WikiMediacommonsへの伊丹市酒造り歌の市民参加型オープンデータデジタルアーカイブ青木 和人(オープンデータ京都実践会・京都府立大学)
Miya.M(オープンデータ京都実践会)
三皷 由希子(古書 みつづみ書房)
これまで地域の歴史・文化情報のデジタルアーカイブは,期限付きの大学、研究機関の研究事業や国や地方自治体の地域情報化実証実験事業として行われることが多かった。そのため、デジタルアーカイブのデータプラットフォームの構築や維持は、それらの事業予算により行われている。そのため,研究期間や実証実験期間が終了して予算がなくなると、これらのデジタルアーカイブプラットフォームは消滅し、多くの地域の人々の協力により作成されたデジタルアーカイブ自体も消滅してしまっている。
そこで本研究では,インターネット百科事典ウィキペディアと同じく、現在,最も知られているオープンデータプラットフォームであるWikiMediacommonsに着目した。そして、兵庫県伊丹市を対象とした酒造り歌を伊丹市立図書館ことば蔵における市民活動「いたみアーカイ部」にて、市民参加型でWikiMediacommonsにデジタルアーカイブする試みを実施し、その意義について考察した.
その結果、ウィキメディア財団が全世界からの寄付で運営しているWikiMediacommonsをデジタルアーカイブプラットフォームとすることで、費用をかけない永続的なデジタルアーカイブをオープンデータとして実現し、市民主体の地域文化情報のデジタルアーカイブ手法を提示することができた。