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応用情報技術者試験
午後 ストラテジ系を解く
平成24年度 秋期
M&A戦略
Ver.1.0.1(2015年01月10日)
higher tomorrow
平成24年度 秋期 午後の問題と解答
• 問題
• https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2012h24_2/20
12h24a_ap_pm_qs.pdf
• 解答(+出題趣旨)
• https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2012h24_2/20
12h24a_ap_pm_ans.pdf
• 講評
• https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2012h24_2/20
12h24a_ap_pm_cmnt.pdf
目次
• 解説編
• 設問0. ざっと設問を見る
• 設問1. PPM
• 設問2. 合併のメリット
• 設問2. 合併のデメリット
• 設問3. M&Aの手法
• 設問3. M&Aなどの事前調査
• 設問4. 吸収合併の会計処理
• 企業価値 b
• 企業価値 / 交付株式数 c, d
• のれん e
• 要点カード編
• No.001 PPM
• No.002 情報分析手法(生産管理)
• No.003 情報分析手法(バランススコアカード)
• No.004 バリューチェーン
• No.005 QC7つ道具
• No.006 新QC7つ道具
• No.007 競争優位とシナジー
• No.008 環境分析 / ポジショニング
• No.009 M&A
• No.010 企業価値の算定
• No.011 吸収合併の会計処理
解説編
設問0. ざっと設問をみる
• 設問1:[ a ] に入れる分析手法の選択
• 設問2:(1) シナジーの具体的事象(30字以内)
• 設問2:(2) カニバリゼーションの具体的事象(20字以内)
• 設問3:(1) TOBの説明を選択
• 設問3:(2) Y社の状況の調査の名称を選択
• 設問4:[ b ] ~ [ e ] に入れる数値を計算
X
要点カード No.XXX
要点カード No.XXX
B
A
C
・・・確実に正解したい
・・・できれば正解したい
・・・正解できなくても仕方ない
参照すべき
要点カードを
ココに挙げます
問題の難易度を
ココに書きます
応用情報技術者試験の午後試験は、
時間がタイトです。そこで、事前に設
問文に目を通し、以下程度の内容を
把握しておくとよいでしょう。
設問1. PPM
• 絶対に落としたくない問題
• ア. PPM(○) → 「要点カードNo.001」を参照(とても大事)
• イ. TQM(×) → 「要点カードNo.002」を参照
• ウ. バランススコアカード(×) → 「要点カードNo.003」を参照(そこそこ大事)
• エ. バリューチェーン(×) → 「要点カードNo.004」を参照(とても大事)
• オ. パレート図(×) → 「要点カードNo.005」を参照(そこそこ大事)
どの事業に投資するかを決めるために、商品や事業の市場における位置づけを分析する手法で
ある [ a ] を使って分析した。
A
要点カード No.004要点カード No.001
要点カード No.002
要点カード No.003
要点カード No.005
設問2. 合併のメリット
• “規模の経済”、“範囲の経済”、“シナジー”については、
「要点カードNo.007」を参照
• 経営資源の補完性によるシナジーの具体的な事象 → 流通チャネル
• 範囲の経済性によるシナジーの具体的な事象 → 製品の種類、品揃え
※“流通チャネル”以外を解答させたいという意図が感じられる
→ 製品のことに言及するしかない
• 「乳酸菌飲料や健康飲料が加わることによる製品群の充実」(IPAの解答例)
合併した場合の分析では、①規模の経済性、範囲の経済性、経営資源の補完性、財務面などに
よるシナジーが見込める一方、②カニバリゼーションが起こる懸念があることがわかった。
要点カード No.007
A(1)
設問2. 合併のデメリット
• “カニバリゼーション”については、「要点カードNo.008」を参照
“競合”、“奪い合う”、“浸食”、“共喰い”などの言葉が出てくればよい
• お茶の話題に触れることが必須
• よって、カニバリゼーションの具体的な事 → 社内で、お茶が競合する
• 「お茶の販売が社内で競合する。」(IPAの解答例)
合併した場合の分析では、①規模の経済性、範囲の経済性、経営資源の補完性、財務面などに
よるシナジーが見込める一方、②カニバリゼーションが起こる懸念があることがわかった。
要点カード No.008
(2) Y社の分析
・・・最近、新商品を発表したお茶の販売に注力している。
B(2)
設問3. M&Aの手法
• 知識問題。ドラマ「ハゲタカ」などを見ていれば、TOBくらいはわかるw
M&A・・・企業の合併・買収のこと
⇒「要点カードNo.009」を参照
ア → MBO(Management Buy Out) →(×)
イ → 業務提携→(×)
ウ → TOB(Take Over Bid:公開買付)→(○)
エ → LBO(Leveraged Buy Out) →(×)
B(1)
要点カード No.009
設問3. M&Aなどの事前調査
• いわゆる“デューディリ(デューデリ)”
• 正確には、デューディリジェンス(デューデリジェンス)、DDと略すこともある
• “デューデリ”は、流行りの言葉なので、知っておきたい
• ア. 3C分析 → すぐに候補から外したい → 「要点カードNo.008」参照
• イ. PDPC → 知らなければ外せない → 「要点カードNo.006」参照
• ウ. 市場調査 → すぐに候補から外したい → 「要点カードNo.008」参照
• オ. ビジネスインパクト分析 → 知らなければ外せない(BCPとあわせて知っておきたい)
• “BCP(事業継続計画)”において、重要な業務が停止した場合に、事業の影響の度合いを分
析すること
B
要点カード No.006
Y社を吸収合併することにした。Y社との基本合意後、④詳細な企業情報の入手、既開示データの
信ぴょう性の確認、未開示又は未認識リスクの確認、買収額算定のための基礎情報収集などを
行ってY社の状況を調査した。その後、合併契約を締結し、…
要点カード No.008(2)
設問4. 吸収合併の会計処理
• 図1の読み取り
• ごちゃごちゃしているので、式の部分だけ順番に抜き出してみると、次のようになる
• けっこう素直な資料
• [ b ]:Y社の純資産法による企業価値
• 表1に簿価(B/S)が、表2に時価(公正価値)が記載されている → どっち?
• 図1中に「企業価値は、時価(公正価値)を用いて…」とあるので、表2の時価を使う
• 500(資産)-200(負債)=300億円 これだけ!
・交付株式数=Y社の発行済株式総数×合併比率
・合併比率=Y社の1株当たりの企業価値÷X社の1株当たりの企業価値
・企業価値=(純資産法による企業価値+収益還元法による企業価値)÷2
・純資産法による企業価値=資産-負債
・収益還元法による企業価値=株主資本×平均株主資本利益率÷資本還元率
Ab
設問4. 吸収合併の会計処理
• [ c ]:Y社の収益還元法による企業価値
• 「株主資本×平均株主資本利益率÷資本還元率」
• 株主資本は何を使う?
→ 図1に「株主資本は、純資産額法による企業価値である。」とある
• 300([ b ] で求めた値)×14%(表2)÷10%(表2)=420億円
• [ d ]:交付株式数
• 「Y社の発行済株式総数×合併比率」
• 1,800,000株(表2)×0.8(表3の下)=1,440,000株 これだけ!
• しっかり理解したければ、「要点カードNo.010」「要点カードNo.011」を参照
B
要点カード No.010
A
c
d
要点カード No.011
設問4. 吸収合併の会計処理
• [ e ]:「のれん」の金額
• Y社の企業価値=([c. 300]+[d. 420])÷2=360億円
• なんとなく、60(億円)だけ、つじつまが合わない
• しっかり理解したければ、「要点カード No.011」を参照
C
要点カード No.011
e
1,200
500
700
500
(時価)
200
(時価)
X社のB/S(表1) Y社の時価(表2)
1,700
700
(略)
合併後のX社のB/S(表3)
[ e ]
+ =
企業価値:360
300
要点カード編
PPM
大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 1. 経営戦略手法 > (2) 全社戦略
要点カード
No.001
●PPM(Products Portfolio Management)→ 事業や商品の位置づけを決め、経営資源を最適に配置するためのツール
この図は、次のWebページ中のものです。
http://shikaku.impress.co.jp/keyword/ppm.htm
※
PPMの限界
• 事業戦略としては、単純化されすぎている。
事業分野間の連携は、もっと複雑
• 財務的資源が重視され、質的な評価が軽視
されやすい
(具体例)
• 「金のなる木」に投資が必要な場合がある
• 「負け犬」に分類されていても、組織に貢献し
ている場合がある
• 「負け犬」に分類された事業に従事する人の
モラール(目標を達成しようとする意欲や態
度)が低下する
目標設定及び評価のための情報分析手法(生産管理)
大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 3. ビジネス戦略と目標・評価 > (2) ④
要点カード
No.002
●バリューエンジニアリング(VE)
(1) 機能を保ち、コストを小さくする
(2) コストを保ち、機能を大きくする
(3) コストを大きくし、機能をもっと大きくする
(4) 機能を大きくし、コストも小さくする
※「機能を小さくし、コストをもっと小さくする」はやらない
●シックスシグマ(6σ)
◆我が国の品質管理の変遷
使用機能
貴重機能・・・
基本機能(一次機能)・・・例.写真をとる
補助機能(二次機能)・・・例.手ぶれを防止する
見栄えをよくする
(所有することで満足感を与える)
製品やサービスの価値を、機能とコストの関係で把握し、システム化された手順で、価値の向上を図る手法
価値=
コスト
機能
特に
重点を置く
語源:「σ・・・正規分布のばらつきの程度」 → 「6σ・・・ミスやエラーの発生確率が100万回あたり3~4回程度」
全社的に高レベルの目標を設定し、ミスやエラーの発生確率をゼロに近づけ、経営全般の質を高める手法。トップダウンで行う
→ MAICというプロセス
測定(Measurement)→ 分析(Analysis)→ 改革(Improvement)→ 改革結果定着のための管理(Control)
統計的品質管理(SQC)→ 全社的品質管理(TQC)→ 総合品質管理(TQM)
経営の質 → トップダウン
製品・サービスのQCD → ボトムアップ
「品質:Q」「コスト:C」「納期:D」
目標設定及び評価のための情報分析手法(バランススコアカード)
大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 3. ビジネス戦略と目標・評価 > (2) ①
要点カード
No.003
これらの図は、次のWebページ中のものです。
http://kusouken.com/work_2_2.html
※
●バランススコアカード(BSC)・・・企業のビジョンと戦略を明確にし、トップから従業にまで浸透させる手法
4つの視点を用いることで、バランスがとれた戦略策定が行え、
さらに企業活動を評価することができる。
1) 目標の相互関係性を確認しつつ、4つの視点から、目標の
設定を行う。
2) 目標達成のための業績評価指標とその基準値を決める。
3) 目標間の相互連鎖を整理し、適切に設定されているか検証
する。上位の目標は、その達成のための手段として、下位の
目標が対応していなければならない。
企業経営の
スコアカード
バリューチェーン
大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 1. 経営戦略手法 > (3) 事業戦略
要点カード
No.004
●バリューチェーン
この図は、次のWebページ中のものです。
http://www.itmedia.co.jp/im/articles/0502/22/news111.html
※
バリューチェーン
企業の活動を、5つの「主活動」と3つ
の「支援活動」に分解する。これら
個々の活動単位が、価値を生み出す
主体となる。前工程のアウトプットが、
後工程のインプットになり、連鎖的に
加工が行われる。それぞれの活動に
はコストがかかる。バリューチェーン
全体が生み出す価値と、このコストと
の差が、マージンである。
バリューチェーン分析
企業が行う事業活動を、役割ごとに
分解することで、自社のどの部分に
強みと弱みがあるか、識別しやすい。
QC7つ道具
大分類9:企業と法務 > 中分類22:経営活動 > 2. OR・IE > (7) 品質管理手法
要点カード
No.005
● 発生した不良の原因を追究し、その原因を除去することで、工程の改善を図っていく(解析アプローチ)
この図は、次のWebページ中のものです。
http://news.mynavi.jp/column/itpass/007/
※
新QC7つ道具
大分類9:企業と法務 > 中分類22:経営活動 > 2. OR・IE > (7) 品質管理手法
要点カード
No.006
● 複雑にからみあった要因を予測して、因果関係を整理する(設計的アプローチ)
親和図法(KJ法) 連関図法 系統図法
PDPC法
アローダイヤグラム法
マトリックス図法
マトリックスデータ解析法
数値データを2次元に展開し、問題の原因をわかりやすくする。
目的・現象と手段・要因の
対応関係を整理する(相互
の関連の程度を知るなど)。
問題などが生じた場合の対応
策を事前に検討しておく。
PERTのこと目的と手段を多段階に展開する因果関係を明確にし、
解決すべき問題の原因を探る
親和傾向のあるデータをグループ
化し、共通点を導き出したり、新し
い発想を考えたりする。
これらの図の一部は、次のWebページのものです。
http://www.itec-int.co.jp/isop/Products/sakuzu.html
※
競争優位性とシナジー
大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 1. 経営戦略手法 > (1) 経営戦略
要点カード
No.007
●競争優位性・・・マネのできない強み(競争者に対して築く独自性)
企業の持続的な競争優位性の源泉 → コアコンピタンス(中核能力)
→ 競争優位性を維持するには、容易に模倣できないことが必要である。
コアコンピタンスの3つの要件
(1) さまざまな市場へアクセスする可能性を生み出す
(2) 最終製品が特定の顧客の利益に重要な貢献をする
(3) 競合他社が模倣することが困難である
長期間かけて蓄積されてきた
技術、スキル、知的財産などである
●シナジー・・・相乗効果
(1) 販売シナジー → 販売経路、販売組織、販売促進手法などの利用により生じる
(2) 生産シナジー → 生産設備、技術ノウハウなどの利用により生じる
(3) マネジメントシナジー → 経営管理能力により生じる
範囲の経済・・・複数の事業を展開することによって、それぞれの事業を独立で営むときよりも、より経済的な
事業運営が可能になること(販売チャネル、設備、ブランド、知識、ノウハウなどが得られる)
規模の経済・・・生産量が大きいほど、製品の単位当たりのコストが低下する効果のこと(固定費が分散される)
経営戦略 → 競争優位性とシナジーを追究していくこと。
似ている
対比
環境分析 / ポジショニング
大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 2.マーケティング > (1) マーケティング理論
要点カード
No.008
マーケティング戦略
環境分析
セグメンテーション
ターゲティング
ポジショニング
マーケティングミックス
自社の経営資源(ヒト、モノ、カネなど)
競合分析(Competitor)
顧客分析(Customer)
自社分析(Company)
顧客や消費者
競合他社の動向、経営資源
◆3C分析
市場を細分化する
狙いとするセグメント
を選択する
消費者の中における
位置づけを決める
・競合製品との対比
・自社の製品ラインでの位置づけ
→ カニバリゼーション(共食い)を起こさないように注意する。
知覚マップ
2軸を選び、知覚マップを作成する
◆マーケティングリサーチ(市場調査)
・データの収集方法 → 質問法、観察法、実験法
・データの分析 → サンプリング(有意抽出、無作為抽出など)など
・データの種類 ・1次データ・・・新たに収集されたオリジナルのデータ
・2次データ・・・既存のデータ(公開されている資料などから抽出)
M&A
大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 1. 経営戦略手法 > (2) 全社戦略
要点カード
No.009
●経営権の移転の伴うM&A(Mergers & Acquisitions)
• 合併
 吸収合併
 新設合併
• 買収
 株式買収
• 既存株主から
• 株式交換
 資産買収
• 事業譲渡
TOB(Take Over Bid)
• 特定企業の支配権の取得又は拡大を目的として、
一定期間内に一定の価格で買い取ることを公示
して、大量の株式を取得すること
MBO(Management Buy Out)
• 企業内部で経営に携わっている経営者が、企業
の所有者から株式などを買い取り、経営権を取
得すること
• MBI(Management Buy In)
• 経営者が社外の第三者(マネジメントチームなど)
に株式を買い取らせ、経営を引き継いでもらうこと
LBO(Leveraged Buy Out)
• 買収対象企業の資産又は将来キャッシュフロー
を担保に資金を調達して買収すること
EBO(Employee Buy Out)
• 企業の従業員が事業を買収したり、経営権を取
得すること
敵対的M&A
他の企業の経営陣の意思に反し、株主の
同意を得たM&A
⇒ 防止策
 ポイズンピル
買収者以外の株主に新株が発行される
 クラウンジュエル
魅力的な事業を譲渡するなどし、買収者の
意欲をそぐ
 ゴールデンパラシュート
解任される取締役に多額の退職金を支払う
ように決めておく
 ホワイトナイト
友好的な企業や投資家に買収をしてもらう
友好的M&A
他の企業の経営陣の同意を得たM&A
企業価値の算定
大分類9:企業と法務 > 中分類22:企業活動 > 3. 会計・財務
要点カード
No.010
■平成24年度 秋期 応用情報技術者試験 午後試験 問2 を題材として
●収益還元価値法
諸資産
(時価)
1,400
諸負債
(時価)
600
×15% →
株主資本
(800)
諸資産
(時価)
1,400
諸負債
(時価)
600
X社の資産と負債(表2)
株主資本
(800)
利益
120 ÷10% →
企業価値
1,200
●純資産法
X社の資産と負債(表2)
→
企業価値
800
株主資本
利益率
資本
還元率
●折衷法
2つ以上の方法を選択し、
それらの平均値とする方法
●株価基準法=1株当たりの時価×発行済株式数 → すべての株式を購入でき、会社を自分のモノにできる金額
●DCF法=予想将来獲得キャッシュフローの現在価値
左図の例では、
(1,200+800)÷2=1,000
同業他社は、120の利益を
あげるのに、1,200の資本
が必要 → 収益力がある分
800に上乗せて評価する
同種企業平均
吸収合併の会計処理
大分類9:企業と法務 > 中分類22:企業活動 > 3. 会計・財務
要点カード
No.011
■平成24年度 秋期 応用情報技術者試験 午後試験 問2 を題材として
●合併比率(交換比率)の算定
400万株
X社株主
180万株
Y社株主
X社 Y社
●吸収合併
吸収
X社株式
144万株
X社
株主へ
●会計処理 → パーチェス法
・X社は360億円分の新株を交付した → 株主資本が360億円増える
・一方で、Y社の諸資産500億円、諸負債200億円を受け取った
→ これらの差額を「のれん」として計上する
・300億円のY社を360億円で買ったのは、Y社に300億円以上の
価値(販売力や技術力など)があったから
・この「目に見えない何かいいもの」が「のれん(無形固定資産)」
1,200
+500
500
+200
700
+360
X社のB/S
60
1,000億円
400万株
X社(存続会社)
360億円
180万株
Y社(消滅会社)
企業の価値
発行済株式数
1株あたりの価値
合併比率
25,000円
1
20,000円
0.8
1株の価値が、「1:0.8」であるということ

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応用情報・午後・ストラテジ系を解く(H24秋)

  • 2. 平成24年度 秋期 午後の問題と解答 • 問題 • https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2012h24_2/20 12h24a_ap_pm_qs.pdf • 解答(+出題趣旨) • https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2012h24_2/20 12h24a_ap_pm_ans.pdf • 講評 • https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2012h24_2/20 12h24a_ap_pm_cmnt.pdf
  • 3. 目次 • 解説編 • 設問0. ざっと設問を見る • 設問1. PPM • 設問2. 合併のメリット • 設問2. 合併のデメリット • 設問3. M&Aの手法 • 設問3. M&Aなどの事前調査 • 設問4. 吸収合併の会計処理 • 企業価値 b • 企業価値 / 交付株式数 c, d • のれん e • 要点カード編 • No.001 PPM • No.002 情報分析手法(生産管理) • No.003 情報分析手法(バランススコアカード) • No.004 バリューチェーン • No.005 QC7つ道具 • No.006 新QC7つ道具 • No.007 競争優位とシナジー • No.008 環境分析 / ポジショニング • No.009 M&A • No.010 企業価値の算定 • No.011 吸収合併の会計処理
  • 5. 設問0. ざっと設問をみる • 設問1:[ a ] に入れる分析手法の選択 • 設問2:(1) シナジーの具体的事象(30字以内) • 設問2:(2) カニバリゼーションの具体的事象(20字以内) • 設問3:(1) TOBの説明を選択 • 設問3:(2) Y社の状況の調査の名称を選択 • 設問4:[ b ] ~ [ e ] に入れる数値を計算 X 要点カード No.XXX 要点カード No.XXX B A C ・・・確実に正解したい ・・・できれば正解したい ・・・正解できなくても仕方ない 参照すべき 要点カードを ココに挙げます 問題の難易度を ココに書きます 応用情報技術者試験の午後試験は、 時間がタイトです。そこで、事前に設 問文に目を通し、以下程度の内容を 把握しておくとよいでしょう。
  • 6. 設問1. PPM • 絶対に落としたくない問題 • ア. PPM(○) → 「要点カードNo.001」を参照(とても大事) • イ. TQM(×) → 「要点カードNo.002」を参照 • ウ. バランススコアカード(×) → 「要点カードNo.003」を参照(そこそこ大事) • エ. バリューチェーン(×) → 「要点カードNo.004」を参照(とても大事) • オ. パレート図(×) → 「要点カードNo.005」を参照(そこそこ大事) どの事業に投資するかを決めるために、商品や事業の市場における位置づけを分析する手法で ある [ a ] を使って分析した。 A 要点カード No.004要点カード No.001 要点カード No.002 要点カード No.003 要点カード No.005
  • 7. 設問2. 合併のメリット • “規模の経済”、“範囲の経済”、“シナジー”については、 「要点カードNo.007」を参照 • 経営資源の補完性によるシナジーの具体的な事象 → 流通チャネル • 範囲の経済性によるシナジーの具体的な事象 → 製品の種類、品揃え ※“流通チャネル”以外を解答させたいという意図が感じられる → 製品のことに言及するしかない • 「乳酸菌飲料や健康飲料が加わることによる製品群の充実」(IPAの解答例) 合併した場合の分析では、①規模の経済性、範囲の経済性、経営資源の補完性、財務面などに よるシナジーが見込める一方、②カニバリゼーションが起こる懸念があることがわかった。 要点カード No.007 A(1)
  • 8. 設問2. 合併のデメリット • “カニバリゼーション”については、「要点カードNo.008」を参照 “競合”、“奪い合う”、“浸食”、“共喰い”などの言葉が出てくればよい • お茶の話題に触れることが必須 • よって、カニバリゼーションの具体的な事 → 社内で、お茶が競合する • 「お茶の販売が社内で競合する。」(IPAの解答例) 合併した場合の分析では、①規模の経済性、範囲の経済性、経営資源の補完性、財務面などに よるシナジーが見込める一方、②カニバリゼーションが起こる懸念があることがわかった。 要点カード No.008 (2) Y社の分析 ・・・最近、新商品を発表したお茶の販売に注力している。 B(2)
  • 9. 設問3. M&Aの手法 • 知識問題。ドラマ「ハゲタカ」などを見ていれば、TOBくらいはわかるw M&A・・・企業の合併・買収のこと ⇒「要点カードNo.009」を参照 ア → MBO(Management Buy Out) →(×) イ → 業務提携→(×) ウ → TOB(Take Over Bid:公開買付)→(○) エ → LBO(Leveraged Buy Out) →(×) B(1) 要点カード No.009
  • 10. 設問3. M&Aなどの事前調査 • いわゆる“デューディリ(デューデリ)” • 正確には、デューディリジェンス(デューデリジェンス)、DDと略すこともある • “デューデリ”は、流行りの言葉なので、知っておきたい • ア. 3C分析 → すぐに候補から外したい → 「要点カードNo.008」参照 • イ. PDPC → 知らなければ外せない → 「要点カードNo.006」参照 • ウ. 市場調査 → すぐに候補から外したい → 「要点カードNo.008」参照 • オ. ビジネスインパクト分析 → 知らなければ外せない(BCPとあわせて知っておきたい) • “BCP(事業継続計画)”において、重要な業務が停止した場合に、事業の影響の度合いを分 析すること B 要点カード No.006 Y社を吸収合併することにした。Y社との基本合意後、④詳細な企業情報の入手、既開示データの 信ぴょう性の確認、未開示又は未認識リスクの確認、買収額算定のための基礎情報収集などを 行ってY社の状況を調査した。その後、合併契約を締結し、… 要点カード No.008(2)
  • 11. 設問4. 吸収合併の会計処理 • 図1の読み取り • ごちゃごちゃしているので、式の部分だけ順番に抜き出してみると、次のようになる • けっこう素直な資料 • [ b ]:Y社の純資産法による企業価値 • 表1に簿価(B/S)が、表2に時価(公正価値)が記載されている → どっち? • 図1中に「企業価値は、時価(公正価値)を用いて…」とあるので、表2の時価を使う • 500(資産)-200(負債)=300億円 これだけ! ・交付株式数=Y社の発行済株式総数×合併比率 ・合併比率=Y社の1株当たりの企業価値÷X社の1株当たりの企業価値 ・企業価値=(純資産法による企業価値+収益還元法による企業価値)÷2 ・純資産法による企業価値=資産-負債 ・収益還元法による企業価値=株主資本×平均株主資本利益率÷資本還元率 Ab
  • 12. 設問4. 吸収合併の会計処理 • [ c ]:Y社の収益還元法による企業価値 • 「株主資本×平均株主資本利益率÷資本還元率」 • 株主資本は何を使う? → 図1に「株主資本は、純資産額法による企業価値である。」とある • 300([ b ] で求めた値)×14%(表2)÷10%(表2)=420億円 • [ d ]:交付株式数 • 「Y社の発行済株式総数×合併比率」 • 1,800,000株(表2)×0.8(表3の下)=1,440,000株 これだけ! • しっかり理解したければ、「要点カードNo.010」「要点カードNo.011」を参照 B 要点カード No.010 A c d 要点カード No.011
  • 13. 設問4. 吸収合併の会計処理 • [ e ]:「のれん」の金額 • Y社の企業価値=([c. 300]+[d. 420])÷2=360億円 • なんとなく、60(億円)だけ、つじつまが合わない • しっかり理解したければ、「要点カード No.011」を参照 C 要点カード No.011 e 1,200 500 700 500 (時価) 200 (時価) X社のB/S(表1) Y社の時価(表2) 1,700 700 (略) 合併後のX社のB/S(表3) [ e ] + = 企業価値:360 300
  • 15. PPM 大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 1. 経営戦略手法 > (2) 全社戦略 要点カード No.001 ●PPM(Products Portfolio Management)→ 事業や商品の位置づけを決め、経営資源を最適に配置するためのツール この図は、次のWebページ中のものです。 http://shikaku.impress.co.jp/keyword/ppm.htm ※ PPMの限界 • 事業戦略としては、単純化されすぎている。 事業分野間の連携は、もっと複雑 • 財務的資源が重視され、質的な評価が軽視 されやすい (具体例) • 「金のなる木」に投資が必要な場合がある • 「負け犬」に分類されていても、組織に貢献し ている場合がある • 「負け犬」に分類された事業に従事する人の モラール(目標を達成しようとする意欲や態 度)が低下する
  • 16. 目標設定及び評価のための情報分析手法(生産管理) 大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 3. ビジネス戦略と目標・評価 > (2) ④ 要点カード No.002 ●バリューエンジニアリング(VE) (1) 機能を保ち、コストを小さくする (2) コストを保ち、機能を大きくする (3) コストを大きくし、機能をもっと大きくする (4) 機能を大きくし、コストも小さくする ※「機能を小さくし、コストをもっと小さくする」はやらない ●シックスシグマ(6σ) ◆我が国の品質管理の変遷 使用機能 貴重機能・・・ 基本機能(一次機能)・・・例.写真をとる 補助機能(二次機能)・・・例.手ぶれを防止する 見栄えをよくする (所有することで満足感を与える) 製品やサービスの価値を、機能とコストの関係で把握し、システム化された手順で、価値の向上を図る手法 価値= コスト 機能 特に 重点を置く 語源:「σ・・・正規分布のばらつきの程度」 → 「6σ・・・ミスやエラーの発生確率が100万回あたり3~4回程度」 全社的に高レベルの目標を設定し、ミスやエラーの発生確率をゼロに近づけ、経営全般の質を高める手法。トップダウンで行う → MAICというプロセス 測定(Measurement)→ 分析(Analysis)→ 改革(Improvement)→ 改革結果定着のための管理(Control) 統計的品質管理(SQC)→ 全社的品質管理(TQC)→ 総合品質管理(TQM) 経営の質 → トップダウン 製品・サービスのQCD → ボトムアップ 「品質:Q」「コスト:C」「納期:D」
  • 17. 目標設定及び評価のための情報分析手法(バランススコアカード) 大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 3. ビジネス戦略と目標・評価 > (2) ① 要点カード No.003 これらの図は、次のWebページ中のものです。 http://kusouken.com/work_2_2.html ※ ●バランススコアカード(BSC)・・・企業のビジョンと戦略を明確にし、トップから従業にまで浸透させる手法 4つの視点を用いることで、バランスがとれた戦略策定が行え、 さらに企業活動を評価することができる。 1) 目標の相互関係性を確認しつつ、4つの視点から、目標の 設定を行う。 2) 目標達成のための業績評価指標とその基準値を決める。 3) 目標間の相互連鎖を整理し、適切に設定されているか検証 する。上位の目標は、その達成のための手段として、下位の 目標が対応していなければならない。 企業経営の スコアカード
  • 18. バリューチェーン 大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 1. 経営戦略手法 > (3) 事業戦略 要点カード No.004 ●バリューチェーン この図は、次のWebページ中のものです。 http://www.itmedia.co.jp/im/articles/0502/22/news111.html ※ バリューチェーン 企業の活動を、5つの「主活動」と3つ の「支援活動」に分解する。これら 個々の活動単位が、価値を生み出す 主体となる。前工程のアウトプットが、 後工程のインプットになり、連鎖的に 加工が行われる。それぞれの活動に はコストがかかる。バリューチェーン 全体が生み出す価値と、このコストと の差が、マージンである。 バリューチェーン分析 企業が行う事業活動を、役割ごとに 分解することで、自社のどの部分に 強みと弱みがあるか、識別しやすい。
  • 19. QC7つ道具 大分類9:企業と法務 > 中分類22:経営活動 > 2. OR・IE > (7) 品質管理手法 要点カード No.005 ● 発生した不良の原因を追究し、その原因を除去することで、工程の改善を図っていく(解析アプローチ) この図は、次のWebページ中のものです。 http://news.mynavi.jp/column/itpass/007/ ※
  • 20. 新QC7つ道具 大分類9:企業と法務 > 中分類22:経営活動 > 2. OR・IE > (7) 品質管理手法 要点カード No.006 ● 複雑にからみあった要因を予測して、因果関係を整理する(設計的アプローチ) 親和図法(KJ法) 連関図法 系統図法 PDPC法 アローダイヤグラム法 マトリックス図法 マトリックスデータ解析法 数値データを2次元に展開し、問題の原因をわかりやすくする。 目的・現象と手段・要因の 対応関係を整理する(相互 の関連の程度を知るなど)。 問題などが生じた場合の対応 策を事前に検討しておく。 PERTのこと目的と手段を多段階に展開する因果関係を明確にし、 解決すべき問題の原因を探る 親和傾向のあるデータをグループ 化し、共通点を導き出したり、新し い発想を考えたりする。 これらの図の一部は、次のWebページのものです。 http://www.itec-int.co.jp/isop/Products/sakuzu.html ※
  • 21. 競争優位性とシナジー 大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 1. 経営戦略手法 > (1) 経営戦略 要点カード No.007 ●競争優位性・・・マネのできない強み(競争者に対して築く独自性) 企業の持続的な競争優位性の源泉 → コアコンピタンス(中核能力) → 競争優位性を維持するには、容易に模倣できないことが必要である。 コアコンピタンスの3つの要件 (1) さまざまな市場へアクセスする可能性を生み出す (2) 最終製品が特定の顧客の利益に重要な貢献をする (3) 競合他社が模倣することが困難である 長期間かけて蓄積されてきた 技術、スキル、知的財産などである ●シナジー・・・相乗効果 (1) 販売シナジー → 販売経路、販売組織、販売促進手法などの利用により生じる (2) 生産シナジー → 生産設備、技術ノウハウなどの利用により生じる (3) マネジメントシナジー → 経営管理能力により生じる 範囲の経済・・・複数の事業を展開することによって、それぞれの事業を独立で営むときよりも、より経済的な 事業運営が可能になること(販売チャネル、設備、ブランド、知識、ノウハウなどが得られる) 規模の経済・・・生産量が大きいほど、製品の単位当たりのコストが低下する効果のこと(固定費が分散される) 経営戦略 → 競争優位性とシナジーを追究していくこと。 似ている 対比
  • 22. 環境分析 / ポジショニング 大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 2.マーケティング > (1) マーケティング理論 要点カード No.008 マーケティング戦略 環境分析 セグメンテーション ターゲティング ポジショニング マーケティングミックス 自社の経営資源(ヒト、モノ、カネなど) 競合分析(Competitor) 顧客分析(Customer) 自社分析(Company) 顧客や消費者 競合他社の動向、経営資源 ◆3C分析 市場を細分化する 狙いとするセグメント を選択する 消費者の中における 位置づけを決める ・競合製品との対比 ・自社の製品ラインでの位置づけ → カニバリゼーション(共食い)を起こさないように注意する。 知覚マップ 2軸を選び、知覚マップを作成する ◆マーケティングリサーチ(市場調査) ・データの収集方法 → 質問法、観察法、実験法 ・データの分析 → サンプリング(有意抽出、無作為抽出など)など ・データの種類 ・1次データ・・・新たに収集されたオリジナルのデータ ・2次データ・・・既存のデータ(公開されている資料などから抽出)
  • 23. M&A 大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 1. 経営戦略手法 > (2) 全社戦略 要点カード No.009 ●経営権の移転の伴うM&A(Mergers & Acquisitions) • 合併  吸収合併  新設合併 • 買収  株式買収 • 既存株主から • 株式交換  資産買収 • 事業譲渡 TOB(Take Over Bid) • 特定企業の支配権の取得又は拡大を目的として、 一定期間内に一定の価格で買い取ることを公示 して、大量の株式を取得すること MBO(Management Buy Out) • 企業内部で経営に携わっている経営者が、企業 の所有者から株式などを買い取り、経営権を取 得すること • MBI(Management Buy In) • 経営者が社外の第三者(マネジメントチームなど) に株式を買い取らせ、経営を引き継いでもらうこと LBO(Leveraged Buy Out) • 買収対象企業の資産又は将来キャッシュフロー を担保に資金を調達して買収すること EBO(Employee Buy Out) • 企業の従業員が事業を買収したり、経営権を取 得すること 敵対的M&A 他の企業の経営陣の意思に反し、株主の 同意を得たM&A ⇒ 防止策  ポイズンピル 買収者以外の株主に新株が発行される  クラウンジュエル 魅力的な事業を譲渡するなどし、買収者の 意欲をそぐ  ゴールデンパラシュート 解任される取締役に多額の退職金を支払う ように決めておく  ホワイトナイト 友好的な企業や投資家に買収をしてもらう 友好的M&A 他の企業の経営陣の同意を得たM&A
  • 24. 企業価値の算定 大分類9:企業と法務 > 中分類22:企業活動 > 3. 会計・財務 要点カード No.010 ■平成24年度 秋期 応用情報技術者試験 午後試験 問2 を題材として ●収益還元価値法 諸資産 (時価) 1,400 諸負債 (時価) 600 ×15% → 株主資本 (800) 諸資産 (時価) 1,400 諸負債 (時価) 600 X社の資産と負債(表2) 株主資本 (800) 利益 120 ÷10% → 企業価値 1,200 ●純資産法 X社の資産と負債(表2) → 企業価値 800 株主資本 利益率 資本 還元率 ●折衷法 2つ以上の方法を選択し、 それらの平均値とする方法 ●株価基準法=1株当たりの時価×発行済株式数 → すべての株式を購入でき、会社を自分のモノにできる金額 ●DCF法=予想将来獲得キャッシュフローの現在価値 左図の例では、 (1,200+800)÷2=1,000 同業他社は、120の利益を あげるのに、1,200の資本 が必要 → 収益力がある分 800に上乗せて評価する 同種企業平均
  • 25. 吸収合併の会計処理 大分類9:企業と法務 > 中分類22:企業活動 > 3. 会計・財務 要点カード No.011 ■平成24年度 秋期 応用情報技術者試験 午後試験 問2 を題材として ●合併比率(交換比率)の算定 400万株 X社株主 180万株 Y社株主 X社 Y社 ●吸収合併 吸収 X社株式 144万株 X社 株主へ ●会計処理 → パーチェス法 ・X社は360億円分の新株を交付した → 株主資本が360億円増える ・一方で、Y社の諸資産500億円、諸負債200億円を受け取った → これらの差額を「のれん」として計上する ・300億円のY社を360億円で買ったのは、Y社に300億円以上の 価値(販売力や技術力など)があったから ・この「目に見えない何かいいもの」が「のれん(無形固定資産)」 1,200 +500 500 +200 700 +360 X社のB/S 60 1,000億円 400万株 X社(存続会社) 360億円 180万株 Y社(消滅会社) 企業の価値 発行済株式数 1株あたりの価値 合併比率 25,000円 1 20,000円 0.8 1株の価値が、「1:0.8」であるということ