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グローバルを目指すサイボウズ式UXリサーチ_UT事例発表170607
Notas del editor
- 今日は、リサーチャーの方、デザイナーの方が多く参加していると思いますので、最近実施しているサイボウズのUXリサーチの事例と、
サイボウズなりにこんな工夫をしているというポイントを紹介したいと思います。
- サイボウズは、掲げているスローガン「チームワークあふれる社会を創る」にもある通り、
企業やチームで情報共有するためのツールを開発している会社です
- 主なプロダクトとしては、kinotneというビジネスアプリ作成のサービスや、グループウェアを開発しています。
- ここ数年社内で熱量が高くなっているのが、「Go Global」という掛け声で、海外で受け入れられプロダクトを作ることを重要視しています。
UXリサーチに関しても、海外で実施するケースが増えてきています。
- デザイングループはグローバル開発本部に属しているので、基本的にはエンジニアと仕事をしています。
10名の中に、7名のデザイナー、2名のリサーチャー、アクセシビリティのエキスパートのエンジニアが1名という構成です。
- プロダクト開発のより上流段階で関わるようになってきており、プランニング&デザインをミッションに掲げて動いています。
アイデア段階でプロトタイプを多く作って、それをもとにリサーチするという流れがかなり活発になってきました。
- そんなサイボウズで実施しているUXリサーチとしては、UT、インタビュー、サイトビジット、フィールドワークなどがあります。
UTやインタビューは、既存製品の改善や、プロトタイプの検証が目的のことが多いため、この中でも多く行われています。
サイトビジットは、企業を訪問し、どのような環境でツールが使われているのかどこにペインがあるのかなどを拾っていきます。
フィールドワークは、現地でどんな人がどんな日常生活を送っているのか、新たな製品ヒントにつながるものはないかという観点でリサーチしてきます。
- 日本でUTやインタビューを行う場合は、社内のUTラボを活用しています。
テストルームと観察室がマジック・ミラーで仕切られています。
この部屋にスピーカーを設置し、被験者のすぐ隣にモデレーターがいなくても、被験者にタスクを与えたりヒアリングをすることができます。
- こちらは隣の観察室です。
関係者がユーザーの操作を観察しながら、課題や改善についてその場で議論します。
また、東京以外の開発拠点に、ユーザーの操作画面を中継することもあります。
極力、関係者が実際のユーザー行動を見られるようにしています。
- 社内ではこのような環境でリサーチをしていますが、今日は、海外で実施したリサーチ事例を2つ紹介したいと思います。
- 一つ目は、日本とUSで実施したkintoneというプロダクトののUTです。
- 皆さんも、世の中の多くのサービスでオンボーディングコンテンツを目にしたことがあると思いますが、kintoneには今年はじめてオンボーディングが実装されました。
ご覧のように、はじめにウェルカム画面が数枚表示され、簡単なチュートリアルコンテンツがあり、最後にリンク集ページが表示されます。
この機能リリースに先立って、試用ユーザーにとって、これらが機能しているのかどうかUTで検証しました。
- 本格的なUTをする前の段階で、開発PMとデザイナーがヒアリングやとロトタイピングを繰返し、コンテンツやデザイン仕様を詰めていきました。
UTは、まずは社内スタッフ、そして社外ユーザー、最後にUSのユーザーでも検証してきましたが、
その途中途中で抽出された課題は改善され、リリースも何段階かにわけてされています。
- 例えばこんな課題が発見できます。
これは最初に社内でUTをしたバージョンです。チュートリアルのメニューに、「日報アプリを作ってみよう」とあります。
メニューの文言としては、次にはじまるコンテンツ内容そのものを指し示しているので正しいです。
ただ、日報というのは、この製品で作れるアプリのほんの一例です。
正しく説明しようとしてしまうがために、「なぜ日報?」「他にはないの?」と、余計な思いを抱かせてしまうことがわかりました。
この結果はすぐにフィードバックされ、「アプリを作ってみよう」「データを登録してみよう」など、メニュー文言は汎用的に、このさきに進んで始めて題材が日報になっていることが伝えられるという流れに改善されました。
- これは、US版のチュートリアル中の一コマです。
サンプルデータを入力してみようという流れで、フォームの使い方をガイドしています。
ガイドの中身に、日報のサンプルということで、「今日は●●会社に訪問して、年間契約について提案した」など、具体例を記載していました。
しかし、実際のユーザーはこの通り入力などしてくれません。これは特にUSでのテストで顕著で、入力すらしてくれないユーザーのほうが多い結果となりました。
過剰なコンテンツは、読み取る負荷を高める可能性をはらんでいます。
ストレスなくチュートリアルを先に進む体験を優先させ、このサンプル文は削除するという判断になりました。
- 作り手としては、ユーザーのためにわかりやすくしたいという思いで作りますが、実際のユーザーの操作や行動を見るとそうでもありません。
PM、デザイナー、リサーチャーで一緒に操作の様子を見て、すぐに議論し、このような誤解や混乱を招いたり、振り向いてもらえなかったりという課題が大きな発見です。
- 続いての事例です。
中国のモバイルUXがどんどん進化しているのは、皆さんもご存知だと思います。
サイボウズとしても中国展開しているため、モバイルUX事情は気になるところです。
- 今年は、グループインタビューで、スケジューラーやメールを中心に、ビジネスでモバイルをどう活用しているかインタビューしたり、
- 上海企業を訪れて、職場での情報共有や、ヒアリングしたりという活動をしています。
- 出張中の移動時間や空き時間は、フィールドワークにあてています。
現地の人がどんな生活をしていて、どんな背景でサービスを利用しているのか。
すぐにヒントにつながるわけではありませんが、ユーザーを理解したり、新しいアイデアの文脈を考える上では重要なインプットとなります。
- 例えば、街に出てみると、いたるところにQRコードがあります。
自動販売機、スーパー、電車の吊革、
- 商品ごとについていて、そのままECサイトで注文できるようです。
この写真だけだと、一見カタログの冊子のいち部分かなと思いますが
- フィールドワークや、行動観察は、ユーザーが独自の工夫をしているということは、裏返しとして、そこにペインやニーズがあるということ。
こんな視点を持ちながら、サイトビジットやフィールドワークをしていると、思わぬところに発見があったりします。
- ここまで、事例を紹介してきましたが、サイボウズとして、どのように気をつけてリサーチしているかをご紹介します。
- リサーチプランニングの段階では、誰の何を見たいか、何を明らかにしてその結果はどう活用したいか?
このような内容を、リサーチャーが書いたり、リサーチをかけたいデザイナーやPMも書き込めるようになっているので、ここに記載された内容をもとに、キックオフmtgをしたりします。
- 実施フェーズで、リサーチ中によくある光景は、「実況」です。
サイボウズでは、日頃から、そのとき考えていることやタスクなどを、kintone上でつぶやいて、シェアする習慣があります。
普段は、このような習慣のおかげで、何かわからないことがあったときに、誰かが助けてくれたり、有用な情報をシェアしてくれたりし、「チーム開発」を実現しています。
このツールと風土が、UXリサーチをしているときにも役立ちます。
きれいなログも大事ですが、そのときの状況をリアルタイムで伝えたり、きづきを書き込むことで、観察していない人にも臨場感のあるリサーチの様子を伝えることがあります。
リサーチャーだけでなく、その場でリサーチに立ち会っている参加者ほとんどがつぶやくので、事実は一つでも、気付きはたくさんあります。
セッション後のデブリーフィングでは、このようなつぶやきも参考にしてまとめをしています。
- 現地では、すぐに関係者でまとめをし、簡易レポートも極力現地で仕上げてきます。
開発PMと合意が得られた内容は、すぐに改善着手する必要があるので、一緒に見て、一緒にまとめて、次のアクションを考えることが重要です。
- 最後は、社内LTイベント共有する機会を持つケースが多いです。
サイボウズでは、話すしという、開発メンバー主催のLTイベントが月1のペースで開催されており、出張報告をかねてリサーチ結果を共有することがあります。
そうすることで、UXリサーチの取組自体を多くの目に触れさせ、啓蒙することも、リサーチャーの役割の一つです。
- リサーチャーの役割は、評価や検証をすることではありません。
誰に何を作るべきか、について、その示唆を、作り手にインプットをすることが重要な役割だと考えています。
情報をオープンに、そしてつくり手にその気になってもらう、次のアクションを考えやすくする、これが結果的に、UXリサーチのに早い、安い、うまいにつながるのではないかと考えます。
サイボウズ式のポイントとして、今回良い面ばかりお話しましたが、まだまだ課題は残っています。
こんな環境でのUXリサーチに興味を一緒に取組んで