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- 4. 14.2 双対定理と相補性
• 定理14.2 (弱双対定理)
• 𝒙 = (𝑥1, … , 𝑥 𝑛)と𝒚 = (𝑦1, … , 𝑦 𝑚)がそれぞれ主問題と双対問題の実行可能解な
らば、以下の不等式が成立する
Σj=1
n
cjxj ≥ Σ𝑖=1
𝑚
𝑏𝑖 𝑦𝑖
• 証明
• 𝒚は双対問題の実行可能解であり、𝑥𝑗は全て非負数であるので
Σ𝑗=1
𝑛
𝑐𝑗 𝑥𝑗 ≥ Σ𝑗=1
𝑛
Σ𝑖=1
𝑚
𝑎𝑖𝑗 𝑦𝑖 𝑥𝑗
である。同様に𝒙は主問題の実行可能解であり、𝑦𝑖は全て非負数であるので、
Σ𝑖=1
𝑚
Σ𝑗=1
𝑛
𝑎𝑖𝑗 𝑥𝑗 𝑦𝑖 ≥ Σ𝑖=1
𝑚
𝑏𝑖 𝑦𝑖
である。今、Σ𝑗=1
𝑛
Σ𝑖=1
𝑚
𝑎𝑖𝑗 𝑦𝑖 𝑥𝑗 = Σ𝑖=1
𝑚
Σ𝑗=1
𝑛
𝑎𝑖𝑗 𝑥𝑗 𝑦𝑖なので、定理が得られる
- 5. 14.2 双対定理と相補性
• 定理14.1 (LP双対定理)
• 主問題が有界な最適解を持つための必要十分条件は双対問題が有界な最適解
を持つことである。さらに、𝒙∗ = (𝑥1
∗
, … , 𝑥 𝑛
∗ )と𝒚∗ = (𝑦1
∗
, … , 𝑦 𝑚
∗ )がそれぞれ主
問題と双対問題の最適化ならば、以下が成立する
Σj=1
n
cjxj
∗
= Σ𝑖=1
𝑚
𝑏𝑖 𝑦𝑖
∗
• 後半について
• 今、f = Σj=1
n
cj 𝑥𝑗、g = Σ𝑖=1
𝑚
𝑏𝑖 𝑦𝑖とする
• 弱双対定理よりΣj=1
n
cjxj ≥ Σ𝑖=1
𝑚
𝑏𝑖 𝑦𝑖なので、
𝑓 ≥ 𝑔∗
𝑓∗
≥ 𝑔
• これはfが𝑔∗
で下から抑えられており、gが𝑓∗
で上から抑えられているという
こと
• よって、𝑓 = 𝑔∗
𝑓∗
= 𝑔であれが、それぞれfとgが最大値、最小値
- 6. 14.2 双対定理と相補性
• 定理14.3(相補条件)
• 𝒙 = (𝑥1, … , 𝑥 𝑛)と𝒚 = (𝑦1, … , 𝑦 𝑚)がそれぞれ主問題と双対問題の実行可能解とする。こ
の時、 𝒙と𝒚がそれぞれ主問題と双対問題の最適化いであるための必要十分条件は、
以下の2つの条件が成立すること
• 主相補条件:各1 ≤ 𝑗 ≤ 𝑛に対して、𝑥𝑗 = 0またはΣ𝑖=1
𝑚
𝑎𝑖𝑗 𝑦𝑖 = 𝑐𝑗
• 双対相補条件:各1 ≤ 𝑖 ≤ 𝑚に対して、𝑦𝑖 = 0またはΣ𝑖=1
𝑚
𝑎𝑖𝑗 𝑥𝑗 = 𝑏𝑖
• 説明
• LP双対定理より
• 𝑐𝑗 𝑥𝑗
∗
= (Σ𝑖=1
𝑚
𝑎𝑖𝑗 𝑦𝑖
∗
)𝑥𝑗
∗
, 𝑗 = 1, … , 𝑚
• Σ𝑗=1
𝑛
𝑎𝑖𝑗 𝑥𝑗
∗
𝑦𝑖
∗
= 𝑏𝑖 𝑦𝑖
∗
, 𝑖 = 1, … , 𝑛
• これより、
• (Σ𝑖=1
𝑚
𝑎𝑖𝑗 𝑦𝑖
∗
− 𝑐𝑗)𝑥𝑗
∗
= 0, 𝑗 = 1, … , 𝑚
• Σ𝑗=1
𝑛
𝑎𝑖𝑗 𝑥𝑗
∗
− 𝑏𝑖 𝑦𝑖
∗
= 0, 𝑖 = 1, … , 𝑛
• よって、定理が成立する
- 7. 14.3 最大フロー問題の
線形計画問題としての定式化
• 隣接行列をA, フローをx, 容量をuとする。また、ノード数n、
エッジ数mとする
• 終点から始点へのフローxm+1を足し、その隣接行列をA’, フ
ローをx’とする
• 最大フロー問題は正準系で表すと以下の通りにかける
𝑚𝑖𝑛𝑖𝑚𝑖𝑧𝑒 −𝑥 𝑛+1
𝑠𝑢𝑏𝑗𝑒𝑐𝑡 𝑡𝑜 𝑨′ 𝒙′ ≥ 𝟎
−𝑰𝒙 ≥ −𝒖
𝒙 ≥ 𝟎
- 9. 14.3 最大フロー問題の
線形計画問題としての定式化
• 双対問題であることの確認
• 主問題の定式化より
• 𝑖 = 1, … , 𝑛 𝑗 = 1, … , 𝑚 + 1
• 𝑐𝑗 = 0 𝑗 ≠ 𝑚 + 1 , 𝑐𝑗 = −1 𝑗 = 𝑚 + 1
• 𝑏𝑗 = −𝑢𝑗 𝑗 ≤ 𝑚 𝑏𝑗 = 0(ただし、um+1=0)
• 𝑏𝑖 = 0
• 𝑎𝑖𝑗 = −1 (ただし、j<m+1)
• 𝑎𝑖𝑗 = 𝑎𝑖𝑗
′
• これを、双対問題の定式に代入する
• 𝑎𝑖𝑗において、 𝑎𝑖𝑗
′
の部分にかかる変数をp、-1の部分で変数dと分ける
𝑚𝑎𝑥𝑖𝑚𝑖𝑧𝑒 − 𝒖 𝑻
𝒅
𝑠𝑢𝑏𝑗𝑒𝑐𝑡 𝑡𝑜 𝑨 𝑻
𝒑 − 𝑰𝒅 ≤ 𝟎
Σ𝑖=1
𝑚
𝑎𝑖𝑚+1
′
𝑝 𝑚+1 ≤ −1
𝒑 ≥ 𝟎
𝒅 ≥ 𝟎
- 11. 14.4最小費用フロー問題の線形計画問題
としての定式化
• 隣接行列をA, フローをx, 容量をu, コストをcとする。また、
ノード数n、エッジ数mとする
• 流量をKとして、 𝒃 = (𝐾, −𝐾, 0, … , 0)のn次元ベクトルとする
• ただし、n=1が入り口, n=2が出口
• 最小費用フロー問題は、以下のように定式化できる
𝑚𝑖𝑛𝑖𝑚𝑖𝑧𝑒 𝒄 𝑻
𝒙
𝑠𝑢𝑏𝑗𝑒𝑐𝑡 𝑡𝑜 𝑨𝒙 = 𝒃
𝟎 ≤ 𝒙 ≤ 𝒖
• ただし、c=>0
- 12. 14.4最小費用フロー問題の線形計画問題
としての定式化
• さらに一般化を行う
• フローの需要をqとし、ck<0も許容する
• さらに、𝑏𝑖 ≠ 0 (𝑖 ≠ 1,2)を許容する
• bi>0は供給点で、 bi<0は需要点
• この時、最小費用下界付きフロー問題は以下のように定式化できる
𝑚𝑖𝑛𝑖𝑚𝑖𝑧𝑒 𝒄 𝑻 𝒙
𝑠𝑢𝑏𝑗𝑒𝑐𝑡 𝑡𝑜 𝑨𝒙 = 𝒃
𝒒 ≤ 𝒙 ≤ 𝒖
• ただし、Σ𝑖
𝑛
𝑏𝑖 = 0
• この一般化した最小費用下界付きフロー問題の線形計画問題への定式化は、変数
変換によって、最小費用フロー問題にできる
• 𝒃 = 𝟎の時、最小費用循環フロー問題という
• 最小費用フロー問題にt->sの辺を足し、容量K, 下限0, 費用-M(Mは十分大)とする