Más contenido relacionado La actualidad más candente (20) 因果推論の基礎2. Introduction
Outline
1 Introduction
2 因果推論の根本問題
3 因果推論の前提条件
4 割当メカニズムの重要性
5 ランダム化:特殊な割当メカニズム
6 さまざまな因果推論の手法
7 因果推論と構造推定
森田(東北大) 実証分析入門演習Dec 13, 2014 2 / 28
3. Introduction
伝統的な法学における実証分析の利用
記述的推論
データを要約統計量(summary statistics)・記述統計量(descritive
statistics) の形にまとめる
mean, median, maximum/minimum, variance など
これだけでも,〔上手に行えば――King et al 1994〕分かることは結構
ある
相関関係(correlation, association) の計算
基本的にはOLS(最小二乗法による線形回帰)やクロス集計
差の検定
e.g., 男女(の平均賃金etc)の間に有意な差があるかどうかの検定
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4. Introduction
最近の法学研究における実証分析の利用
より政策的な方向へ
consequentialism | 法ルールがその目的を達成できているかどうか?
program evaluation と呼ばれる分野との接合
単なる記述的推論ではなく,因果推論(causal inference)の重視
相関関係ではなく,因果関係の評価
経済学や政治学でのトレンドを反映
医療でのEBM なども因果推論の世界(統計学の世界では裏でつな
がっている)
因果推論では,推定手法(統計ソフトウェアが計算してくれる部分)
よりも,リサーチデザイン(どこに因果関係を見いだすか,うまく
仕組む)ことの方が重要
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5. 因果推論の根本問題
Outline
1 Introduction
2 因果推論の根本問題
3 因果推論の前提条件
4 割当メカニズムの重要性
5 ランダム化:特殊な割当メカニズム
6 さまざまな因果推論の手法
7 因果推論と構造推定
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6. 因果推論の根本問題
基本概念
a la RCM (Rubin Causal Model)
unit: 対象
treatment: 介入がなかった場合(=control)と比較して,それが
あった場合の効果を測定したいと考えている(政策)介入
potential outcomes: ユニットにtreatment があった場合となかった
場合について,ユニットが取り得る(=まだ観察されていないもの
である点に注意!)値
counterfactual: 実現しなかった方のpotential outcome
causal effect: 1 つ1 つのユニットについて,treatment があった場合
のpotential outcome とtreatment がなかった場合のpotential
outcome との間の差
`The Fundamental Problem of Causal Inference': 私たちは,複数の
potential outcome のうち,最大で1 個しか観察することはできない
から,causal effect を直接観察することはできない
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7. 因果推論の根本問題
具体例:単純な差分をとる場合
ユニット=ある時点の「私」。頭痛がある。
treatment =頭痛薬アスピリンの投与。
Y = 2 時間後の「私」の頭痛の評価。treatment の有無で,2 通りあ
り得る。
Unit 当初の頭痛potential outcomes Y へのcausal effect
X Y (Asp) Y (Not) Y (Asp) Y (Not)
「私」80 25 75 -50
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8. 因果推論の前提条件
Outline
1 Introduction
2 因果推論の根本問題
3 因果推論の前提条件
4 割当メカニズムの重要性
5 ランダム化:特殊な割当メカニズム
6 さまざまな因果推論の手法
7 因果推論と構造推定
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9. 因果推論の前提条件
基本概念:因果推論のための前提条件
replication: 少なくとも1 つのユニットはtreatment を受け,少なく
とも1 つのユニットはtreatment を受けない(control)。複数の対象
の間のvariation でもいいし,単一の対象が異なる時点でvariation が
あってもよい。
SUTVA (stable unit-treatment-value assumption):2 つの内容がある
a) 1 つ1 つのユニットについて,同時で1 つのtreatment しか働かず,
control も1 種類しかない
b) ユニット間に干渉がない(spill over effect や一般均衡効果は存在し
ない)
assignment mechanism: どのユニットがtreatment を受け,どのユ
ニットがcontrol になるかを決定するメカニズム
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10. 因果推論の前提条件
Nユニット・処置2 つで,SUTVA が満たされるケース
Unit X Y (1) Y (0) ユニットレベルの因果効果
1 X1 Y1(1) Y1(0) Y1(1) Y1(0)
2 X2 Y2(1) Y2(0) Y2(1) Y2(0)
...
...
...
...
...
i Xi Yi(1) Yi(0) Yi(1) Yi(0)
...
...
...
...
...
N XN YN(1) YN(0) YN(1) YN(0)
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11. 因果推論の前提条件
population level の因果効果
Yi(1) とYi(0) を比較するのが基本
ただし,このようなユニットレベル因果効果を直接観察することは不
可能なので,代わりに...
1 と0 との間の平均因果効果average causal effect
Ave[Yi(1) Yi(0)] = 1
N
ΣN
i=1(Yi(1) Yi(0))
1 と0 との間のメディアン因果効果
Median[Yi(1) Yi(0)]
などなど... を推定していくことになる
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12. 割当メカニズムの重要性
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1 Introduction
2 因果推論の根本問題
3 因果推論の前提条件
4 割当メカニズムの重要性
5 ランダム化:特殊な割当メカニズム
6 さまざまな因果推論の手法
7 因果推論と構造推定
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13. 割当メカニズムの重要性
割当メカニズム
具体例=完璧な医者
Potential Outcomes
Unit Control Y (0) Treatment Y (1)
1 13 14
2 6 0
3 4 1
4 5 2
5 6 3
6 6 1
7 8 10
8 8 9
`true' average 7 5
average causal effect = -2
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14. 割当メカニズムの重要性
割当メカニズム
完璧な医者が,一人一人について最適な治療方法を適用すると:
W は,treatment のあり(1) なし(0) を示す
Potential Outcomes
Unit W Control Y (0) Treatment Y (1)
1 1 ? 14
2 0 6 ?
3 0 4 ?
4 0 5 ?
5 0 6 ?
6 0 6 ?
7 1 ? 10
8 1 ? 9
`observed' average 5.4 11
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15. 割当メカニズムの重要性
補完imputation による因果推論
完璧な医者が最善を尽くしているとなると,欠損データの補完がで
きる:
Potential Outcomes
Unit W Control Y (0) Treatment Y (1)
1 1 14 14
2 0 6 6
3 0 4 4
4 0 5 5
5 0 6 6
6 0 6 6
7 1 10 10
8 1 9 9
`observed' average 7.5 7.5
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16. 割当メカニズムの重要性
さまざまな割当メカニズム
assignment mechanism: 観察される潜在的結果と欠損する潜在的結
果を振り分けるもの:
Pr(WjX; Y (0); Y (1))
混同的でないunconfounded 割当メカニズム:Pr(WjX)
確率的なprobabilistic 割当メカニズム:Pr(Wi = 1jX; Y (0); Y (1))
個別的なindividualistic 割当メカニズム:
AM / ΠN
i=1 Pr(WijXi; Yi(0); Yi(1))
古典的なランダム化実験:
AM /
ΠN
i=1 Pr(WijXi)
ちなみに,プロペンシティスコア(傾向スコアpropensity score):
Pr(Wi = 1jXi)
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17. ランダム化:特殊な割当メカニズム
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1 Introduction
2 因果推論の根本問題
3 因果推論の前提条件
4 割当メカニズムの重要性
5 ランダム化:特殊な割当メカニズム
6 さまざまな因果推論の手法
7 因果推論と構造推定
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18. ランダム化:特殊な割当メカニズム
ランダム化=因果推論のもう一つの手法
randomization =割当メカニズムを無作為なものとする(ただしX
に依存させてもよい)ことで,treatment とcontrol とが「だいたい
同じ」(もうちょっと言うと,共変量covariate がbalance している)
状況に持ち込み,Yobs(1)Yobs(0) = Y (1) Y (0) となるように仕組
む方法。基本的には,平均やメディアンなどを見る。
最近のネット企業(典型例はfacebook:
https://research.facebook.com/)は,ランダム化実験を実施し
ている
契約法・消費者法などでも,ランダム化実験の活用はどんどん増えて
いる
開発経済学などでも,ランダム化実験(フィールド実験)をかなり行
うようになってきている
けれども,社会科学においては,倫理的・法的な理由で,ランダム
化実験を実施することができない場合がまだまだ多い
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19. ランダム化:特殊な割当メカニズム
観察データの分析をランダム化実験と同じようにデザイ
ンするには
1 デザイン段階が完了するまで,結果データは見ないようにする
2 意思決定者(割当メカニズムを実行している者)がどのように考え
て割当を行っているのかについて分析し,割当に際して鍵となって
いる共変量を取り出す
3 この共変量が,入手できなかったり,ノイズの多いデータだったら,
恐らくそのデータセットを使うのはあきらめて,別のデータセット
を探した方が吉
4 treatment/control グループが,バランスしている(=観察された共
変量がほぼ同じような分布をしている)ようなサブグループを見つ
け出す
バランスしているかどうかには,分布を描いて目視してみることが
有益
必ずしも常に,十分なバランスが実現できるとは限らない
この場合の推論は,当該サブグループの範囲内であることに注意
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20. さまざまな因果推論の手法
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1 Introduction
2 因果推論の根本問題
3 因果推論の前提条件
4 割当メカニズムの重要性
5 ランダム化:特殊な割当メカニズム
6 さまざまな因果推論の手法
7 因果推論と構造推定
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21. さまざまな因果推論の手法
マッチング
ランダム化実験の基本アイデア
treatment/control の間で,共変量にバランスがとれた状態を実現する
それならば,treatment に属する各ユニットについて,共変量が「同
じ」ユニットをcontrol から選び出してきて比較すれば良い:
matching
共変量が全く同じものをマッチング
共変量ができるだけ近いものをマッチング
propensity score でマッチング
最近のビッグデータでは,かなり正確なマッチングが実現できるよ
うになってきている
cf. ビッグデータ関連では,EL も発展してきている(まだまだ
applied の世界での実例はあまり見ないが...)
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22. さまざまな因果推論の手法
DD/DiD
differences-in-differences: (Y1T (1) Y0C(1)) (Y0T (0) Y0C(0))
時点Treatment Control
時点0 Y1T (0) Y0T (0) Y1C(0) Y0C(0)
時点1 Y1T (1) Y0T (1) Y1C(1) Y0C(1)
Red texts are counterfactuals.
私たちが知りたいもの:Y1T (1) Y0T (1)
一見,それらしそうな選択し:
ビフォーアフター:Y1T (1) Y0T (0)
処置群vs コントロール群:Y1T (1) Y0C(1)
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25. さまざまな因果推論の手法
IV/LATE
confounded な割当メカニズムについても利用可能
natural experiment を探す:instrumental variable
具体例(Angrist のベトナム戦争徴兵制のくじ)
従軍経験が賃金に与える影響の測定
ベトナム戦争時の徴兵は,くじ:ランダムな自然実験
くじに「当選する」かどうかはランダムだが,くじに当選することに
よって従軍確率が増加し,それによって賃金は左右される
wrong IV とweak IV に注意
wrong IV:「IV が従属変数に影響するのは,内生的な説明変数を通じ
てだけ」というexclusion restriction [only through condition] が充足さ
れない
weak IV:IV と内生的な説明変数との相関関係が弱い
また,IV はLATE (local average treatment effect on compliers) に過
ぎない〔されどLATE〕
complier = IV によって影響を受けるユニット
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26. さまざまな因果推論の手法
RD
恣意的な規制・介入が存在している場合
その規制の近傍では,ランダム化が実現しているはず
それであれば,近傍のデータを取り出せば,規制の有無の影響を測定
できるはず
具体例
負債額に基づく規制の変化
世帯収入に基づく社会保障給付の変化
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27. 因果推論と構造推定
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1 Introduction
2 因果推論の根本問題
3 因果推論の前提条件
4 割当メカニズムの重要性
5 ランダム化:特殊な割当メカニズム
6 さまざまな因果推論の手法
7 因果推論と構造推定
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28. 因果推論と構造推定
因果推論vs 構造推定
因果推論:最小限の前提に依拠して,因果関係を推定
伝統的な計量経済学における構造推定:世界が(経済学)モデルに
したがって動いていると仮定した上で,モデルのパラメタを推定
いわゆる構造方程式(SEM/structural equation model)とは違う
両者の対立点
internal validity vs external validity
前提条件の明示
経済学教育への影響
分野の違い
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