つことが明らかになった。
- 41. 物理教材における
利用例2
TeXユーザーの集い2015 41
22 2
断熱圧縮なので,温度は上昇,∆U > 0 となるは
ずです。
⑶ 続いて θ = 180◦
で加熱するわけですが,この加
熱の間,ピストンに働く力は常につり合うので,定
圧変化をすることが分かります。定圧変化に関して
は,必ず以下の点を押さえておきましょう。
【定圧変化の特性】
定圧変化においては,
Qin
: ∆U : Wout
= Cp : Cv : R
が成り立つ。特に,単原子分子理想気体の
場合は
Qin
: ∆U : Wout
= 5 : 3 : 2
となる。
今回であれば,
Wout
= 3
2
p0 · (H3 − H2)
が直ぐに求まるので,
Qin
=
Cp
R
Wout
=
3(Cv + R)
2R
p0 · (H3 − H2)
∆U =
Cv
R
Wout
=
3Cv
2R
p0 · (H3 − H2)
としてスムーズに計算することが出来ます。熱力学
第一法則から求めるより圧倒的に早いので,この方
法は使えるようにしておくべきです。ということで,
を埋めてから を埋めることにな
りますね。
ここまでの p − V グラフは以下の通りです。
⑷ 再び断熱変化です。断熱変化に関しては,∆U +
Wout
= 0 が成り立つことを思い出したいところ
です。p − V グラフの面積から Wout
を求めるの
は困難なので,∆U から間接的に求めることが圧
倒的に多いです。今回も,状態方程式を使って温
度を求めてから ∆U を計算することになりますね。
は猿でも出来ますから,必ず解きましょう。
飛ばしてしまうのはあまりにも勿体無いです。
この変化が断熱膨張であることを踏まえると,
p − V グラフは以下の通りです。
⑸ 最後は再び定圧変化です。やはり
Wout
= 1
2
p0 · (H1 − H4)
が直ぐに求まるので,これを元に考えましょう。
Qin
=
Cv + R
R
Wout
なので,−Qin
を計算しましょう。
これでサイクル1周が終わりました。サイクル全
体の p − V グラフは以下の通りです。
- 42. 物理教材における
利用例3
TeXユーザーの集い2015 42
22 6
となること」の2つです。ベクトルの図で整理する
と下図の通りです。
これより,求める台の移動は −x 方向に
lM = m
m + M
2l + h
tan θ
であることが分かりますね。
Ⅰ 回路を組み立てる問題です。何となく似た回路を
思い浮かべられないと厳しい内容かもしれません。
問題となるのは恐らく可変抵抗の扱いですが,メー
トルブリッジの問題を解いたことがあるとイメージ
しやすかったかもしれません。
参 考
メートルブリッジとは,未知の抵抗の抵
抗値を測定する以下のような回路です。
検流計が繋がれた導線をメートル部分に
接続する部分を徐々にずらし,検流計に電
流が流れない点を見つけます。このときの
メートルブリッジにおいて,l1, l2 を上の
図のように定めると,ブリッジ回路の公式
より
R0 : RX = l1 : l2
が成り立つので,RX を求めることが出来
ます。
初見であれば問題自体は解けなくても良いですが,
何となくで良いので答えの形を頭に入れておきたい
ですね。
Ⅱ 念のためダイオードの順方向の確認。ダイオード
の素子の電圧と電流の順方向は以下の図の通りです。
この V と I の関係が図で与えられています(た
だし,I の単位が [mA] であることに注意)。特性
曲線からも分かる通り,ダイオードは順方向のみに
電流を流します。
- 43. 物理教材における
利用例4
TeXユーザーの集い2015 43
20 6
く解けます。これは運動方程式を立てる際に ay を
用いているからであり,ay を用いれば
1
2
ayt1
2
= h
と立式できます。斜面上での動きを考えるのであれ
ば,斜面上で(慣性力を含めて)運動方程式を立て,
斜面方向の加速度を求めてから等加速度運動の公式
を利用しましょう。
⑺ 台の運動方程式から台の加速度を求め,t1 を使っ
て V1 を求めます。この際,運動方程式から求まる
b が “加速度” であり,符号付きであることに注意し
ましょう。求めるのは台の速さなので,
V1 = |bt1|
を計算することになります。
⑻ 運動量保存則とエネルギー保存則を連立させる非
常にオーソドクスな内容です。方針はすぐに立てら
れないとマズいですね。また,「運動量保存則とエ
ネルギー保存則を連立させる」という計算は非常に
よく出るので,大体の計算の流れは頭に入れておく
と良いでしょう。
相対運動と重心系から考えるとやはり計
算は楽になります。エネルギー保存則は,相
対速度の大きさ vr を用いて
1
2
µvr
2
= mgh
となるので,
vr =
2mgh
µ
=
2(m + M)gh
M
が直ぐに求まります。
重心系(今回は静止系)から見ると,2物
体の速度の大きさは速度の逆比になるので,
v2 = M
m + M
vr
=
2Mgh
m + M
V2 = m
m + M
vr
=
2m2
gh
M(m + M)
として答えが求まります。
⑼
1
2
MV2
2
− 1
2
MV1
2
を計算すれば良いことは直
ぐに分かると思いますが,計算量がひどいですね…。
ここで先に⑽,⑾の問題を見て先に解いてしまって,
最後に時間と相談しながら⑼を計算するのが良いで
しょう。
この問題,重心系から考えるととっても
大変です。重心速度も変化するので危ない
匂いはするのですが,考えなければいけな
い「静止系から見た台の運動エネルギーの
変化」は重心速度とも相対速度とも結びつ
けにくいからです。どうしても重心で考え
たい,という場合であれば無理ではないで
すが,非常に難しい考え方になるので実戦
的ではないでしょう。興味がある人のため,
問題の形式で以下に掲載しておきます。
参考問題
⑴ A が Q を通過する直前の重心速度 vG
を求めよ。
⑵ A が Q を通過した直後の重心速度 vG
′
を求めよ。
⑶ A が Q を通過する直前と直後の A と
台について,重心から見た速度を始点を
そろえてそれぞれ書け。
⑷ A が通過する直前の相対速度の大きさ
vr および通過する直後の相対速度の大き
さ vr
′
を用いて,⑶のそれぞれの速度ベ
クトルの大きさを表せ。
⑸ vr と vr
′
の間に成り立つ関係式を,vG
を用いて表せ。
⑹ vr を vG
を用いて表せ。
⑺ 求める台の運動エネルギーの変化 ∆K
を,vr, vr
′
を用いて表せ。
⑻ 以上の結果を用いて,∆K を vG
を用
いて表せ。
【解答】
⑴ 系は水平方向に外力を受けないので,重心速度が
y 軸に平行であることに注意して,
vG
= m
m + M
vy
⑵ A,台の鉛直方向の速度が共に 0 なので,
vG
′
= 0
- 44. 東大物理問題集
における利用例1
TeXユーザーの集い2015 44
2013 1
1
解答例
Ⅰ⑴ 小球1に関する力学的エネルギー保存則より,求める速さを v1 として,
1
2
ks2
= 1
2
mv1
2
+ 1
2
kd2
v1 = k
m
(s2
− d2
)
⑵ 等質量の2物体が弾性衝突するとき2物体の速度が交換されるので,衝突直後の2物体の速さは,
小球1 : 0, 小球2 : v1 = k
m
(s2
− d2
)
⑶ 小球1,小球2それぞれの側のばねの縮みの最大値を A1, A2 とすると,力学的エネルギー保存則より,
小球1 : 1
2
kd2
= 1
2
kA1
2
, 小球2 : 1
2
mv1
2
= 1
2
kA2
2
よって,
A1 = d, A2 =
B
s2
− d2
⑷ s =
B
2 d のとき,A1 = A2 = d となる。
衝突後の小球1,小球2の運動はともに振幅 d,周期 T =
2π m
k
の単振動であり,小球1は端点から,小球2は振動
中心から動き始めるので,それぞれの位置は図のような時間
変化をする。ただし,x 軸は小球1側のばねの自然長の位置を
原点とし,右向きが正である。
これより,2つの小球が再び衝突するまでの時間は,
3
4
T = 3π
2
m
k
Ⅱ⑴ ばねが s だけ縮んでいるときの小球1のつり合いを考えて,小球1が動き始める条件は,
ks > µmg s >
µmg
k
⑵ 小球1が右向きに動いているときの運動方程式は,
m d2
x
dt2 = −kx − µ′
mg d2
x
dt2 = − k
m
x +
µ′
mg
k
よって,小球1は,x = −
µ′
mg
k
を振動中心とする単振動をする。x = −s が振動の左端なので,右端の座
標 x1 は,
x1 − s
2
= −
µ′
mg
k
x1 = s −
2µ′
mg
k
小球1が小球2に衝突する条件は,x1 >= d より,
s >= d +
2µ′
mg
k
よって求める s の最小値は,
s = d +
2µ′
mg
k
配点
Ⅰ⑴ 3 点(☆)
⑵ 4 点(☆)
⑶ 3 点(☆)
⑷ 3 点(☆☆)
Ⅱ⑴ 3 点(☆)
⑵ 4 点(☆☆)
採点基準
Ⅰ⑴ エネルギー保存則を立式して····························1 点
衝突直前の小球1の速さを求めて····················2 点
⑵ 衝突後の小球の速さを求めて·······················各 2 点
⑶ 左側のバネの最大の縮みを求めて····················1 点
右側のバネの最大の縮みを求めて····················2 点
⑷ 求める時間が周期の
3
4
だと述べて·················1 点
衝突までの時間を求めて····································2 点
Ⅱ⑴ s の条件を求めて·················································3 点
- 48. 物理教材における
利用例1
TeXユーザーの集い2015 48
! 先ほどのスライドです。
! まだ触れられていない
tcolorbox が隠れてい
ることにお気づきで
しょうか…?
15
Priority:5
▶ 位置エネルギー
物体がある位置に存在することによって得る,他の物体に仕事をすることが出来る能力を
と定義する。
この定義から,仕事をした分位置エネルギーは減少してしまうため,位置エネルギー
・
の
・
変
・
化
と保存力の間には以下の関係がある。
保存力の為す仕事 W保 を用いて,保存力の位置エネルギー U を以下の通りに定める。
∆U = −W保
Priority:3
▶ 重力の位置エネルギー
上記の位置エネルギーの定義と,(1次元の)仕事の定義式:W保 = Fx dx から得られる
∆U = − Fx dx
といった式を用いることで,重力や弾性力の位置エネルギーを考えることができる。
【重力の位置エネルギー】
右のように,x 軸を鉛直上向きに取り,物体が位置 x0
から任意の位置 x まで移動した場合を考える。働く重力
は,鉛直下向きで,大きさが mg なので,向きも含める
と,−mg と書くことができる(今は鉛直上向きを正方
向としているので,鉛直下向きに働く力は負の方向に働
いているとみなす)。
従って,この移動の際に重力がした仕事は,
Wg =
x
x0
(−mg) dx = −mg(x − x0)
と書くことができ,また,(5–1)式を用いることで,
∆Ug = −
x
x0
(−mg) dx = mg(x − x0)
となる。ここで,基準の位置 x0 を 0(すなわち,地面を基準として考える)とすれば,
Ug = mgx
が得られる。
Column
実は,世の中に存在するあらゆる種類のエネルギーは「運動エネルギー」か「位置エネルギー」のいず
れかであることが知られて
・
い
・
た。例えば,「熱エネルギー」は分子が持つ運動エネルギーであるし,「化
学エネルギー」は原子が持つ電子の位置エネルギーと考えられる。
しかし,アインシュタインが発見した E = mc2
という式によって,静止していて,かつ位置エネル
ギーを持たないような物体でも「質量エネルギー」を持つことが明らかになった。
- 49. 物理教材における
利用例1
TeXユーザーの集い2015 49
! 先ほどのスライドです。
! まだ触れられていない
tcolorbox が隠れてい
ることにお気づきで
しょうか…?
15
Priority:5
▶ 位置エネルギー
物体がある位置に存在することによって得る,他の物体に仕事をすることが出来る能力を
と定義する。
この定義から,仕事をした分位置エネルギーは減少してしまうため,位置エネルギー
・
の
・
変
・
化
と保存力の間には以下の関係がある。
保存力の為す仕事 W保 を用いて,保存力の位置エネルギー U を以下の通りに定める。
∆U = −W保
Priority:3
▶ 重力の位置エネルギー
上記の位置エネルギーの定義と,(1次元の)仕事の定義式:W保 = Fx dx から得られる
∆U = − Fx dx
といった式を用いることで,重力や弾性力の位置エネルギーを考えることができる。
【重力の位置エネルギー】
右のように,x 軸を鉛直上向きに取り,物体が位置 x0
から任意の位置 x まで移動した場合を考える。働く重力
は,鉛直下向きで,大きさが mg なので,向きも含める
と,−mg と書くことができる(今は鉛直上向きを正方
向としているので,鉛直下向きに働く力は負の方向に働
いているとみなす)。
従って,この移動の際に重力がした仕事は,
Wg =
x
x0
(−mg) dx = −mg(x − x0)
と書くことができ,また,(5–1)式を用いることで,
∆Ug = −
x
x0
(−mg) dx = mg(x − x0)
となる。ここで,基準の位置 x0 を 0(すなわち,地面を基準として考える)とすれば,
Ug = mgx
が得られる。
Column
実は,世の中に存在するあらゆる種類のエネルギーは「運動エネルギー」か「位置エネルギー」のいず
れかであることが知られて
・
い
・
た。例えば,「熱エネルギー」は分子が持つ運動エネルギーであるし,「化
学エネルギー」は原子が持つ電子の位置エネルギーと考えられる。
しかし,アインシュタインが発見した E = mc2
という式によって,静止していて,かつ位置エネル
ギーを持たないような物体でも「質量エネルギー」を持つことが明らかになった。
- 50. 物理教材における
利用例1
TeXユーザーの集い2015 50
! 箱があるようには見え
ないけれど,実際には
箱がある。
! 右側のインデントを調
整(tcolorbox の
width)。
! インデントを調整する
だけでなく,線も引け
て枠のデザインも自由。
15
Priority:5
▶ 位置エネルギー
物体がある位置に存在することによって得る,他の物体に仕事をすることが出来る能力を
と定義する。
この定義から,仕事をした分位置エネルギーは減少してしまうため,位置エネルギー
・
の
・
変
・
化
と保存力の間には以下の関係がある。
保存力の為す仕事 W保 を用いて,保存力の位置エネルギー U を以下の通りに定める。
∆U = −W保
Priority:3
▶ 重力の位置エネルギー
上記の位置エネルギーの定義と,(1次元の)仕事の定義式:W保 = Fx dx から得られる
∆U = − Fx dx
といった式を用いることで,重力や弾性力の位置エネルギーを考えることができる。
【重力の位置エネルギー】
右のように,x 軸を鉛直上向きに取り,物体が位置 x0
から任意の位置 x まで移動した場合を考える。働く重力
は,鉛直下向きで,大きさが mg なので,向きも含める
と,−mg と書くことができる(今は鉛直上向きを正方
向としているので,鉛直下向きに働く力は負の方向に働
いているとみなす)。
従って,この移動の際に重力がした仕事は,
Wg =
x
x0
(−mg) dx = −mg(x − x0)
と書くことができ,また,(5–1)式を用いることで,
∆Ug = −
x
x0
(−mg) dx = mg(x − x0)
となる。ここで,基準の位置 x0 を 0(すなわち,地面を基準として考える)とすれば,
Ug = mgx
が得られる。
Column
実は,世の中に存在するあらゆる種類のエネルギーは「運動エネルギー」か「位置エネルギー」のいず
れかであることが知られて
・
い
・
た。例えば,「熱エネルギー」は分子が持つ運動エネルギーであるし,「化
学エネルギー」は原子が持つ電子の位置エネルギーと考えられる。
しかし,アインシュタインが発見した E = mc2
という式によって,静止していて,かつ位置エネル
ギーを持たないような物体でも「質量エネルギー」を持つことが明らかになった。
- 51. レイアウトへの応用
! empty skin で box の装飾をなくす。
! width や height で box のサイズを
調整することで,左右インデントや行
取りが実現できる。
! 後から装飾を加えるのに都合が良い。
TeXユーザーの集い2015 51
- 52. レイアウトへの応用
! empty skin で box の装飾をなくす。
! width や height で box のサイズを
調整することで,左右インデントや行
取りが実現できる。
! 後から装飾を加えるのに都合が良い。
TeXユーザーの集い2015 52
少し凝ったページのレイアウトを実現
する際に有用。
- 54. 目的のレイアウト
TeXユーザーの集い2015 54
2 3 23
Ⅲ 最後は問Ⅱの状態から気体1を熱していきます。
ここで,気体2についてはピストン B があるので,
圧力が一定であることが分かります。ピストン B
が大活躍ですね。ピストン1についてはⅠ⑴が成り
立つので,気体2が定圧である以上,気体1も定圧
になります。
この点に気づかなくても問題は解けますが,見通
しが良くなるのは間違いありません。
4
⑴ z も h も関係する気体2に注目します。気体2は,
圧力が一定であるうえ,温度も一定であるため,
であることが分かります。両ピストンの動
きによる体積変化に注目しましょう。
NoteSpace
斜線部の体積が等しいので,
2S0z = Sh ∴ z = S
2S0
h
⑵ 気体1の温度を求めます。気体1については,圧
力がⅡと等しく,体積変化が S0z であるため,状態
方程式を立てることが出来ます。
NoteSpace
加熱前後の EOS より,
V ′
1 + S0z
T′ =
V ′
1
T
後はⅡとⅢ⑴で V ′
1 と z を消去。
Answer: T ′
= T +
mgh
R
⑶ ⑵で T′
が求まるので,定圧変化であることを利
用して熱量を求めましょう。
NoteSpace
定圧変化の吸熱量は,Cp の定義より,
Qin
= nCp∆T
= 5
2
R(T′
− T)
Answer: Q =
5
2
mgh
! 左側に線を引きたい
! 広い書き込みスペース
を作るときに,自動的
にページ下端までの高
さに調整したい。
! 任意のスペースを残し
て,ページ下端まで高
さを調整したい。
- 55. 目的のレイアウト
TeXユーザーの集い2015 55
2 3 23
Ⅲ 最後は問Ⅱの状態から気体1を熱していきます。
ここで,気体2についてはピストン B があるので,
圧力が一定であることが分かります。ピストン B
が大活躍ですね。ピストン1についてはⅠ⑴が成り
立つので,気体2が定圧である以上,気体1も定圧
になります。
この点に気づかなくても問題は解けますが,見通
しが良くなるのは間違いありません。
4
⑴ z も h も関係する気体2に注目します。気体2は,
圧力が一定であるうえ,温度も一定であるため,
であることが分かります。両ピストンの動
きによる体積変化に注目しましょう。
NoteSpace
斜線部の体積が等しいので,
2S0z = Sh ∴ z = S
2S0
h
⑵ 気体1の温度を求めます。気体1については,圧
力がⅡと等しく,体積変化が S0z であるため,状態
方程式を立てることが出来ます。
NoteSpace
加熱前後の EOS より,
V ′
1 + S0z
T′ =
V ′
1
T
後はⅡとⅢ⑴で V ′
1 と z を消去。
Answer: T ′
= T +
mgh
R
⑶ ⑵で T′
が求まるので,定圧変化であることを利
用して熱量を求めましょう。
NoteSpace
定圧変化の吸熱量は,Cp の定義より,
Qin
= nCp∆T
= 5
2
R(T′
− T)
Answer: Q =
5
2
mgh
! 左側に線を引きたい
→ underlay で解決
! 広い書き込みスペース
を作るときに,自動的
にページ下端までの高
さに調整したい。
! 任意のスペースを残し
て,ページ下端まで高
さを調整したい。
- 56. 目的のレイアウト
TeXユーザーの集い2015 56
2 3 23
Ⅲ 最後は問Ⅱの状態から気体1を熱していきます。
ここで,気体2についてはピストン B があるので,
圧力が一定であることが分かります。ピストン B
が大活躍ですね。ピストン1についてはⅠ⑴が成り
立つので,気体2が定圧である以上,気体1も定圧
になります。
この点に気づかなくても問題は解けますが,見通
しが良くなるのは間違いありません。
4
⑴ z も h も関係する気体2に注目します。気体2は,
圧力が一定であるうえ,温度も一定であるため,
であることが分かります。両ピストンの動
きによる体積変化に注目しましょう。
NoteSpace
斜線部の体積が等しいので,
2S0z = Sh ∴ z = S
2S0
h
⑵ 気体1の温度を求めます。気体1については,圧
力がⅡと等しく,体積変化が S0z であるため,状態
方程式を立てることが出来ます。
NoteSpace
加熱前後の EOS より,
V ′
1 + S0z
T′ =
V ′
1
T
後はⅡとⅢ⑴で V ′
1 と z を消去。
Answer: T ′
= T +
mgh
R
⑶ ⑵で T′
が求まるので,定圧変化であることを利
用して熱量を求めましょう。
NoteSpace
定圧変化の吸熱量は,Cp の定義より,
Qin
= nCp∆T
= 5
2
R(T′
− T)
Answer: Q =
5
2
mgh
! 左側に線を引きたい
→ underlay で解決
! 広い書き込みスペース
を作るときに,自動的
にページ下端までの高
さに調整したい。
→ height fill で解決
! 任意のスペースを残し
て,ページ下端まで高
さを調整したい。
- 57. pdfsavepos の利用
! 拡張プリミティブ pdfsavepos を利
用して版面下端までの残り高さを計算
し,それを box の height として定
めれば良い。
! 残したい高さを任意に指定することが
可能。
TeXユーザーの集い2015 58
- 66. 鉄壁の簡易版レイアウト
! 実際には box による高さ調整が為されて
いる。
TeXユーザーの集い2015 68
1.
[発音記号]
日本語での説明
2.
[発音記号]
日本語での説明 1
日本語での説明 2
日本語での説明 3
- 72. その他 tcolorbox について
! tcolorbox の詳細は公式マニュアル
(英文400ページ程度)を参照。
! 利用頻度の高い部分を抜粋してまとめ
た日本語版簡易マニュアルを作成中
(近日公開予定)。
! 新たな利用法やデザインに関して,発
見などがあれば随時ブログで公開予定。
◦ http://texmedicine.hatenadiary.jp
TeXユーザーの集い2015 74