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クラウドとビッグデータ
ー個人情報の活用ー

柴田英寿
2013
目
1 はじめに
アプリ使ってますか
演習1
クラウドとデータ
i-Ware Labの取組
ひらめき
調べてみると
2 個人情報の活用
個人情報を活用する動き
パーソナライゼーション
オーダーメイド
Pandora
演習2

次
3 活用の試みー知の共有ー
図書館
知を競う仕組み
Netflix Prize
出会い系
演習3

4 まとめ
仮説
日立グループがやっていること
日立の仕事

Hidetoshi Shibata

2
1
はじめに
Hidetoshi Shibata

3
アプリ使ってますか

Hidetoshi Shibata

4
信用して大丈夫か

Hidetoshi Shibata

5
SUICAのデータ
JR東日本SUICAの情報を販売
10駅1年分で500万円
販売開始後、ネットで論争
– 個人情報が漏洩する
– 運賃を値引きしろ

JR東日本、当面販売中止

Hidetoshi Shibata

6
演習1
他人のスマホ、パソコン等から電話帳、
カードの利用情報などを入手することで実現
できる面白いことを考えてみてください
(悪用も可)
4人1チームで5分議論してください。
後でチームの代表の人に
一番斬新なアイディアを
発表してもらいます(1分程度)。
Hidetoshi Shibata

7
発表

Hidetoshi Shibata

8
まとめ
相手のことがわかるのはビジネスチャンス
わかられるのは怖い

Hidetoshi Shibata

9
Break

Hidetoshi Shibata

10
i-Ware Labの取組
レーザーでの足型計測器を製作
足型データビジネスを構想
情報を囲い込まない
情報を囲い込むなら大企業にも売らない

Hidetoshi Shibata

アシックスホームページより

11
クラウドとデータ
クラウド

データ

インターネット

Hidetoshi Shibata

12
クラウドとデータ
クラウド

属性
データ

個人
データ

Felica
インターネット

Hidetoshi Shibata

13
匿名、記名、実名
匿名:相手も自分も誰かわからない
– 病歴、DNA

記名:相手はわからないが自分はわかる
– ネットサービスのアカウント名

実名:相手も自分も誰かわかる
– 契約書、願書

匿名は安心だがメリットも来ない
Hidetoshi Shibata

14
活用したいデータ
 電話帳データ/LINE
 Twitterのつぶやき
 Facebookのタイムライン
 自動車のエンジンやステアリングの情報
 飛行機や建設機械、船の情報
 足形データ→i-Wareが活用
 DNAの情報、病気の情報

ソーシャル

I oT
Internet of Things

Human
Metrics

 宇宙から飛んでくる電波
⇒ビッグデータと言われる
⇒あまり、活用がうまくいっていない

Hidetoshi Shibata

15
2
個人情報の活用
Hidetoshi Shibata

17
個人情報を活用する動き
OECD
– GoogleやFacebook等の個人情報集積を危惧
– 対抗勢力に援助の姿勢

世界経済フォーラム
– 個人情報の活用による経済発展をレポート
– ダボス会議にてセッションを開催

Hidetoshi Shibata

18
パーソナライゼーション
もともとは広告の用語
GoogleやAmazonの推奨で注目を集めた
気に入るニュースが表示される
推奨リンクが表示される
– 一度買ったものはしばらく不要
– 買ったものより良い条件が見つかると不快
– 贈り物と自分用との区別がつかない

何が起こる?
Hidetoshi Shibata

19
泡に包まれる
自分の好みのものしか見聞きしなくなる
コンピューターは泡の中が得意
人間は泡の外を考えることができる
泡の外を知ることがこれからのトレンド

Hidetoshi Shibata

20
オーダーメイド
衣料
オーダーメイドスポーツ下着
医療
オーダーメイド創薬
教育
まだない
金融
個人金融
(クラウドレンディング)
Hidetoshi Shibata

21
Pandora
Music DNA Project
– 曲を250の要素で評価
– 評価者は作曲や音楽理論の学位を持つ専門家
– 要素から好みの曲を推奨する
– 選びながら自分のラジオ局ができてくる
– 完璧な局⇒オーダーメイド
– 新しい局を作る(好きな曲も☟にする)

人間が評価しているとことがミソ
Hidetoshi Shibata

22
演習2
 オーダーメイドしたいものを考えてください。
– 何をオーダーメイドしたい
– そのためにはあなたのどんな情報が必要か?
– (その情報が漏れたらあなたは困るか?)

 チームを変わりたい人は変わってください。
 やり方(演習1と同じ)
–
–
–
–

列挙
チーム内で紹介
投票
発表準備

 5分

Hidetoshi Shibata

23
終了!

Hidetoshi Shibata

24
発表

Hidetoshi Shibata

25
Break

Hidetoshi Shibata

26
Break

学生が3ヶ月で事業案を考える
毎年4月~7月に開催、12年目終了
無料
いろいろな大学から学生が集まる
週20~30時間必要
Hidetoshi Shibata

27
3
活用の試みー知の共有ー
Hidetoshi Shibata

28
活用の試みー知の共有ー
場
– 図書館

競争する仕組み
– 賞金稼ぎ
– お手伝いオークション
– コードジャム
– マッチングプライズ

Hidetoshi Shibata

29
図書館
図書館ってクラウドじゃないか
– 本はもともと個人のもの
– 最初の図書館:アレクサンドリア
– 入港する船のすべての書物を供出させた

Wikipedia
– 初期、IBMワトソンのベスト回答はWIKI
– 答えはワトソンがというより25人の研究者が
用意した探し方が見つけた(司書)

Hidetoshi Shibata

30
知を競う仕組み
Google Code Jam
– 毎年開催。本選はシリコンバレー

Hidetoshi Shibata

31
Google Code Jam

Hidetoshi Shibata

32
知を競う仕組み
Amazon Bounty Hunter
– 1-Click特許を不成立にさせたら賞金
– 賞金は成立せず、特許は査定

Hidetoshi Shibata

33
知を競う仕組み
Mechanical Turkに発展
– お手伝いオークションの先駆け
– コンピュ-タ-が苦手なことは人が

Hidetoshi Shibata

34
Hidetoshi Shibata

35
Netflix Prize
ネットでの映画配信会社
視聴の半分以上が推奨から
推奨の精度を上げるコンテストを開催
100万件のデータを提供、
残りの300万件を予測
賞金100万ドル
もともとの推奨精度を10%上回る
続編は中止
Hidetoshi Shibata

36
出会い系
ビジネスの基本は出会い系
人と人、人とモノ、ヒトとサービス
どんなデータで推奨するといいか
出会いのためにいろいろな工夫
たくさんの質問で特性を合わせる
⇒個人情報!

Hidetoshi Shibata

38
演習3
成功する出会い系を考えてください。
– 誰と誰を出会わせる?
– どうすればうまくマッチングする?
– どんな情報があればマッチングできる?

Hidetoshi Shibata

39
終了!

Hidetoshi Shibata

40
発表

Hidetoshi Shibata

41
4
まとめ
Hidetoshi Shibata

42
仮説
情報を囲い込まない
– i-Ware Laboratory

コンピューターと人間が協力
– ワトソン、Pandora、Mechanical Turk

人間には競争が必要
– コードジャム、Netflix Prize

Hidetoshi Shibata

43
コンピューターの世界
が面白くなるには?

情報を囲い込まない

コンピューター
と人の協力

人には
競争が必要
コンピューターの世界
が面白くなる

Hidetoshi Shibata

44
補足
Hidetoshi Shibata

45
プライバシーから個人情報へ
1890年メディアへの対抗
1960年プライバシーの4類型
私生活、私事、誤った情報、名前や写真
1970年代欧米での法制化
1980年OECDプライバシー8原則
1990年代プライバシーの個人情報化
2000年EUと米国が個人情報利用を和解
2010年代個人情報活用の動き
Hidetoshi Shibata

46
米オープンデータ賞金コンテスト
 Health Design Challenge(米医療IT調整官室)
医療記録情報のインターフェースデザインコンテスト(5万ドル)
優勝:Nightingale

 Apps for Energy
Leafully:電力消費可視化(3万ドル)
 BigApps(5万ドル)
WayFinderNYC:らNew York市内の場所への行き方を示すAR
NYC Facets: オープンデータのメタデータカタログを整備する

Hidetoshi Shibata

47
PZとOM
パーソナライゼーション
(PZ)

オーダーメイド
(OM)

主な分野

広告(個告)

製作

価値の根拠

過去の行動

現在の実感

情報の出し方

知らないうちに開示、収集

自分から提供

使い方

欲しいだろうものを推奨

欲しいものを注文

Hidetoshi Shibata

48

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