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PICO questions(2003/06/08)
- 3. ミニシナリオ
「 EBM の実践に向けての臨床論文の読み方」
ザ・クインテッセンス 2000 年 10 月号より一部改変
患者: 12 歳 女性
現在歯数: 26 (両側下顎第二大臼歯 萌出中)
DMFT : 5 , DMFS : 9
口腔清掃状態: 不良
フッ素入り歯磨剤: 使用していない
フッ素塗布: 行っていない
このような患者が,学校検診でう蝕と歯肉炎
の診断を受け来院.母親から質問を受けた.
「ガムが虫歯に効くと雑誌に書いてあります
が,うちの子にも食べさせた方がいいです
か?」
2003/06/08
文献検索ワークショップ
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- 4. 臨床家が抱く 2 つの疑問
1.
学問的な疑問
Background questions
疾患や症状に関する一般的な知識
ガム(ノンシュガー)は歯にどう作用するか?
2.
臨床現場における疑問
Foreground questions
目の前の患者についての問題
その患者にガムを噛んでもらうべきか?
2003/06/08
文献検索ワークショップ
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- 6. 問題解決のための 5 つのステップ
= EBM の 5 つのステップ
Step1 目の前の患者についての問題を明らかにし
Step2 必要な情報を効率的に集め
Step3 得られた情報を批判的に吟味した上で
Step4 目の前の患者に適用し
Step5 これら一連の過程を評価する
今日のワークショップの目的は,目の前の患者
にとって有用と考えられる情報を,効率よく探
すための検索方法を学ぶこと
2003/06/08
文献検索ワークショップ
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- 7. EBM ( Evidence-based Medicine )
の 3 つの輪
臨床的技量
Clinical Expertise
臨床研究から得られた根拠
患者の価値観
Research Evidence
Patient Preferences
2003/06/08
文献検索ワークショップ
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- 13. 2 .疑問の定式化のフォーマット
どんな患者に Patient and/or Problem
何をすると
何と比べて
どうなるか
Intervention / Exposure
Comparison Intervention(s)
Outcome(s)
PICO (PECO) !!
2003/06/08
文献検索ワークショップ
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- 17. 参考文献
D.L.Sackett et. al : Evidence-based MEDICINE How to
practice and teach EBM, second edition, 2000.
D.L.Sackett : Evidence-based MEDICINE : 久繁哲徳監
訳 根拠に基づく医療 - EBM の実践と教育の方法-,じ
ほう, 1999 .
山田里奈,今井照雄,野村義明,佐々木好幸,豊島義博:
EBM の実践に向けての臨床論文の読み方,ザ・クイン
テッセンス, 19(10) : 163-171 , 2000 .
名郷直樹: EBM 実践ワークブック -よりよい治療をめ
ざして-,南江堂, 1999 .
R.H.Fletcher, S.W.Fletcher, E.H.Wagner : Clinical
Epidemiology: The Essetials Third Edition : 福井次矢監訳
臨床疫学 EBM 実践のための必須知識,メディカル・サイ
エンス・インターナショナル, 1999 .
2003/06/08
文献検索ワークショップ
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Notas del editor
- ガイダンス参考資料
問題の定式化と情報検索の位置付け
- ここで,臨床現場で遭遇しそうなシナリオを見ていただこう.
齲蝕ハイリスクの女児.
母親から質問を受けた歯科医師は疑問を抱く.
このように,臨床現場では,日々さまざまな疑問が生じる.
- この図に示されているのは,2種類の疑問の比率である.
多くの患者さんに接するに従って,疑問の絶対数はどんどん増えていくことだろう.
忙しい臨床家が,自分の疑問を整理していくにはどうしたらよいだろうか.
- 欲しい情報が見つかるとは限らない
今日のWSではステップ1とステップ2を行う
- 個々の患者に特有の臨床状況と患者の価値観を考慮した上で,
入手可能な範囲で最も信頼できる根拠(evidence)を把握して,
現時点で最善の医療を提供するための一連の行動指針
EBMとは,患者に始まり患者に終わる,問題解決の一手法にほかならない.
患者にとっての真のアウトカム(true outcome)を用いた,臨床研究(clinical evidence)を重視
- 疑問の定式化の目的は,目の前の患者についての問題を整理して,解決の方向性を明確にすること.
問題を定式化する上でのポイントは3つ.
疑問のカテゴリー
アウトカム 結果,転帰 結果を評価するもの 健康・疾病に関する指標
- 目の前の患者について何が問題なのかはっきりしない場合,まず,その問題がどのカテゴリーに分類されるかを考えると整理しやすくなる.
カテゴリーによって,整理の仕方にはパターンがあるため.
カテゴリーによって,探すべき情報も異なってくる.検索式の立て方も変わる
カテゴリー分けの仕方は様々である.
・隣接面初期齲蝕について,咬翼法X線撮影による診断はどれだけ正確か→診断的検査
・歯周病が外科処置によるどれだけ改善するか→治療
・ミニシナリオのカテゴリーは予防.ガムの効果をみるという意味で治療とも考えられる
疑問によっては分類が難しい場合もある.複数の分類にまたがる場合もある.
ミニシナリオの患者さんの問題は?・・・予防?
- ミニシナリオの患者さんの問題は,ガムは齲蝕を抑制するかということ.予防もひとつの手段.治療的介入による効果をみる.カテゴリーは治療.臨床試験で検証すること.
- 最後の疑問ははじめのものと比べ,疑問点がかなりはっきりしてきた.
いろいろなパターンが生じる.
何か決まったフォーマットはないか?
- 5W1H
PECO
- 真のアウトカムとは,より生活の質に関わる,時に患者の生命に関わるようなもの.
齲蝕については,そのものの発生数が減少するかといったことが患者にとって重要.
しかし,齲蝕の発生を見極めるには時間が必要となるため,代わりに齲蝕原性細菌数が減少するかどうかで評価する場合も多い.
細菌数の減少により齲蝕の発生が減ることが確実なら問題ないが,もし不明であれば,その研究を直ちに患者に適用してよいかの判断は難しくなる.
従って,PECOを設定する段階ではできるだけ真のアウトカムを設定しよう.
- 今回のミニシナリオでは,PICOの設定の仕方にあまりバリエーションが無かったが,実際の臨床においては,複数のOutcomeが考えられる場合や,いろいろなPICOが設定できるケースもある.
PICOを設定しておく意義:
①PとEを用いることにより,次のステップの情報の検索が容易になる.
②目の前の患者さんを置き去りにしない.第2,3のステップに進み,論文を手にすると,ついその結論に心惹かれてしまう.そして,副作用,費用,合併症など,目の前の患者に欠くことのできない情報が抜けているのに気づかないまま進んでしまうことはよくある.