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ソーシャル・アジェンダ・ラボ(SAL)
リサーチ・プロジェクト100




                      イクメン白書
          ~イクメンがフツウになる時代へ


                イクメン・リサーチ・プロジェクト編



                       2012年5月26日
AS-006

プロローグ
NPO法人イクメンクラブ主席研究員 船木成記 氏の呼びかけに、イクメンに関心の
ある、4名の社会人プロボノと3名のサポートメンバーが集まり本PJは始まった。ま
ず、船木成記 氏の問題意識を、ETIC.SAL(ソーシャル・アジェンダ・ラボ)の記載
から紹介したい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 昨年、流行語大賞のベスト10に入るなど、ブレークした感のある「イクメン」という言葉
は、みなさんご存知と思います。
 しかし、現状を見ると、はやり言葉として消費がなされ、その実態が曖昧なまま、言葉が消
えてゆく印象が強いと感じています。
 本来は、誰もがイクメンであるという前提の確認が必要ではないでしょうか。かつて我々は
、コミュニティ全体で、子育てをしていたはずでした。しかし、いつの頃から、子育ては親だ
け、母親だけの作業となってしまったのでしょうか。
■   ■  ■
  現在の我が国の年間財政の半分は、国債に依存していることをご存知ですか?年間予算の
半額が、借金ということです。簡単に言えば、我々世代は、孫の世代のクレジットカードで、
日々の生活費をおろして、なんとか暮らしを賄っている状況だということです。
  将来世代に様々なことの先送りをしていると、私たちの国はその形が変わってしまうぎり
ぎりのところにきているようです。本気で、社会を変えなければいけないと考えられるわけで
すが、その努力や行動を我々は始めているでしょうか?
 その一つが、次世代への現役世代の責任です。もう一度、子育てを社会全体で担う時期が来
ているのではないでしょうか。
  子どもを社会全体が待ち望み、子育て世代を本気で支える社会作りが必要なのではないで
しょうか。たとえば、フィンランドの大学生の学費は無償です。教育で 国を支え、次世代を
健全育成してゆくことが、国の基礎であると言う理念が、国民にメッセージとして、明快に伝
わっていると思われます。
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プロローグ
 そのような視点で考えてみると、尐し前の子ども手当に対するジャーナリズムの論調や、社
会の中で言われていた「子どもがいる世代は得をして、子どもがいない、子育て卒業の世帯は
損をする」という損得勘定に重心のかかった議論が、十分であったかどうか、我々は考え直さ
ねばなりません。
 さて、イクメンに話をもどしましょう。以上のような時代状況や、我が国の実態を認識した
上で、「イクメン」ということばが流行りとして消費されてしまう前に、社会の中で、どのよ
うに認識し、どのように現代の日本社会が、受容するべきなのかということを「白書」の形で、
世に問いたいと考えています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 このリサーチで「何を世に問うのか」
 議論は最初の段階から白熱した。イクメンとは何か、世間はイクメンにどんなイ
メージをもっているか、なぜイクメンに着目するのかからはじまり、日本というス
ケールでの尐子化問題、若い人達の子育てへの不安、ワークライフバランス、男性
の幸福感、夫婦の役割、社会における子育ての受容性、メンバーの夫や妻の説得方
法・・・・さまざまに深めるたびに課題のデパートのように山積した。
 この白書のメッセージを何にすべきかで大いにもめた。(そのために関わってPJ
メンバーには迷惑をかけてしまったかなと思う。)それほど「イクメン」という言
葉の背景にあるものは、社会の課題の縮図ではないと思うようになった。子を持つ
人達にとって、子育ては夫婦の人生のストーリーそのものでもある。また、リサー
チしていく中で、子育てを重視し、給料より家族や子どもとの時間を優先し、人生
を変えている人たちにも出会った。子育ては人生の中で大きなウエートを間違いな
く背負っている。そこにある社会課題は大きいし、それは逆に解決できれば大きな
インパクトを生み出す。
 リサーチを進める中で私たちが着目したチャートがふたつある。
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プロローグ
ひとつめは(株)東レ経営研究所渥美由喜氏の「子を持つ女性の愛情曲線」であ
る。夫が家事・育児に参加した場合としなかった場合、特に子どもができてか
ら、幼児期までに、夫が子育てや家事に参加するかどうかでその後の夫への愛情
が大きく変化するというものである。




                                                       夫が家事・育児に参加

                                                                       妻がメインで家事・育児
                                                                          をした場合




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プロローグ
そしてもう一つは、「イマドキ家族.com」に示されているデータである。下の例
は「子どもの誕生日に有休とっちゃう。これって、アリ?」であるが、この質問
で着目したいのは、全体で7割が「アリ!」と答えている絶対値ではない。世代間
の差である。つまり、若い世代の子育ての価値観が大きく変わってきているので
はないか、という仮説である。

もし、そうだとしたら、それは
もっと子育てが目に見えて変わっ
てきていてもおかしくない。
イクメン(この白書での定義は後述
する)やイクメンの家族を通して
                                                                                                   7割は
見たら、変化している実像が浮かび
                                                                                                   「あり!」
上がってくるかもしれない。
またその理由に答えを出していく
ことでイクメンに成りたいと思って
いる人達の背中を押すこともできる                                                                                    世代別
のではないか。                                                                                             にも差


                                                                       http://imadoki-kazoku.com/research/50/0001


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プロローグ
この白書は以上のような仮定のもとにわれわれなりの仮説提示し、問題提起をして
みたいと思っている。

構成は次のようになっている。

第1部はイクメンが生まれてきた背景と子育ての現状を、デスクサーチを元に概観
する。その中では特に若い世代の子育てへの意識の変化と、父親が置かれている状
況、母親の変化もふまえてレポートする。

第2部では、イマドキのイクメン夫婦と子育てのサポートをしているサポーター達
のインタビューや座談会を通じて、イクメンの今とこれからの方向性を提示した
い。

第3部では、子育てをより充実したい、夫婦関係や家族がより幸せでありたいとい
う方々に、さまざまなノウハウやチップスを提供したい。#個人的には25年前にこ
のようものがあれば、自身の子育てももっと豊かになったに違いないと思う。

社会課題の整理と、提言には残念ながら至っていない。これらは宿題としつつ、各
方面からの感想と意見をいただきながら、機会があれば、再度何らかの形でまとめ
ていくこともありだろうと思う。

この白書をご覧いただき、イクメンしてみたい、子育てって楽しそうと思ってくだ
さる方がひとりでも多くなれば幸せである。そして、子育てに関連した社会課題に
挑戦する起業家、行政に関わる方々、企業の皆さんの参考になれればと思う。
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もくじ

プロローグ                                                         ・・・・・・・・・・ 2
第1部
1.イクメンの登場とその背景および定義                                           ・・・・・・・・・・    7
2.今の時代と子育て不安                                                  ・・・・・・・・・・    18
3.イマドキの子育て~Part1.変わりゆく意識                                      ・・・・・・・・・・    31
4.イマドキの子育て~Part2パパの格闘                                         ・・・・・・・・・・    44
第2部
5.パパの子育てのこれから ~イクメン2.0へ                                       ・・・・・・・・・・ 63
6.「イクメン2.0」を考える 座談会                                           ・・・・・・・・・・ 82
第3部
7.イクメン2.0への道(チップス集)                                           ・・・・・・・・・・    97
エピローグ                                                         ・・・・・・・・・・    118
編集後記・メンバー                                                     ・・・・・・・・・・    119
アンケート                                                         ・・・・・・・・・・    125




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  第1部
  1.イクメンの登場とその背景および定義


     この章ではイクメンが登場した年代的な流れと現状のイク
     メンの捉えられ方をデータなどで提示する。
     イクメンこの白書の中での定義もしておきたい。
AS-006

1.イクメンの登場とその背景および定義
国の子育て施策の歴史。
1999年頃から男性の育児参加を呼びかけから始まっている。


                                                             1999年、衝撃の
                                                              ポスター発表




                                                                        2001年、女性支援だけでなく、
                                                                         男性の働き方の見直しに着手




                                                                              2007年、ワークライフ
                                                                              バランスの概念を打ち
                                                                                    出す

                                             内閣府「平成23年度子供・子育て白書」
                                             http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/w-2011/23pdfhonpen/23honpen.html


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1.イクメンの登場とその背景および定義
2010年、政府が「イクメンプロジェクト」を始動。




                                                                                                       セイン・カミュ
                                                                                                       さん




                                                                                          乙武洋匡さん




                                                                                                       青野 慶久さん
                                                                                                       (サイボウズ社
                                                                                                       長)




 ↑長妻昭厚労大臣(当時)を囲むプロジェクト推進メンバー。左から、山田正人氏 (横浜市副市長)、佐藤博樹氏 (東京大学教授)、
 安藤哲也氏 (NPO法人ファザーリング・ジャパン代表理事)、駒崎弘樹氏 (NPO法人フローレンス代表)、小室淑恵氏 ((株)ワー
 ク・ライフバランス代表取締役社長)。渥美由喜氏 ((株)東レ経営研究所研究部長)もメンバーである。

                             →ハリウッドスターのジョニー・デップやブラッド・ピッドもイクメンの象徴に。


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1.イクメンの登場とその背景および定義

厚生労働省イクメンプロジェクトのサイトでさまざまに発信。




                                                http://ikumen-project.jp/index.html
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1.イクメンの登場とその背景および定義
育児に関わる男性のイクメン認知は高く、7割は「イクメン」と呼ばれるが嬉しい。




                                                            イクメン実態調査
                                                            マクロミル・コドモノガタリ共同調査
                                                            2012.2~3月

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1.イクメンの登場とその背景および定義

国の有識者会議でも、父の関与の大切さを指摘。
「結婚・出生行動に影響を及ぼしていると考えられる要素」

 〔出産・第1子~ 〕
 【調査・研究結果】
 ・男性が長時間労働していた家庭では、労働時間の増えた
 家庭よりも減った家庭の方が子どもが生まれた割合が高い。
                                                                        POINT
 〔出産・第2子~ 〕                                                             ・ほどほどの労働時間
 【調査・研究結果】
                                                                        ・夫の家事・育児参加
 ・子どものいる世帯で、妻から見て夫が家事・育児を分担
 していないと回答した世帯では、分担していると回答した                                             ・妻の育児不安の軽減
 世帯に比べ、妻の子どもを持つ意欲が弱まる。
 ・夫の育児遂行率が高い夫婦の方が、追加予定子ども数が
 多い。
 ・子どもが1人いる母親の場合、育児不安の程度が高まる
 と、追加予定子ども数が減尐する。(子どもが2人の場合
 も概ね同様の傾向)


                                                                    パパができるこ
                                                                    と
                                          平成1 9 年1 月2 6 日社会保障審議会 人口構造の変化に関する特別部会「出生等に対する希
                                                  望を反映した人口試算」の公表に当たっての人口構造の変化に関する議論の整理
                                          http://www8.cao.go.jp/shoushi/kaigi/ouen/k_1/19html/sn-1-2.html



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1.イクメンの登場とその背景および定義
国の有識者会議による政策提言
      ○ 速やかに取り組むべき施策分野
        これまで述べてきたような調査結果・研究結果の整理や要素別の乖離
      の状況に
        鑑みれば、
        ・ 若者の経済的基盤の確立(正規雇用化の促進、就業形態の多様化に
パ     合わせた
パ        均衡処遇の推進等、就業・キャリアの安定性確保)
が       ・ 継続就業環境整備(育児休業制度、短時間勤務制度等が活用しやす
      いような
で        働き方や仕事の仕方の見直し等)
き       ・ (特に父親の)家事・育児時間の増加(ワークライフバランスを実現
      できるような
る        時間管理の効率化や長時間労働の解消等)
こ       ・ 保育環境の整備
        ・ 育児不安の解消(専業主婦も含めた地域における育児支援、家庭内
と     の育児負
         担の分担等)
        等の分野について、効果的な施策を具体的に整理・検討することの重
      要性が示唆さ
        れる。          平成1 9 年1 月2 6 日社会保障審議会 人口構造の変化に関する特別部会「出生等に対する希
                                                       望を反映した人口試算」の公表に当たっての人口構造の変化に関する議論の整理
                                               http://www8.cao.go.jp/shoushi/kaigi/ouen/k_1/19html/sn-1-2.html


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1.イクメンの登場とその背景および定義
ところで、「イクメン」とは。いろいろなイメージがありそう。

厚生労働省イクメンプロジェクト
イクメンとは子育てを楽しみ、自分自分も成長する男性のこと。または、将来そ
んな人生を送ろうと考えている男性のこと。

NPOイクメンクラブ




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1.イクメンの登場とその背景および定義
まじめに取り組んでいるパパもいればハレの日だけ出てくる「ハレの日イクメン」
というのもあるらしい。

NPOイクメンクラブ WEB 「イクメン応援インタビュー」から
サトシ 僕は講演やワークショップでいろいろなところに行って、お母さんやお父さんに会
   うんですけど、「イクメン」という言葉を嫌っているお母さんが意外に多いんですよ。
   こういう言葉ができて、男性の子育てがムーブメントになったり、広がってきたのはい
   いことだと思うんだけど、「男親ばっかりいい感じに言われている。私たちは今まで育
   児を当たり前にやってきたのに!」という考えなんですよね。
船木そうだよね。あと「イクメン」っていうと、しっかり子育てをしている男性というイメ
   ージがあるけれど、「イクメンか、イクメンじゃないか」という論争は早くやめたいと
   思うんですよね。
長谷川「イクメン」という言葉が普及していく過程でその手の話はありました。「おむつの
   交換をするくらいで、男の人って、イクメン気取りでいいわね」みたいに言われるとか
   ね。でも、そうやって議論が沸き起こったり、お母さん側の意見が出たりして、話し合
   いが続いていくのは、悪くないと思います。
船木イクメンって「子どもと一緒に遊ぶのが楽しい」くらいでいいんじゃないかな。
長谷川あまり定義せず、むしろ、いろんな子育てのやり方や父親の関わり方を応援したい。
   イクメンの多様性ですよ。ダイキチみたいなイクメンもいれば、ゆるゆるのイクメンも
   いる。どれが正しいということではなく、子どもを真ん中にして、互いの生き方を認め
   合うのがいいんじゃないかな。
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1.イクメンの登場とその背景および定義

本白書における「イクメン」とは・・・

本白書における「イクメン」とは広く、「育児に関わろうとするパパ」とおきたいと
思います。主夫として子育てに関わっている方から、もっと関わりたい思いながら
お風呂にたまにお触れに入れるぐらいしか入れられていない方まで、子育てに
関わろうとしているパパを広く「イクメン」と呼びたいと思います。




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コラム:イクメンのタイプ分析
あなたはどのタイプ?

イクメン実態調査
(マクロミル・
コドモノガタリ共同調査
2012.2~3月)
によると「育児参加意識」
「育児協力実態」
「家事協力実態」
といった3つの指標で
イクメンを6つのタイプに
分類し、特徴をまとめている。




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リサーチ・プロジェクト100




  第1部
  2.今の時代と子育て不安


  イクメンについての調査分析の前提となる子育て感の把握をして
  みたい。
  子育てというと「大変」というイメージがつきまとう。
  本章では、子育てに関するデータを概観した上で、これから子を
  持ちたいと思っている夫婦が子育てをどう捉え、どのような不安
  をもっているのか、データを提示する。
AS-006

2.今の時代と子育て不安
出産の現状、尐子化は進むばかり。

                                                   結婚した人も晩産化が進み…
                                                   ・女性の平均初婚年齢28.8歳
                                                   ・女性の第一子出産時の平均年齢30歳




                                                                          結婚後の子供数は、
                                                                          2人以下に減尐。
                                                                          ・子ども2人が主流だが、
                                                                          1人っ子、子無し夫婦が
                                                                          増加。
                                                                          ・夫婦の完結出生児数(結
                                                                          婚持続期間〔結婚からの経過
                                                                          期間〕15-19年夫婦の平均出生
                                                                          子ども数)は1.96人。
                               第14回出生動向基本調査/国立社会保障・人口問題研究所
                               http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou14/chapter2.html
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2.今の時代と子育て不安
子を持ちたい意欲が衰えているわけではない。




 http://www8.cao.go.jp/shoushi/cyousa/cyousa22/kokusai/pdf-zentai/s3-4.pdf
                         尐子化社会に関する国際意識調査 報告書 【全体版】
                         第4章働き方とワークライフバランス 大阪大学高橋美恵子准教授
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AS-006
2.今の時代と子育て不安
子どものいない人は子育てを悲観的にみてる。
「子育ては大変である」と強調されすぎているのか。
                       日本の子どものいない人の子育ての楽しさに関する意識は、
                       相対的に悲観的で、それがより悲観的に変化しているといえ
                       る。
                       日本の子どものいる人の間では、男性の育児参加推進などの
                       効果が示唆され、日本男女で「楽しさを感じるときが多い」
                       割合が増加しているのに、その効果が子どものいない人の意
                       識に波及しないのはなぜであろうか。
                        男性の育児参加を促進することや社会で子育てをささえる
                       環境を整えることを目的に、母親以外の育児協力が必要不可
                       欠なほど「子育ては大変である」と強調されすぎてはいない
                       だろうか。強調されるあまり、子育てとは大変なものである
                       という負担感が、子どものいない人の間で浸透している可能
                       性はないだろうか。
                       各国で共通して、子どものいる人の間では、9 割を超える人
                       が子育ては楽しいときが多いと感じているのである。子ども
                       が好きで、子どもから得られる喜びが多い人が子どもを生み
                       やすいから、子どものいる人の間で「楽しさを感じるときが
                       多い」割合が高いという面がある。
                       しかし、実際の子育ては辛いときが多いわけではないという
                                 尐子化社会に関する国際意識調査 報告書 【全体版】
                       ことを、子どものいない人に周知する必要があるのではない
                                 第 3 章 育児 関東学院大学 准教授 吉田 千鶴 准教授
          Copyright©   だろうか。
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2.今の時代と子育て不安
子どものいない女性が出産に踏み切らない理由。
1.時間・自由がなくなる 2.経済的理由 3.子育て自信がない・子どもの病気
4.女性のキャリア中断 5.子育てのサポート




    調査対象:25-24歳の子無女性「いつかは産みたいが今ではない」と回答した114人
                             Benesse次世代育成研究所「未妊レポート」2
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2.今の時代と子育て不安
時間:日本では、父親は労働時間がそもそも長く夫婦の自由時間も尐ないため、
夫婦のどちらかが仕事や子育てで忙しくなった場合の余裕がなく、ストレスをた
め込んでしまう構造になっている。
日本における女性による育児シェアは8割ある(↓図)が、日本女性が就業している場合、日本男性が長
時間労働になっても男性の家事・育児シェアが減らないことにあるといえる。この背景には、日本女性の
家事・育児シェアが非常に高い水準にあって、これ以上増やすことは困難であることがあると考えられる。
男性の労働時間によって女性のシェアが増大しているフランスやスウェーデンにおいても、女性のシェア
の推定値は最大になっても 7 割前後である。働く日本女性のシェアの推定値は、男性の週労働時間が 50
時間になる以前から、7割に達している。




    http://www8.cao.go.jp/shoushi/cyousa/cyousa22/kokusai/pdf-zentai/s3-3.pdf
                                   尐子化社会に関する国際意識調査 報告書 【全体版】
                                   第 3 章 育児 関東学院大学 准教授 吉田 千鶴
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2.今の時代と子育て不安
経済的理由:共働き世帯数が増加しているが・・・




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2.今の時代と子育て不安
経済的理由:1世帯当り平均所得金額、年代別年間収入推移とも、年収の
変化は緩やかに低下傾向にある。子育てするにあたって、右肩上がり時代
と同じ考えは通用しないかもしれない。




   平成22年国民生活基礎調査(総務省)
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2.今の時代と子育て不安
経済的理由:子どもなし夫婦は子育て費用がかかると考えすぎている
傾向も見られる。



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                                                                          円、妻567万円
                                                                          ⇔
                                                                          子無夫714万円、
                                                                          妻594万円




       厚生労働省「尐子化に関する意識調査」2004年
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2.今の時代と子育て不安

 キャリアの中断:女性は子供が成長したら仕事に戻りたいとの希望
 を持つ。




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2.今の時代と子育て不安

キャリアの中断:しかし、現実は難しい。出産前に仕事をしていた女性の
うち、出産後も仕事を継続している人は38%。




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2.今の時代と子育て不安
子どもがない既婚層で「子育てに伴う経済的負担が重い」と答えた人
の割合が子育て層の倍になっているのは経験がないためか。子どもの
育て方やまわりのサポートへの不安も強い。




                              Benesse次世代育成研究所「未妊レポート」
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2.まとめ
●子を産みたい人は多い。子を産んだら働きたい意欲もある。
●しかし子のない人にとっては、子育ては大変そうと思われている。
●子を産みたい女性にとっても子育ては、ハードルが高く思えてしまう。その理由
は、1.時間・自由がなくなる 2.経済的理由 3.子育て自信がない・子どもの
病気 4.女性のキャリア中断 5.子育てのサポートへの不安
●父親の労働時間が長いため、自由時間を削って対処している。夫婦のどちらかが
仕事で忙しくなった場合のストレスをため込んでしまう構造になっている。若い夫
婦からは大変そうと伝わっている可能性がある。
●世帯収入は減っている。
●子のない夫婦は子育て費用の高さを強く懸念している。
●女性が子どもを持つことで、仕事やキャリアを中断する率は高いまま。




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  第1部
  3.イマドキの子育て~Part1.変わりゆく意識


     子育ては「大変」と思う一方、かつての夫婦役割の概念や、
     仕事と家族のバランスのとり方の意識は変化している。この
     章では若い世代の子育て観の変化の潮流を示していく。
AS-006

3.イマドキの子育て~変わりゆく意識
プロローグでも示したイマドキ家族.comによる調査。「子どもの誕生日に有休、こ
れってあり?」と同様、パパが公園デビューしたり、家族の行事を優先することに
違和感はなくなりつつある。世代間での傾向も同様。次のページの神戸常盤大学短
期大学小崎恭弘准教授のコメントもご覧いただきたい。




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3.イマドキの子育て~変わりゆく意識

(小崎)「1万人の、ありとあらゆる世代の人に今の家族はどのようなものです
か、どのような生活をしていますかということを聞いたのです。そこから見えて
きたのは3つのキーワード、『フラット』、『ポジティブ』、『コンパクト』で
した。
(小崎)夫婦をお互いにどのように呼び合っているかというデータもあるのです。
「60歳代の人は『父』『母』や『パパ』『ママ』と役割で呼ぶ人が7割なので
す。でも20歳代の人はお互いを名前やニックネームで呼ぶ人が75%」

(小崎)このイクメンという言葉もそろそろなくなるかもしれない。(中略)
イクメンという言葉がなくなるというのは悪い意味ではなく良い意味で。どの
ようなことかと言うと、もう20歳代では65%くらいが子育てを普通にして
いるのです。積極的に参加というのは、60歳代では約13%しかいなかった
のです」

(小崎)家族で過ごすのに一番大切な行事は何か、お正月と子どもの誕生日のど
ちらが大切ですか、と聞くと、60歳代の方は73%がお正月。20歳代はお正
月は35%で、子どもの誕生日は50%」
                        武田和歌子のぴたっと。放送日:2010年11月25日(木)放送
                        神戸常盤大学短期大学部准教授の小崎恭弘氏のコメントより
                       http://abc1008.com/pitatto/pita_journal/101125.html
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3.イマドキの子育て~変わりゆく意識
「夫は外で働き妻は家庭を守るべきである」という考え方は、緩やかに変化し
ている。(ひとりっこなど、親の影響力強い、若い人はゆりもどしもあると説
もある。)



                                                                            20歳代
                                                                            30歳代
                                                                        40歳代
                                                                            50歳代
                                                                            60歳代
                                                                            70歳代~




                                                                                    世代間な差




        内閣府「男女共同参画社会に関する世論調査」等により作成
        http://www.gender.go.jp/whitepaper/h23/zentai/top.html
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3.イマドキの子育て~変わりゆく意識
「子育ての楽しさ」の国際調査。 「楽しさを感じることがかなり多い」では日
本は韓国アメリカスウェーデンに务るが
「楽しさを感じることがかなり多い」+「感じることがやや多い」
合わせると各国で変わらない。




                    尐子化社会に関する国際意識調査 報告書 【全体版】
                    第 3 章 育児 関東学院大学 准教授 吉田 千鶴
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3.イマドキの子育て~変わりゆく意識
20~34 歳時の独身男性のうち、その後8年の間に結婚や出生があった者は、子ども
を持つことに対して「子どもとのふれあいが楽しい」「子育てを通じて人間的に成長
できる」と感じる割合が増加している。




                                                                            第9回21世紀成年者
                                                                            縦断調査(厚生労働省)
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3.イマドキの子育て~変わりゆく意識

妻の子育ての楽しさは改善されており、その要因の一つとして、夫の協
力度と相関がありそう。




                                     出典:ベネッセ教育研究開発センター:第3回子育て生活基本
                                     調査(幼児版) 速報版


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3.イマドキの子育て~変わりゆく意識




                                    出典:ベネッセ教育研究開発センター:第3回子育て生活基本
                                    調査(幼児版) 速報版

        Copyright© 2010 SAL Research Project 100. All rights reserved.   38
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3.イマドキの子育て~変わりゆく意識
「日本の幸福度(日本評論社)」によると夫の家事育児への参加度合
いが高い妻の幸福度は高まる。




                                                                              日本の幸福度 格
                                                                              差・労働・家族
                                                                              大竹 文雄 白石 小
                                                                              百合 筒井 義郎
                                                                              日本評論社




   ★幸福度・生活満足度がある時間以上で下がっていくのは、夫の関わりすぎにより、妻の子育てのやりがい
   を阻害しているのではないかと思われる。

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3.イマドキの子育て~変わりゆく意識
夫の休日の家事・育児の時間が長いほど第2子が誕生。




                                                                          第9回21世紀成年者
                                                                          縦断調査(厚生労働省)
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3.まとめ
●若い世代を中心に、家族を重視する価値観に変化しつつある。
●「夫は外で働き妻は家庭を守るべきである」という考え方が、緩やかに変化し
メジャーではなくなりつつある。(ひとりっこなど親の影響力強い、若い人はゆ
りもどしもあると説もある。)
●日本人も子育てが楽しいと感じている。
●子どもを持てば、ポジティブな子ども観を持つ。「子どもとのふれあいが楽し
い」「子育てを通じて人間的に成長できる」
●妻の子育ての楽しさは近年改善されており、その要因の一つは夫の協力にあり
そう。
●夫が子育てに協力的であるほど、妻の子育ての楽しさや幸福度が上昇する。




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コラム:イクメンがもたらしたもの
~(株)テレワークマネジメント田澤由利さんインタビュー

在宅勤務を事業化されている(株)テレワーク
マネジメント田澤由利さんに、昨今のイクメ
ンについてうかがしました。田澤さんは、子育
て中パパが自宅で仕事ができるようになれば、
イクメンはもっと増えると、テレワークを推進
されています。

○イクメンについてどうとらえていらっしゃ
いますか。
●国としてはよくやっているのではないか。
子どもをだっこしているのがかっこ悪いという
のが50歳前後。100人いたら10人OKだったのが
、今は100人いたら20人に増えた。イクメンブ
ームで男性の子育てが恥ずかしくなくなった
効果があった。これはすごい進歩である。                                         http://www.telework-management.co.jp/

○男性の育休は進んでいません。                                 代の人たち。仕事に関わっている中でヒア
●イクメン効果は現実とは違う。上の世代が理                           リングすると、子育てでよく休む人以外を
解していないので、父親が子どもとの時間をつ                           優遇するというは話しはよく聞く。
くりにくいのが現状。マインドとしてイクメ                            ●ブームで終わってはいけない。時代が変
ンは進んだが、物理的にはまだこれからとい                            わっている。自分たちと同じでよい、とい
う段階である。                                         う上の世代からの押しつけこそ社会課題だ
マインド的なイクメンは増えているけれど、イ                           と思う。イクメンの方が不利というのはど
クメンを斜めに見ている人がいる。特に上の世                           れぐらい本当なのか。
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コラム:イクメンがもたらしたもの
~(株)テレワークマネジメント田澤由利さんインタビュー

○どうしたら変わっていけると思いますか。                          ●制度的な面も重要だが今から子育てしよう
●20年したら変わると思う。世代が変わるか                         とする世代に、時間とかお金の面をどうして
ら。しかし待っていられないですよね。                            いるかを伝えていくことも重要。
●変わるきっかけは、この震災かもしれない。                         ●精神的な部分へのサポートのシェアがかぎ
会社のためだけではない生き方に気付いてい                          である。ソーシャルネットでつながるように
る人がいると思う。                                     なった。Facebookで忙しい人同士も交流でき
●国の役割も重要で、会社が子育てのために                          る。実名制のリアルがよい。会社と家庭とい
残業させない北欧的施策をするだけでなく、                          う切り口だけではない、実質のイクメンの
子育て中の人はメリットがあることを発信さ                          ネットワークが広がることで、さまざまな工
せないと。                                         夫ができるのではないか。
●たとえば税制的メリットなど。具体的なメ
リット。イクメンではない上の世代を変える
ためにはここがポイント。
●厚生労働省のワークライフバランス障害に
対してのパブリックコメントの募集があり応
募した。
・育児休業中のテレワーク
・中小企業にPマーク的なものを与える
大企業はできるので、中小企業こそにやって
もらう意義がある。

                                                                             (聞き手:須藤淳彦)
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ソーシャル・アジェンダ・ラボ(SAL)
リサーチ・プロジェクト100




  第1部
  4.イマドキの子育て~Part2パパの格闘


     前章にて子育てに対する意識は変化しつつあることを示
     した。では実際の子育てに関するパパの行動はどうだろ
     うか。変化の渦中で、仕事と子育てを両立させようとす
     るパパの必死な姿が浮かんできた。
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4.イマドキの子育て~Part2パパの格闘
日本の父親の労働時間は長い・・・・。




                http://www8.cao.go.jp/shoushi/cyousa/cyousa22/kokusai/pdf-zentai/s3-4.pdf
              尐子化社会に関する国際意識調査 報告書 【全体版】
              第4章 働き方とワークライフバランス 大阪大学高橋美恵子准教授
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4.イマドキの子育て~Part2パパの格闘
父親は労働時間が長いため、結局自分の自由時間を減らして、子育てなどの協力
をし、負担になっている可能性がある。
日本の特徴として以下があげられる。「仕事が十分にできない」割合が、日本女性で 27%と最も高く、日本男性で 4%と最
も低い。(中略)就業継続している日本女性のほとんどが「仕事が十分にできない」ことを負担に感じている。日本のその
割合では男女格差が大きいことから、仕事と子育ての両立のために負担感を感じているのは主に日本女性であるといえ、日
本男性の子育て協力が求められるゆえんである。しかし、日本男性の「自分の自由な時間が持てない」割合は 5 割近くで、
5 カ国の男女のうちで最も高い。これは、日本男性が自分の自由な時間を減らして、子育てなどの協力をして、それが負担
となっている可能性を示唆する。日本男性は、「仕事が十分にできない」とは思っていないことから、労働時間を減らすこ
となく、自分の自由な時間を使って、子育てや家事に協力している可能性である。




                       http://www8.cao.go.jp/shoushi/cyousa/cyousa22/kokusai/pdf-zentai/s3-4.pdf
                     尐子化社会に関する国際意識調査 報告書 【全体版】
                     第4章 働き方とワークライフバランス 大阪大学高橋美恵子准教授
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4.イマドキの子育て~Part2パパの格闘
意識は変わっているのに、実際に男性の育児休業取得率は目に見えてかわってい
るわけではない。
                 男性の育休取得率の推移
                                                                                         %




                                      厚生労働省 平成23年度雇用均等基本調査結果概要>結果の概要
                                                 http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/71-23.html
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4.イマドキの子育て~Part2パパの格闘
制度以外に隠れ育休を取っている人がいる模様。制度が整っていない企業の場合
有休を利用していると思われる。




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4.イマドキの子育て~Part2パパの格闘
里帰り出産でもない限り、立ち会い出産自体は普通になりつつあるのだが・・・。




                   「第2回 乳幼児の父親についての調査報告書」ベネッセ次世代研究所
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4.イマドキの子育て~Part2パパの格闘

父親が育児に参加することへの賛成意見は若い世代を中心に増加し、育児への参加
率も微増している。しかし父親自身が育児参加に対して積極的にできている評価は
変化していない。




                                                          「中央調査報(No.646)」より

                                                          父親の育児参加に関する世論調
                                                          査

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4.イマドキの子育て~Part2パパの格闘
1日あたりの父親の家事育児参加時間は先進他国に比べて極端に尐ない。




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4.イマドキの子育て~Part2パパの格闘

パパの帰宅時間は経年でもここ最近は変化していない。




                      ベネッセ次世代育成研究所「乳幼児の父親についての調査 東アジアの4都市
                      比較」
                      http://www.benesse.co.jp/jisedaiken/research/research_12.html
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4.イマドキの子育て~Part2パパの格闘

父親自身も子どもとのコミュニケーションは不足していると感じている。




調査実施期間:2010年10月26日~28日、調査対象:3歳~小学生の末子を持つ20-40代の親600名、調査方法:インターネット調査

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4.イマドキの子育て~Part2パパの格闘
経年変化でもっと関わりたいという意向がうかがえる。




                      ベネッセ次世代育成研究所「乳幼児の父親についての調査 東アジアの4都市
                      比較」
                      http://www.benesse.co.jp/jisedaiken/research/research_12.html
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4.イマドキの子育て~Part2パパの格闘
その中でも土日には子どもと精いっぱい過ごすパパ達の姿がある。




                      ベネッセ次世代育成研究所「乳幼児の父親についての調査 東アジアの4都市
                      比較」
                      http://www.benesse.co.jp/jisedaiken/research/research_12.html
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4.イマドキの子育て~Part2パパの格闘
国際比較でも土日にがんばっている姿が顕著。




  平日はアジア4カ国でも最も短いが                       休日は精いっぱい過ごしている。
                      ベネッセ次世代育成研究所「乳幼児の父親についての調査 東アジアの4都市
                      比較」
                      http://www.benesse.co.jp/jisedaiken/research/research_12.html
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4.イマドキの子育て~Part2パパの格闘
しかし。妻との関係は希薄と感じている。「自分は妻に必要とされている」が
減尐している。




                 http://www.benesse.co.jp/jisedaiken/research/pdf/research09_8.pdf
                   「第2回 乳幼児の父親についての調査報告書」ベネッセ次世代研究所
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4.イマドキの子育て~Part2パパの格闘
「第2回乳幼児の父親についての調査報告書」ベネッセ次世代研究所
恵泉女学園大学大学院 大日向雅美教授
05年の父親調査の経年比較として実施された今回の調査ですが、子育てに携わっている父親の実態は依然として厳
しいように思われます。育児休業利用経験者は09年でわずか3.9%。平日の帰宅時間が21時以降と回答している父親
が全体の 4 割を占めています。父親が「イクメン」となるための必須要件であるワークライフバランスはさほど進
んでいない現実が調査結果に示されています
実態がともなわないのに世の中がブームにわいていることが、父親を追いつめる原因であるように思います。子ど
もと一緒に過ごしている時間は「 1 ~ 2 時間未満」がもっとも多く、05年時点と比べて一向に増えていません。
こうした現状に満足せず、子どもとの時間が十分にとれていないと自覚して、今以上に育児にかかわりたいとする
回答が増えていることはブームのひとつの、効果と思われます。他方で平日にかかわれない分、休日にその埋め合
わせをしようとするように10時間~ほぼ 1 日」子どもと一緒に過ごしているという回答が半数を超えています。理
想の父」。親のありかたに近づこうとする懸命な努力ぶりが印象的です
父親が子どもとかかわる時間を増やしたいと願うのは、父親としての自覚のあらわれでしょうし、父子関係を確か
なものとするうえで望ましいことです。しかしその結果、関心が子どもに集中して、夫婦関係や父親自身の社会的
な活動が疎かになることが懸念されますたとえば妻との関係について、子どもを話題とする会話は多くても、互い
の生活や仕事に関する悩みや相談の会話は十分に持たれていません。「自分は妻に必要とされている」という回答
が05年時点よりも14.2ポイント低下していますが、心のきずなを結べるような深いコミュニケーションを交わして
いないことも一因ではないかと考えられます。父親が夫として自信を失っているかたわらで、子どものことにしか
関心を示さない夫に虚しい思いを抱いている妻の不満がうかがえます。また 4 割の父親が、地域に自分の居場所や
相談相手(場所)がないと感じているのも考、えさせられる結果です。父親が育児に熱心になるあまり、父子カプ
セル状態が増加するとすれば母親が育児に専念して母子カプセル状態で孤軍奮闘を余儀なくされてきた従来の育児
と変わりがありません。仕事や社会的活動に携わっている男性が育児にかかわることで、子育てがさらに地域や社
会に開かれていくことを期待したいと思います
仕事人間として生きることに力点をおいて、家族や地域に関心を示さなかったかつての男性に比べれば、本調査か
らみえる父親像は育児や家族に精一杯の関心を払おうと一歩を踏み出していることは確かです。その反面、就労体
制の改善など社会の変化が不十分なままで、どこか不自然な無理を重ねているという印象がぬぐえないのも正直な
感想です。「イクメン」がブームではなく日常の当たり前の現象となるように、ワークライフバランスの一層の推
進とともに、夫婦が親として、夫婦として、人として向き合える家庭や地域のありかたを推進する必要性を強く考
えさせられます。           http://www.benesse.co.jp/jisedaiken/research/pdf/research09_3.pdf
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4.イマドキの子育て~Part2パパの格闘                                                  まとめ
●立ち会い出産は普通になり、育児への参加も微増している。
●男性の育児休業取得率は微増。隠れ有休をとっている様子もある。
●1日あたりの父親の家事育児参加時間は先進他国に比べて極端に尐ない。
●結局、父親自身の自由時間を減らして、子育て家事に関わっている。
●父親自身も子どもとのコミュニケーションは不足していると感じている。もっ
と関わりたいという意向がうかがえる。理想と現実のギャップに罪悪感を感じて
いる。( 参考:Logical Parenting LLP 林田香織さんインタビューより(第2部))
●その中でも土日には子どもと精一杯過ごすパパ達の姿がある。
●夫が「自分は妻に必要とされている」が減尐。




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コラム:アンケートからみるパパの子育て観
      本PJでも小規模ながらアンケートを実施した。数字は参考であるが、コメントなどの分析から示唆する。

Q.子育ては楽しいですか?                                                               子育ては楽しいけど、妻の満
                                                         とても楽しい
                                                         まあ楽しい              足度に自信なし?
                                                         どちらともいえない          子育ては楽しいと答えたのは全体の
                                                         あまり く
                                                            楽し ない
 0%    20%    40%    60%           80%          100%     楽し ない
                                                           く                約8割。楽しくないと回答した人は、
Q.想定と比べて子育ては大変ですか?                                                          楽しさよりも大変さを実感。
                                                          大変                ただし「子どもはかわいい」ことに
                                                          まあ大変              変わりはない。
                                                          どちらともいえない
                                                          あまり大変ではない         また、「子育ては想定よりも大変で
0%    20%    40%    60%            80%         100%       大変ではない            ある」とした回答者全員が、それで
                                                                            もその苦労を上回るベネフィットを
Q.妻との分担で自分が担う育児割合はどれくらいですか?                                                 感じている。具体的には、子どもの
                                                           10%未満            成長をみる楽しみや喜び、子育てを
                                                           10%以上30%未満
                                                           30%以上50%未満       通して自分の成長を感じることが出
                                                           50%以上            来る、「無償の愛」の存在を知った、
0%    20%    40%    60%           80%         100%
                                                                            人生が豊かになった、タイムマネジ
                                                                            メント力がついた、という頄目があ
Q.上記の分担割合に奥様は満足していると思いますか?
                                                         非常に満足              がった。次のページ)
                                                         満足                 一方で育児への関与度と妻の満足度
                                                         どちら ない
                                                            でも
                                                                            を問う問題では弱気な回答が目立つ。
                                                         不満
0%    20%    40%    60%           80%         100%       非常に不満              具体的回答欄では、休日に子守担当
                                                         怖くて聞けない            になることで妻の負担を尐しでも減
                                                       N=12                 らしたいという意思が伺える回答が
                                                                            目立つものの、実際の妻の満足度は
                                                                            低いだろうと想定している。(分析:平野恭子)

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コラム:アンケートからみるパパの子育て観
子育てで楽しく感じる理由
●子どもから教えてもらうことがとてもたくさんある。子供とのやり取りの中で、自分のことをふりかえったり考えさせ
られたりしています。
●子どもの成長が日に日に変化して成長するため
●子どもはかわいい(多数)
●子どもといるのが幸せだと感じる為、子供の成長過程を共有できる為、純粋な子供の様子を見ることができる為。
●子どもの一日一日の成長に目の当たりにすることで、自分自身も励まされるから。
●子どもたちの成長に直接かかわることができるから。かかわればかかわるほど、親子双方の愛着が増すため。
●リフレッシュできるし、幸せを感じる。子供視点での生活が新鮮。子育てと部下育成が似ている。
●かわいくて仕方がないのと、日々子供の成長におどろかされているため
●子どもがいると楽しいですよ。
●子どものリアクションがいちいちかわいい。成長が早い。


子育で大変に感じる理由
●思い通りに物事が進まなかったり、子供に時間を割かなければならないため
●忙しいし、子どもも自己主張するので思うようにいかない。時間のゆとりがなくなった。
●楽しんでいる分、殆ど苦痛にはならないですが、仕事を優先したい時にできない時などがあるのが大変です・・・。
●特に乳児期は、娘がまったく自分の思うままにならない現実に茫然とした。昼寝の寝かしつけのために、だっこを何時
  間もずっとしたり、夜中も頻繁に起こされて、肉体的にも大変きつかった。幼児期になると、だんだん楽しいことが
  増えてきた。
●子供に時間を合わせるため自分の時間がとれない
●時間的社会的制約は多いですね。なれましたが。
●やらなきゃわからないことがたくさんあったから。




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コラム:アンケートからみるパパの子育て観

   子育てのメリット
   「メリット」とか「デメリット」という表現に違和感があります。「育てている」という傲慢な考えを捨て、とも
    に育つ視点に立てば、子供から教えてもらうことは格段に増えると思います。
   子育てを通して自己成長もできる
   「無償の愛」の存在を知りました。人生の価値観が変わりました。最高に幸せです。
   自分も成長できる(実感があり)こと。
   子供たちの成長をわがこととして喜べること。限られた時間の使い方が非常にうまくなること。
   子供がいると親、家族、友人、その他との人間関係をつくりやすい。子育てを通じて親の学びの機会や体力づくり
    に役立つ。子育てにともなうことを夫婦で話し合うことで夫婦仲も良くなる
   楽しい、子供の成長が見られ自分もなにか成長している気がする
   人生が豊かになった気はします。子どもが居ることで発見できることは多々あります。
   寝る前にほっぺにちゅーしてくれる。



   子育てのデメリット
   個人的に自由な時間が無くなる
   自分の時間が減った。飲みに行く回数が減った。勉強会に行く回数が減った。
   自分の好きなことをするために割けるお金と時間の制約を相当受ける。
   自由時間がなくなる、生活が子供中心にかわる。
   フットワークが重くなりました。
   子育てしない時と比較すれば自由な時間がなくなる。




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ソーシャル・アジェンダ・ラボ(SAL)
リサーチ・プロジェクト100




  第2部
  5.パパの子育てのこれから       ~イクメン2.0へ

第1部では、子どもとは土日に一生懸命関わり、妻には申し訳ないと思
いながら精一杯格闘するパパたちの現状を見てきた。
この現状を打破しようとしている夫婦や、サポートする起業家が存在す
る。第2部では、子育てを通じて豊かに生き、自身を成長させ、共同体
のように共育てするあるいはサポートする姿をレポートする。 そして
、子育てを通じて豊かな人生を模索する父親達を「イクメン2.0」と
名付けた。新しい「生き方・あり方」として仮説を提示したい。
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「パパができること」とは何か?                                              イクメンインタビュー
  子育て先進地域にイクメンあり。東京都文京区に住むAさん、Bさんに、パパとしてどんなことをして
  いるかを質問した。そこからは家族にとどまらず、地域、仕事とパパとの新しい関係が見えてきた。
イクメンAさん 34歳                                      イクメンBさん 34歳
家族:妻、子(6歳、2歳)                                    家族、妻、子(2歳 0歳)
仕事環境:外資系建築士。時間は自由な勤務形態だが、仕事は忙しく、                 仕事環境:研究所勤務。労働時間より成果で評価される職場。イクメン体
エンドレスでやってしまうような仕事。                               験のある上司もいて、子育ての大変さを分かってくれるところがある。
家事育児:家事はほとんどこなせる。料理も独身の時から好きだった                  家事育児:朝は毎日保育園送り。ゴミ出し。自分では育児を頑張っている
妻:自営業                                            つもりだが、もっと積極的に関わるよう奥さんにつつかれ気味。
                                                 妻:教員。育休中。


●イクメンという言葉を聞いてどう思いますか?
Aさん:子供の世話が嫌だとか、抱っこ紐が恥ずかしいという感覚はまったくない。もし前の世代がそう
だったとすると、今は意識が変わっていると思う。ただ、自分たちの後のゆとり世代はもっと自然に子育
てしていると思う。
Bさん:でも、文京区長が育児休暇を取得したニュースは、個人的にはセンセーショナルだった。

●家事育児の分担はどうしていますか?
Bさん:基本的には分担を決めない方針。お互いの仕事などの負荷状況に応じて、補完的に行う感じ。例え
ば、昔忙しくないときは今のうちに慣れておこう、貸しを作っておこう(笑)という思いがあった。料理
などを積極的にやっていたが、今は妻が育休中ということもあり、あまり積極的にやっていない。
Aさん:問題が生じるとケンカして、そのたびに役割を見直
している。たとえば妻は土日の仕事が多く、自分が子供の面倒をみることが多いので、掃除は妻といった
ように、その時に応じて役割分担を決めてお互いにやる。家庭がまわらなくなってきたらケンカになり、
その後、役割を見直し、なんとか解決している。
Bさん:夫婦とも、家事は機械に任せられるものは任せ、できるだけ楽しようという主義。ルンバと食器洗
い機と洗濯乾燥機は、新三種の神器として愛用している。配食サービスも利用しているが、尐し割高と思
いつつも料理の勉強になるのでいい。
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「パパができること」とは何か?                                        イクメンインタビュー
●子育ては大変ですか? 想像と違いますか?
Bさん:昔想像していた以上に大変だという実感はある。特に2人目が生まれてから。よく子供が2人いて
も1+1=1.5の大変さですむというけど、実際は1+1=3の負担感を感じる。それ以上に、楽しみ
も増えていますが。
Aさん:仕事の繁忙期が夫婦で重なると、家庭がまわらなくなる。6歳の長男がお兄ちゃんになろうとして
頑張ってくれるのが有難い。

●地域とのつながりはありますか?
Aさん:千駄木の雰囲気はとてもよい。自営業者もたくさんいる地域で、地元のイベントが多く、人もフ
レンドリー。町会活動の若い担い手が減っているので、声をかけている。商店街が近く、地域の人で自分
の名前を知らない人にも、○○ちゃんパパとは呼ばれる。
Bさん:白山のマンションの多い地域に住んでおり、町内会の活動に誘われることはない。ウチの近所と
は違うなと感じる。町内会のつながりがあるとよいと思うが、ウェット過ぎると逆にしんどく感じると思
う。

●保育園や他の親との関係はどうですか?
Aさん:保育園では自営業と会社員が半々くらい。保育園で知り合ったパパママ友の一家が集まり、毎週
末のように食事や飲み会をやっている。子どもたちも一緒に遊べて楽しそう。パパの会のお父さんが主体
になった飲み会もある。キーになる人がいると盛り上がりますね。うちの保育園の父母会には、毎年パパ
が企画するバスハイクというイベントがあって、父親の関係づくりに一役買っている。卒園式後に父母で
企画した謝恩会では、忙しいなか20人クラスの親がほぼ全員参加した。
Bさん:子供の通う保育園で、ファザーリングジャパンのメンバーによるパパ絵本ライブや読み聞かせが
ある。自分もサンタの格好をしてバルーンアートを子供と一緒に楽しむというイベントに参加した。
Aさん:子供が3歳ぐらいになると他の子と遊びたがり、親同士も知り合いになる。第二子の1歳児クラス
ではまだ親同士は盛り上がっていない。幼稚園よりも保育園の親の方が助け合いを求めているので、親同
士が集まりやすいかも。
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「パパができること」とは何か?                                          イクメンインタビュー
●パパ同士の集まりはどんな雰囲気なのですか?
Aさん:パパの集まりって異業種交流みたいなところがある。他の業界の話を聞いて、刺激を得て、自分の仕事に生かすとか。
   子育ての笑える失敗談で盛り上がることもある。ママ同士は悩み相談をしているんだろうけど、パパ同士ではしない。パ
   パ友はご近所づきあいの延長ともいえる。

●お二人はパパ友なのですか?
Bさん:子供を通じての関係というより、父親同士が高校の同級生。お互い子供ができ、家族ぐるみで年に数回会うようになっ
   た。Aさんの子供が自分の子より年上なので、何歳頃になると何を欲しがるとか、男の子はやっぱり電車マニアになるんだ
   とか、参考になる。特に妻は育児面で学ぶところが多いと感じているようだ。

●パパになってからの仕事の仕方や、職場の雰囲気はいかがですか?
Aさん:家族の楽しい時間があるから仕事も頑張れる。無制限に残業できる人たちを見て、ぬるい仕事の仕方をしていると感じ
   ることも。デットラインなしでやるのは楽に見える。以前、夫婦交互に徹夜していた時期があり、周りより早く退社して
   いたら、帰宅後に嫌みメールが来た。今は、純粋にアウトプットで評価される立場になったのでプレッシャーが減った。
Bさん:子育ては人間関係の基本を学ぶ上でも貴重な体験だと思う。職場での付き合いや、後輩の指導などで、自然と参考にし
   ていることは多いのではないか。私の職場は研究所勤務ということもあり、頭でっかちな人が多く、論理的なコミュニケ
   ーションが多いが、結局は感情的な部分で職場も上司も動いている、というのを理解するのに役立ったりしている。

●子供との関係で悩みや壁はありますか?
Aさん:子育てで悩んだときには育児本を大量に読んだ。以前、寝かしつけはママじゃなきゃ駄目と言われ、「頑張っているの
   に、結局ママかよ」と。でも育児書をいろいろ読むと、子供はそういうもの、ママじゃなきゃダメな時もあると書いてあ
   って納得した。今は、ママがいい時もあるだろうけど、自分なりに子供たちに接して、頑張って振り向かせてやろうと逆
   に思う。
Bさん:女の子は未知の世界。中学生ぐらいになって「パパ臭い」「ひげが嫌」とか言われるのかなとか気になる。
Aさん:子供も大きくなると、一対一の人間同士の付き合いになっていくと思うので、親である自分のありかたが問われていく
   のでは。親父が家族も仕事も楽しんでいれば、子供も希望を持ってくれると思う。             (終了)
                                                                                 (聞き手:飯田加奈子黒澤綾子須藤淳彦)


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パパMEからみる子育て
「パパMe」というインタビューサイトを運営する篠原広高さん(29歳)。数
十人のイクメン取材を通して見えた“パパのリアル”と は何か、自身の子育
て観を交えて語る。               パパMeについては次章でも紹介しています

●イクメンという言葉を聞いてどう思いますか?                          まれてきてくれたんです。当時は仕事が忙しく、土日も
正直なところ、イクメンという言葉はあまり好きではな                       娘と触れ合う時間はほんの数時間でした。そんなある日
いです。父親が育児するのは極自然なことだと思ってい                       娘を抱っこしたら、先週は何も言わなかったのに「あ〜
るので。パパMeでインタビューしたパパたちも、イクメ                      」と言葉を出したんです。子供の成長の早さに驚きまし
ンという言葉に違和感を感じている人が尐なくないです                       た。
。                                               今のペースで仕事を続ければ、この先もずっと娘の成長
ただ、社会の構造が変わっていく時に、イクメンという                       に関ることはないだろう、これはもったいないと思うよ
言葉が広まることで、家庭を大事にする人が多くなるの                       うになりました。いろいろ考えた結果、会社に提案して
であれば、それはそれでアリですよね。                              正社員からフリーランスに変わって、業務委託契約で週3
                                                日間勤務する形に切り替えました。
●「パパMe」でもイクメンという言葉は使っていません                      で、週4日は妻や娘とほぼ丸一日向き合うようになったも
  よね。                                           のの、子供が一日中泣き続けたり、何をどうしても満足
                                                してくれなかったり…。「あー、もうどうすればいいん
いろんな家庭があり、いろんなリアルがあります。育児                       だ!」とイライラしてしまうことも。他のパパはこうい
に参加する時間がない人もいるし、仕事するパパをママ                       う時どうしているんだろう、奥さんとはどう向き合って
が応援するという家庭もあります。家族という単位で幸                       いるんだろうと思い、FacebookやTwitterでアンケートを
せであればいいと思うんです。                                  とったんです。約80通もの回答が寄せられました。回答
インタビューしたパパたちは比較的家事育児に時間を作                       を見るとみんな悩んでいることは大体同じなんです。
って、やっている人が多いと思いますがだから偉いわけ                       パパたちは悩みながらも日々自分なりに家庭や仕事に向
ではないですから。                                       き合っている。そんなパパの話を紹介すれば、参考にな
                                                る他のパパがいるはずだ、そう思ったのがきっかけです
●パパMeのサイトを作ったきっかけは?
サイトを始めたのは2011年の1月1日。その1年前に娘が生

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パパMEからみる子育て

●サイト運営で大切にしていることは何ですか?                        なことを引き受けるとか、パズルみたいに互いのやるこ
リアルを紹介することです。パパMeでは一般のパパが実                    とを組み合わせて、全体がうまく回っていればいいので
名と写真付で登場します。そしてそのパパが普段やって                     は。ただ、世間一般より料理ができる人や家事育児にか
いる奥さんとの接し方、育児や家事などについて語って                     ける時間が長い人は多いと思います。
もらいます。芸能人がイクメンとして取り上げられても                     ●何かきっかけがあって家事育児をするようになるんで
、あれは特別な人だからできることだよ、と言えますが                     しょうか?
同じ業界の人、自分より忙しい人がこれだけやっていた                     育った家庭の影響は大きいのかもしれません。「親父み
ら、言い訳できないんですよね。顔と名前を出して、リ                     たいにはなりたくない」「親父のように関りたい」と言
アルな話をすることで、読む側も自分ごととして捉えら                     う人が結構いらっしゃいます。あとは、子供が生まれて
れるはず。まずは自分と同じような環境、自分よりも忙                     からすぐにとか、パパ講座を受けてとか、恩師の言葉を
しそうな環境のパパの話を参考にしてもらえればと思い                     思い出してとか…。いろいろですね。
ます。                                           ●篠原さん自身の、仕事と育児についての考えを聞かせ
                                              てください。今は週5日勤務に戻したそうですね。
●たくさんのパパインタビューの結果、何か共通頄は見                     フリーランスになって、元の会社と関連会社から仕事を
えましたか?                                        頂いてます。人材サービス業というのは変わりませんが
みんな奥さんのことを考えていますね。仕事で忙しくて                     、企業相手に採用のトレンドを講演する業務をメインに
も何も考えていない人はいない。奥さんの性格によって                     して、以前程の激務状態にならないようになりました。
真正面からぶつかったり、ふとした時に本音を引き出し                      個人的には制度に期待するのは間違いだと思っていま
たり、意識的に時間をつくったりしているようです。                      す。間違いというよりも、効率が悪く時間がかかりすぎ
家事分担については、分担表を作っている人もいれば、                     る、というのが正しいのかも。会社が悪いとか周りのせ
明確に決めない人もいる。張り切って量をこなしたとこ                     いにするより、自分が変わった方が早いはず。自分が本
ろ、奥さんの出番を奪うことになってしまい、サポート                     当に変わりたいと思ったら、働く環境、働く場所、働き
に徹したら奥さんの笑顔が戻ったというケースもある。                     方などいろんなやり方で変えられることはあると思って
家事の時間が多ければいいわけでもなく、奥さんの苦手                     います。




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パパMEからみる子育て
●子供ができる前と後で変わったことは何ですか?                          私はインタビューで先輩パパに話を聞くのが一番の勉強
元々職種が営業なんですが、人を評価する判断軸が「こ                        になっています。自分が悩んでいることをインタビュア
の人は営業がデキるか」だけだったんです。今思えば随                        ーとして聞けますから…。
分狭い価値観だけで人を見ていたと反省するんですが                         やはり誰か身近な人に相談をしていみるのがよいと思い
…。大人の理屈や常識とはかけ離れた子供と日々向かい                        ます。ちょっと相談できる人が見当たらなければ、是非
うことで(笑)、いろいろなタイプの人を受け入れられ                        パパMeを見て頂ければ(笑)
るようになったと思います。細かく見て行けば他にも沢
山磨かれた力もあります。大変なことも多いけど、子供                        ●今後、男性の育児は広がっていくと思いますか?
がいてくれるメリットの方が圧倒的に多いですね。そし
て何より…可愛いです。理屈抜き。                                 私の専門は新卒採用なので、学生と接することが多いで
                                                 すが、最近の学生は社会貢献欲求が強いと感じています
                                                 。社会や人のためになりたいという感覚が根底にあり、
●子供ができて世界が広がったという話はよく聞きます                        それが家庭観、育児観にも反映されている気がします。
よね。地域の活動やパパ会などにも参加していますか?                        よく言われることですが、価値観が変わってきていると
個人的にはパパMeのインタビューを通じて人間関係が広                       思うんです。若い世代は、自分の周りを大事にする気持
がりました。パパの紹介でプロカメラマンが協力してく                        ちが強くて、家庭を持ったらそこでの時間を大切にした
れることになったり、インタビューをしたパパの主催す                        いという意識がある。彼らが社会に出てどう行動するか
る「cache-PAPA」(東京都八王子のパパ会)にお邪魔し                   次第ですが、男性の育児への関わりはこれからも増えて
たり。一度パパと子供だけ集まってパパ会を主催したこ                        いくのではないでしょうか。
ともあるのですが、また開催したいと思っています。

●各種統計によると、子供を持ちたい人は多いものの、
金銭的不安や育児不安が大きく、一歩を踏み出せない人
も多いようです。
 お金は、節約しようと思えばできると思いますよ。高
級な育児グッズを使わなくても、周りの人からもらった
り、自分たちで工夫すればいい。育児不安については、                                                         (聞き手:飯田加奈子   須藤淳彦)



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「家族の軸」を夫婦でことばにするだけで子育てが楽しくなる
~Logical Parenting LLP 林田香織さんインタビュー

                                                   ○ご主人さんもイクメンと伺って
 林田香織さんは、3人のお子さんを育てな
                                                   います。
 がら夫婦二人での子育て(ペアレンティン
                                                   ●長男が生まれた時は寝室も別。
 グ)を提案するワークショップ「夫婦de子
                                                   家事もほとんどしませんでした。
 育て」を開催。教育機関や行政主催の講座
                                                   ところが、在米中、仕事より家族
 やNPO法人ファザーリング・ジャパンが主
                                                   との時間を優先し、自然に子育て
 催するファザーリングスクール等で保護者
                                                   に関わる父親のロールモデルに出会い衝撃を受
 に向けて講師をなさっています。イクメン
                                                   けました。その後、会社を辞め二年間私費留学。
 パパから見える今とこれからについてイタ
                                                   その間、子ども達と密接に関わることで、子育
 ンビューさせていただきました。
                                                   ての楽しさを経験。留学や転職は、自分に付加
 アメリカでの子育てがきっかけに                                   価値をつけることで家族を優先できるようにと
                                                   いう考えがあると思います。
 ○どのような問題意識や経緯から活動を始め
 られたのでしょうか。                                        ママだけでは無理!パパの協力が必須!
 ●独身時代はアメリカで日本語教師として働                              ○「夫婦de子育て」とは?
 きました。結婚後は日本とアメリカの両方で                              ●基本的にはご夫婦で参加ですが、パパのみ、
 出産、子育てを経験。通算8年間の在米生活                              ママのみの方もいらっしゃいます。講義と座談
 の後、日本に帰国した際、日本で子育てをす                              会がミックスした形式で、ディスカッションも
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