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北海道地理空間フォーラムin札幌2018-07-19_第6分科会 「林業」講演1「北海道における森林GISとオープンデータの取組事例について」喜多耕一氏
- 1. 2018.7.19 地理情報フォーラム in 札幌(林業セッション)
北海道における森林 GIS とオープンデータの取組事例
北海道総合政策部情報統計局情報政策課 IoT 推進グループ 喜多 耕一
1. 北海道の森林 GIS 事情
(ア) 北海道の森林
北海道の森林は 550 万 ha、国有林 60%(300 万 ha)、道有林 10%(60 万 ha)、一般⺠有林 30%
(190 万 ha)
(イ) 北海道林務部局の GIS
北海道の林務部局の GIS は、たくさんある。
⺠有林森林 GIS(ArcGIS)、道有林森林 GIS(ArcGIS)、治山事業地図情報システム(SIS)、林道
管理地図情報システム(SIS)、山地災害危険地区システム(MAGIS)など
(ウ) GIS ではデータが一番大事
GIS ソフトは何でもいい。一番ダメなのが、特定のソフトウエアでしか使えないデータ。そのソフ
トが使えなくなったらデータも使えなくなる。
GIS ではデータが一番大事。どの GIS でも将来的にも使える汎用データにすることが重要。
(エ) 北海道の森林室での QGIS の普及
道有林を管理する森林室では、フリーオープンソースの QGIS を業務に使っている。かつては職場
に 1 台しか GIS が無かったため、GIS を使う人が限られていた。しかし、職員自らの研修会や業務
への利用推進で、今は QGIS が無ければ業務ができないくらいになっている。
事業者との図面のやりとりも、GIS データで⾏うことで作業が効率化。
2. 北海道の森林情報のオープンデータ
(ア) オープンデータとは?
国や地⽅自治体、⺠間などが持つデータを、⼆次利用できるライセンスで公開したもの。機械判読
しやすい形のフォーマットだと、利用しやすい。(PDF より Excel、CSV、生の GIS データ)
(イ) 官⺠データ活用推進基本法
平成 28(2016)年 12 月に施⾏された法律で、国や地⽅自治体のデータ利活用について書かれて
いる。国や都道府県は、データ利活用のための計画樹⽴を義務化されている(市町村は努⼒義務)。
また、国や地⽅自治体の持つデータは基本的にオープンデータとすることとし、自治体のオープン
データを義務化している。
(ウ) 北海道の森林情報がオープンデータに
北海道の森林情報は、平成 28 年 8 月から GIS で使えるシェープファイル、GoogleEarth で使える
KML ファイルがオープンデータとして公開されている。⺠有林と道有林で別のページで公開されて
いる。(検索ワード:北海道森林計画関係資料、道有林森林資源情報)
- 2. 全国では、静岡県、群馬県に続き 3 例目。
今後は、森林情報のほかに林道などの路網データ、防災情報の山地災害危険地区データなどのオー
プンデータ化を計画。
(エ) オープンデータは正確で無ければいけないか?
データは正確であることは大事。しかし、100%正確で無ければ公開できないかと言えばそれは違
う。そもそもホームページに載っている情報はすべて正確か?
オープンデータにして広く使ってもらうことで間違いの発⾒もあるかも知れない。間違いを許容す
ることが必要。また、間違いがあったときに報告できる仕組みが必要。
(オ) オープンデータは様々なところで利用される
森林情報をオープンデータにすることで、様々なところで利用されている。
市町村、森林組合、森林調査コンサルタント、大学など。
オープンデータにする前には、CD-R 等にコピーし、市町村などに配布していた手間も削減。
また、データをうまく加工すれば、WebGIS に表示することができ、「ひなた GIS」でも北海道の
森林情報を表示可能に。
GIS データを Web で地図化するのに、業者に頼めば数百万円の開発費がかかるところが、すべて
無料で情報の⾒える化、地図化ができる。
(カ) 国有林のオープンデータ化に期待
官⺠データ活用推進基本法では国のデータもオープンデータにするべきと定めている。国のデータ
は、オープンデータを公開している Web サイト「DATA GO JP」、「RESAS」、「e-stat」、「G 空間情
報センター」などで様々なデータを公開している。
国有林の森林情報もオープンデータで公開されれば、幸せになる人たちは大勢いる。国有林の森林
情報のオープンデータ化に期待したい。
以上